サマリー
借金が返済できない状況に陥り、自力でのお金の工面も難しくなった場合でも、実務上、債務整理などの法的な解決策が選択肢として存在します。
一人で悩みを抱え込まず、法律の専門家である弁護士や司法書士へ相談することが問題解決への重要な一歩となります。
毎月の返済が困難になった際は、弁護士や司法書士といった専門家を介して、借金の減額や免除を目指す債務整理(任意整理・個人再生・自己破産など)の手続きを検討できます。
多くの弁護士・司法書士事務所では、初回相談は、30分無料や電話での相談窓口を常設しているため、まずはご自身の返済状況や生活環境といった現状を伝えることから始めてみてください。
借金を払えないまま放置するとどうなる?滞納後に発生する5つの法的なリスクと末路
借金を払えないまま放置すると、債権者からの督促だけでなく、どのような不利益が生じるのでしょうか。
滞納の期間が経過するにつれて状況は悪化し、一般的に私生活や財産管理において大きな影響を及ぼす事態に発展するリスクが高まります。

初期段階では法定の遅延損害金の発生から始まり、最終的には債権者が裁判所を介した法的手続き(強制執行)をとることで、預貯金や給与などの財産を差し押さえられる可能性があります。
また、主債務の契約時に連帯保証人や保証人を設定している場合は、債務者に代わって保証人へ一括請求が行われるため、周囲の家族や親族を巻き込む事態に直面することもあります。
遅延損害金の加算により借金総額がさらに膨らむ
契約で定められた返済期日までに支払いができないと、実務上、その翌日から完済に至るまで日割りで遅延損害金が発生します。
これは返済が遅滞したことに対する損害賠償金(ペナルティ)であり、利息制限法に基づき、通常の約定利息よりも高い金利(年20%程度など)で設定されているのが一般的です。
消費者金融からの借入や銀行カードローン、住宅ローンなど、どのような借り入れであっても、滞納を継続すれば遅延損害金は元金に対して日割りで加算され続けます。
滞納期間が長引くほど返済総額は雪だるま式に増加し、自力での完済がさらに困難な状況へと陥ってしまいます。
債権者からの電話やハガキによる初期の督促が始まる
返済が滞ると、まずは貸金業者(消費者金融やクレジットカード会社など)からの督促が開始されます。
滞納の初期段階では、登録されている本人の携帯電話への通話連絡や、返済を促す督促状・ハガキの自宅への送付が主な手段となります。
しかし、これらの連絡をすべて無視し続けて本人と連絡が取れない状態が続くと、実務上、確認のために自宅の固定電話や勤務先へ連絡が入る可能性も否定できません。
貸金業法によって不当な取立て行為(深夜早朝の連絡など)には厳格な規制が設けられていますが、適法な範囲での度重なる連絡であっても、日常生活において精神的に大きなプレッシャーとなります。
期限の利益を喪失し自宅に一括返済を求める通知が届く
返済の滞納が概ね2〜3か月以上連続して続くと、多くの金銭消費貸借契約において期限の利益の喪失という状態を迎えます。
これは「毎月分割で返済すればよい」という債務者側の権利を失うことを意味し、貸金業者は残っている借入元本(残債)の全額に加え、未払い利息およびそれまでに発生した遅延損害金を一括で支払うよう請求してきます。
通常、この一括請求は催告書や一括請求通知書といったタイトルの書面で、後々の証拠となるよう内容証明郵便によって自宅に送付される傾向があります。
個人で対応しようとしても、この段階に至ると貸金業者が独自の分割払い交渉に応じることは極めて難しくなりますが、弁護士等の専門家を介した債務整理手続きであれば、実務上、再度交渉が可能なケースもあります。
法的措置への移行により裁判所から訴状や支払督促が送付される
送達された一括請求を放置・無視していると、貸金業者は未払金回収のために、裁判所を通じて本格的な法的措置を開始します。
具体的には、管轄の裁判所に対する民事訴訟の提起や、支払督促の申し立てといった手続きが行われます。
これにより、裁判所から訴状や支払督促といった公的な書面が、特別送達という原則として手渡し義務のある特殊な郵便で自宅に届くことになります。
この裁判所からの書類を受け取った後、定められた期間内(概ね2週間〜1か月以内)に答弁書の提出や督促異議申し立てなどの適切な対応を取らない場合、反論がないものとみなされ、貸金業者の主張が全面的に認められた判決(または仮執行宣言付支払督促)が確定してしまいます。
強制執行により給与や預金口座などの財産が差し押さえられる
裁判手続きにおいて判決などの債務名義が確定すると、貸金業者は裁判所に対して強制執行の申し立てを行うことができるようになり、財産の差し押さえが実行される段階に移行します。
実務上、差し押さえの主な対象となるのは、債務者名義の預金口座や勤務先から支給される給与、あるいは不動産などの資産です。
給与の差し押さえについては、民事執行法上、原則として毎月の手取り額の4分の1(手取り額が44万円を超える場合は、33万円を控除した残額の全額)が法律上の上限と定められています。ただし、裁判所から勤務先(第三債務者)へ直接債権差押命令が送達されるため、借金を滞納して法的措置を受けている事実が勤務先に知られることになります。
また、金融機関の預金口座が差し押さえられた場合は、その送達時点における口座残高から、請求額に達するまでの金額(または残高の全額)が強制的に取り立てられる仕組みとなっています。
関連記事:強制執行とは?種類や流れ・期間・費用などをわかりやすく解説
借金が払えない・返済できないときに絶対にしてはいけない3つのNG行動
借金の返済が困難に陥った状況では、精神的な焦りやプレッシャーから、結果として事態をさらに悪化させる行動をとってしまう傾向があります。
当座を凌ぐために良かれと思って取った行動が、かえって利息の負担を増やして借金問題を複雑にし、法律に基づく根本的な解決を遠ざけてしまうケースは少なくありません。
ここでは、経済的に追い詰められた局面において、実務上、絶対にとるべきではない行動とその具体的なリスクについて解説します。
貸金業者(債権者)からの督促や連絡をすべて無視・放置する
貸金業者からの督促電話や郵便物を一律に無視し続ける行為は、実務上極めてリスクが高いといえます。
債務者との連絡が一切取れない状態が継続すると、貸金業者は「誠実な返済の意思がない」と判断し、ガイドラインに沿った形での自宅訪問や、裁判所を介した民事訴訟・支払督促といった法的措置へ早期に移行する可能性が高まります。
一時的に返済が難しい状況であっても、相手方からの連絡自体には応じ、現状の支払いが困難である旨を伝えて真摯に対応することが、事態の急激な悪化を防ぐ傾向に繋がりますが、根本的な解決のためには早期に弁護士等へ相談することが実務上推奨されます。
返借金返済のために別の金融業者から新たに借り入れを重ねる(多重債務)
A社への返済資金を工面するためにB社から新たに借り入れるという行為は、いわゆる自転車操業となり、多重債務に陥る典型的なパターンです。
この方法では、その月の返済を一時的にクリアできたとしても、実質的には借金問題を先送りにしているに過ぎません。
新しく契約した借入先に対しても当然に約定利息が発生するため、元金の合計額とともに毎月の利息負担は雪だるま式に着実に増加していきます。
特に、安易に借り入れができるカードローンや、違法な高金利で融資を行うヤミ金(闇金)などを利用し始めると、完全に返済能力を超えた多重債務状態となり、最終的にはすべての債務の返済が行き詰まる結果を招きかねません。
クレジットカードのショッピング枠を現金化する行為
クレジットカードの通常のショッピング枠で購入した商品(新幹線回数券やブランド品など)を専門の業者等に売却して現金を得るクレジットカード現金化は、すべてのカード会社が会員規約で厳格に禁止している行為です。
この現金化行為がカード会社に発覚した場合、規約違反としてクレジットカードの利用停止や強制解約処分が下され、かつ利用残高(残債)の全額を一括請求される重大なリスクがあります。
また、現金化業者の手数料負担が非常に大きいため、決済額に対して手元に入る現金は大幅に少なく、経済的に実質的な借金を急増させる結果となります。さらに、この行為は破産法第252条1項2号が定める「不当な債務負担行為(換金行為)」に該当し、自己破産手続きにおける「免責不許可事由」となるため、将来的に裁判所から法的な免責(借金の免除)が許可されなくなる重大な法的リスクがあります。
関連記事:自己破産の免責不許可事由とは?該当しても免責される裁量免責とは?
【相談料無料】借金問題を根本から解決したいときの主な相談先(弁護士・司法書士)
借金問題は一人で抱え込まず、法律の専門家に相談して適切な債務整理手続きを選択することが、生活再建への最短ルートとなります。
特に弁護士や司法書士は、民法や破産法などの法律に基づいた専門手続きで借金問題を解決する国家資格者であり、債権者である貸金業者との交渉や、裁判所へ提出する書類の作成・法的手続きを広くサポートします。また、専門家が窓口となることで、実務上、業者からの督促が一時的に停止するメリットがあります。
多くの法律事務所や法務事務所では、借金に関する初回相談を無料(あるいは一定条件下で無料)で実施しているため、まずは現状の債務総額や収入状況を話し、ご自身の状況に最適な解決策のアドバイスを受けることが可能です。
弁護士事務所|借金額の制限なく代理人としてすべての法的手続きを任せられる相談先
弁護士は、法律上の制限なく債務整理に関するすべての交渉・裁判手続きにおいて、依頼者の訴訟代理人となる資格を有しています。
具体的には、債権者と直接交渉する任意整理をはじめ、裁判所を介する個人再生や自己破産、過去に支払いすぎた利息を取り戻す過払い金請求など、あらゆる借金問題の手続きに全般的に対応可能です。
特に、債権者1社あたりの借入元本が140万円を超える場合や、個人再生・自己破産といった地方裁判所が管轄となる厳格な法的手続きを進める場合は、審尋への同席や管財人との面接も含めて包括的に本人の代理を務められる弁護士に依頼するのが実務上一般的です。
弁護士に依頼することで、本人は貸金業者との直接のやり取りから解放され、複雑な書類収集や法的手続きの大部分を代理人として一任することができます。
司法書士事務所(認定司法書士)|1社あたり140万円以下の任意整理に対応可能な相談先
法務大臣の認定を受けた認定司法書士であれば、弁護士と同様に借金問題に関する一部の法律相談や手続きに対応することが可能です。
ただし、弁護士とは異なり法的な業務範囲に制限が設けられており、代理人として貸金業者と直接交渉・和解ができるのは、民事上の争いの目的である1社あたりの元金額(個別の債権額)が140万円以下の任意整理や過払い金請求の手続きに限られます。
そのため、1社あたり140万円を超える案件や、地方裁判所の管轄となる個人再生・自己破産の手続きにおいては、司法書士の権限は裁判所提出書類の作成(書類作成支援)に限られ、弁護士のように本人の代理人として裁判官との審尋に同席したり、地方裁判所で法的代理活動を行ったりすることは法律上できません。
したがって、各貸金業者からの借金額がそれぞれ140万円以下であり、裁判所を通さない任意整理による解決を希望している場合においては、実務上、適した相談先の一つといえます。
中立的な視点から無料でアドバイスがもらえる公的な相談窓口
法律事務所への直接の相談に心理的な抵抗がある場合や、まずは中立的な第三者の意見を聞きたい場合には、自治体や国が関与する公的な相談窓口を活用するのも実務上、有効な選択肢です。
これらの公的機関は非営利目的で運営されているため、原則として無料で法律相談の仕組みや生活再建へのアドバイスを客観的な立場から受けることができます。
窓口自体が直接債権者と交渉する代理人となるわけではありませんが、借金問題解決への最適な道筋を立てるための制度説明や情報提供、必要に応じて弁護士会や司法書士会などの専門家へ橋渡しをする役割を担っています。
法テラス(日本司法支援センター)|要件を満たせば弁護士費用の立て替え制度(民事法律扶助)が利用できる窓口
法テラス(日本司法支援センター)は、国が設立した総合的な法的トラブル解決のための公的案内所です。
経済的な困窮によって弁護士や司法書士への相談・依頼費用を捻出することが難しい方のための仕組みとして、実務上民事法律扶助制度が運用されています。
法テラスが定める収入や資産の一定基準(資力要件)を下回る場合、同一の相談内容につき最大3回まで、弁護士や司法書士による無料法律相談を利用することが可能です。
さらに、正式に債務整理を依頼する際の着手金や実費などの費用を法テラスが一時的に立て替える代理援助などの利用も可能です(立て替えられた費用は、原則として事後に月々5,000〜10,000円程度の分割で法テラスへ償還していく形となります)。
日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)|クレジットカードや消費者ローン等の無料カウンセリング窓口
公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)は、主にクレジットカードや消費者ローンによる多重債務に苦しむ方々の生活再建・家計管理を支援している公的な機関です。
CCOでは、法律カウンセラーである弁護士と、家計管理の専門家である消費生活アドバイザー等のカウンセラーが共同で、無料で相談対応やカウンセリングを行っています。
現在の収入と支出、債務状況を詳しくヒアリングした上で、無理のない返済計画の作成や家計の再生に向けた具体的なアドバイスを提供しています。
また、一定の要件を満たし、かつ対象となる貸金業者が同意する事案であれば、実務上、協会が仲介する形での任意整理(カウンセリング合意)手続きを無料でサポートしてもらえるケースも存在します。
財務局の多重債務相談窓口|専門の相談員による中立的な面談・電話相談窓口
国の機関である全国各地の財務局や財務事務所には、多重債務に悩む方を対象とした専門の多重債務相談窓口が常設されています。
電話や面談形式を通じて、専門の相談員が現在の借入総額や件数を整理し、各種債務整理手続きの特徴や、個別の状況に応じた法テラス・弁護士会等の適切な相談先・公的機関を紹介するアドバイスを行っています。
財務局自体が貸金業者と直接の減額交渉を行うわけではありませんが、違法な高金利や過酷な取立てを行うヤミ金の被害に関する情報受付や相談にも対応しており、実務上、問題解決の糸口を見つける上で極めて有益な窓口です。
市区町村の自治体役場|定期的に実施される弁護士による無料法律相談会
多くの市区町村などの地方自治体では、住民サービス(市民相談など)の一環として、地元の弁護士会に所属する弁護士を招いた無料法律相談会を定期的に開催しています。
一般的な相談時間は1回あたり20〜30分程度と限られている傾向にありますが、ご自身の借金問題について専門の弁護士から対面等で直接、無料で初期的な見解をもらえる貴重な機会となります。ただし、実際の債務整理手続きを依頼する場合は、別途法律事務所等への契約が必要となるのが通常です。
利用には事前の予約が必要なケースが大半を占めるため、現在お住まいの市区町村の広報誌や自治体の公式ウェブサイト等を通じて、開催スケジュールや予約・申し込み方法を事前に確認のうえ活用してください。
消費生活センター(消費者ホットライン「188」)|多重債務や契約トラブルの総合的な相談窓口
消費生活センターは、主に商品やサービスの契約トラブルに関する相談窓口として広く知られていますが、実務上、多重債務や借金問題全般に関する生活相談についても幅広く受け付けています。
日本全国どこからでも、局番なしの3桁の電話番号「188(いやや)」へ発信することで、地方公共団体が設置している最寄りの消費生活センター等の相談窓口に繋がります。
クレジットカードの過剰利用による多重債務をはじめ、悪質な架空請求やヤミ金業者とのトラブルについても初期相談が可能であり、専門の消費生活相談員から生活再建に向けた一般的な助言や、解決に適した弁護士会・法テラス等のしかるべき法的な専門機関の紹介を受けることができます。
参考:どうしよう?困ったときは、消費者ホットライン188番にご相談を!/政府広報オンライン
債務整理を視野に入れた自分に合った借金相談窓口を見つけるための3つのポイント
借金問題に関する相談窓口には、弁護士事務所や司法書士事務所などの有資格者から、国・自治体が運営する公的機関までさまざまな選択肢が存在します。
どの窓口がご自身にとって最適であるかは、現在の借入総額や資産の有無、収入状況、あるいは何を優先して解決したいかという個別事情によって異なります。
例えば、「一刻も早く貸金業者からの督促を止めたい」のか、「手続きにかかる費用を極力抑えたい」のか、あるいは「まずは生活再建に向けてじっくりと話を聞いてほしい」のかなど、重視するポイントを整理することが大切です。

ご自身の希望や優先事項を明確にすることで、実務上、現在の状況に応じた最適な相談先を見つけやすくなります。
ポイント1|今すぐ貸金業者からの督促を止めたいなら弁護士・司法書士事務所
貸金業者からの度重なる電話やハガキによる督促に精神的に追い詰められている場合、実務上、最も迅速な解決に繋がりやすいのは弁護士や認定司法書士への依頼です。
法律の専門家に債務整理を正式に委任し、その専門家から債権者(貸金業者等)へ受任通知(介入通知)が送達された場合、貸金業法第21条の規定等に基づき、貸金業者が債務者本人へ直接連絡して取立てを行うことは法律上禁止されます。
これにより、日々の督促による心理的プレッシャーから一時的に解放され、落ち着いて最適な生活再建の手続きを進めるための精神的な余裕を得ることが可能となります。
ポイント2|専門家への依頼費用をなるべく抑えたいなら法テラスや公的窓口
借金問題の解決のために弁護士等への依頼を希望していても、手元に当面の費用がないために相談を躊躇してしまうケースは少なくありません。
その経済的な不安がある場合は、まず国が設立した公的機関である法テラスの利用を検討するのも一つの手段です。
法テラスが定める収入や資産の一定の基準(資力要件)を満たしている場合、制度上、同一事案につき3回までの無料法律相談や、弁護士・司法書士費用の立替え制度(民事法律扶助)を利用することができます。
また、市区町村の自治体役場が実施する定期法律相談会や日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)など、無料で利用できる公的窓口を活用し、客観的な情報収集から始めることも実務上、有効な方法です。
関連記事:債務整理の無料相談窓口9つ|無料相談を有効活用するコツ
ポイント3|まずは中立な立場で家計の現状を聞いてほしいならカウンセリング相談窓口
いきなり裁判所や法律事務所を介した法的手続きを進めることに躊躇があり、まずはご自身の債務状況や家計の現状を整理し、第三者に話を聞いてほしいと希望される場合は、カウンセリング機能を有する窓口が適している傾向にあります。
例えば、日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)や各地域の財務局の多重債務相談窓口では、専門の相談員やカウンセラーが現在の収支バランスをヒアリングし、家計の見直しや生活再建、適切な法的手続きの紹介に向けたアドバイスを行っています。
非営利の公的な機関に中立的な立場から現状を診断してもらうことで、冷静にご自身の債務状況を客観視でき、根本的な問題解決(債務整理など)へと次の一歩を踏み出す契機となります。
借金問題を法的に根本から解決する債務整理の主な3つの方法・仕組み
債務整理とは、月々の返済負担の軽減や借入元本の減額、あるいは支払義務の免除などを目指す手続きであり、実務上、主に任意整理、個人再生、自己破産の3種類に大別されます。
どの手続きが最も適しているかは、現在の負債総額や利息の割合、毎月の安定した収入の有無、所有している資産(持ち家や車など)の状況、およびご本人の意向などを専門家が総合的に精査した上で判断されます。
任意整理|裁判所を介さずに債権者と直接交渉し将来利息のカットを目指す手続き
任意整理とは、裁判所の法的倒産手続きを利用せず、弁護士や認定司法書士が債務者の代理人となって各債権者(貸金業者等)と個別に民事上の和解交渉を行い、月々の返済条件の見直しについて合意を目指す手続きです。
実務上は、今後発生する予定の将来利息や遅延損害金の免除(カット)を交渉し、残存している借入元本のみを原則として3〜5年程度(36回〜60回払い程度)の長期分割で返済していく内容の和解契約を締結することが一般的です。
他の手続き(自己破産・個人再生)とは異なり債権者平等の原則による法的制約を受けないため、例えば連帯保証人が設定されている借入や、引き揚げを防ぎたいオートローン(自動車のローン)などを整理対象から除外して、特定の債務のみを柔軟に交渉できる点が実務上の大きな特徴です。
関連記事:任意整理とは?メリット・デメリット・費用相場や手続きができる条件・流れをわかりやすく解説
個人再生|裁判所の認可を得て借金を大幅に減額し持ち家を残せる可能性のある手続き
個人再生(個人民事再生)とは、管轄の裁判所へ申立てを行い、法律が定める最低弁済額等に基づいた再生計画の認可決定を受けることで、借入元本の総額を原則として大幅に減額(債務総額に応じて概ね5分の1から最大10分の1程度まで減額)してもらう法的な手続きです。
裁判所に認められた減額後の残債については、確定した再生計画に沿って、原則として3年間(特別の事情がある場合は最長5年間)の期間をかけて計画的に分割返済していくことになります。
この手続きの極めて大きな実務上のメリットは、民事再生法上の住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を適用することにより、住宅ローンの返済はそのまま継続して自宅(マイホーム)の処分を免れつつ、それ以外のカードローンや消費者金融等の債務のみを大幅に圧縮できる可能性がある点です。
ただし、減額後の債務を継続して返済していく必要があるため、実務上、将来にわたり継続的または反復して安定した収入を得る見込みがあることが法律上の必須要件となります。
自己破産|裁判所から支払不能の認定と免責許可を受け借金の支払義務を免除してもらう手続き
自己破産とは、債務者の現在の収入や資産状況に照らし、これ以上借金を継続して返済していくことが不可能な状態(支払不能)であると裁判所に認定してもらい、破産法に基づく免責許可決定を得ることで、法律上、対象となる借金の支払義務を原則としてすべて免除(帳消しに)してもらう法的手続きです。
なお、公租公課(税金や国民健康保険料など)や子供の養育費、重大な不法行為に基づく損害賠償金などは、破産法上の非免責債権に該当するため免除されませんが、これらを除く一般的な消費者金融、カードローン等の債務はすべてゼロになるため、経済的生活を根本から再生するための最終的な法的手段と位置づけられています。
手続きにあたっては、一定の価値がある資産(原則として20万円を超える価値のある不動産や自動車、生命保険の解約返戻金など)は処分され債権者への配当等に充てられますが、破産法上で認められた自由財産(99万円以下の現金や、家具・家電などの生活必需品)は手元に残すことが実務上認められています。
関連記事:自己破産とは?簡単に説明|内容や条件・注意点をわかりやすく解説
弁護士・司法書士事務所に相談してから債務整理によって借金問題が解決するまでの一般的な流れ
法律の専門家である弁護士等への相談を決意してから、債務の整理が完了するまでには、一般的にいくつかの重要なステップを経て進められます。

法的な債務整理手続きには複雑な書類審査等が含まれますが、正式な委任契約を締結した後は代理人である弁護士・司法書士が主導して実務を進めるため、過度な心配は不要です。
ここでは、最初の無料相談窓口の利用から、手続きが完了し生活再建に向かうまでの標準的なフローについて解説します。
ステップ1|無料相談(電話・Web等)を予約し現在の借入・収支状況を伝える
まずは、相談を希望する弁護士・司法書士事務所の受付窓口(電話、Web問い合わせフォーム、公式LINEなど)から連絡を入れ、無料相談の実施日時を予約します。
相談当日は、債務整理のシミュレーションを正確に行うため、借入先の業者名(債権者数)、各社の借入残高、取引期間(借入を始めた時期)、および現在の毎月の手取り収入や生活費、所有している資産の状況などをできる限り正確に伝えます。
あらかじめこれらの情報を手元のメモに書き出しておいたり、債権者からの督促状や利用明細、お手持ちのクレジットカードなどを持参・手元に用意したりしておくと、相談の実務がよりスムーズに進行します。
万が一、特定の借入先を隠すなど事実と異なる申告を行うと、適切な解決策の提案を受けられないばかりか、自己破産手続き等において破産法上の免責不許可事由(虚偽の債権者一覧表提出など)に該当し、法的免責が受けられなくなるなどの重大な不利益が生じる恐れがあります。そのため、現在の状況をありのまま誠実に専門家へ開示することが極めて重要です。
ステップ2|専門家から最適な債務整理プランの提案・費用の説明を受け検討する
面談や聞き取りによって開示された情報に基づき、法律の専門家は任意整理、個人再生、自己破産といった選択肢の法定要件を照らし合わせ、生活再建に最も適した解決プランを提案します。
提案の際には、各債務整理手続きを選択した場合のメリットだけでなくデメリット(信用情報への影響など)、解決までに要する実務的な期間の目安、および手続きに発生する弁護士・司法書士費用(着手金や報酬金等)の内訳について詳細なインフォームド・コンセント(説明)が行われます。
提示された解決プランの内容や経済的な負担について、ご自身で十分に理解し、納得できるかどうかを慎重に判断します。
無料相談を実施したその場で契約を即決することを強要されるわけではなく、説明資料や見積もりを一度自宅へ持ち帰り、家族と相談するなどして熟考することも実務上、当然に可能です。
ステップ3|委任契約を締結し専門家が受任通知を発送(即日〜数日中に督促が停止)
専門家から提示された債務整理の方針および弁護士・司法書士報酬の支払い方法に合意できれば、正式に委任契約(弁護書面等の締結)を取り交わします。
正式な委任契約が成立すると、代理人となった専門家は速やかに、すべての借入先(債権者)に対して受任通知(介入通知)を郵送やFAX等の実務上迅速な方法で発送します。
この受任通知が貸金業者や債権回収会社(サービサー)に送達された時点で、貸金業法等の規定に基づき、債務者本人に対する直接の電話連絡、ハガキ・訪問などによる取立て・督促行為は法的に厳格に禁止されます。
これにより、これまで悩まされてきた日々の過酷な取り立てのプレッシャーから一時的に解放され、生活の平穏を取り戻しながら今後の手続き準備に専念できるようになります。
ステップ4|代理人となった専門家が債権者との和解交渉や裁判所への申立て実務を代行
委任契約の締結後は、原則として代理人(または書類作成代理人)となった専門家が、債権者や裁判所との各種やり取り・実務手続きを一手に引き受けて進行します。
任意整理を選択した場合は、専門家が各貸金業者と個別に交渉を行い、将来利息の免除や遅延損害金のカット、元本の36〜60回程度の長期分割返済計画の締結に向けた和解交渉を重ねます。
個人再生や自己破産を選択した場合は、裁判所に提出する申立書や資産目録などの複雑な書類作成、法的な申立て手続き、さらには実務上発生する破産管財人・再生委員との面接への対応や、裁判官による審尋(※弁護士が代理人の場合は同席や代理対応が可能)など、厳格な法的手続きを広く代行・サポートします。
この期間中、依頼者ご本人は専門家からの具体的な指示に基づき、手続きに必要な公的書類(住民票や課税証明書など)や収入を証明する書類(給与明細、源泉徴収票、過去の預貯金通帳の開示等)を準備する形で実務に協力します。
ステップ5|和解契約の締結または裁判所の免責確定等により手続きが完了する
任意整理においては、すべての対象業者との間で個別に和解書が取り交わされた時点で手続きが一段落し、合意した新たな分割返済計画(将来利息なしの元本均等割など)に従って、毎月の返済を再開していくことになります。
個人再生においては、裁判所から提出した再生計画に対する認可決定が下され、それが確定した段階で手続きが完了します。その後は大幅に減額された再生債権を、計画に沿って原則3年間にわた利分割で返済していきます。
自己破産においては、裁判所から免責許可決定が出され、その決定が官報掲載を経て正式に確定した時点で手続きがすべて完了します。この確定をもって、法律上の非免責債権を除くすべての借金の支払義務が免除(免責)されます。
いずれの手続きであっても、法的なプロセスを適切に完了させることで、長年悩まされてきた過大な債務問題に終止符を打ち、経済的に健全な新しい生活(リスタート)へと歩みを進めることが可能となります。
【Q&A】借金が払えないときの債務整理・専門家相談に関するよくある質問
借金問題について弁護士等へ相談を検討しているものの、「不利益が生じるのではないか」といった様々な不安や疑問から、なかなか相談窓口へ一歩を踏み出せないという方は非常に多いのが実情です。
ここでは、実務上、債務整理の相談時に多く寄せられる代表的なご質問とその法的な回答・実務上の配慮について解説します。
相談前に抱える心理的なハードルを少しでも解消するための参考にしてください。
弁護士や司法書士に相談・依頼すると家族や勤務先に借金のことが知られてしまいますか?
弁護士(弁護士法23条)や司法書士(司法書士法24条)には、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない厳格な守秘義務が法律で課されています。そのため、無料相談の段階や正式な依頼後に、本人の同意なく家族や勤務先へ借金の情報が開示されることは実務上ありません。
特に裁判所を介さない任意整理手続きでは、法律事務所からの郵送物の差出人名を個人名にするなど、同居の家族や会社に知られないよう実務上最大限の配慮を講じて進めることが一般的です。
ただし、裁判所を介する自己破産や個人再生手続きを選択する場合、法律上の規定により国の機関紙である官報に氏名や住所が掲載されるほか、実務上、同居しているご家族の収入証明書や通帳コピーの提出を裁判所から求められるケースがあるため、状況によってはご家族の協力や説明が必要となる場合があります。
関連記事:債務整理すると官報に載る?掲載される情報・期間や載らない方法は?
手元にお金がなく専門家への依頼費用(着手金等)が払えない状態でも相談は可能ですか?
はい、費用の有無にかかわらず、問題なく法律相談をご利用いただけます。
債務整理を取り扱う多くの弁護士事務所や司法書士事務所では、借金問題に関する初回の面談・電話法律相談を無料(相談料0円)で設定しています。
また、正式に手続きを委任する際の費用(着手金など)についても、実務上多くの事務所が月々の分割払いや後払いの相談に応じています。債務整理を依頼すると同時に貸金業者への毎月の返済が一時停止するため、その停止期間中に、これまで返済に充てていた資金の範囲内で無理なく専門家費用を分割で積み立てていく運用が一般的です。
さらに、生活保護を受給されている方や収入が一定水準以下であるなど経済的に困窮している場合は、先述の法テラスの民事法律扶助制度を活用し、弁護士費用を国に立て替えてもらうことも可能ですので、まずは現在の財務状況を安心してご相談ください。
債務整理の手続きを行うと「ブラックリストに載る(信用情報への影響)」というのは本当ですか?
はい、債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)を実行すると、指定信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターなど)に事故情報(異動情報)が登録されます。
この信用情報への事故情報の登録が、一般的に「ブラックリストに載る」と表現される状態の実態です。
事故情報が登録されている一定期間(手続きの種類や信用情報機関の規約により、概ね5〜7年程度、場合によっては最長10年程度)は、与信審査において経済的信用力が低いと判断されるため、新規のクレジットカード発行や各種ローンの契約、スマートフォンの分割購入、および新たな借入れを行うことが実務上、極めて困難になります。
ただし、債務整理の手続きをとるかどうかにかかわらず、すでに毎月の返済が2か月(61日または3か月)以上連続して遅延・滞納している場合、実務上その時点で信用情報にはすでに長期延滞という事故情報が登録されている可能性が高いといえます。そのため、ブラックリストへの登録を恐れて滞納を放置するよりも、早期に債務整理を行って生活を再建する方が、実務上合理的な選択肢となる傾向にあります。
まとめ|借金が払えないときは放置せず、速やかに最適な無料相談窓口へ
毎月の借金が返済できない状況のまま無断で放置を続けると、法定の遅延損害金によって未払残債が膨らみ続けるだけでなく、期限の利益を喪失して一括請求を受け、最終的には裁判所を介した強制執行により給与や預貯金口座などの財産を差し押さえられる重大なリーガルリスクに直面します。
当座の返済資金を捻出するために別の貸金業者から新たに借り入れる行為(多重債務・自転車操業)や、債権者からの連絡を一律に無視・放置する対応は、事態を急激に悪化させるため実務上絶対に行うべきではありません。
借金問題を根本から解決するためには、代理人として包括的な権限を持つ弁護士や司法書士などの法律の専門家、あるいは費用負担を抑えられる法テラスや各公的機関の無料相談窓口へ、速やかにアプローチを試みることが極めて重要です。
ご自身の借入総額や収入の有無といった個別の経済状況に合わせて適切な相談先を選択し、任意整理・個人再生・自己破産といった最適な債務整理手続きを進めることで、過大な債務問題を法的にクリアし、生活の根本的な再建を目指すことが可能となります。
借金問題や毎月の返済トラブルにお悩みの方は、ぜひネクスパート法律事務所へご相談ください。債務整理の実務経験が豊富な弁護士が、ご相談者様の現在の債務状況や収支のバランスを丁寧にヒアリングし、私生活や勤務先への影響に最大限配慮した最適な解決方法を分かりやすくアドバイスいたします。
当事務所では、借金に関する初期のご不安を解消していただくため、初回相談は30分無料で承っております。ご自宅から安心してご相談いただけるオンライン・リモート面談による無料相談にも対応しておりますので、周囲に知られる前に、まずはお気軽にお問い合わせフォームや電話からご連絡ください。
コラム監修者
Shunsuke Teragaki
所属:代表(東京オフィス)
広島県広島市出身。修道高校、慶應義塾大学商学部、青山学院大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所の代表弁護士として、依頼者に最適な見通しと戦略的な解決策を示すことを信条とし、丁寧かつ粘り強い対応で信頼を築いている。