更新日:2026年8月31日 (月)
公開日:2026年8月31日 (月)
リベンジポルノで逮捕されるケースとは?罰則・不起訴の可能性・示談の重要性を解説
サマリー
リベンジポルノとは、元交際相手などの私的な性的画像や動画を、本人の同意なくインターネット上で公開したり、第三者へ提供したりする行為をいいます。
このような行為は、リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)によって処罰される犯罪です。
また、画像や動画の撮影方法や公開の態様によっては、名誉毀損罪や性的姿態等撮影罪(性的姿態等撮影処罰法)など、別の犯罪が成立する場合もあります。
実際に、リベンジポルノ事件で逮捕された事例は少なくありません。
感情に任せて一度だけ画像や動画を投稿した場合であっても、警察の捜査対象となり、事案の内容や証拠関係などによっては逮捕や起訴に至る可能性があります。
そのため、リベンジポルノに該当する行為をしてしまった場合や、警察から事情聴取や出頭を求められた場合には、できるだけ早い段階で刑事事件に詳しい弁護士へ相談し、適切な対応を取ることが重要です。
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リベンジポルノで逮捕される?|成立する犯罪と罰則
リベンジポルノに該当する行為を行った場合、警察の捜査対象となり、事案の内容や逃亡・証拠隠滅のおそれなどによっては逮捕される可能性があります。
リベンジポルノ事案は、被害者に深刻な精神的苦痛を与えるだけでなく、一度インターネット上やSNSへ画像や動画が公開されると、短時間で拡散し、完全に削除することが困難になるケースも少なくありません。
そのため、被害拡大を防ぐ必要性から、警察による捜査が行われることがあります。
また、インターネット上では匿名で投稿したつもりでも、IPアドレスや通信記録などをもとに投稿者が特定されるケースは少なくありません。
「匿名だから身元は分からない」と考えるのは危険です。
リベンジポルノ防止法で定められた罰則

リベンジポルノ防止法では、私事性的画像を本人の同意なく第三者が閲覧できる状態で提供した場合、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されます。
また、そのような画像を第三者へ提供する目的で保管した場合には、1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科されます。
有罪判決が確定すると前科が付くため、就職や資格取得などに影響が及ぶ可能性もあります。
リベンジポルノ防止法違反となる代表的な行為

リベンジポルノ防止法で問題となる代表的な行為には、次のようなものがあります。
- SNSやインターネット掲示板などに私事性的画像や動画を投稿し、不特定または多数の人が閲覧できる状態にする行為
- 私事性的画像や動画を、本人以外の第三者へLINEやメールなどで送信・提供する行為(法律上の要件を満たす場合)
このような行為に該当する場合には、リベンジポルノ防止法違反として刑事責任を問われる可能性があります。
リベンジポルノ防止法以外の犯罪が成立する場合もある
リベンジポルノ行為は、リベンジポルノ防止法違反だけでなく、他の犯罪が成立することもあります。
例えば、画像や動画を公開したことで被害者の社会的評価を低下させた場合には刑法第230条の名誉毀損罪が成立する可能性があります。
また、「画像を公開する」などと告げて被害者を畏怖させた場合には刑法第222条の脅迫罪、画像を公開しない代わりに金銭を要求した場合には刑法第249条の恐喝罪、義務のない行為を要求した場合には刑法第223条の強要罪が成立する可能性があります。
さらに、公開した画像や動画が、本人の同意なく撮影されたものであった場合には、撮影行為について性的姿態等撮影罪(性的姿態等撮影処罰法)が問題となることもあります。
事案によっては複数の犯罪が同時に成立し、刑事責任がより重く評価される可能性があるため注意が必要です。
リベンジポルノで警察に逮捕される主なケース
リベンジポルノ事件では、被害者からの申告をきっかけに捜査が開始されるケースが多くみられますが、インターネット上の監視活動などを通じて警察が違法な投稿を把握し、捜査を開始する場合もあります。
投稿者が特定されたからといって必ず逮捕されるわけではありませんが、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合などには、逮捕される可能性があります。
被害届や告訴をきっかけに捜査が始まるケース
被害者が警察へ相談し、被害届や告訴を行うことで捜査が開始されるケースです。
警察は、被害者から提出された資料や投稿内容を確認するとともに、必要に応じてサイト運営者や通信事業者などへ照会を行い、通信記録などを収集しながら投稿者の特定を進めます。
その結果、犯罪の嫌疑が認められ、逮捕の必要性があると判断された場合には、逮捕状が請求されることがあります。
サイバーパトロールなどで発覚するケース
リベンジポルノ事件は、被害者からの申告だけでなく、警察によるサイバーパトロールなどをきっかけに発覚する場合もあります。
警察は、インターネット上の違法・有害情報を継続的に確認しており、その過程でリベンジポルノに該当する可能性のある投稿を把握した場合には、捜査へ発展することがあります。
被害者がまだ警察へ相談していない段階であっても、事案によっては捜査が開始される可能性があります。
実際の事件でみられる典型的な手口
リベンジポルノ事件では、元交際相手とのトラブルをきっかけに私事性的画像や動画をSNSやインターネット掲示板へ投稿したり、LINEなどを利用して知人へ送信したりするケースが多くみられます。
また、「画像を公開する」などと告げて相手を脅したり、金銭や復縁を要求したりするケースでは、リベンジポルノ防止法違反だけでなく、刑法第222条の脅迫罪や刑法第249条の恐喝罪、刑法第223条の強要罪などが問題となることがあります。
なお、警察から事情聴取や出頭を求められた場合でも、直ちに逮捕されるとは限りません。
しかし、正当な理由なく呼び出しに応じなかった場合や、逃亡・証拠隠滅のおそれがあると判断された場合には、逮捕される可能性があります。
そのため、警察から連絡を受けた場合には、できるだけ早く弁護士へ相談し、適切な対応を検討することが重要です。
リベンジポルノで逮捕された後の流れ|起訴・不起訴はどう決まる?

リベンジポルノ事件で逮捕されると、警察や検察による捜査を経て、起訴されるか不起訴となるかが判断されます。
逮捕されたからといって、必ず起訴されるわけではありません。
しかし、身柄事件となった場合には一定期間の身体拘束を受ける可能性があり、その間に検察官が事件の内容や証拠関係などを踏まえて最終的な処分を決定します。
また、起訴された場合には刑事裁判へ進み、有罪判決を受けると前科が付くことになります。
ここでは、リベンジポルノ事件で逮捕された後の一般的な手続の流れについて解説します。
逮捕後は最長23日間身体拘束を受ける可能性がある
逮捕されると、まず警察による取調べが行われます。
警察は、逮捕から原則48時間以内に事件を検察官へ送致(送検)するか釈放するかを判断します。
その後、検察官は受理後24時間以内に勾留を請求するかどうかを決定します。
検察官が逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断し、裁判官もこれを認めた場合には勾留が決定されます。
勾留期間は原則10日間ですが、やむを得ない事情がある場合にはさらに10日間延長されることがあります。
このため、逮捕から起訴・不起訴が決まるまで、最大で約23日間身体拘束が続く可能性があります。
検察官が起訴・不起訴を判断する
勾留期間中、検察官は収集した証拠や供述内容を踏まえ、起訴するか不起訴処分とするかを判断します。
判断に当たっては、
- 犯行の内容や悪質性
- 証拠関係
- 被害の拡大状況
- 被害者との示談や被害回復の状況
- 被疑者の反省状況
など、さまざまな事情が総合的に考慮されます。
不起訴処分となった場合には刑事裁判は開かれず、前科も付きません。
一方、起訴された場合には刑事裁判へ進むことになります。
起訴されると刑事裁判で判決が言い渡される
検察官が起訴すると、事件は刑事裁判へ移行します。
裁判では、検察官が犯罪事実を立証し、弁護人は示談の成立や被害回復、反省の状況など、被告人に有利となる事情を主張します。
裁判所は、犯行の内容や被害結果、示談や被害弁償の有無などを総合的に考慮して、有罪・無罪や量刑を判断します。
有罪判決が確定すると前科が付き、職業や資格によっては一定の影響を受ける場合もあります。
不起訴処分を目指すには早期対応が重要
前科を避けるためには、起訴される前の段階で不起訴処分を目指すことが重要です。
不起訴となるかどうかは事件ごとの事情によって異なりますが、被害者との示談が成立し、被害回復が図られていることや、真摯な反省の姿勢が認められることは、検察官の判断において考慮される事情となることがあります。
もっとも、示談が成立したからといって必ず不起訴になるわけではなく、犯行態様や証拠関係なども含めて総合的に判断されます。
そのため、警察から連絡を受けた場合や捜査が始まった場合には、できるだけ早い段階で弁護士へ相談し、示談交渉や今後の対応について助言を受けることが重要です。
不起訴処分については、以下の記事も合わせてご参照ください。
不起訴処分とは|不起訴になる理由や無罪との違い
リベンジポルノで逮捕・起訴を回避するために重要なポイント
リベンジポルノ事件では、事件発覚後の対応がその後の刑事手続に大きな影響を与えることがあります。
なかでも、被害者への謝罪や被害回復に向けた対応は、検察官が起訴・不起訴を判断する際や、裁判所が量刑を判断する際に考慮される事情の一つです。
もっとも、示談が成立したからといって必ず逮捕や起訴を回避できるわけではありません。
逮捕の必要性は、逃亡や証拠隠滅のおそれなどを踏まえて判断され、起訴・不起訴についても犯行態様や証拠関係などを含めて総合的に判断されます。
そのため、警察から連絡を受けた場合や捜査が始まった場合には、できるだけ早い段階で弁護士へ相談し、適切な対応を進めることが重要です。
被害者への謝罪や示談交渉を進める
リベンジポルノ事件では、被害者への謝罪や損害賠償を含む示談交渉が重要となることがあります。
示談では、慰謝料(解決金)の支払いだけでなく、投稿した画像や動画の削除、端末やクラウドに保存されているデータの削除、今後の接触禁止などについて合意するケースも少なくありません。
慰謝料の金額は、被害の内容や画像の拡散状況など個別の事情によって大きく異なります。
示談が成立し、被害回復が図られていることは、事件の処分や量刑を判断する際の事情として考慮されることがあります。
示談は不起訴や量刑判断で考慮されることがある
被害者との示談が成立していることは、検察官が起訴・不起訴を判断する際の事情の一つとなることがあります。
また、起訴された場合でも、示談の成立や被害弁償、真摯な反省の姿勢などは、裁判所が量刑を判断する際に考慮される事情となることがあります。
もっとも、示談の成立だけで不起訴や執行猶予が決まるわけではありません。
犯行態様や被害の程度、証拠関係なども含めて総合的に判断されるため、できるだけ早い段階で弁護士へ相談し、適切な対応を進めることが重要です。
刑事事件の示談交渉については、以下の記事も合わせてご参照ください。
示談交渉とは?刑事事件の示談の流れや注意点・示談金相場を徹底解説
リベンジポルノ事件を弁護士に相談する3つのメリット
リベンジポルノ事件では、事件発覚後の対応がその後の処分に影響することがあります。
被害者へ直接連絡すると、かえって被害感情を悪化させたり、トラブルが深刻化したりするおそれもあるため、できるだけ早い段階で刑事事件に詳しい弁護士へ相談することが重要です。
弁護士は、示談交渉だけでなく、身柄解放に向けた活動や取調べへの対応についても助言・弁護活動を行います。
被害者との示談交渉を代理人として進められる
被害者は、加害者本人との接触を望まないことが少なくありません。
弁護士が代理人となることで、被害者の心情にも配慮しながら、謝罪や被害弁償について冷静に協議を進めることができます。
また、合意内容を適切に整理した示談書を作成することで、後日のトラブル防止にもつながります。
逮捕・勾留からの早期の身柄解放を目指せる
逮捕・勾留された場合には、弁護士は逃亡や証拠隠滅のおそれが低いことなどを主張し、勾留の回避や早期の身柄解放に向けた弁護活動を行います。
事案によって結果は異なりますが、勾留請求を阻止したり、勾留決定に対して刑事訴訟法第429条の準抗告を申し立てたりすることで、身体拘束の期間を短縮できる場合があります。
自首や取調べへの対応について助言を受けられる
警察へ自首することを検討している場合には、事前に弁護士へ相談することで、刑法第42条の自首が成立する可能性や今後の見通しについて助言を受けることができます。
また、取調べにおける注意点や供述のポイントについてもアドバイスを受けられるため、不用意な供述による不利益を避けられる可能性があります。
自発的な出頭や真摯な反省の姿勢は、事件の処分や量刑を判断する際に考慮される事情となることがあります。
リベンジポルノの逮捕に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、リベンジポルノ事件と逮捕について、よく寄せられる質問を解説します。
ネットに画像を投稿したらすぐに特定されて逮捕されますか?
投稿したからといって、直ちに特定・逮捕されるとは限りません。
しかし、被害者や第三者からの通報や、警察によるサイバーパトロールなどをきっかけに事件が発覚し、捜査が開始されることがあります。
また、匿名アカウントを利用していた場合でも、通信記録や契約者情報などをもとに投稿者が特定される可能性があります。
そのため、「匿名だから見つからない」と考えるのは危険です。
なお、逮捕の要否は、逃亡や証拠隠滅のおそれなどを踏まえ、個別の事情に応じて判断されます。
リベンジポルノの示談金はいくらくらいになりますか?
示談金には法律上の基準や一律の相場はありません。
金額は、画像や動画の内容、拡散の範囲、被害者が受けた精神的苦痛、事件後の対応など、さまざまな事情を踏まえて個別に決まります。
事案によっては数十万円から数百万円程度で示談が成立する例もありますが、これを大きく上回る場合や下回る場合もあるため、一概に金額を示すことはできません。
逮捕されたら会社や学校に知られてしまいますか?
必ず会社や学校へ知られるわけではありません。
警察や検察が会社や学校へ直接連絡するケースは一般的ではありませんが、勾留によって長期間出勤・登校できなくなったことや、事件が報道されたことなどをきっかけに知られる場合があります。
そのため、事案によっては、早い段階で弁護士へ相談し、身柄拘束の回避や早期の身柄解放に向けた対応を検討することが重要となります。
まとめ
リベンジポルノは、私事性的画像を本人の同意なく公開・提供する行為であり、リベンジポルノ防止法によって処罰される犯罪です。
事案によっては、刑法第230条の名誉毀損罪や刑法第222条の脅迫罪など、他の犯罪が成立する可能性もあります。
また、リベンジポルノ事件では、警察の捜査を受けて逮捕・起訴されるケースもありますが、すべての事案で逮捕や起訴となるわけではありません。
逮捕の必要性や処分の内容は、犯行態様や証拠関係、被害者との示談状況など、さまざまな事情を総合的に考慮して判断されます。
被害者との示談や被害回復への取組みは、検察官が起訴・不起訴を判断する際や、裁判所が量刑を判断する際に考慮される事情となることがあります。
リベンジポルノに該当する行為をしてしまった場合や、警察から連絡を受けた場合には、一人で判断せず、できるだけ早い段階で刑事事件に詳しい弁護士へ相談し、状況に応じた適切な対応を進めることが重要です。
ネクスパート法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が多数在籍しています。
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ぜひ一度ご相談ください。
コラム監修者
RUI SATO
所属:代表(東京オフィス)
明治大学付属中野高校卒業、明治大学法学部・法科大学院修了。2012年弁護士登録(東京弁護士会)、2016年ネクスパート法律事務所を創設。一般民事・企業法務に加え、ブロックチェーン分野にも注力し、海外法人設立支援業務などにも取り組む。AIを活用した弁護士業務の改善・事業開発に取り組み、一般社団法人 イノベーション法務支援機構代表理事就任。公正取引委員会・中小企業庁講師、日弁連代議員、東京弁護士会常議員等を歴任。