別居している夫婦で夫が離婚を希望していても、妻が離婚したがらないというケースがあります。すでに別居している状態から離婚する場合、引っ越しの必要もなく、環境が変わるわけでもないのに妻が離婚を拒否する理由がわからず、どう対処したらいいのかわからないという夫は少なくありません。

別居して婚姻関係が破綻しているのに、なぜ妻は離婚してくれないのでしょうか。そんな妻の心理を考察し、離婚するためにとるべき対処法を詳しく解説します。

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離婚を拒否しつづける妻とは離婚できない?

結論から言えば、別居中に離婚を拒否しつづける妻と離婚することは可能です。ただし、夫婦のどちらか一方が離婚を頑なに拒否しつづけている場合、離婚協議は難航します。話し合いをどれだけ続けても解決の糸口が見えず、このままずっと離婚できないのかと悩む方も少なくありません。

協議による離婚が難しい場合は、調停を申し立て、第三者を交えながら離婚の話し合いを進めていくことになります。調停でも離婚が難しい場合は、最終的に裁判による判決で離婚できるかどうかが決まります。

別居期間が長期に渡っている場合は、裁判でも離婚が認められる可能性が高く、離婚成立まで時間は掛かってしまいますが、最終的に妻との離婚は認められるでしょう。

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別居中の妻が離婚に応じない理由4つ

そもそも、夫婦関係が破綻して別居しているにもかかわらず、なぜ妻は離婚を拒むのでしょうか。その理由を考察してみましょう。

夫が許せない、自由にさせたくない

夫が家族を見捨てて浮気したり、一人身になったりしている姿を見て納得がいかず、離婚を拒否することがあります。ありがちなのが、不倫した夫からの離婚の申し出に対し、妻が復讐のつもりで離婚を拒否するケースです。

ここで離婚に応じたら夫と不倫相手の思うつぼになります。離婚後、夫と不倫相手がすぐに再婚するかもしれないからです。離婚で夫は幸せになったのに対し、妻は一人になるのは不公平で許せない気持ちが出てくるものです。夫に対する愛情がなくても、夫と不倫相手を困らせようと意固地になって離婚を拒否するかもしれません。

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世間体を気にしている

今は、国内の夫婦のうち3組に1組が離婚する時代です。離婚自体はそこまで珍しいものではなくなりましたが、地元のコミュニティーや職場に知られることにどうしても抵抗があり、離婚に応じないケースもあります。

離婚したことを知った人から「なんで離婚したの?」「浮気でもされたの?」など、あれこれ詮索されるのが嫌になるかもしれません。特に女性は離婚歴があると再婚が難しくなるのが一般的です。ほかにも離婚で苗字が変わったことで離婚したことがすぐにわかってしまうことも、離婚を拒む原因にもなりえます。

子どものため

母親が「親が2人揃わなきゃ子どもが可哀想」と考えているケースです。離婚によって親権者が母親になった場合、母親と同じ苗字に変更する手続きが必要になります。学校に通っている子どもにとって、苗字が変わることは強い抵抗があるのは言うまでもありません。

友達からも「親が離婚したんでしょ」とから言われたりすることもあるでしょう。ほかにも「離婚すると金銭面で苦労をかけてしまうから」という理由で離婚をしたがらないことがあります。これは妻側に子どもを養うだけの収入がなく、離婚後に子どもの進学や習い事を諦めさせることのないようにするためと考えられます。

婚姻費用をもらい続けるため

婚姻費用は、婚姻中の夫婦が生計を維持するために必要ないわば「生活費」です。結婚していればたとえ別居中であっても、生計を維持している配偶者に対して婚姻費用を請求できます。

しかし、離婚したら婚姻費用はもらえません。今までもらえた婚姻費用の分を自分で働いて稼がなければなりません。数万単位でいきなり収入を増やすことが難しく、婚姻費用がなければ生計を立てられない場合に離婚を拒むことがあります。

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別居しても離婚しない妻の対処法

頑なに離婚したがらない妻をどう説得し、離婚に同意してもらうべきでしょうか。夫がとるべき対処法についてご紹介します。

離婚の条件を譲歩する

妻が離婚を拒む理由を聞き、譲歩できるところは譲歩して離婚に気持ちが傾くように説得する方法があります。例えば、離婚後の金銭面での不安がある場合は、財産分与で妻の希望を考慮した金額を支払うか、養育費をやや高めに設定するなど、妻が離婚してもいいと思えるような条件を考えておくのです。

ほかにも、離婚後の住まいや仕事、子どものことなど妻が離婚を拒否する理由とその解決策を提示し、話し合いを進めてみましょう。

調停を申し立てる

話し合いでの解決ができない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。離婚協議をしたものの、夫婦間で折り合いがつかず、話し合っても埒が明かないと判断した場合や、妻が断固として離婚を拒否していて話し合いにならない場合に調停を申し立てます。

離婚調停では、裁判所の調停員が夫婦双方の話をよく聞いた上で、夫婦が納得のいくかたちで離婚できるよう調整します。協議離婚が難しいと判断したらすぐに調停を申し立てることもあります。

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裁判での離婚

調停でも双方ともに折り合いがつかなかった場合は、裁判で離婚を争います。裁判で認められる離婚原因は次の5つで「法定離婚事由」と呼ばれています。

  1. 配偶者に不貞行為があった
  2. 配偶者から悪意で遺棄された
  3. 配偶者が3年以上の生死不明
  4. 配偶者が重度の精神病にり患し、回復の見込みがない
  5. その他、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

裁判で離婚する場合、上記のいずれかに該当すれば離婚できる可能性があります。別居中の妻が離婚してくれない場合、5の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するとされ、後述する「別居期間」が裁判で離婚するうえで大変重要な要素となります。

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弁護士に相談する

別居中の妻と離婚協議が進展しないときは、離婚問題に詳しい弁護士に相談するのが一番現実的です。弁護士は法律の専門家であり、交渉のプロフェッショナルです。離婚を拒む妻に対して、法的根拠に基づいた主張を展開できます。

夫婦で折り合いがつかない条件を弁護士がくみ取り、双方に納得のいく条件を提案できるので、調停や裁判よりも早期の解決ができます。調停や裁判になる前に、離婚協議の段階から相談し、妻に離婚に応じてもらうためのより具体的な対処法を弁護士に相談すると良いでしょう。

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自分が有責配偶者の場合は離婚が認められない?

有責配偶者とは、夫婦関係が破綻したきっかけを作った側です。浮気やDV、生活費を入れないなどにより夫婦関係を破綻させた配偶者は、原則として離婚を請求できないのが一般的でした。しかし、最近の傾向として有責配偶者からの離婚の申し出を認める判例も出てくるようになりました。具体的には、

  • 長期間の別居(判例によって異なりますが6~10年以上は必要)
  • 未成熟の子がいない(親の扶養に入っている子がいる場合は母親の負担が大きくなることを考えて認められません)
  • 離婚した場合に相手側が過酷な状況に置かれないこと(離婚により妻が極端に生活水準が下がらない、など)

が挙げられます。そのため、「有責配偶者からの離婚は認められない」とは一概には言えず、事案によって異なるのが実状です。

有責配偶者とは|有責配偶者になる原因と離婚できるケース

まとめ

妻が離婚に応じない理由と対処法を紹介しました。夫婦間で離婚の話し合いをしたくても、相手が離婚に応じないどころか、話し合いすら真っ向から拒否することがあるため、当事者間で解決するのは至難の業かもしれません。

そこで、法律に詳しい弁護士に相談し、妻との交渉を代行してもらうことをおすすめします。今まで話し合いにならなかった離婚協議が進展するケースもあります。協議が整わなければ調停、裁判になっても弁護士のサポートを受けられます。お気軽にご相談ください。