略式命令とは?|略式起訴・略式裁判・即決裁判との違いも含めて解説

ニュース等で「罰金〇〇万円の略式命令」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。本記事では略式命令とは一体何?どのような時にだされるの?等の疑問にお答えすべく、解説します。

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略式命令とは

略式命令とは何か、略式命令はどこが発するのか、命令できる条件は何か等について以下詳しく説明します。

 

略式命令の概要

略式命令とは、簡易裁判所が正式裁判によらずに簡易な手続で発する命令のことです。

全ての刑事事件を正式裁判で裁くと膨大な数になります。公開の法廷で裁判をするまでもないような事案が明白で簡易な事件の場合には、被疑者の同意を得て簡易な手続で終了する方が被疑者・裁判所両者に都合がよいとして考えられた手続が略式手続です。

検察官の略式起訴により簡易裁判所が罰金以下の刑を科す処分が略式命令です。

 

略式手続とは

略式命令は、被疑者が100万円以下の罰金または科料にあたる罪を犯したとして検察官が簡易裁判所に略式起訴した刑事手続きにおいて、簡易裁判所が発する命令のことです。

刑事訴訟法第461条 簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄の属する事件について、公判前、略式命令で、100万円以下の罰金又は科料を科すことができる。

引用:e-GOV法令検索

略式手続の条文には以下の6つの条件が記載されています。

  • 略式命令を出す主体は簡易裁判所です。
  • 略式命令を出すよう簡易裁判所に請求するのは検察官です。
  • 当該簡易裁判所の管轄に属する事件についてしか略式命令は出せません。
  • 略式命令は公判(正式な裁判)の前に限り出せます。
  • 判決ではなく、略式命令を出します。
  • 科せる刑罰は100万円以下の罰金または科料に限ります。

 

略式命令で科せる刑罰

100万円以下の罰金または科料と定められています。

刑法第15条 罰金は、1万円以上とする。ただし、これを減軽する場合においては、1万円未満に下げることができる。

引用:e-GOV法令検索

罰金の下限は1万円なので、略式命令では、1万円以上100万円以下の罰金を科すことができます。

 

科料は、1000円以上1万円未満の金銭の刑罰のことです。

刑法第17条 科料は、1000円以上1万円未満とする。

引用:e-GOV法令検索

 

略式命令で科せる刑罰は、1000円以上100万円以下の金銭の納付です。

 

(補足)即決裁判手続とは?(刑事訴訟法第350条の2)

正式裁判に近いながらもスピーディーな手続で進める、即決裁判という手続きがあります。

簡単に言うと、正式な刑事裁判に比べて早期に初回の公判期日を開き、原則としてその日のうちに判決を行う手続きです。

 

即決裁判手続をするための要件は以下8つです。

  • 殺人、放火等の重大な事件を除いた比較的軽い事件である
  • 事案が明白かつ軽微である
  • 被疑者の同意がある
  • 検察官が即決裁判申立てをするという文言を記載した起訴状を裁判所に提出する
  • 起訴後原則として14日以内に公判期日が開かれる
  • 冒頭手続きで被告人が有罪である旨陳述をする
  • 初回の公判期日に判決を言い渡す
  • 懲役または禁錮刑が言い渡される場合には必ず執行猶予付きの判決を言い渡す

 

略式起訴と異なる点は以下2つです。

  • 懲役刑や禁錮刑がある
  • 公判期日が開かれる

略式起訴による略式命令は、罰金以下の刑のみ科せます。

公判期日が開かれるので、被告人・検察官が法廷に出頭し、傍聴人も入れます。

 

略式命令が出るまでの流れ

略式命令が出るまでの流れを簡単に説明します。

 

逮捕

事件の発覚により逮捕、取り調べがおこなわれます。逮捕後48時間以内に事件は検察官に送られ、検察官は事件が送致されてから24時間以内に被疑者を勾留するか釈放するか決定します。

 

勾留あるいは在宅事件

検察官が勾留請求し、裁判官により勾留決定がされると原則10日間、延長されると最大で20日間勾留され、取り調べが行われます。

 

検察官が勾留する必要が無いと判断した場合には釈放され、在宅事件となります。在宅事件の場合には、警察あるいは検察からの呼び出しに応じて取り調べを受けます。

 

警察官や検察官が捜査をし、勾留期間満期前、あるいは証拠収集が完了した場合には、検察官は起訴するか不起訴にするか決めます。

 

略式起訴

事件が比較的軽微な場合には検察官は略式起訴ができます。略式起訴の要件を確認します。

 

<要件>

・被疑者が容疑を認めていること

・罰金刑が規定されている事件であること

・検察官が略式起訴相当だと判断したこと

 

略式起訴は正式な裁判をせずに被告人に罰金刑を科して刑事手続きを終わらせる手続きの第一歩です。

刑事罰の1つである罰金刑が決まっているため、被疑者が容疑を認めていること、略式起訴に異議が無いことが前提です。

刑罰に罰金刑の定めが無い罪は略式起訴ができません。

比較的軽い事件であり、罰金以下の刑に相当すると判断された場合に略式起訴ができます。

 

略式裁判

略式起訴の要件をクリアして略式起訴された場合には略式裁判が開かれます。

略式裁判は非公開で、検察官が簡易裁判所に提出した書面を裁判官が審査します。

 

略式命令

書面審査の結果略式命令が発せられます。略式裁判は正式な裁判ではないため、略式命令は「判決」ではありません。

 

略式起訴の流れについては以下の記事をご参照ください。

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略式命令には不服申し立てができる

略式命令に不服がある場合には、略式起訴で罰金刑を言い渡された後、告知を受けた日から14日以内に不服申し立て=正式裁判の請求ができます。

刑事訴訟法第465条 略式命令を受けた者又は検察官は、その告知を受けた日から14日以内に正式裁判の請求をすることができる。

2 正式裁判の請求は、略式命令をした裁判所に、書面でこれをしなければならない。(以下略)

引用:e-GOV法令検索

 

略式命令は検察官が裁判所に提出した書面の審査のみで出されます。そのため、検察官の主張に対し被告人は反論したり自分の意見を述べられません。

略式命令を受けた後、やはり自分の意見を裁判官に聴いてもらいたいと思うこともあります。その場合には告知後14日以内に正式裁判の請求をします。

 

正式裁判の請求は、略式命令をした裁判所に書面でします。

期間内に正式裁判の請求をした場合には正式裁判が開かれ、判決が言い渡されます。判決言渡しにより、略式命令は効力を失います。

刑事訴訟法第469条 正式裁判の請求により判決をしたときは、略式命令は、その効力を失う。

引用:e-GOV法令検索

 

正式裁判の請求をすると、通常の刑事裁判手続に移行します。公開の法廷が開かれ、冒頭手続き、証拠調べ手続、弁論手続を経て判決が下されます。

略式命令に納得がいかない場合には直ちに弁護士にご相談ください。

 

正式な刑事裁判の流れについては以下の記事をご参照ください。

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略式手続のメリット(2つ)

略式手続のメリットをお伝えします。

 

正式裁判が開かれずに終了する

略式手続のメリットの1つは、正式裁判が開かれないことです。正式に起訴されると第一審の裁判が終了するまで、自白事件で約3か月、否認事件で約10か月かかります。

事案によっては1年以上かかることもあります。

 

略式手続の場合には、在宅事件であっても略式起訴から略式命令が届くまでおよそ2週間~1か月しかかかりません。

 

出廷しなくてよい

略式手続の場合には検察官が提出した書類を裁判官が審査し、略式命令を出します。通常の刑事裁判のように出廷はありません。

 

被告人質問がない

略式起訴された場合には法廷が開かれないため出廷もありません。弁護人、検察官からの質問に対して被告人が答える被告人質問もありません。

 

最終陳述しなくてよい

裁判の証拠調べ等がすべて終了すると、検察官は論告求刑をおこないます。その後被告人は、最終陳述をおこないます。最終陳述で述べる内容は判決に影響を及ぼすと言われます。最終陳述は重要な発言です。最終陳述をしなくてよいので、被告人にとっての大きなプレッシャーが無くなります。

 

裁判が公開されないため事件が知られずにすむ

通常の刑事裁判は、公開の法廷で行われます。公開の法廷は誰でも見に行けます。世間を騒がせた事件の場合には傍聴席に入りきらないほど傍聴人が集まり、抽選を行うことがあります。一般的な刑事裁判の場合には傍聴席が満席にはほとんどならないため、誰でも傍聴できます。知人がふらっと傍聴に来る可能性も捨てきれません。傍聴に訪れていた知人から自分の犯行が他人にバレてしまう可能性があります。

略式起訴の場合には書面審査のみで終了するため、他人に知られる可能性はありません。

 

手続が早く終わる

略式起訴に同意した場合には、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれが無いため、起訴後すぐに身柄を解放される可能性が高いです。そのため早期の社会復帰ができます。略式命令が届いたら命令に記載されている罰金等を納付すれば手続は終了します。

 

略式手続のデメリット(3つ)

略式手続のデメリットをお伝えします。

 

自分の言い分を伝えられない

略式起訴されると、検察官が提出した書面の審査のみで略式命令が発付されるため、裁判官に自分の言い分を伝えたいと思っても伝えられません。

裁判官に自分の言い分を伝えたい場合には略式起訴に同意してはいけません。

 

不起訴になる可能性がなくなる

略式起訴は、正式に起訴すると被疑者の自白だけでは証拠として弱く証拠不十分で無罪判決を受ける可能性がある場合等にも使われるケースがあります。

略式起訴に同意しなければ不起訴になっていたかもしれない場合に、略式起訴に同意をすると不起訴になる可能性がなくなってしまいます。

 

前科がつく

略式起訴に同意すると、略式命令が発付されます。罰金等を納めるだけで刑務所に収容されませんが、前科が付きます。前科が付くと就けない職業もあります。

 

略式起訴に同意を求められた場合にはすぐに弁護士に相談しましょう。

 

略式命令に同意するべきか?

略式手続にはメリット・デメリットがあります。略式命令に同意すべきかについて解説します。

 

略式命令に同意した方が良い場合

正式裁判になると有罪判決がでる可能性が高い場合には、略式命令に同意した方が良いです。正式裁判になると略式命令よりも重い判決がでる可能性があります。自供していて、証拠も十分に揃っている場合には略式命令に同意した方が良いといえます。

 

略式命令に同意しない方が良い場合

自分の言い分を裁判官に伝えて、裁判官に判断してもらいたい場合には、略式命令に同意しない方が良いといえます。検察官にはわかってもらえなかったけれど、裁判官にならわかってもらえる可能性があると思っている場合には、略式命令に同意しない方が良いです。

 

略式命令に同意してはいけない場合

自分が無実の場合には略式命令に同意してはいけません。略式命令に同意すると自分が有罪であると認めることになります。冤罪の場合には略式命令に同意するよう求められても、同意しないようにしましょう。

 

まとめ

略式命令について、逮捕後の流れ、略式起訴とは何か?とともにお伝えしました。略式命令を受け入れるべきかどうかは、本人が決定することです。略式命令を受け入れると前科がついてしまいます。略式起訴に同意を求められた場合には、検察官に回答する前に弁護士への相談をお勧めします。

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