電車での痴漢で逮捕されるきっかけ・証拠とは?疑われた時の対処法

電車に乗っていると、痴漢をするつもりはなかったのに女性に触れてしまうことがあります。この場合、なんらかの罪に問われるのでしょうか。

本コラムでは、以下の点を解説します。

  • 電車で女性の身体に触れたときに、罪に問われるケースと問われないケース
  • 電車痴漢で証拠になるもの
  • 電車で痴漢を疑われたときの対処法
  • 電車で痴漢を疑われないための対策

電車内で痴漢事件を起こしてしまった方や、そのご家族の方はぜひご参考ください。

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電車で女性の身体に触れただけでも罪に問われる?

満員電車などで女性の身体に触れただけでも罪に問われるのでしょうか。まず、電車内での痴漢で問われ得る罪について確認します。

電車痴漢で問われ得る罪

電車痴漢で問われる可能性がある罪としては、以下の2つがあります。

都道府県迷惑防止条例違反

1つ目は、各都道府県が制定している迷惑防止条例違反です。

例えば東京都の場合、同条例第5条で、公共の場所または公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から、または直接に人の身体に触れることを禁止しています。

この規定に違反した場合、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

また、痴漢の常習とみなされた場合、法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金に引き上がります。

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強制わいせつ罪

電車痴漢は刑法の強制わいせつ罪に該当する可能性があります。

刑法第176条は、13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処すると規定しています。

迷惑防止条例違反との違いは、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をしたかどうかで、暴行または脅迫が被害者の抵抗を著しく困難にする程度だったかどうかが問われます。

もっとも、わいせつ行為自体が被害者の抵抗を著しく困難にする程度と評価されれば、強制わいせつ罪は成立します。

電車痴漢のケースでは、服の上からではなく、下着の中に手を入れて女性の身体を触った場合、強制わいせつ罪にあたる可能性があります。

痴漢の相手が13歳未満だった場合、暴行または脅迫をしていなくても、強制わいせつ罪が成立します。13歳以上であれば迷惑防止条例違反に該当する行為でも、相手が13歳未満だと強制わいせつ罪に問われる可能性があります。

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故意に触った場合

電車痴漢で迷惑防止条例違反に問われた事例をみると、故意に被害者の身体を触ったかどうかが争点になっているケースが確認できます。

痴漢行為で迷惑防止条例違反が成立するためには、痴漢行為者の故意が認められなければなりません。痴漢行為でいう故意とは、例えば「目の前に立っている女性のお尻を触ろう」と認識しながら犯行に及ぶことです。

電車内で故意に人の身体に触れば、迷惑防止条例違反に問われます。

触るつもりはなかった場合

一方、電車内で女性の身体を触ったケースでも、故意が認められなければ無罪になります。

故意が認められず無罪になったケース

以下の痴漢事件では、被告人が刑事裁判で「痴漢の故意は認められない」として、無罪を言い渡されました。

男性は仕事後に飲酒して電車で帰宅する途中、女性のお尻に身体を押し付け触るなどしたとして、迷惑防止条例違反の罪で起訴されました。

一審判決では、「わざと触っていた」という女性の証言は信用できると判断され、懲役6月、執行猶予3年が言い渡されました。

一方、控訴審では、電車の揺れに合わせて男性の身体が動き、その際の接触を女性が痴漢と思い込んだ可能性は否定できないと指摘しました。結果、男性の痴漢の故意は認められないとして、無罪が言い渡されました。

未必の故意

迷惑防止条例違反の罪が成立するのに必要な故意については、確定的故意と未必の故意の2種類があります。確定的故意は、犯罪の実現が確定的なものと認識しながら犯行に及ぶことで、前述の「目の前に立っている女性のお尻を触ろう」と思い痴漢する行為がこれにあたります。

一方、未必の故意は、犯罪の実現が確定的とまではいえないが、実現が可能なものと認識し、その結果を容認している場合に認められます。

例えば、満員電車で女性と密着した状態になり、「このままの手の位置では女性のお尻に触れてしまうかもしれない」と認識しつつ、「それでも構わない」と手の位置を変えず結果を容認している場合、未必の故意が認められ、迷惑防止条例違反罪が成立する可能性があります。

以下の事件では、一審が無罪だったものの、控訴審で有罪が言い渡されました。

男性は電車内で女性の背後から、女性の足に自分の右足をすりつけたとして、迷惑防止条例違反罪で起訴されました。

一審では、電車内が「相当に混雑し、乗客の身体、衣服が触れ合い、前後左右に大きく揺れる状態にあった」と認定され、「故意があったと認めることはできない」として男性は無罪でした。

ところが、二審の判決では、「被告人の行為は意図的なもので、故意と認定される」として有罪が言い渡されました。

男性は逮捕された当初から一貫して無罪を主張し、物証がないことから、被害女性や目撃者の証言の信用性が争点でした。

電車内の痴漢で逮捕されるきっかけ

電車内で痴漢をした場合、どのようなことがきっかけで逮捕されるのでしょうか。

現行犯逮捕

痴漢事件は現行犯逮捕されることが多いです。

例えば、痴漢された女性が「この人痴漢です」と声を上げて電車から降ろされ、駆け付けた駅員が警察に通報してそのまま現行犯逮捕されることが考えられます。

あるいは、痴漢現場を目撃した第三者が犯人を電車から降ろし、駅員、警察に引き渡して現行犯逮捕されるケースもあります。

後日逮捕

一方、電車での痴漢は後日逮捕される可能性もあります。

後日逮捕とは、捜査機関が犯行の後日に被疑者を逮捕することで、後日逮捕には裁判所が発付した逮捕状が必要です。

逮捕状の発付には、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると裁判官が認める必要があります。また、被疑者に逃亡・証拠隠滅のおそれがあるなど、逮捕の必要性があることも条件です。

警察が逮捕状を請求すれば必ず発付されるわけではなく、警察は逮捕状の請求に根拠があることを示すために、防犯カメラ映像などを提出します。痴漢の証拠になるものについては、次の章で詳しく説明します。

罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合でも、逮捕の必要性が認められなければ逮捕状は発付されません。逮捕の必要性については、被疑者の年齢や境遇、犯罪の軽重などを考慮し、逃亡・証拠隠滅のおそれがあるかどうかで判断します。

例えば、逮捕される前に警察に自首し、任意の取調べに応じることを誓約して身元引受人を用意していれば、逮捕されない可能性があります。身元引受人とは、被疑者が逃亡・証拠隠滅しないよう、監督する人です。

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電車内の痴漢で証拠になるものは?

電車痴漢で証拠になるものとしては、以下のものが考えられます。

被害者・目撃者の証言

1つ目は被害者・目撃者の証言です。

電車痴漢は満員電車など混み合った車内で起きることが多く、唯一の証拠が被害者の証言であることは珍しくありません。

第三者が痴漢行為を目撃し、それを証言すれば蓋然性が高くなる可能性はありますが、証言があいまいだったり変遷したりすれば、その信用性が争われます。

被害者の服の繊維片

2つ目は被害者の服の繊維片です。

電車内での痴漢で現行犯逮捕された場合、繊維鑑定が行われることがあります。繊維鑑定は、被疑者の手などに被害者が着ていた服の繊維片が残っていないか科学的に調べることで、繊維片が検出されれば痴漢の証拠になる可能性があります。

ただし、繊維片が検出されれば有罪、繊維片が検出されなければ無罪と割り切れるものではありません。繊維片は電車内に多く浮遊していると考えられており、被疑者の手から検出された繊維片が被害者の服に由来しているとは限りません。また、満員電車など車内が混み合っていれば、複数の人に繊維片が付着している可能性もあります。

一方、繊維片は時間が経過したり手を洗ったりすれば落ちるため、繊維鑑定で繊維片が検出されなくても、有罪が言い渡されたケースもあります。

痴漢の冤罪を疑われたときは、不用意に相手の服に触らないようにしましょう。

防犯カメラ映像

電車内に設置された防犯カメラに痴漢をしている様子が映っていれば、証拠になる可能性は高いです。近年、防犯カメラが取り付けられた車両は増えており、防犯カメラ映像から警察が犯人を特定するケースもあります。

反対に、痴漢事件で起訴された被告人に対し、防犯カメラ映像が決め手となって無罪を言い渡したケースもあり、防犯カメラが被疑者・被告人に有利に働く場合もあります。

電車で痴漢を疑われたときの対処法

電車で痴漢を疑われたときの対処法について説明します。

逃げるのはNG

電車で痴漢を疑われたときに、痴漢をするつもりがなく偶然に手が相手に触れただけの場合、あるいは痴漢が冤罪の場合でも、その場から立ち去ろうと逃げてはいけません。逃げることで、次のリスクが生じます。

後日逮捕の可能性

1つ目は後日逮捕される可能性が生じることです。

今や駅にはたくさんの防犯カメラが設置されています。警察が防犯カメラ映像を収集して分析すれば、逃げた人を特定できます。

さらに、現場から逃げた事実は、逮捕から逃れようとしていると捜査機関にうつり、逃亡・証拠隠滅のおそれがあるとみなされる可能性があります。

罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、逮捕の必要性も認められれば、後日逮捕される可能性が高まります。

刑事裁判で不利になる

現場から逃げたことは刑事裁判に発展した場合、不利な情状になる可能性があります。いくら「痴漢をするつもりはなく、電車が揺れたはずみで手が相手に触れただけ」と主張しても、「では、なぜ逃げたのか」「捕まりたくないから逃げたのではないか」と追及されます。現場から逃げると、かえって不利になる可能性が高いです。

他の罪を犯す

現場から逃走する行為は、他の罪を犯してしまうリスクを伴います。

例えば、痴漢を疑われて逃げようと駅のホームから線路に飛び降りたとします。刑法第125条は、鉄道もしくはその標識を損壊し、またはその他の方法により、汽車または電車の往来の危険を生じさせた者は2年以上の有期懲役に処すると規定しています。

線路への飛び降りは、この往来危険罪に該当する可能性があります。

すぐに弁護士を呼ぶ

電車で痴漢を疑われたときは逃げるのではなく、すぐに弁護士を呼びましょう。

逮捕されない可能性

電車で痴漢を疑われて駅員が駆け付け、駅の事務室に連れていかれると、すぐに警察官が臨場します。こうした流れになると、現行犯逮捕される可能性が高いです。

そうならないためには、自身が携帯電話を使えるうちに、すぐに弁護士を呼ぶことが重要です。弁護士をどう呼べばよいかわからないときは家族に連絡し、弁護士を呼んでもらうよう頼みましょう。その際、自身がどの駅にいるか忘れず伝えることも肝要です。

警察は弁護士に逮捕の違法性を指摘されると、被疑者を逮捕しない可能性があります。弁護士が付いていれば、警察が安易に逮捕に踏み切るのを防げます。

被害者と示談交渉をする

電車での痴漢を疑われ、警察沙汰にしたくないときは、被害者との示談交渉を進めるのも1つの手段です。被害者との間で示談が成立し、示談金を支払う代わりに被害者が加害者を許すことで合意できれば、警察沙汰にならずに済む可能性があります。

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電車で痴漢の冤罪を疑われないための対策

電車で痴漢を疑われないようにするには、日頃から対策を講じることが必要です。

満員電車を避ける

満員電車に乗るのは、可能な限り避けた方がよいでしょう。満員電車では人と密着してしまうため、痴漢を疑われるリスクが高いです。

つり革を両手で持つ

満員電車や混雑した電車に乗るときは、つり革を両手で持つようにしましょう。自身の手を高い位置に上げておけば、手で触られたと疑われるリスクを下げられます。

電車内で女性の近くに立たない

また、電車内で女性の近くに立たないことも重要です。近くに立っていると、電車の揺れなどふとしたはずみで相手に触れてしまうおそれがあります。

まとめ

電車内で故意に女性の身体を触れば罪に問われますが、触るつもりがなくても未必の故意が認められれば、刑事裁判で有罪になる可能性はあります。電車で痴漢を疑われたときはすぐに弁護士を呼ぶことが重要で、弁護士が付いていれば逮捕されずに済む場合もあります。電車で痴漢を疑われて刑事弁護が必要な方は、ネクスパート法律事務所にご相談ください。

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