更新日:2022年12月28日 (水)

公開日:2022年12月28日 (水)

交通事故の示談書が届く期間は?到着が遅れる原因と対処法を解説

交通事故の示談書が届く期間は?到着が遅れる原因と対処法を解説 交通事故の示談書が届く期間は?到着が遅れる原因と対処法を解説

サマリー

交通事故の示談交渉が合意に至ったにもかかわらず、手元に示談書がなかなか届かないと、手続きが順調に進んでいるのか不安になる方も多いのではないでしょうか。通常、示談書は示談成立から数日〜1週間程度で届くことが多いですが、手続きの状況によっては発送までに時間がかかるケースもあります。この記事では、示談書が届くまでの一般的な期間や示談金振込までの流れをはじめ、到着が遅れる主な原因や届かないときの確認手順について詳しく解説します。

交通事故の示談書が届くまでの期間と示談金振込の流れ

交通事故の示談書が届くまでの期間と示談金振込の流れ

交通事故における示談交渉が合意に達した場合、加害者側の任意保険会社から示談に関する書類が送付されます。合意成立から被害者の手元に書類が届くまでの期間は、通常であれば数日から1週間程度が一般的な目安とされています。

合意内容が確定した後に書面の作成や発送作業が行われるため、郵送事情などによって多少前後することもありますが、1週間前後で届くケースが多く見られます。

示談書と免責証書の違い

保険会社から送られてくる書類には、「示談書」と呼ばれる書面と「免責証書」と呼ばれる書面の2種類が存在します。どちらを取り交わした場合であっても、法的な効力自体に大きな違いはありません。

ただし、作成手続きや原本の保管方法などに以下のような形式上の差異があります。

書面の種類 記名押印する当事者 原本の所持者
示談書 加害者・被害者の双方 双方がそれぞれ原本を1通ずつ所持
免責証書 被害者のみ 加害者(保険会社)が原本、被害者は写し(控え)を所持

実務上、任意保険会社が間に入っている場合は、手続きを迅速に進める目的から免責証書が用いられるケースも少なくありません。

示談書の返送から示談金振込までの目安期間

送付された書類の内容を確認し、署名・押印をして返送した後の入金スケジュールについても把握しておくことが大切です。

加害者が任意保険に加入している場合、示談成立から指定口座へ示談金が振り込まれるまでの期間は、概ね2〜3週間後が目安となります。

保険会社に返送書類が到着した後、社内での最終的な決済や振込手続きが行われるため、返送してから実際に着金するまでに1〜2週間程度の時間を要するのが通例です。

なお、加害者が任意保険に加入していないケースでは、示談書の取り交わしと引き換えに一括で受領する場合や、合意内容に基づき分割で支払われる場合など、相手方の資力や合意条件によって受領時期や方法が異なります。

示談交渉の流れについての詳細はこちら

事故発生から示談成立までにかかる標準的な期間

交通事故の示談交渉にかかる期間は、事故の形態や怪我の程度によって大きく異なります。損害額が確定しなければ具体的な交渉を始められないため、事故発生から示談成立までのスケジュールは一様ではありません。

一般的には、示談交渉が開始されてから双方が合意に至るまで「2〜3か月程度」を要するケースが多い傾向にあります。

事故の種別 事故発生〜示談交渉の開始 示談交渉の開始〜示談成立
物損事故 1〜2か月程度 2〜3か月程度
人身事故 受傷状況によって変動 2〜3か月程度
死亡事故 1〜2か月程度 2〜3か月程度

物損事故の場合

怪我人がいない物損事故では、車両の修理費用や代車費用の見積もりが確定次第、示談交渉を開始できます。事故発生から1〜2か月程度で交渉に入り、過失割合などに大きな争いがなければ2〜3か月程度で示談成立に至るのが標準的です。

人身事故の場合

人身事故では、治療が終了して損害賠償請求の総額が確定するまで示談交渉を始めることができません。治療期間は数週間で済む軽傷から半年以上に及ぶ重傷まで幅広く、受傷状況によって交渉開始までの期間は大きく変動します。

また、症状固定後に後遺症が残った場合は、後遺障害等級認定の手続きを経る必要があります。認定申請や審査には数か月の期間を要することがあるため、事故発生から示談開始までに長期間を要するケースも珍しくありません。

死亡事故の場合

死亡事故においては、葬儀や四十九日の法要を終えてご遺族の生活が落ち着いた頃である、事故発生から1〜2か月程度を目安に交渉が開始されることが一般的です。その後の示談交渉自体は、争点が少なければ2〜3か月程度でまとまる傾向があります。

交通事故の示談交渉にかかる期間の詳細はこちら

示談書の到着が遅れる主なケース

口頭や書面による示談交渉で双方が合意に至ったにもかかわらず、手元に示談書がなかなか届かないことがあります。遅れが生じる要因としては、保険会社の事務手続きや加害者側の対応状況など、複数のケースが考えられます。

保険会社担当者の業務過多による作成・発送の遅延

加害者が任意保険に加入している事案では、保険会社の担当者が示談書や免責証書を作成し、被害者宛てに発送するのが一般的な流れです。しかし、担当者は日常的に数多くの示談交渉や事故対応、事務処理を並行して抱えています。

担当者の業務が集中している時期や事務処理が滞っている状況では、示談自体はまとまっていても、書類の作成や発送作業に着手するまでに時間がかかってしまうことがあります。

保険会社の社内稟議・決済手続きの長期化

保険会社が示談書を正式に発行・送付する前には、合意内容や支払金額について社内での稟議および決済を経る必要があります。この社内手続きに時間を要していることも、示談書の送付が遅れる代表的な理由です。

示談金額が高額にのぼる場合や、当初の提示額から大幅に変更された合意内容である場合は、社内での確認事項が増え稟議に日数を要することがあります。

加害者本人が署名・押印を保留または滞納しているケース

双方が記名押印を行う示談書の形式を採用している場合、保険会社から加害者本人へ書類が送付され、加害者の署名・押印を待つ手順を踏むことがあります。この際、加害者側が内容の確認を保留していたり返送を怠っていたりすると、手続きが停滞します。

また、加害者が任意保険に加入していないケースでは、当事者間で直接示談書を取り交わすことになりますが、加害者本人が示談書への署名・押印に難色を示して手続きが遅れてしまう事例も見られます。

示談書がなかなか届かないときの対処法と確認事項

示談交渉で口頭の合意が成立したにもかかわらず、示談書(または免責証書)が届かない場合は、状況に応じた確認と手続きが必要になります。また、書面が届いた際にも、内容を精査せずに署名・押印することは避けるべきです。

示談成立から2週間程度経過した場合の連絡手順

示談の合意から2週間ほど経過しても手元に書面が届かない場合は、加害者側の保険会社担当者へ進捗状況を問い合わせることが一般的です。郵送事故や社内手続きの滞りなど、何らかの理由で発送が遅れている可能性があります。

問い合わせを行う際は、現在の処理状況に加えて、発送予定日の目途や遅延の具体的な理由を確認します。もし加害者本人の署名・押印待ちが原因となっている場合は、担当者から加害者へ督促を行ってもらうよう依頼するとよいでしょう。

届いた示談書の確認事項と誤りがあった場合の対応

示談書が手元に届いたら、合意した内容と記載事項に齟齬がないかを丁寧に照合します。示談成立から書類作成までに日数が空いた場合、金額の記載ミスや合意事項の漏れが生じる可能性も否定できません。

  • 示談金の総額および内訳(治療費、休業損害、入通院慰謝料など)が合意通りか
  • すでに受領した既払い金が正しく差し引かれているか
  • 合意した過失割合が正確に反映されているか
  • 示談金の振込先口座情報や支払期日の記載に誤りがないか

一度署名・押印をして示談書を取り交わすと、原則として後から内容の変更や撤回を求めることは困難になります。

記載内容に少しでも疑問点や相違点がある場合は、決して署名・押印をして返送せず、速やかに加害者側の保険会社へ連絡して修正や再発行を求めることが重要です。

示談交渉や手続きに関する弁護士への相談

保険会社とのやり取りや手続き負担の軽減

交通事故の示談交渉では、加害者側の任意保険会社との連絡対応や各種書類の準備など、多くの手続きをこなす必要があります。保険会社は日常的に事故対応を行っているため、被害者自身で対応しようとすると、提示された賠償額や過失割合が妥当であるかを判断するだけでも多くの労力や時間を費やすことになりがちです。

弁護士に示談交渉を依頼した場合、保険会社との交渉窓口や事務手続きを一任することができます。日々の連絡対応から解放されるため、治療や日常生活への復帰に専念できる環境を整えやすくなり、精神的・時間的な負担の軽減につながります。

また、怪我の程度によって後遺障害等級認定の申請が必要となるケースでも、書類の収集や申請手続きに関する助言を受けることで、手続きをスムーズに進めやすくなります。

署名・押印前に示談内容を確認することの重要性

保険会社から提示された示談案や送付されてきた示談書に対して、金額や条件に納得がいかない部分や疑問点がある場合は、そのまま署名・押印をして返送しないよう注意が必要です。

示談書や免責証書を取り交わして示談が一度成立してしまうと、後からその合意内容を撤回したり、追加の賠償金を請求したりすることは原則として極めて困難になります。

提示された示談金額や過失割合が適切な基準に基づいているか不安なときは、書面を取り交わす前の段階で弁護士へ相談し、内容の妥当性を確認してもらうことが安心につながります。

示談交渉における弁護士への依頼に関する詳細はこちら

コラム監修者

JUNICHI TASHIRO

JUNICHI TASHIRO

所属:福岡オフィス 支店長

福岡県北九州市出身。小倉高校、岡山大学法学部、神戸大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所福岡オフィス所長として、依頼者にとって何が大事かを第一に考え、スピード感をもって解決することを信条とし、どこの事務所よりもネクスパート法律事務所に依頼したいと思ってもらえるよう日夜奮闘中。

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