一度だけの不倫で慰謝料請求は可能?判断基準・相場・証拠の集め方

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一度だけの不倫で慰謝料請求は可能?

配偶者が一度だけ不倫した場合、「一度だけなら許すべきだろうか」「一度きりの不倫では不倫慰謝料や慰謝料請求はできないのでは」などと悩むこともあるでしょう。
一度だけでも、不倫(不貞行為)の事実があれば不倫慰謝料として請求はできるのでしょうか。
この記事では、一度だけの不倫で慰謝料請求が可能なのかについて、民法や裁判例などの法的観点から、その判断基準を詳しく解説します。
不倫慰謝料の相場や慰謝料請求が難しいケース、立証責任を踏まえた証拠の集め方なども紹介します。
「一度だけ」という配偶者の主張が真実とは限りません。感情的に動く前に、本記事をご一読いただき、証拠の保全や弁護士への相談など今後の対応を考える際の参考にしていただければ幸いです。

目次

一度だけの不倫でも不倫慰謝料(不貞行為)として慰謝料請求は可能?

慰謝料請求の可否は不倫の回数ではなく、不貞行為に該当するか不倫相手に故意・過失があるかどうかで決まります。そのため、一度だけでも不貞行為があれば慰謝料請求が認められる可能性があります。
この章では、民法上のルールや裁判例を踏まえて、以下の3つの観点から一度だけの不倫の慰謝料請求について詳しく解説します。

  • 民法上の不貞行為の定義と一度だけの不倫の慰謝料請求の可否
  • 肉体関係がない場合は慰謝料請求できない?
  • 裁判例から見る一度だけの不倫への法的評価

民法上の不貞行為の定義と一度だけの不倫の慰謝料請求の可否

そもそも不貞行為とは、既婚者が配偶者以外の人と自由意志にもとづいて肉体関係を持つことを指します。
不貞行為は、民法第709条第710条にいう民法上の不法行為に該当します。そのため、一度でも肉体関係を持てば、一般的に民法第709条第710条を根拠として慰謝料を請求できる可能性があります。
第七百九条故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 第七百十条他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。 引用:民法/e-Gov法令検索 慰謝料は、不倫をした配偶者と不倫相手の双方に請求することができます。ただし、不倫相手に請求する場合は、不倫相手に故意(相手が既婚者だと知っていた)または過失(不注意で既婚者だと気づけなかった)があったかどうかが争点になりやすいです。配偶者が独身者だと嘘をついていた場合など不倫相手に故意・過失がないと判断できる場合は、不倫相手に対する責任追及は難しくなります。
また、自由意思にもとづいて肉体関係を持ったのかどうかも、重要なポイントです。暴行や脅迫によって肉体関係を持つことを強制されたなどの事情がある場合は、一般的に不貞行為には該当しないと判断されることもあります。
慰謝料請求できる条件は、「不倫の慰謝料請求できる4つの条件と慰謝料請求が難しい4つのケース」で詳しく解説しています。

肉体関係がない場合は慰謝料請求できない?

原則として、肉体関係がない場合は、裁判実務上、慰謝料請求が認められにくいのが実情です。
不倫慰謝料の根拠となる不貞行為は、基本的に肉体関係を伴う行為を指します。そのため、デートやキス、手を繋ぐといった行為だけでは社会通念上不貞性が認められず、慰謝料請求が認められないことが多いとされています。
ただし、社会通念上、既婚者の交際として明らかに逸脱した行動をしている場合には、精神的苦痛を理由に慰謝料請求が認められることがあります。
そもそも、不倫慰謝料の請求は、平穏な婚姻生活を送る権利を侵害したと判断される場合に認められます。そのため、夜間に頻繁に密会していたり、継続的に宿泊を伴う旅行に行っていたりする場合など、婚姻生活の平穏を著しく害したと裁判実務上判断される場合には、慰謝料請求が認められる可能性があります。
肉体関係がない場合の慰謝料請求の可否については、「不貞行為なしで精神的苦痛を理由に慰謝料請求できる?慰謝料相場は?」で詳しく解説しています。

裁判例から見る一度だけの不倫への法的評価

裁判実務においても、一度だけの不倫を理由に慰謝料の支払いを命じた裁判例は存在します。裁判所は、不貞行為の回数そのものよりも、その行為が婚姻生活に与えた影響を重視する傾向にあるためです。
一度の不貞行為で慰謝料請求が認められた裁判例を紹介します。

東京地裁平成26年12月24日判決|50万円

被告と原告の妻との不貞行為について、原告・被告の間で2度にわたる示談の合意があったにもかかわらず、その後再び一度だけ不貞行為をした事案です。
2度目の示談の後、原告の妻は一時実家に戻りましたが、再び原告と同居を始めています。裁判所は、不貞行為が行われたのは同居を始めてからわずか約2か月後のことで、少なくとも原告は妻との婚姻関係を修復するつもりで夫婦として生活していた時期だと判断しました。よって、不貞行為が行われたときに婚姻関係が破綻していたものとはいえないとして、慰謝料50万円の支払いを命じています。

東京地裁平成23年2月24日判決|70万円

被告と原告の元妻との不貞行為について、元妻に夫がいることを知りながら一度だけ不貞関係を持った事案です。元妻の貞操権が侵害され精神的苦痛を被ったとして慰謝料等の支払いを求めました。
裁判所は、不貞行為により原告に多大な精神的苦痛を与えたことは容易に推認できるとする一方、原告と元妻が離婚した原因は不貞行為だけではないこと、原告と元妻の婚姻期間は比較的短期間であることなどから、慰謝料70万円の支払いを命じています。

東京地裁平成26年12月4日判決|180万円

被告と原告の妻との一度だけの不貞行為について、原告と妻との婚姻関係を侵害したとして、不法行為に基づく損害金及び遅延損害金を求めた事案です。
裁判所は、被告が長期かつ複数回にわたり原告の妻との不貞行為を行なっていたと認めるに足りる証拠はないが、一度不貞行為に及んだ事実が原告の婚姻関係上の利益を侵害し、原告と妻との婚姻関係を破綻に至らせる状態を招いたと判断しました。
被告が原告の妻と不貞行為に及んだ時点で原告らの婚姻関係は約19年以上継続していたこと、原告と同居している子らの精神的苦痛や心理的動揺等も看過できないことから、不貞行為により原告には相応の精神的損害が生じたとして、慰謝料180万円の支払いを命じています。

一度だけの不倫における慰謝料相場

一度だけの不貞行為の場合は、裁判実務上、複数回・長期間にわたり不貞行為を繰り返したケースに比べて、慰謝料額が低額になる傾向があります。
具体的に、一度だけの不貞行為の慰謝料相場は以下のとおりです。

  • 離婚・別居しない場合:50~100万円
  • 不貞行為が原因で離婚・別居する場合:100~200万円

この章では、慰謝料の相場について詳しく解説します。慰謝料が増額・減額される具体的要素につても解説しますので、参考にしてください。

離婚・別居しない場合|50~100万円

不貞行為発覚後も婚姻関係を継続し別居や離婚しない場合の慰謝料相場は、50~100万円程度に収まることが多いです。
婚姻関係の破綻(離婚や別居)に至っていない場合は、不貞行為による精神的損害が比較的限定的であると裁判所が判断する傾向にあるためです。
もっとも、一度の不貞行為が原因で家庭内別居状態になるなど、夫婦関係が著しく悪化した場合には金額が上積みされることもあります。

不貞行為が原因で離婚・別居する場合|100~200万円

不貞行為が原因で離婚や別居に至った場合の慰謝料相場は、裁判実務上、100~200万円程度とされています。
離婚や別居に至った場合は、不貞行為による損害は大きいと判断しやすいことに加え、生活基盤が崩れること自体が大きな損害として捉えられやすいためです。
もっとも、不貞行為が原因で離婚や別居に至った場合でも、すべてのケースで100~200万円程度の慰謝料が認められるわけではありません。夫婦生活の実態や個別事情により、慰謝料額は大きく左右されます。
例えば、婚姻期間が長く円満だった夫婦が不貞行為が原因で離婚した場合は、多額の慰謝料が認められるやすいです。一方で、不貞行為が発覚する前から長期間にわたって家庭内別居状態が継続していたなど、すでに夫婦関係が破綻していたと判断できる場合は、慰謝料請求自体が困難になることもあります。

慰謝料が増額・減額される具体的要素

慰謝料の金額は、個別のさまざまな事情を総合的に考慮して算出されます。以下のような事情がある場合は、慰謝料の増額・減額事由として考慮される可能性があります。

増額事由・夫婦の婚姻期間が長い
・不貞行為により不倫相手が妊娠・出産した
・不倫相手が主導権を握っていた
・関係を解消するよう求めたが継続した
減額事由・夫婦の婚姻期間が短い
・不貞行為発覚後も婚姻関係を継続している
・夫婦の間に子どもがいない
・ダブル不倫である

例えば、一度の不貞行為で不倫相手が妊娠した場合は、精神的苦痛は大きいと判断されて高額な慰謝料が認められることがあります。
慰謝料の増額事由については「不倫慰謝料をできるだけ多くもらいたい!慰謝料の増額事由とは?」で詳しく解説しています。

一度だけの不倫で離婚は認められる?(民法770条の法定離婚事由)

一度だけの不貞行為でも、裁判で離婚が認められる可能性はあります。
配偶者が離婚を拒否する場合は最終的に裁判となりますが、その際は民法第770条に定める法定離婚事由に該当するかどうかが争点となります。
裁判では、不貞行為の有無だけでなく婚姻を続けることが現実的に可能か、信頼関係を回復できる見込みがあるかといった事情も考慮されます。そのため、それぞれの状況によって離婚が認められるかどうかの判断は異なります。
以下で、詳しく解説します。

一度だけの不倫でも離婚が認められる可能性はある

一度だけの不貞行為であっても、民法第770条第1項第1号に該当すると判断されれば、離婚が認められる可能性があります
裁判上の離婚事由を定める民法第770条では、1項1号で配偶者に不貞な行為があったときと定めていますが、そこに回数についての記載はありません。そのため、一度でも肉体関係を持った証拠があれば、配偶者が離婚を拒否しても、離婚を認める判決が下される可能性があります。
もっとも、裁判所は法定離婚事由である不貞行為があれば必ず離婚を認めるというわけではありません。不貞行為発覚後の夫婦関係や子どもの有無、夫婦関係修復の見込みなどの事情を総合的に考慮して婚姻の継続が相当と認められるときは、離婚は認められません
また、不貞行為の証拠が不十分、婚姻関係が破綻しているかどうかに争いがあるなどの理由で、裁判が長期化することもあります。
なお、協議離婚であれば、夫婦双方が合意すれば理由を問わず離婚が成立します。
法定離婚事由については、弊所離婚サイトの「離婚が認められる条件は?必要な手続きや法定離婚事由について解説」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

一度だけの不倫でも婚姻を継続し難い重大な事由となるケース

不貞行為だけでなく、婚姻を継続し難い重大な事由(民法第770条第1項第5号)に該当するとして離婚が認められることもあります。
一度の不貞行為によって夫婦間の信頼関係が完全に破壊され、修復の見込みがないと客観的に判断できるケースでは、婚姻を継続し難い重大な事由に該当するとして離婚が認められることがあります。
具体的に、以下のようなケースが挙げられます。

  • 不貞行為発覚後の対応が不誠実だった
  • 長期間別居している
  • 暴力やモラハラがある

もはや夫婦としての実態がないと判断できる場合は、離婚が認められる可能性が高いです。
婚姻を継続し難い重大な事由については、弊所離婚サイトの「婚姻を継続し難い重大な事由とは|離婚が認められる具体的なケースを紹介」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

慰謝料請求が難しい・認められない5つのケース

不貞行為の事実があっても、法律上の要件や消滅時効、立証責任の問題、証拠の有無などにより、一般的に請求が難しい、または認められないことがあります。
以下の5つのケースに該当する場合は、慰謝料を支払ってもらうのは難しいかもしれません。
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以下で、詳しく解説します。

不倫相手に故意・過失がない

不倫相手に対して慰謝料請求する場合は、不倫相手に故意(既婚者だと知っていた)または過失(注意すれば既婚者だと知り得た)が必要です。不倫相手が既婚者だと知らず、かつ既婚者だと知る余地がなかったと判断された場合は、慰謝料請求は認められません。
例えば、配偶者が独身だと偽っていて、それを信じるに足る状況だった場合などは、故意・過失がないと判断される可能性があります。

不倫前から夫婦関係が破綻していた

不貞慰謝料は、平穏な夫婦生活を送る権利を侵害されたことへの賠償という性質があります。不貞行為の時点ですでに夫婦関係が破綻していた場合は守るべき権利や利益がないため、慰謝料請求は認められません。
例えば、不貞行為発覚前から長期間別居している場合などは、夫婦関係が破綻していたかどうかが争点となりやすいです。

消滅時効が成立している

不貞行為にもとづく慰謝料請求権には、民法第724条消滅時効が定められています。
第七百二十四条不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。 二不法行為の時から二十年間行使しないとき。 引用:民法/e-Gov法令検索 そのため、以下のいずれかを経過した時点で、慰謝料請求権は時効により消滅します。

  • 不貞行為と不倫相手の氏名・住所を知ったときから3年
  • 不貞行為があったときから20年

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消滅時効が成立すると、慰謝料請求ができなくなります
消滅時効は「不貞行為の慰謝料請求はいつまで?起算点や時効が近い時の対処法」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

証拠が不十分

慰謝料請求の最大の壁は、不貞行為の立証です。
慰謝料請求では、請求する側に立証責任があります。そのため、慰謝料を請求された相手が不貞行為の事実を認めない場合、証拠により不貞行為の事実を証明する必要があります。
配偶者と不倫相手が肉体関係を持ったことが客観的に分かる証拠がないと、慰謝料の獲得は難しいでしょう。
特に不貞行為が一度だけの場合は、有力な証拠の入手が難しいケースが多いです。
しかし、焦って違法な手段で証拠を入手すると、証拠として採用されないだけでなく、逆に責任を問われるおそれもあります。違法な方法で証拠を集めることは避ける必要があります。
証拠になり得るものは「浮気の証拠になるもの13選と自力で証拠を集めるポイント・注意点」で紹介していますので、ぜひご参照ください。

配偶者から十分な慰謝料を受け取っている

不貞行為は共同不法行為ですから、配偶者と不倫相手は連帯して慰謝料を支払う責任を負います。そのため、配偶者からすでに十分な慰謝料を受け取っている場合は、不倫相手に対する慰謝料請求が認められない可能性があります。
もっとも、配偶者から受け取った慰謝料が少額の場合は、不倫相手にも請求できる余地があります。
慰謝料請求が難しいケースは「不倫の慰謝料請求できる4つの条件と慰謝料請求が難しい4つのケース」でも詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

配偶者と不倫相手のどちらに請求する?二重取りの考え方

不貞行為にもとづく慰謝料は、配偶者と不倫相手の双方に請求できますが、慰謝料の二重取りはできません。
また、配偶者と離婚せずに不倫相手にのみ請求することもできますが、求償権に注意が必要です。
以下で、詳しく解説します。

不倫は共同不法行為!配偶者と不倫相手の双方に請求できる

不貞行為は配偶者と不倫相手が共同して行う共同不法行為であり、二人は連帯して損害を賠償する責任を負いますそのため、被害者であるあなたは、どちらか一方に全額を請求することもできますし、双方に請求することもできます。
例えば、不倫相手に全額を請求し、配偶者には請求しないという選択も可能です。

慰謝料の二重取りは可能?

慰謝料の二重取りは原則として認められません
慰謝料として受け取れる合計額は、認められた慰謝料の総額を超えることはできないためです。
例えば、不倫相手から認められた慰謝料の全額を受け取った後に、同じ損害を理由に配偶者へ請求することはできません。
もっとも、不倫相手が全額を支払わない場合は、残額を配偶者に請求できます。
また、当事者同士で話し合い、双方が合意した場合には、二重で受け取っても法的に問題はありません。

離婚せずに不倫相手へ慰謝料請求する際の注意点

配偶者と離婚せずに不倫相手に対して慰謝料請求する場合は、求償権に注意が必要です。
求償権とは、共同不法行為者の一方が自身の責任部分を超えて慰謝料を支払った場合に、もう一方の共同不法行為者に超過した分を請求できる権利のことです。
具体的に、不倫相手に慰謝料200万円を請求し不倫相手が全額を支払ったケース(責任割合5:5)で求償権を行使されるとどうなるか確認してみましょう。
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不倫相手から慰謝料を受け取っても、求償権を行使されれば、配偶者の責任部分を家計から支払うことになりかねません。
離婚せずに不倫相手に対して慰謝料請求する場合は、示談する際に求償権を放棄させることが不可欠です。
求償権については「図でわかる!不貞慰謝料の求償権とは?知っておくべきポイントを解説」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

慰謝料請求の流れ

慰謝料請求は、証拠整理→請求(通知)→交渉→示談書の作成→合意できない場合は調停・訴訟の流れで進むのが一般的です。
この章では、以下の3つの項目に分けて、慰謝料請求の流れを詳しく紹介します。

  • 内容証明の送付と交渉
  • 示談書の作成
  • 調停・訴訟になった場合の見通し

ぜひ参考にしてください。

内容証明郵便の送付と交渉

まずは、内容証明郵便を送付して請求の意思を伝えるのが一般的です。
内容証明郵便とは、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰宛に差し出されたかを、差出人が作成した謄本によって日本郵便株式会社が証明する制度です。
請求額や根拠となる事実、支払期限、連絡方法などを明記して内容証明郵便で送付することで、慰謝料を請求した事実を残せます。
弁護士に慰謝料請求を依頼すれば、弁護士名義で内容証明を送付できます。これにより、こちらの本気度が不倫相手に伝わり、心理的プレッシャーを与えやすくなります
不倫相手から減額などを求められた場合は、交渉に入ります。感情的になってしまいがちですが、新たなトラブルを招きかねないため、冷静に対応することが重要です。

示談書の作成

交渉がまとまったら、合意書を作成しましょう。
口約束だけでも示談は成立しますが、「そのような約束はしていない」などと言われたり、認識の違いが生じたりするおそれがあるためです。
示談書を作成することで示談後のトラブルを防ぎやすくなりますし、約束が守られる可能性も高まります
二度と連絡を取らないことを約束させる接触禁止条項や、違反した場合の違約金条項を盛り込むことで、再発防止効果も期待できるでしょう。
示談書には、以下のような事項を記載します。

  • お互いが合意したこと
  • 慰謝料に関する事項
  • 慰謝料以外の誓約事項
  • 示談内容に違反した場合の罰則
  • 求償権放棄
  • 守秘義務
  • 清算条項
  • 示談成立日
  • 当事者の住所、署名、押印

示談書の書き方については「不倫の示談書の書き方と自分で作成する際の注意点【テンプレート付】」で詳しく解説しています。

調停・訴訟になった場合の見通し

交渉がまとまらない場合は裁判所を介した調停や訴訟へ移行します。不貞行為が一度だけであっても、証拠が十分に揃っている場合には、一般的に請求が認められる可能性があります。
1章で紹介したとおり、一度だけの不貞行為で慰謝料の支払いを命じた裁判例も実在します。
ただし、手続きは複雑化しますし、費用負担が増える点には注意が必要です。
また、不貞行為が一度だけの場合は、肉体関係の有無そのものが争点となるケースも多く、長期化するケースも少なくありません。精神的な負担もかかりますし、費用倒れのリスクもあります。
早い段階で不貞問題に精通した弁護士に解決の見通しを確認することをおすすめします。

弁護士に相談・依頼する最適なタイミング

弁護士に相談・依頼する最適なタイミングは、実務上、配偶者を問い詰める前とされています。
「弁護士への相談は証拠が揃ってから」と考えるかもしれませんが、早ければ早いほど弁護士に依頼するメリットを享受しやすいです。証拠の違法収集や不用意な発言も避けやすくなるでしょう。
不倫相手から謝罪や少額提示をされた場合も、合意前に相談することをおすすめします。
以下で、詳しく紹介します。

配偶者を問い詰める前が最適なタイミング

配偶者を問い詰める前が弁護士に相談する最適なタイミングです。
感情的に問い詰めると、証拠を隠滅されたり、不倫相手と口裏を合わせて言い逃れされたりするおそれがあるためです。
手元にある証拠で足りるかどうかを弁護士に確認し、不足している場合はどのように集めるべきか助言を受けてから行動することで、必要な証拠を効率的に集めやすくなります
また、夫婦関係を継続するのか、離婚も視野に入れるのかによって、今後どのように動くべきかが変わります。
感情に任せて行動する前に弁護士に相談してサポートを受けることをおすすめします。

不倫相手から謝罪や少額提示をされた場合も合意前に相談を

不倫相手から謝罪や少額提示をされた場合も合意前に弁護士に相談することをおすすめします。
つい泣き落としに負けてしまったり、慰謝料相場より低い金額で合意してしまったりするおそれがあるためです。
一度示談が成立すると、原則として追加請求や示談内容の撤回はできません
署名押印する前に金額の妥当性と条項の記載内容をチェックしてもらうことで防げる損失もあります。合意前に弁護士に相談し、判断を仰ぐことをおすすめします。

弁護士に依頼することで得られる5つのメリット

弁護士への依頼は、単なる手続き代行ではなく、納得のいく解決を得るための投資といえます。
弁護士に依頼することで、以下のメリットを享受できるためです。
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以下で、詳しく紹介します。

不倫相手との直接交渉から解放され精神的平穏を確保できる

不倫相手との直接交渉から解放され精神的平穏を確保できます
弁護士に依頼すると、弁護士が窓口となるため、不倫相手から直接連絡が来ることはなくなります。その結果、精神的な負担を大きく減らしやすくなります
ご自身で直接交渉すると、怒りや不安から強い言葉を言ってしまい、脅迫や名誉毀損だと逆手に取られるリスクもあります。弁護士に依頼すれば、こうした二次トラブルも防ぎやすくなるでしょう。

法的根拠に基づいた適切な慰謝料を請求できる

法的根拠に基づいた適切な慰謝料を請求できます
弁護士に依頼すれば、裁判例や相場、増減額事由を踏まえて、適切な請求額を算定してもらえます。高すぎて不誠実だと思われる請求も、低すぎて取りこぼす請求も避けやすくなります。
一度だけの不貞行為でも加算できる要素を法的根拠に基づいて主張できるため、妥協のない慰謝料額を請求できるでしょう。

再発を防ぐ示談書を作成してもらえる

再発を防ぐ示談書を作成してもらえます
慰謝料を支払わせても、関係が続けば問題は終わりません。再発を防止するためには、接触禁止を具体的に定義し、違反時の違約金などで実効性を持たせることが重要です。
弁護士に依頼すれば、接触・口外禁止や求償権の放棄、違約金の設定など、素人では不完全になりがちな条項を盛り込んだ適切な示談書を作成してもらえます
誰が読んでも1つの解釈しかできない端的な表現で作成してもらえるため、その解釈を巡るトラブルも防ぎやすくなります。

離婚条件とトータルで調整してもらえる

離婚条件とトータルで調整してもらえます
離婚を見据える場合は、慰謝料だけでなく財産分与や養育費、親権などの条件も考慮する必要があります。慰謝料請求を優先するあまり、他の条件で取り返しがつかない不利が出るケースは少なくありません。
弁護士に依頼すれば、離婚条件全体の整合性を取りながら、最終的な生活の安定を基準に交渉してもらえます
安心して新生活をスタートできるでしょう。

交渉から裁判対応まで一任できる

交渉から裁判対応まで一任できます
交渉がまとまらない場合は調停や訴訟への移行を検討する必要がありますが、裁判所を介する手続きは手続きが複雑ですし、法的知識も必要になります。
弁護士に依頼すれば、内容証明の作成から訴訟対応まで、専門知識が必要なプロセスをすべて任せられます
書面作成や主張立証の負担も大きく減るため、仕事や育児に専念しながら最善の解決を図りやすくなるでしょう。

よくある質問(FAQ)

一度だけの不貞行為にまつわるよくある質問にお答えします。
ぜひ参考にしてください。

一度だけの不倫だと主張しているが本当か確かめる方法はある?

回数の真偽は、単発の証拠よりも、継続性を示す材料から推認するのが現実的です。
メッセージ履歴の期間や写真の日時、決済履歴、同じ曜日や時間帯の外出パターンなどから「一度だけ」と整合しない点が見えることがあります。ホテルや旅行の予約の痕跡、同じ相手とのやり取りの頻度、やり取りの温度感も手がかりになり得るでしょう。

もう会わないと言っている場合は慰謝料を請求しない方がいい?

謝罪と賠償は別物です。精神的苦痛を受けている以上、正当な慰謝料を請求することに何ら問題はありません。
「もう会わない」という口約束は、後から反故にされても証明が難しいのが現実です。再発防止を重視するなら、接触禁止と違約金などを書面で担保する方が安全でしょう。
一方で、慰謝料請求が夫婦関係の修復に悪影響を与えることもあります。家計への影響や配偶者の反発なども踏まえ、慰謝料よりも生活の安定を優先する解決も十分に合理的です。

不倫の証拠がなくても弁護士に相談できる?

証拠がなくても相談できます
現在の手持ちの情報から、どのような証拠を集めれば法的に有利になるか、具体的なアドバイスを受けられます。
特に一度だけの不貞行為が疑われる段階では、何が有効な証拠かの見極めが難しく、違法な収集に踏み込むリスクもあります。相談することで、適法な範囲での保全方法や、配偶者への確認の仕方など、現実的な手順を立てやすくなるでしょう。

まとめ

一度だけの不倫は、決して軽い過ちではありません。それは築き上げてきた家族の信頼を壊す重大な侵害行為です。あなたは法的手段を通じて、その心の痛みに対する正当な賠償を受ける権利を持っています。
一度きりだからと諦める必要はありません。まずは不貞問題に精通した弁護士に、あなたの状況を相談してみてください。プロの視点から示される解決へのロードマップは、あなたが再び笑顔で前を向いて歩き出すための、確かな第一歩となるはずです。
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