銃刀法違反とは|包丁やカッターも違法?所持できる正当な理由は?
日常的に工具やナイフを扱う仕事に従事している方の中には、銃刀法違反になるのではないかと不安を感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
銃刀法違反は、知らずに違反してしまうケースも少なくなく、最悪の場合は逮捕される可能性もあります。
この記事では、銃刀法違反について以下のポイントを中心に解説します。
- 銃刀法が規制している対象物と禁止行為の内容
- 包丁やカッターの所持が違法になるケース
- 正当な理由の具体例と注意点
- 初犯や所持目的による罰則の違い


目次
銃刀法違反とは
銃刀法(正式名称:銃砲刀剣類所持等取締法)は、拳銃やライフル、刀剣類などの所持・携帯・輸入などを厳しく制限する法律です。
これらの危険物による犯罪や事故を未然に防ぎ、国民の生命・身体の安全を守ることを目的としています。
銃刀法の対象となる具体的な物や、違反した場合に科される罰則については、以下で詳しく解説します。
銃砲刀剣類を規制する法律
銃刀法(正式には銃砲刀剣類所持等取締法)は、銃や刀剣類、一定の刃物など、人の生命や身体に危害を及ぼすおそれのある物の所持を制限する法律です。
銃刀法で規制されているのは、次のような物です。
区分 | 対象物 | 概要 |
銃砲 | 拳銃、小銃、猟銃、空気銃など | 弾丸を発射する構造のもの。
所持・譲渡・携帯には厳しい許可制 |
刀剣類 | 日本刀、サバイバルナイフ、飛び出しナイフなど | 刃渡りや構造によって分類され、登録証の有無や所持目的で規制対象に |
刃物類 | 包丁、カッター、ハサミなど | 刃体の長さや用途に応じて、正当な理由のない所持は違法となる |
その他 | クロスボウ、電磁石銃(コイルガン) | 最近の法改正で追加。所持自体が原則禁止に(例:2024年以降の電磁石銃) |
これらの物を正当な理由なく所持していた場合、銃刀法違反として罰せられるおそれがあります。
加えて、自宅に保管していたとしても、所持目的や状態によっては処罰の対象となるケースもあるため、十分な注意が必要です。
銃刀法違反の罰則
銃刀法では、拳銃・猟銃・クロスボウ・刃物類などの所持に関して厳しい規制を設けており、違反した場合には重い拘禁刑(※旧:懲役や禁錮)や罰金が科せられます。
※2025年6月の刑法改正により、これまでの懲役・禁錮は拘禁刑として一本化されました。
以下は、銃刀法違反の主な罰則一覧です。
違反対象 | 法的内容 | 罰則 | 根拠条文 |
拳銃 | 無許可所持・譲渡・輸入 | 1年以上10年以下の拘禁刑 | 第3条・第31条 |
猟銃(散弾銃・空気銃等) | 無許可で所持 | 1月以上5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | 第31条の11 |
刃体6cm以上の刃物(包丁・カッター等) | 正当な理由なく携帯 | 1月以上2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 | 第22条・第31条の2 |
クロスボウ | 無許可所持(6J以上) | 1月以上3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 第3条の2・第31条の3 |
電磁石銃(コイルガン) | 無許可所持 | 1月以上3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 第3条の3・第31条の3 |
包丁やカッターも正当な理由なしとされた場合は違反となるので、安易な所持には慎重になる必要があります。
銃刀法で禁止されている行為
銃刀法は、許可のない所持・携帯・輸入・譲渡・管理不備などを禁止しています。
日常的に使う包丁やカッターであっても、正当な理由がない場合には違反となりうるため、この規制を正しく理解することが大切です。
以下に、主な禁止行為を具体的に説明していきます。
正当な理由のない所持
銃刀法では、銃砲や刀剣類を正当な理由なく所持することを禁止しています(銃刀法第3条)。
加えて、刃体が6cmを超える包丁やカッター、ナイフ類についても、正当な理由がないまま持ち歩いていれば、銃刀法第22条に違反する可能性があります。
以下のように使用目的が明確で、社会通念上妥当であれば正当な理由があるとされます。
- 仕事道具としての包丁を職場に持参する料理人
- キャンプのために車にナイフを積んでいるアウトドア愛好家
一方で、正当な理由がないと判断される意外な例もあります。
- 車に置きっぱなしのまま忘れていた包丁で職務質問を受けた場合
- 護身用に持っていた場合
引っ越しの荷物の中に刃物が入っていた場合でも、説明が不十分だと摘発されるリスクもあります。
刃物を持ち歩く必要がある場合は、その目的を明確に説明できる準備(使用予定・場所・日時など)が重要です。
拳銃の譲渡・輸入
銃刀法では、拳銃の譲渡や譲受け、輸入・輸出などを原則として全面的に禁止しています。
特に拳銃については、銃刀法の中でも最も厳しい規制対象であり、所持はもちろん、流通そのものも犯罪とされます。
(拳銃等の所持等の禁止)
第三十一条の四 何人も、拳銃、小銃、機関銃その他政令で定める銃砲の譲渡、譲受け、輸出、輸入、所持、携帯、保管、製造等をしてはならない。
拳銃は、暴力団や反社会的勢力が関与する凶悪犯罪に使用されることが多く、社会的な危険性が極めて高いためです。
たとえ、観賞用として譲ってもらった・護身用として保管していたと主張しても、どんな事情であっても原則として処罰の対象となります。
インターネットを通じて外国から拳銃やそれに類する部品を個人輸入した場合でも、輸入罪として重い刑罰が科されます。
不適切な保管
銃砲刀剣類を許可を得て所持している場合でも、保管方法が不適切であれば銃刀法違反として処罰の対象となります。たとえば、以下のようなケースが該当します。
- 鍵のかからない場所に保管していた
- 子どもや他人が容易に手に取れる状態だった
- 指定された保管場所(保管庫)に収めずに放置していた
銃刀法では、安全管理の徹底を義務づけており、銃砲所持者は銃砲保管用の鍵付き容器などに施錠して保管することが求められています。
定期的な保安検査や行政による立ち入り調査も行われるため、保管状況に不備があると許可の取り消しや罰則(拘禁刑または罰金刑)を受ける可能性があります。
銃刀法で所持・携帯が規制される物
銃刀法では、所持・携帯・輸入などの行為において、規制の対象となる具体的な物を列挙しています。以下に、それぞれどのような物が規制対象に含まれるのか、解説します。
鉄砲
銃刀法における鉄砲とは、主に以下のような火薬やガスなどの圧力を用いて弾丸を発射する装置を指します。
鉄砲に該当する具体例
- 拳銃(リボルバー式や自動式)
- ライフル銃
- 散弾銃(ショットガン)
- 空気銃(エアライフル)
これらの鉄砲は、いずれも所持に公安委員会の許可が必要です。許可を得る際に正当な理由としてあげられるのは、下記のケースです。
- 狩猟や射撃競技の目的で、厳格な手続きを経て所持許可を得た場合
- 法律に基づく警備会社や研究機関の管理下で使用する場合
ただし、以下のような注意点があります。
- 所持許可を受けていても、持ち運びや保管の方法にも細かい規制がある
- 祖父の遺品だからといった理由では正当性が認められず、処罰の対象になる可能性が高い
刀剣類
銃刀法では、刀剣類の所持・携帯も厳しく規制されています。対象となるのは、単に刀とされるものだけではなく、さまざまな形状・長さの刃物が含まれます。
- 日本刀やサバイバルナイフ:刃渡り15cm以上の両刃の刃物
- ダガーナイフ:刃がまっすぐで両側に刃がついており、突き刺すことを目的とした構造のもの
- マチェットや大型の鉈(なた)など:一部の海外製刃物、刃渡りや形状による
- 装飾用の模造刀でも、材質や刃の鋭利さによっては該当することがある
これらの刀剣類は、正当な理由なく所持・携帯することが禁止されており、以下のような点から特に注意が必要です。
- 所持自体に都道府県の公安委員会の許可が必要
- 家庭内の保管でも「所持」とみなされることがある
→ 観賞用やコレクションとしての保有でも、許可がなければ違法
クロスボウ(ボウガン)
近年、事件での使用が目立ってきたクロスボウ(ボウガン)についても、銃刀法の改正により規制が強化されました。
- クロスボウによる殺人・傷害事件が複数発生
- 弓矢と異なり威力が強く、静音性が高いため、犯罪に使われる懸念
- 刃物に匹敵する危険性があるにもかかわらず、長らく規制が存在していなかった
こうした背景から、2022年に銃刀法が改正され、クロスボウも銃刀法の規制対象に追加されました。法改正により、クロスボウの所持・使用には以下の条件が求められます。
- 公安委員会の許可が必要(許可なしの所持は原則違法)
- 許可を得るには正当な理由(例:動物の駆除、スポーツ目的等)が必要
- 許可のない譲渡・販売も違法行為
以下のことには注意が必要です。
- 法改正前から持っている人も対象:(所持継続には経過措置や申請が必要)
- 模造品や威力の低いタイプでも、見た目や構造によっては規制対象となる
包丁など刀剣類以外の刃物
包丁やカッターナイフ、ナイフ類などは、日常生活で使う機会も多い刃物ですが、使用目的や持ち運びの状況によっては処罰対象となります。
銃刀法では、以下のような刃物についても、正当な理由のない携帯を禁止しています。
- 包丁(特に刃渡り15cm以上のもの)
- カッターナイフ
- サバイバルナイフ・折りたたみナイフ
- 万能ナイフなど
特に以下の場合は、注意が必要です。
- 家庭用の包丁であっても、所持の目的や状況が重要
- 護身用としての所持は正当な理由として認められない
- キャンプ帰り・登山中などであっても、刃物の管理状態(収納方法)が問われる
ハサミ
銃刀法そのものでは、ハサミが刀剣類や刃物として明確に規定されているわけではありませんが、刃の長さや鋭利さによっては取り締まりの対象です。
加えて、銃刀法に該当しない場合でも、軽犯罪法違反(1条2号・31号など)として摘発される可能性があります。
正当な理由がないと判断されるのは、以下のような場合です。
- ハサミをポケットやカバンに裸のまま入れて持ち歩く
- 深夜に繁華街などで大型のクラフトバサミを所持している
- 明らかに日常使用とは異なるケース(例:集会、路上での所持)
罰則は以下のとおりです。
銃刀法違反に該当する場合 | 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
軽犯罪法違反に該当する場合 | 拘留または科料 |
そのため、ハサミを持ち歩く必要がある場合は、以下の点に注意するとよいでしょう。
- 仕事用(美容師・工芸家など)でも、移動時の管理が不十分なら処罰対象
- 安全カバーの使用や収納ポーチへの保管が重要
- 自衛のため・不安だからといった理由は正当性を欠く
電磁石銃(コイルガン)
電磁石銃(コイルガン)は、火薬や圧縮ガスを使わず、電磁力によって金属製の弾を発射する装置です。
銃刀法では、令和5年の法改正により、これを準空気銃として明確に規制対象としました。コイルガンは以下のように新たに準空気銃として規制されています。
法的区分 | 内容 |
準空気銃 | 電磁力などにより金属製の弾丸を発射できる装置。改正銃刀法により許可なく所持すると処罰対象となる。 |
所持規制 | 銃刀法第3条の2により、「準空気銃を所持するには都道府県公安委員会の許可が必要」と明記されました。 |
以下の点には、注意が必要です。
- 所持しているだけで処罰の対象
- 見た目が簡易的でも、発射機能があればアウト
- 模倣品や手作りでも、構造によっては違法と判断されるケースがある
カッターや包丁が銃刀法違反となるのはおかしい?
カッターや包丁といった身近な刃物であっても、使い方や所持の理由によっては銃刀法違反となる可能性があります。
持っているだけで捕まるのはおかしいと思われがちなテーマですが、誤解や思い込みが逮捕につながるリスクもあるため、正しい理解が大切です。
正当な理由があれば銃刀法違反にならない
カッターや包丁などを所持していたとしても、それだけでただちに銃刀法違反に問われるわけではありません。
銃刀法第22条では、正当な理由がない場合に限り、刃物などの携帯を禁止すると明記されており、明確な目的や必要性が認められる状況での所持であれば、違法とならない可能性が高いです。
たとえば以下のようなケースは、正当な理由として扱われる可能性があります。
状況 | 判断される可能性 |
建設業者が仕事道具としてカッターを携帯していた | ◯ 正当な理由あり |
料理人が自分の包丁を職場に持参していた | ◯ 正当な理由あり |
引っ越し時に台所用品として包丁を運搬していた | ◯ 正当な理由あり |
登山やキャンプでアウトドアナイフを所持していた | ◯ 目的が明確であれば問題なし |
美術系の学生が彫刻用ナイフを携帯していた | ◯ 使途が説明できれば許容される |
防災目的でリュックに小型ナイフを入れていた | △ 正当とみなされる可能性はあるが説明が必要 |
整備士が業務で使用するツールとして所持していた | △ 用途や状況説明がカギ |
郵送トラブルを避けるため、手荷物で運搬していた | △ 包装状況や経緯次第で判断が分かれる |
鞄に入れたまま忘れていたカッター | ✕ 不注意では違反とされやすい |
折りたたみナイフを護身用に持ち歩いていた | ✕ 護身目的は正当とはされない |
万一所持していた理由を説明できない場合、たとえ悪意がなくても違法とみなされ、現行犯逮捕や書類送検に至るおそれもあるため注意が必要です。
銃砲刀剣類は公安委員会の許可が必要
銃砲刀剣類を所持するには、原則として都道府県の公安委員会からの許可が必要です。
特に銃や日本刀などの危険性が高い物品については、厳格な審査を経て、条件を満たした人にしか許可は与えられません。
以下のような場合には、適切な申請と審査を経て許可される可能性があります。
- 競技用の空気銃を使用するスポーツ団体の登録選手
- 文化財保護のため、日本刀を所蔵する美術館や刀剣コレクター
- 狩猟免許を持ち、狩猟目的で猟銃を所持する人
- 研究・教育目的で必要な場合(例:大学や博物館)
- 撮影や舞台などで一時的に模造刀を使用する場合
一方で、次のような状況にある人は、そもそも所持の許可が下りません。
- 暴力団など反社会的勢力との関係がある者
- 過去に銃刀法違反や重大な犯罪歴がある者
- 精神疾患やアルコール依存症など、安全に使用できないと判断される者
- 家庭内暴力などで警察の保護対象となった経歴がある者
- 安定した保管場所が確保できない、または居住環境が不適切な者
公安委員会は、個人の身辺調査・動機の正当性・保管状況などを総合的に判断して許可の可否を決定します。
刃物の用途は仕事やキャンプなどであれば問題ない
銃刀法では、正当な理由が認められるケースであれば違法にはなりません。
以下のケースでは、使用目的・行動範囲・状況から見て合理性があると判断されやすく、銃刀法違反には該当しません。
- 業務中に必要な場合:料理人が通勤時に包丁を持ち歩いていた、建設現場での作業に使用するカッターやナイフを業務用に携帯
- 購入後の持ち帰りや引っ越しの最中
- キャンプやアウトドア目的での使用
ただし、夜間の携帯や公共の場での所持など、状況によっては正当性が疑われることもあるため注意が必要です。
護身用やファッションでの所持は銃刀法違反となる
カッターや包丁などの刃物を護身用として持ち歩いている・ファッションの一部として身につけているといったケースでは、銃刀法違反となる可能性が極めて高いです。
実際、以下のような事例では銃刀法違反として摘発されるケースも報告されています。
- 深夜の路上で、護身用としてナイフを携帯していた
- コスプレイベントの帰りに、模造刀を服装の一部として持ち歩いていた
警察は見た目・状況・説明の整合性などから判断するため、自分では無害なつもりでも、そうした主張が通じないことがある点に注意が必要です。
家の中にあっても所持の目的によっては処罰対象に
刃物を自宅や敷地内に保管している場合でも、所持の目的や状況次第では銃刀法違反に問われることがあります。
銃刀法では、あくまで正当な理由のない所持が禁じられており、この原則は家の中でも例外ではありません。
たとえば、以下のようなケースでは処罰の対象となることがあります。
- 自宅で殺傷目的に刃物を所持していた
- 通報を受けた警察が押収した刃物について、明確な使用目的が説明できなかった
- 過去のトラブル履歴や精神状態から、危険と判断された
実際に警察が踏み込むのは、庭でナイフを振り回していた・SNSに殺傷を示唆する投稿をしていたなど、第三者からの通報や危険性が表に出た場合が中心です。
銃刀法違反に似た犯罪
銃刀法違反と混同されやすい法律違反として、軽犯罪法違反や武器等製造法違反などがあります。
これらも、刃物や武器の所持・製造・使用に関わる犯罪ですが、適用される場面や法的な位置づけが異なります。
この章では、銃刀法以外で刃物や武器の所持が問題となるケースについて、それぞれの法律と具体例を解説します。
軽犯罪法|6cm以下の刃物を正当な理由なく隠し持っていた場合
軽犯罪法1条2号では、6cm以下の刃物であっても、正当な理由なく隠し持っていた場合は違法とされています。
たとえ銃刀法の対象外であっても、状況によっては処罰されるということです。銃刀法違反との違いは以下のとおりです。
- 銃刀法は、主に刃渡り6cm超の刃物や刀剣類を対象に所持・携帯を規制
- 一方、軽犯罪法はより小型の刃物でも隠して持つことが問題となる点が特徴
- 銃刀法は携帯に重点があるのに対し、軽犯罪法では隠匿性が重視される
正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の身体に害を加えるのに使用されるような器具を隠し持っていた者は、拘留または科料が科されます。
比較的軽い処罰ですが、前科がつく可能性もあるため、安易に所持していると大きなリスクを伴います。
武器等製造法違反|銃や剣を無許可で製造していた場合
武器等製造法(正式名称:武器等製造法)は、銃器や刀剣類などの危険な武器の製造を厳しく規制する法律です。銃刀法違反との違いは、以下のとおりです。
- 銃刀法は所持・携帯に重点を置いているが、武器等製造法は製造そのものを取り締まる法律
- 銃刀法違反が個人の携帯行為に向けられているのに対し、武器等製造法違反は業として武器を製造する行為や、密造・密売など反社会的活動と結びつくような行為も対象になる
武器等製造法の罰則は、内容によって異なりますが、1年以上10年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金などが科されることがあります(武器等製造法第3条、10条)。
ネット上でコイルガンを自作した動画などが拡散されていますが、製造=即違法となる可能性が高いです。
銃刀法違反に関するよくある質問
銃刀法違反は初犯だと罰金刑になる?
初犯であっても、銃刀法違反は必ずしも罰金刑で済むとは限りません。違反の内容や所持の状況によっては、拘禁刑(懲役刑)を科されることもあります。
処分の分かれ目となるポイントは、以下のとおりです。
- 所持していた物の種類、所持の場所・理由
- 過去の前科の有無や反省の態度
職場の道具として使用するために包丁を車内に積んでいたケースなどでは、事情を説明できれば不起訴や略式罰金で済む可能性があります。
一方で、護身用・見せびらかすためといった理由では、悪質と判断されて重い処分が科されるおそれがあります。
銃刀法違反で拳銃所持の罰則は?
拳銃は、銃刀法の中でももっとも厳しく規制されている武器のひとつです。
正当な理由なく拳銃を所持していた場合、1年以上10年以下の拘禁刑が科される可能性があります(銃刀法第3条・第31条)。
正当な理由のない拳銃の所持については、極めて厳しく取り締まる傾向にあり、以下のようなケースは、逮捕や実刑判決にまで発展するおそれがあります。
- 拳銃を自宅や車内に隠し持っていた
- 観賞用・収集用として所持していたが、許可を得ていなかった
- 売買・譲渡の目的で持っていた
拳銃を扱うには公安委員会の厳格な許可が必要で、無許可の所持は一発アウトとなるリスクが高いため注意が必要です。
銃刀法違反で逮捕されるとどうなる?
銃刀法違反で警察に発見された場合、その場で逮捕されるケースがあります。とくに刃物や拳銃などの所持に正当な理由がないと判断された場合、現行犯逮捕される可能性が高いです。
逮捕から起訴までの流れ(身柄事件)は以下のとおりです。
- 現行犯または通常逮捕
- 警察署での取調べ(48時間以内)
- 検察官送致(送検)
- 勾留請求と勾留決定(最大20日間)
- 起訴 or 釈放
銃刀法違反で起訴され、有罪判決を受けると前科がつくことになります。たとえ初犯であっても、略式起訴や罰金で済まされないケースもあり、記録は将来の人生に影響を与えます。
銃砲刀剣類を持ち運ぶ際違法にならない方法は?
銃砲刀剣類を持ち運ぶ際、正当な理由と適切な管理があれば違法とはなりません。
- 許可証の携帯
- 使用目的を明確にしておく
- ケースや袋に入れて携帯する
- 移動経路を最短にとどめる
まとめ
銃刀法は、鉄砲や刀剣類だけでなく、包丁やカッターなどの身近な刃物も規制の対象としています。
正当な理由がないまま所持・携帯していた場合、逮捕や前科につながるおそれがある重大な犯罪です。
所持の目的や状況によって違法かどうかが判断されるため、誤解や思わぬトラブルを防ぐには、早めに弁護士に相談することが重要です。