更新日:2023年7月25日 (火)

公開日:2023年7月25日 (火)

不倫慰謝料の増額を狙うには?増額可能性のある16ケースを徹底解説

不倫慰謝料の増額を狙うには?増額可能性のある16ケースを徹底解説 不倫慰謝料の増額を狙うには?増額可能性のある16ケースを徹底解説

サマリー

配偶者の不倫が発覚したときの衝撃や怒り、悲しみは計り知れないでしょう。
傷ついた心の回復とまではいえなくても、少しでも多くの慰謝料を獲得して、自分の中でけじめをつけたいと考える人は多いです。
しかし、ただ闇雲に高額な慰謝料を提示しても、あなたの思うとおりの慰謝料を獲得するのは難しいです。
できるだけ多くの慰謝料を獲得したいと考えている場合は、次の2つを抑えましょう。

1.不倫慰謝料が増額するポイントを知る
2.不倫発覚後すぐに配偶者を問い詰めず入念な準備を行う
この記事では、不倫慰謝料が増額される可能性のある16のケースを紹介します。
あなたがまだ気づいていない増額要素が潜んでいるかもしれません。
少しでも多くの慰謝料を獲得できるよう、増額のコツも解説しますので、ぜひ参考にしてください。

不倫慰謝料が増額される可能性のある16のケース

不倫慰謝料が増額される可能性のある16のケースは、次のとおりです。

  • 不倫の期間が長い・回数が多い
  • 婚姻期間が長い
  • 夫婦間に未成熟子がいる
  • 不倫が原因で離婚・別居した
  • 不倫発覚前の夫婦関係は良好だった
  • 不倫が原因でうつ病などを患った
  • 夫婦の自宅で行為に及んだ
  • 不倫相手が妊娠・出産した
  • 不倫発覚後も交際を継続した
  • 不倫発覚後に同居を開始し夫婦同様の生活をした
  • 不倫相手の反省や謝罪がない
  • 不倫相手が虚偽の主張をした
  • 不倫相手が嫌がらせ行為をした
  • 不倫相手が離婚を執拗に要求した
  • 不倫相手の収入が高い
  • 配偶者が不倫相手に経済的援助をした

増額するかどうかは、主に、被害者の精神的苦痛が大きいか・夫婦関係に与える影響が大きいか・交際態様そのものが悪質かの3つの視点から考えるとわかり易いでしょう。

※なお以下、裁判例の当事者は次のとおり表記は以下のとおりでします。
・ X:X原告
・ Y:Y被告
・ A:原告の配偶者(被告が不倫相手のみの場合)不貞配偶者

不倫の期間が長い・回数が多い

不倫の期間が長い・回数が多いケースです。
不倫の期間が長い・肉体関係を持った回数が多いほど、被害者の精神的苦痛も大きいと評価され、慰謝料が増額される傾向にあります。
不倫期間が〇年以上だと長い、肉体関係を持った回数が〇回以上だと多いという明確な基準が定められているわけではありませんが、裁判所の判断は、おおむね下表のとおりです。

慰謝料増額要素 目安
不倫期間が長い 1年以上
肉体関係を持った回数が多い 10回以上

不倫期間が長いことが、慰謝料算定の際に考慮された裁判例を紹介します。

【不倫期間約22年|東京地裁平成27年7月8日判決】
不倫相手に対する慰謝料400万円が認められた事例です。
裁判所は、AとYの不倫期間が少なくとも約22年に及び、XとAの婚姻期間そのものに匹敵し得るほど長期にわたることを、増額要素の一つとしています。
なお、その他の事情は次のとおりです。
・ 婚姻期間約24年
・ 子あり(交際開始当時0歳)
・ 婚姻継続
・ 不倫発覚後もXを欺く態様で関係を継続した

不倫期間が短くても、肉体関係を持った回数が多ければ、慰謝料が増額される可能性もあります。
不倫期間は長いとは言えないとしつつ、高頻度で肉体関係を持ったことが、慰謝料算定の際に考慮された裁判例を紹介します。

【1~2週間に1度の肉体関係|東京地裁平成30年2月20日判決】
不倫相手に対する慰謝料220万円が認められた事例です。
裁判所は、不倫期間は1年に満たず、長いとはいえないとしつつ、平均して1~2週に1度程度の頻度で肉体関係を持っていたこと、それ以外にも深夜に会っていたことなどを加えれば、かなりの頻度になると評価しています。
なお、その他の事情は次のとおりです。
・ 婚姻期間約13年
・ 子あり(交際開始当時9歳)
・ 別居
・ 関係の断絶を約束したわずか3、4日後に関係を再開した
・ Xは、自律神経失調症、適応障害などと診断された

肉体関係を持った回数は、証拠上明らかなもののみが慰謝料の算定の基礎になります。
実際には、数十回に及ぶ肉体関係があったとしても、証拠により客観的に証明できなければ、裁判では認められません。
したがって、慰謝料増額を狙うには、肉体関係を示す証拠をできるだけ多く集めましょう。

婚姻期間が長い

婚姻期間が長いケースです。
慰謝料が増額されやすい理由として、次の2点が挙げられます。

  • 婚姻期間が長いほど、夫婦関係に与える影響も大きいと評価される傾向にある
  • 長年、専業主婦の場合や高齢の場合が多く、離婚して新たな生活をスタートする際の経済的・精神的負担が大きい

婚姻期間の長さも、明確な基準があるわけではありませんが、裁判所の判断は、おおむね下表のとおりです。

慰謝料増額要素 目安
婚姻期間が長い 15年以上

婚姻期間が、慰謝料算定の際に考慮された裁判例を紹介します。

【婚姻期間27年|東京地裁平成21年6月17日判決】
不倫した配偶者と不倫相手に対する慰謝料300万円が認められた事例です。
裁判所は、交際開始時において、婚姻期間が既に27年に及んでいたことを考慮しています。
なお、その他の事情は次のとおりです。
・ 不倫期間約4年
・ 子あり(ただし、成人済み)
・ 別居
・ Xは、自立した経済力を有している
・ Y1は、相当の資力を有している
・ Yらは現在に至るまで関係を継続している

婚姻期間そのものは短くても、婚姻期間に占める不倫期間の割合が大きい場合は、慰謝料の増額に繋がる可能性もあります。

夫婦間に未成熟子がいる

夫婦間に未成熟子がいるケースです。
未成熟子とは、経済的に自立していない子のことで、必ずしも未成年者と一致するわけではありません。 夫婦間に未成熟子がいる場合は、子が受ける影響が大きいことや、離婚後の子の監護養育の精神的・経済的負担が大きいことから、慰謝料が増額される傾向にあります。

不倫が原因で離婚・別居した

不倫が原因で離婚・別居したケースです。
婚姻継続・別居・離婚の不倫慰謝料の相場は、下表のとおりです。

不倫が原因で離婚・別居した場合には、婚姻関係を継続するケースよりも、夫婦関係に与えた影響が大きいと評価されることから、慰謝料が増額される傾向にあります。

不倫発覚前の夫婦関係は良好だった

不倫発覚前の夫婦関係は良好だったケースです。
不倫発覚前の夫婦関係が良好であればあるほど、夫婦関係に与えた影響も大きいと評価され、慰謝料が増額される傾向にあります。
慰謝料増額要素のひとつである離婚や別居は、不倫による結果のみに着目していますが、慰謝料算定の際には、不倫による前後の変化も考慮されます。
例えば、不倫開始以前から冷え切った夫婦仲良し夫婦とでは、同じく不倫によって離婚という結果になっても、夫婦関係に与えた影響の度合いは異なるでしょう。
不倫前の夫婦関係の状況が、慰謝料の算定に一定程度影響を与えた裁判例をいくつかピックアップすると、以下のとおり、円満度によって慰謝料の金額に差があることがわかります。

不倫前の夫婦関係 慰謝料額 破綻の程度 その他の事情 事件名
不倫が始まるまでは特段の問題なく相応に円満だった 300万円 別居 ・不倫期間:約4か月
・婚姻期間:約10年
・子あり
・YはAが既婚者と知りながら肉体関係を結んだ
・YのXの対応が終始不誠実だった
・婚姻破綻の主たる原因はAの不道徳な行為にあること
東京地裁平成22年12月9日判決
幸福な家庭生活を送っていた 150万円 婚姻継続 ・不倫期間:約4か月
・婚姻期間:約10年
・子あり
・AY間の不倫は3度にわたりXに発覚した
・Yが9歳年上のAに対して積極的に誘ったとは考えにくい
東京地裁平成19年7月31日判決
幼い2児の育児をこなす多忙な日々の中でも、Aを交えて平穏な婚姻生活を送っていた 120万円 婚姻継続 ・不倫期間:約1年
・婚姻期間:約5年
・子あり
・Yが妊娠・出産
・Xの警告後も交際継続
東京地裁平成28年4月26日判決
AがYとの交際開始後、生活費を入れない、自宅を不在にしがちだったが、Xはこれを放任するなど円満とはいい難い面があった 100万円 婚姻継続 ・不倫期間:約2年
・婚姻期間:約18年
・子あり
・YはAに配偶者がいることを知りながら不倫関係に陥った
東京地裁平成23年1月11日判決
破綻の危機に瀕していた 40万円 離婚訴訟中 ・不倫期間:約10か月
・婚姻期間:約14年
・子なし
・Yに故意があったとは認められず、過失を認定
東京地裁平成30年1月23日判決
X自身の暴力を原因として既に破綻に限りなく近い状態だった 40万円 離婚 ・肉体関係を持った回数1回
・婚姻期間:約14年
・子なし
東京地裁令和4年12月15日判決

慰謝料増額を狙うには、不倫発覚前の時点で、夫婦関係が良好なことを示す証拠を集めることが大切です。

不倫が原因でうつ病などを患った

不倫が原因でうつ病などを患ったケースです。
被害者の精神的苦痛の程度が特に大きいと評価され、慰謝料が増額される傾向にあります。
診断書などによって、精神的苦痛が生じたことを客観的に証明しやすい点も、増額に繋がりやすい理由です。
ただし、不倫発覚から通院までの期間が空いている場合は、不倫と病状との因果関係が認められないと判断され、慰謝料が増額されない可能性もあります。
不倫が発覚してから、ご自身の心身に不調が生じた場合には、早めに病院を受診することをおすすめします。
不倫慰謝料の増額とうつ病の関係について、詳しくは「うつ病の診断書があれば慰謝料は増額できる?治療費等も請求できる?」の記事をご参照ください。

夫婦の自宅で行為に及んだ

夫婦の自宅で行為に及んだケースです。
態様そのものが悪質として、慰謝料が増額される可能性があります。
夫婦の自宅で肉体関係を持ったことが、慰謝料算定の際に考慮された裁判例を紹介します。

【夫婦の自宅で行為に及んだ|東京地裁平成29年1月11日判決】
不倫をした配偶者に対する慰謝料150万円が認められた事例です。
裁判所は、不倫期間は約1週間程度ではあるものの、その場所はいずれも自宅であったことを考慮しています。
なお、その他の事情は次のとおりです。
・ 不倫期間約1週間
・ 婚姻期間約5年半
・ 子あり(交際開始当時1歳)
・ 別居
・ 不倫前からXはYに対し、「離婚しよう。」と言い、その後別居を継続

肉体関係の証拠を集める際は、その場所も特定できるような証拠を集められると、なおよいでしょう。

不倫相手が妊娠・出産した

不倫相手が妊娠・出産したケースです。
被害者の精神的苦痛が大きいこと、夫婦関係に与える影響が大きいことから、慰謝料が増額される傾向にあります。
不倫相手が妊娠・出産したことが、慰謝料算定の際に考慮された裁判例を紹介します。

【不倫相手が妊娠・出産|東京地裁平成26年5月16日判決】
不倫相手に対する慰謝料300万円が認められた事例です。
裁判所は、不倫相手が妊娠・出産したこと及びその他の事情から、Xが受けた精神的苦痛は大きいとしています。
なお、その他の事情は次のとおりです。
・ 不倫期間約3か月
・ 婚姻期間約7年
・ 子あり(交際開始当時8歳)
・ 別居
・ 不倫発覚後も関係を継続
・ Xは、抑うつ、不安等の症状あり

不倫相手の妊娠が発覚したばかりの人は、これから何をしたらよいか、不安でいっぱいのことと思います。
不倫相手が妊娠している場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
どのタイミングで慰謝料請求するのがベストかなど、弁護士と話し合いながら決めていけるでしょう。

不倫発覚後も交際を継続した

不倫発覚後も交際を継続したケースです。
不倫発覚後も交際を継続した場合には、悪質性が高く、被害者の精神的苦痛も大きいと評価され、慰謝料が増額される傾向にあります。
不倫発覚後の交際には、次の3パターンが挙げられます。

  1. 単なる継続
  2. 交際をやめるよう要請したにもかかわらず継続
  3. 交際をやめると約束したにもかかわらず継続

①よりも②の方が、②よりも③の方が、慰謝料は高くなりやすいでしょう。
交際をやめるよう要請したにもかかわらず継続したことが、慰謝料算定の際に考慮された裁判例を紹介します。

【交際をやめるよう要請したにも関わらず交際を継続|東京地裁平成19年4月5日判決】
不倫相手に対する慰謝料300万円が認められた事例です。
裁判所は、YがXから再三にわたりAと別れるよう求められたにもかかわらず、これを拒絶し続けていたことを考慮しています。
・ 不倫期間約3か月
・ 婚姻期間約7年
・ 子あり(交際開始当時8歳)
・ 別居
・ 不倫発覚後も関係を継続
・ Xは、抑うつ、不安等の症状あり

したがって、不倫発覚後、交際をやめるよう何らかのアクションを起こす場合には、交際をやめるよう要請したLINEやメールのやり取り、交際をやめると約束したLINEやメールのやり取りを残しましょう。
関係解消を約束した誓約書などがあると、なおよいでしょう。

不倫発覚後に同居を開始し夫婦同様の生活をした

不倫発覚後に同居を開始し、夫婦同様の生活をしたケースです。
交際態様そのものが悪質なことや、被害者の精神的苦痛が増大するだけでなく、子がいる場合には、その子にも悪影響を及ぼすことから、慰謝料が増額される傾向にあります。
不倫発覚後に同居を開始したことが、慰謝料算定の際に考慮された裁判例を紹介します。

【不倫発覚後に同居を開始|東京地裁令和3年1月20日判決】
不倫相手に対する慰謝料300万円が認められた事例です。
裁判所は、不倫発覚後の同居について、Xは、Aとの離婚を望んでおらず、Yに対し、Aとの関係を解消するよう述べたが、Yは、Xの申出を拒絶し、Aとの関係を継続し、現在、Aとの間の子と共にAと同居中であること等からすれば、Xは、YとAとの不倫により、現在も多大な精神的損害を被っていることが認められると示しています。
・ 不倫期間約1年
・ 婚姻期間約11年
・ 子あり(交際開始当時9歳・7歳)
・ 別居
・ Yは、Aとの間の子を妊娠・出産
・ Xは、食欲不振や睡眠障害などの心身の不調による通院をしている

不倫発覚後に、配偶者が家を出て、不倫相手と同居を開始するというケースも多々ありますが、その態様によっては、慰謝料が増額される可能性があるでしょう。

不倫相手の反省や謝罪がない

不倫相手の反省や謝罪がないケースです。
不倫相手の不誠実な態度は、その態様や程度によっては、被害者の精神的苦痛を増大させることから、慰謝料が増額される可能性があります。
ただし、単に謝罪がないだけで、慰謝料が増額する事案は少なく、謝罪がないことを含め、被告の態度を総合的に考慮し、慰謝料の増額に繋がる可能性があるでしょう。

不倫相手が虚偽の主張をした

不倫相手が虚偽の主張をしたケースです。
不倫相手の不誠実な態度は、その態様や程度によっては、被害者の精神的苦痛を増大させることから、慰謝料が増額される可能性があります。
虚偽の主張をしたことが、慰謝料算定の際に考慮された裁判例を紹介します。

【虚偽の主張|岐阜地裁平成26年1月20日判決】
不倫相手に対する慰謝料320万円が認められた事例です。
裁判所は、不倫関係の開始時期及び不倫の期間について、虚偽の事実をXに告げたYの行為を、Y自身の責任を小さく見せようとして事実と異なる虚偽を申し向けたものと評価しました。これによりXの精神的苦痛が増大したといえるため、慰謝料増額の理由になるとしています。
・ 不倫期間約6か月(肉体関係は約20回程度)
・ 婚姻期間約8年
・ 子あり(未成年2人、具体的な年齢不明)
・ 離婚

不倫相手が不倫を否定し、不合理な説明や虚偽の主張をし続ける場合には、慰謝料が増額される可能性があるでしょう。

不倫相手が嫌がらせ行為をした

不倫相手が嫌がらせ行為をしたケースです。
行為そのものが悪質であること、被害者の精神的苦痛を増大させることから、慰謝料が増額される傾向にあります。
不倫相手が嫌がらせ行為をしたことが、慰謝料算定の際に考慮された裁判例を紹介します。

【警察に虚偽の通報|東京地裁令和元年 6月10日判決】
不倫相手に対する慰謝料350万円が認められた事例です。
裁判所は、Yが、XをAのストーカーとして、警察に対し、虚偽の通報をしたことを考慮しています。
・ 婚姻期間約12年
・ 子あり(交際開始当時10歳・8歳)
・ 離婚
・ AとYは同居を継続
・ AとYとの間の肉体関係を直接的に明らかにする証拠はない
【ブログにXを中傷する記事を掲載|東京地裁平成24年3月21日判決】
不倫相手に対する慰謝料350万円が認められた事例です。
裁判所は、Yが自身のブログにXを中傷する記事を掲載したことを考慮しています。
・ 不倫期間約1年
・ 婚姻期間約5年
・ 子なし
・ 別居(離婚調停の申立てあり)

不倫相手から嫌がらせ行為を受けている場合には、慰謝料が増額される可能性があるでしょう。
不倫相手に対する慰謝料請求を検討しているけれど、不倫相手との交渉に不安があると言う方は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に依頼すれば、不倫相手と対面する必要がなく、交渉を弁護士に任せられるでしょう。

不倫相手が離婚を執拗に要求した

不倫相手が離婚を執拗に要求したケースです。
行為そのものが悪質であること、夫婦の平穏な婚姻生活を積極的に破壊する意思があることから、慰謝料が増額される可能性があります。
不倫相手が離婚を執拗に要求したことが、慰謝料算定の際に考慮された裁判例を紹介します。

【離婚を執拗に要求|東京地裁平成29年8月8日判決】
不倫相手に対する慰謝料200万円が認められた事例です。
裁判所は、Yが、Xに対し、Aとの離婚を求めたり、Aとの性交渉を誇示したり、Xを侮蔑する内容のメールを送信するなどしており、不倫事案の中でも非常に態様が悪質な部類に入ると言わざるを得ないと示しています。
・ 不倫期間約6年
・ 婚姻期間約16年
・ 子なし
・ 継続
なお、AがYより10歳程度年上で、職位も高く、不倫関係を主導していたこと、Yは、20代という貴重な時期をAとの交際に費やし、複数回の妊娠・中絶を余儀なくされたことも、慰謝料の算定において一定程度考慮されています。

不倫相手が離婚を執拗に要求した場合には、慰謝料が増額される可能性があるでしょう。

不倫相手の収入が高い

不倫相手の収入が高いケースです。
増額要素として考慮されるケースは多くありませんが、不倫相手の収入が高ければ、その分、ある程度高い金額でも支払える見込みがあり相場よりも高い金額での示談を望めるでしょう。
さらに、収入が高い人の場合、社会的立場も高い人が多く、あまり問題を大きくしたくないとの考えから、示談に応じる可能性が高いでしょう。

配偶者が不倫相手に経済的援助をした

配偶者が不倫相手に経済的援助をしたケースです。
例えば、高額なプレゼントをもらっていたり、家賃を負担してもらっていたりするケースが挙げられます。
配偶者が不倫相手に経済的援助をしたことが、慰謝料算定の際に考慮された裁判例を紹介します。

【高額なプレゼントや生活費の負担|東京地裁令和5年3月27日判決】
不倫相手に対する慰謝料200万円が認められた事例です。
裁判所は、Yが、Aに対し、生活費の負担を求めたり、高額なプレゼントを求めたり、海外旅行を含めた旅行を求めたりしたことで、Aは、Xに対し、給与を偽って示し、Yの生活費等を支出していたことを考慮しています。
・ 不倫期間約9年
・ 婚姻期間約27年
・ 継続
なお、AのYに対する支出は、総額2,000万円以上であるが、Aが銀行の役員や会社の代表取締役であり、収入それ自体は多額であったこと、これによる具体的な生活への影響の立証はないことに照らすと、Yに援助された金額そのものが慰謝料額になるわけではなく、上記を超えて慰謝料を増額する事情になるとはいえないとしています。

配偶者が不倫相手に経済的援助をした場合には、慰謝料が増額される可能性があるでしょう。

一度合意した後に離婚した場合は不倫慰謝料の増額は可能?

一度、慰謝料の合意をした後に離婚した場合は、不倫慰謝料の増額はできません。
慰謝料の合意時には離婚予定がなかったけれど、夫婦関係が上手くいかず、離婚を考えるようになった方もいるかもしれません。
一旦は慰謝料を払ってもらい、離婚時に、再度追加で慰謝料を請求しようと考えている方もいるでしょう、
しかし、一度合意した慰謝料を増額したり、追加で請求したりはできません。 合意後の慰謝料の増額・追加請求について、詳しくは「示談後に不倫慰謝料を追加請求したい!よくある5つのケースを解説 」の記事をご参照ください。

不倫慰謝料の増額を狙いたいあなたがすべき5つのこと

不倫慰謝料の増額を狙いたいあなたがすべきことは、次の5つです。

  • 不倫慰謝料の相場や過去の判例を学ぶ
  • 複数回の証拠を押さえる
  • 夫婦関係や被害の程度を示す証拠も揃える
  • 裁判ではなく示談での解決を目指す
  • 弁護士に相談する

以下、詳しく解説します。

不倫慰謝料の相場や過去の判例を学ぶ

不倫慰謝料の相場や過去の判例を学びましょう。
ただ闇雲に、高額な慰謝料を提示しても、相手が素直に応じてくれる可能性は低いです。
何となく設定した金額が、あなたのケースに照らすと、実は相場より低かったということもあり得ます。
慰謝料の相場や過去の判例を学ぶことで、自分のケースがどの程度の金額に相当するのかを把握でき、適正な慰謝料の設定ができるでしょう。
交渉の際に、過去の判例を示すことで、あなたの主張に説得力を持たせられます。
さらに、過去の判例には、慰謝料の増額を狙うための多くのポイントが隠されています。
裁判所が、どのような事情を増額要素として考慮したのか、どのような証拠から増額を認めたのかを知れるでしょう。
したがって、不倫慰謝料の相場や過去の判例を学び、説得力のある交渉を目指しましょう。

複数回の証拠を押さえる

複数回の証拠を押さえましょう。
慰謝料の金額は、不倫の期間が長いほど、肉体関係を持った回数が多いほど、増額傾向にあることは、お分かりいただけたかと思います。
つまり、より多くの証拠を押さえることで、慰謝料の増額を狙いやすくなります。
実際には、何十回も肉体関係を持っていた場合でも、1回分の証拠しかなければ、1回として慰謝料が算定されます。
裁判でも、【証拠上明らかな不貞行為は1回だけ】などと言った文言が使われることが頻繁にあり、証拠から客観的に証明されたもののみが、慰謝料の算定要素となります。
したがって、できるだけ複数回の肉体関係を証明する証拠を押さえましょう。

夫婦関係や被害の程度を示す証拠も揃える

夫婦関係や被害の程度を示す証拠も揃えましょう。
例えば、次の2つの証拠が挙げられます。

  • 不倫発覚前の夫婦が円満な関係であったことがわかる証拠
  • 不倫によって心身に不調が生じた証拠

不倫発覚前の夫婦が円満な関係であったことがわかる証拠

不倫発覚前の夫婦が円満な関係であったことがわかる証拠の具体例は、次のとおりです。

  • 家族旅行や家族で仲良く過ごしている写真
  • 夫婦で頻繁にやり取りをしているLINEのトーク履歴 など

不倫によって心身に不調が生じた証拠

不倫によって心身に不調が生じた証拠の具体例は、次のとおりです。

  • 病院の診断書
  • 医療費の領収書
  • 薬剤情報提供書 など

一見、不倫そのものとは関係のないような証拠でも、慰謝料の増額に繋がるものが多くあります。
先に紹介した16の慰謝料増額要素を参考に、それと関連する証拠を揃えましょう。

裁判ではなく示談での解決を目指す

裁判ではなく、示談での解決を目指しましょう。
慰謝料の金額は、当事者双方の合意があれば自由に決められます
不倫慰謝料の相場は、あくまでひとつの目安であり、必ずこの範囲に収めなければならないわけではありません。
例えば、交渉の末に、相手が相場よりも高い400万円を支払うことに合意すれば、400万円の慰謝料を獲得できます。
しかし、裁判では、基本的に相場の範囲内の慰謝料になる可能性が高いでしょう。
交渉次第で金額の決まる示談と異なり、裁判では、証拠に基づき、ひとつずつ事実が認定されます。そして、認定された事実をもとに、過去の判例等を参考に慰謝料額が決まります。
不倫慰謝料の相場も、過去の判例に基づいていることから、裁判で決まる慰謝料額が、不倫慰謝料の相場とズレることはあまりありません。
したがって、裁判ではなく示談での解決を目指すことで、慰謝料を増額できる可能性があるでしょう。

弁護士に相談する

弁護士に相談しましょう。
慰謝料の増額を狙いたいのであれば、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士は、法的知識はもちろん、不倫トラブルの数々の解決実績を持っていることから、慰謝料獲得のためのノウハウを持ち合わせています。
したがって、弁護士に依頼することで、慰謝料の増額に繋がりやすいでしょう。

慰謝料請求は弁護士に依頼した方が増額しやすいのはなぜ?

弁護士に依頼した方が、慰謝料が増額しやすい理由は、次のとおりです。

  • 増額要素を見逃さず適正な慰謝料を請求できる
  • 主張や証拠を出すタイミングによっても増額が狙える
  • 交渉の説得力・裁判に対する危機感を与えやすい

以下、詳しく解説します。

増額要素を見逃さず適正な慰謝料を請求できる

増額要素を見逃さず、適正な慰謝料を請求できるからです。
不倫慰謝料の相場と適正な慰謝料は、必ずしも一致するわけではありません。
16もの増額要素があることから、個々の事情により金額も変動します。
画一的な基準もないため、あなた一人で適正な慰謝料を把握するのはなかなか難しいでしょう。
ただ闇雲に、高額な慰謝料を請求することはおすすめしませんが、もしかしたら、高額な慰謝料を請求する正当な理由が潜んでいるかもしれません、
弁護士は、あなたの事情を聴き、手元の証拠を見れば、増額要素を見逃しません。
弁護士に依頼することで、増額要素を考慮した適正な慰謝料を獲得できるでしょう。

主張や証拠を出すタイミングによっても増額が狙える

主張や証拠を出すタイミングによっても増額が狙えるからです。
同じ事案、同じ証拠でも、交渉力次第で、獲得できる慰謝料は変わるでしょう。
はじめに弱い証拠を見せると、相手は、言い逃れをしたり、減額を交渉したりする可能性が高いです。
そこで、さらなる証拠を提出したり、相手の言い分の矛盾を突いたりすることで、相手に減額の余地をなくさせます。
つまり、慰謝料の増額を狙うには、証拠を出すタイミングや順番も大切です。
あなたと弁護士とでは、交渉力の差がどうしても生じるでしょう。
弁護士に依頼することで、同じ証拠でも、慰謝料の増額を狙える可能性が高くなるでしょう。

交渉の説得力・裁判に対する危機感を与えやすい

交渉の説得力・裁判に対する危機感を与えやすいからです。
当事者同士の交渉だと、感情的な部分が強く出るため、交渉がまとまりにくい傾向にあります。
なるべく多くの慰謝料獲得したい気持ちから、主張や証拠が不十分にもかかわらず、高額な金額だけを提示し続けても、交渉は平行線のままでしょう。
相手も、あなたが素人だからと甘く見て、「この金額のままなら、裁判になっても構わない!」などと、反抗心を強める可能性もあるでしょう。
しかし、弁護士がついたと知った途端、態度を変える人は多いです。
弁護士は、慰謝料の金額について、適切な判例等を用いて根拠に基づいた主張をすることから、相手も納得する可能性が高くなります。
弁護士相手に裁判で戦うのは厳しいのではないかと危機感を感じやすく交渉段階での示談解決ができる可能性が高いでしょう。

まとめ

ご自身の事案に当てはまる増額要素はありましたでしょうか?
もし、いくつかの増額要素に当てはまった場合には、慰謝料の増額を狙える可能性があります。
できるだけ多くの慰謝料を獲得したいと考えている方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
ネクスパート法律事務所では、不倫問題に強い弁護士多数在籍しています。
仕事が忙しくて相談に行けない人や遠方にお住まいの方のためにLINEによる相談やオンライン法律相談サービスも実施しています。
初回の相談は30分無料ですので、お気軽にご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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