離婚調停は基本的に弁護士に依頼をしなくても、当事者が自分で手続きを行い申し立てることができます。しかし、いざ自分一人で離婚調停を行うと思っても、詳細な手続きが分からなかったり、相手方としっかり交渉できるか不安で、弁護士をつけるべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は離婚調停を弁護士に依頼した方がいいのかという点について、依頼するメリットも含めて紹介していきます。離婚調停を検討しており、弁護士に依頼した方がいいのか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

離婚調停は弁護士に依頼すべき?

結論から言うと離婚調停で弁護士をつけた方が良いケースは多々あります。

基本的に離婚調停自体は弁護士をつけなくても当事者だけで対応できる制度設計となっています。また、調停は基本的に話し合いとなるため、話し合いがまとまらずに双方の合意が形成されなければ、強制力なども生じず、必ずしも弁護士をつけたら有利な結果になるとは言えません。

しかし、弁護士に依頼することで調停委員への説得を行ってくれたり、今後裁判になった場合を踏まえながら調停の方針を決められるなど、様々なメリットが存在します。さらに、調停室に入ることができるのは原則として本人と弁護士のみとなるため、 弁護士をつけていない場合は1人で調停室でやりとりを行わなければならず、精神的にも負担がかかります。

また、相手方が弁護士をつけてきた場合などは、法的な主張に対して当事者だけで対応するのが難しいため、こちらも弁護士を付けた方が良いでしょう。(関連:離婚相手が弁護士を立てた時の対処法と注意点

このように、離婚調停で弁護士をつけた方がいいケースやメリットが多く存在します。

離婚調停を弁護士に依頼する4つのメリット

それでは実際に離婚調停を弁護士に依頼すると得られる4つのメリットを解説していきます。具体的には以下の4点がメリットとして挙げられます。

依頼者に有利な展開で交渉を進めやすい

まず1点目のメリットが、依頼者に有利な展開で交渉を進められる可能性があるという点です。離婚調停は調停委員と話し合いをすることになりますが、弁護士を代理人とすることにより、調停委員に対して交渉の本気度合いをアピールできます。

また、依頼した弁護士は、調停の際に有効な証拠をまとめ、依頼者の望む結果に繋がるよう活動をしてくれます。具体的には、離婚や慰謝料を請求するために、どのような証拠を集めたらいいか的確にアドバイスをもらえるなど、依頼者にとって有利に話し合いを進められるよう取り計らってくれます。

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弁護士が調停委員との交渉を代行してくれる

2点目のメリットが、弁護士が調停委員との交渉を代行してくれることです。調停の場面において、弁護士であれば依頼者の代理人として出席することができます。一般的な夫婦では裁判経験のある人は少ないため、弁護士をつけずに当事者自らが自分の意見をしっかりと主張することは難しいでしょう。

弁護士を代理人とすることで、調停委員に対して弁護士が、依頼者側の主張を筋道を立てて情報や証拠を的確に示しながら伝えてくれます。弁護士がいるのといないのとでは交渉のしやすさが変わってきます。

離婚調停に関わる煩わしい手続きを代行してくれる

3点目のメリットが、弁護士に依頼することで、離婚調停に関わる手続きを代行してくれるため、煩わしい手間を省くことができます。離婚調停を申し立てるためには、申立書を始め戸籍謄本や陳述書、裁判で提出する証拠などを準備する必要があり、準備に多くの手間がかかります。

また、自分一人で手続きを行う場合、書類の書き方等も調べながら行うため、多くの時間を費やすことになるでしょう。こういった手間を弁護士に依頼することですべて省くことができるため、離婚調停を有利に進めるための対策に集中することができます。

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精神的負担を軽減できる

4点目のメリットが、弁護士に交渉などを代行してもらうことで、精神的な負担を軽減できるのも大きなメリットとなります。特に日々の仕事や家事育児をしながら、相手方と対立する調停を進めるのには予想以上に精神的負担がかかるものです。

弁護士に依頼すれば、自分の味方がいるという精神的な安心感を得やすいことに加え、離婚調停で不安な点を随時確認することができるため、万全の状態で離婚調停に臨むことができます。調停時にも、相手の主張や提案に対してその場で弁護士からアドバイスを受け、即座に対応することができるため、安心して離婚調停での交渉を進められるでしょう。

離婚調停の弁護士費用の相場

離婚調停を弁護士に依頼した際の費用は、依頼する弁護士によって異なってきます。弁護士の報酬体系としては着手金+報酬金としているケースが多くなっています。以下の表は離婚調停を依頼した際の大体の弁護士費用の相場です。

離婚調停の弁護士費用相場
相談料 30分5,000円
着手金 30~50万円
報酬金 20~50万円+経済的利益の10~20%
日当 3~5万円

離婚調停の際の弁護士費用は、弁護士事務所のホームページなどで目安の料金が公開されているため、どのくらいの費用がかかるかあらかじめ確認することができます。

最近では無料相談を実施している弁護士事務所も多いため、一度無料相談に伺い、依頼するとどのくらいの費用がかかるか見積もりを出してもらうことをおすすめします。当事務所も無料相談を受け付けていますので、ご希望の方は「無料相談はこちら」からお気軽にご相談ください。

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離婚調停を成功させる弁護士の選び方

離婚調停を成功させるためには、どういう弁護士に依頼するかも重要な要素となります。ここでは離婚調停を成功させるための弁護士の選び方について以下のポイントから解説します。

離婚調停の取扱い実績が豊富であるか

離婚調停を成功させるためには、離婚調停を得意とする弁護士を選ぶことが大切です。法律事務所のホームページなどで離婚調停の取扱い実績が多いかどうかである程度判断することができます。

特に、離婚問題に特化したホームページを持っている弁護士事務所や、離婚問題について詳しく解説した記事を多数掲載している弁護士事務所などでは、離婚問題に注力している場合が多く、解決実績も豊富な可能性が高いです。

専門的な話をわかりやすく解説してくれるか

専門的な話をわかりやすく解説してくれるかという点も弁護士を選ぶ点では重要です。離婚問題に関する法律の話は、専門用語なども多く理解しづらい話もするケースが多くなります。

こういった法律の話や専門用語などを分かりやすく説明してくれる弁護士を選びましょう。

不利な事情等でもしっかり説明してくれるか

依頼者にとって不利な事情等もしっかり説明してくれる弁護士を選びましょう。例えば、相手が不貞行為に及んだという証拠がどうしても手に入らない場合、「慰謝料は請求できない可能性がありますが、離婚と親権はしっかりと確保しましょう」などのように、不利な状況でも最善の策を提示してくれる弁護士の方が、結果的には話し合いがうまくまとまる可能性があります。

こうした不利な状況を説明せずに、「必ず希望通りになります」というような弁護士に依頼してしまうと、納得いく結果が得られずに後悔する可能性が高くなってしまいます。

まとめ

離婚調停を弁護士に依頼することで、交渉を有利に進められる可能性があったり、精神的な負担を軽減できるなど多くのメリットが存在します。弁護士に依頼すると当然ながら依頼費用はかかりますが、最近では無料相談を実施している弁護士事務所も多くあります。

まずは無料相談を利用し、弁護士費用がいくらかかるか、親身に対応してくれる弁護士かを判断してから依頼することをおすすめします。