更新日:2026年3月11日 (水)

公開日:2023年10月26日 (木)

自分が浮気相手だった!慰謝料請求は可能?彼氏彼女に仕返しはあり?

自分が浮気相手だった!慰謝料請求は可能?彼氏彼女に仕返しはあり? 自分が浮気相手だった!慰謝料請求は可能?彼氏彼女に仕返しはあり?

サマリー

真剣に交際していたつもりが、突然、自分が浮気相手だったという事実に直面した場合、衝撃と混乱の気持ちでいっぱいになるでしょう。
裏切られた怒りや、交際相手の配偶者から慰謝料を請求されるのではないかとの不安が交錯し、冷静な判断が難しくなる人も多いです。
しかし、最初の段階で取るべき行動こそが、今後の展開を左右します。
この記事では、自分が浮気相手だと気づきやすいタイミングやその後取るべき行動、交際相手に対する慰謝料請求の可否について解説します。
ぜひ参考にしてください。

自分が浮気相手だったと気づくのはどんな時?

自分が浮気相手だったという事実は、突然訪れることが多いですが、その前にはいくつかの予兆が存在します。

 

週末や祝日に会えない・連絡が取れない

相手が既婚者だと知らずに付き合っている場合、頻繁に遭遇する異常なサインが、連絡の制限です。
特に、週末や祝日、夜間の特定の時間帯(家族団欒の時間帯)になると、相手からの連絡が途絶えたり、緊急の用事と称して急に電話を切られたりします。

 

自宅へ招かれない・家族や友人に会わせない

独身だと偽っているにもかかわらず、相手の居住地や家族、親しい友人の情報が秘匿されており、プライベートな領域への立ち入りを拒否されます。

 

旅行や宿泊を嫌がる

長期の旅行連泊を拒否したり、出張と偽ってホテルに宿泊することを提案したりするケースがあります。

 

将来や家族に関する質問を避ける

結婚観や家族構成、具体的な仕事内容など、将来設計に関する踏み込んだ会話をすると、急に話を逸らしたり、苛立ったりする反応が見られます。

 

常にスマートフォンを肌身離さず持つ

携帯電話を常にロックし、画面を他人に見られないようにする行動や、通知機能をオフにしている状態は、頻繁に家族とのやり取りを隠しているサインの一つです。

 

相手の配偶者からの突然の接触

悲劇的なケースは、相手の配偶者、あるいはその代理人弁護士からの内容証明郵便や直接の連絡によって、自分が浮気相手だったという事実を突然知らされる場合です。

この場合、自身が騙されていた被害者であると同時に、法的には不貞行為の加害者として扱われるリスクに直面することから、迅速な対応が求められます。

 

自分が浮気相手だったと気づいたときに多くの人が取る行動は?

自分が浮気相手だったと気づいたとき、多くの人が取る選択は、個人の倫理観や相手との関係の深さ、そして状況によって様々です。
大きく分けて、以下の3つの行動パターンに分類されます。

 

  • 関係を清算し別れる
  • 関係を継続する
  • 相手に責任を追及する

以下、詳しく解説します。

 

関係を清算し別れる

自分が不倫関係に加担していた事実を受け止め、法的なリスクを回避するために関係を断つケースです。
相手の配偶者や家族に知られる前に、すぐに連絡を絶ち、関係を解消する人も多いです。

 

これにより、慰謝料請求のリスクを最小限に抑えられるでしょう。
自身も騙されていたショックはあるものの、新しい人生を歩み始めることを選びます。

 

関係を継続する

相手への愛情や依存が深く、関係を清算できないと判断し、リスクを承知のうえで関係を継続するケースです。
連絡手段や会う場所をさらに隠密にし、不倫が発覚しないよう細心の注意を払って交際を継続させます。

 

「いつか離婚して、あなたと結婚するから。」との相手の言葉を信じ、相手が配偶者と離婚するのを待ち続ける人もいるでしょう。
この選択は、精神的にも不安定になりやすく時間の浪費につながるリスクがあります。

 

相手に責任を追及する

自分が騙されていたことへの怒りから、相手に責任を追及するケースです。

既婚であることを隠していたことについて、相手に対して損害賠償を請求することを検討します。実際に、弁護士に相談する人もいるでしょう。
相手への報復として、相手の配偶者に不倫の事実を伝える人もいます。

 

自分が浮気相手だったと判明したらすぐに別れるべき

自分が浮気相手で、交際相手が既婚者と判明したら、すぐに別れるべきです。

 

「そんな簡単に言われても…。」
「頭ではわかっているけれど、綺麗ごとに聞こえる。」

 

真剣に交際していればいるほど、そう簡単に別れを決断できないかもしれません。

 

しかし、既婚者との関係を継続することは、あなたの思っている以上にリスクを伴います。

 

相手が既婚者と知ってからも肉体関係を伴う交際を続けると、原則として、相手の配偶者に対し慰謝料を支払う義務が生じます。

 

法律に詳しい人でなくても、「不倫がバレたら、相手の奥さん・旦那さんから慰謝料を請求されるかも…。」との認識はあるでしょう。

 

交際相手の身分(既婚者である事実)について「知らなかった。」という状況は、法的には慰謝料請求に対する防御となり得ます。

 

しかし、既婚者である真実を知った後も肉体関係を伴う交際を続ける行為は、もはや騙されていたとは認められません。

 

真実を知った後も交際を続けると、その後は当然ながら責任を問われます。

 

相手が既婚者と判明した日以後、交際相手と肉体関係を持つと、あなたは彼氏・彼女でも浮気相手でもなく、不倫相手となります。

 

次項で説明するリスクを全面的に負う覚悟がなければ、交際解消を選択することをおすすめします。

 

自分が浮気相手だったと判明しても別れたくない!交際を続けるリスク

相手が既婚者と知ってからも交際を続けると、基本的に相手の配偶者からの慰謝料請求を拒否するのが難しくなります。

 

交際期間が長くなればなるほど、相手の配偶者に発覚する可能性も高まり、既婚者と知った時点で別れた場合に比べて、慰謝料も高額になる傾向があります。

 

慰謝料請求を拒否するのが難しくなる

交際相手が既婚者と知った後も肉体関係を持ち続けると、相手の配偶者から慰謝料を請求された場合に支払いを拒否するのが難しくなります。

 

相手が既婚者と知っている以上、「独身と嘘をつかれていたから、私に責任はない。」と言えなくなるからです。

 

不倫(不貞行為)は、民法で定められている不法行為にあたります。

 

不法行為とは、故意(わざと)または過失(不注意)により誰かに損害を与えることです。

 

既婚者と知らずに肉体関係を持った場合、原則として、故意は認められません。

 

過失があるか否かについては、個々のケースにより判断されますが、過失がある場合でも、慰謝料を減額できる可能性があります。

 

しかし、たとえ交際当初は完全に騙されていたとしても、真実を知った後も肉体関係を伴う交際を継続した場合、その後の行為については、故意があったと評価されます。

 

したがって、原則として、相手の配偶者に対する慰謝料の支払い義務が生じます。

 

支払うべき慰謝料の金額が高くなる

交際相手が既婚者と知った後も肉体関係を持ち続けると、支払うべき慰謝料の金額が高くなるおそれがあります。

 

既婚者と知った時点で別れた場合の慰謝料と、知った後も交際を続けた場合の慰謝料の相場を以下で比較しましょう。

 

  • 既婚者と知った時点で別れた場合(過失なし):0円
  • 既婚者と知った時点で別れた場合(過失あり):数十万円程度
  • 既婚者と知った後も交際を続けた場合:数十万円~300万円程度

 

既婚者と知りながら交際を続けていると、高い代償を払わねばなりません。

 

ここまで読んでも、「やはり関係をやめられない…」と思った方は、ぜひ「不倫をやめられない8つの理由とやめたいと思ったらすべきこと」の記事もお読みください。

あなたの心のモヤモヤを解決するヒントが見つかるかもしれません。

 

別れを告げたことでトラブルが生じた場合は弁護士に相談を

交際相手に別れを告げたことでトラブルが生じた場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

 

相手によっては、別れを切り出した途端に、「別れるなら家族や職場にバラす。」と脅したり、「私(俺)を捨てるなら、死んでやる!」と自殺をほのめかしたりするケースもあります。

 

このような脅しに屈する必要はありませんが、拒絶や無視をつらぬくのが逆効果になることもあります。

 

恋愛感情のもつれに起因するトラブルは、行為が次第にエスカレートして、暴行・傷害などの犯罪にまで発展する可能性も否定できません。

 

以下の状況に陥ったときは、我慢したり自力で解決しようとしたりせず、弁護士に相談してください。

 

  • 別れ話を持ち出したことで暴力を振るわれた
  • 別れを受け入れられない相手から常軌を逸脱した頻繁な連絡が続いている
  • 別れを受け入れない相手が職場や自宅付近で待ち伏せしている

 

自分が浮気相手だった!交際相手に復讐や仕返しはあり?

交際相手が既婚者と判明した時、「復讐や仕返しをしたい!」と考えるのも自然です。

 

しかし、復讐や仕返しをしても、必ずあなたの気持ちの整理がつくとは限りません。

 

最悪の場合、あなたが法的な責任を問われる可能性もあります。

 

特に、次に挙げる3つの行動は控えましょう。

 

  • 交際相手の配偶者に不倫の事実を暴露する
  • 交際相手に執拗に連絡する
  • SNSに晒す

 

以下、詳しく解説します。

 

交際相手の配偶者に不倫の事実を暴露する

交際相手の配偶者に不倫の事実を暴露するのは避けましょう。

 

相手の配偶者に交際の事実が発覚しなければ、慰謝料請求を受けずに済みます。

 

暴露することは、慰謝料請求されるリスクを自ら背負うことになります。

 

匿名で連絡をしても、リスクの度合いはあまり変わりません。

 

相手の配偶者が弁護士に慰謝料請求を依頼すれば、事実調査の過程で、通信履歴やSNS投稿などからあなたを特定できる場合があるからです。

 

交際相手に何らかの制裁を加える目的で、あるいは配偶者と離婚することを期待して、「あなたの旦那さん(奥さん)は不倫をしていますよ。」と言ったところで、あなたには何のメリットもありません。

 

交際相手の配偶者に不倫の事実を暴露する行為は、自らを窮地に立たせる行為ですので、おすすめしません。

 

交際相手に執拗に連絡する

感情に任せて、交際相手に電話やLINEで執拗に連絡をしたり、交際相手を問い詰めたりすることは避けましょう。

 

相手を問い詰めても、納得のいく返答が得られる可能性は低いでしょう。

 

これまで巧みな嘘で騙されていたことを考えると、かえって言いくるめられたり、相手に逃げ道を作ったりする可能性も否定できません。

 

怒りに任せて、交際相手に「配偶者と別れないなら、全部ばらす。」とか「配偶者にばらされたくなければ、〇〇円支払って。」などと脅すと、脅迫罪恐喝罪に該当するおそれがあります。

 

不用意な発言によって自らリスクを作らぬよう、交際相手との連絡・接触は、職場が同じなどやむを得ない場合を除き、極力控えることが賢明です。

 

SNSに晒す

最近、増えているのがSNSに晒す行為です。

 

SNSに不倫の事実を晒す行為は、名誉毀損やプライバシー侵害として、相手から民事訴訟を起こされ、損害賠償(慰謝料)を請求されるリスクがあります。

 

相手の損害賠償が認められれば、あなたが逆に数十万円から数百万円の慰謝料を支払わなければならなくなる可能性があります。

 

感情にまかせてSNSに書き込みたい気持ちも分からなくはないですが、避けましょう。

 

自分が浮気相手だった!交際相手に対し慰謝料を請求できる?

独身と偽られて肉体関係を伴う交際に至った場合には、貞操権侵害として、交際相手に慰謝料を請求できる場合があります。

 

慰謝料請求が認められやすい3つのケース

貞操権侵害を理由とした慰謝料請求が認められやすいケースは、次の3つです。

 

  1. 既婚者とは交際しないと伝えていたのに一貫して独身と偽られていた
  2. 独身者限定の婚活パーティー・婚活アプリで出会った
  3. 交際相手から(結婚する意思もないのに)結婚をほのめかされた・婚約した

 

仮に既婚者と知っていたら、あなたは相手と肉体関係を結ばなかったのに、相手が独身だと嘘をついて積極的に関係を迫り、あるいは結婚をほのめかして肉体関係に至った場合は、相手の行為の悪質性が認められる可能性が高くなります。

 

なお、裁判例から導かれる慰謝料の相場は10万円~200万円と相当の幅がありますが、次のような場合は、慰謝料額が高くなる傾向にあります。

 

  • 騙した手段の悪質性が高い
  • 騙された側が被った代償(妊娠や中絶、流産、出産など)が大きい
  • 交際解消前後の騙した側の対応が不誠実(認知の拒絶、侮辱など)

 

具体的にどのようなケースでいくら程度の慰謝料が認められているか、裁判例を3つ紹介します。

 

Case① 50万円の慰謝料を認めた事例|交際期間:約7か月
独身者限定の出会い系アプリに離婚経験のある独身者を装って登録し、結婚を視野に入れた交際を望む女性に対し、既婚者であることを隠して交際を開始したケースでは50万円の慰謝料が認められています。

自身のプライベートを打ち明けるかのような言動をして信頼感を与えたり、結婚をほのめかす発言をしたりして交際を開始し、複数回にわたって性交渉に及んだ行為が、貞操権を侵害する行為と判断されました。裁判所は、男性が出会い系アプリの規約に違反して独身者を装って登録しただけでなく、女性に直接向けた言動をもって、自身が独身であると信じさせていた事情から、女性側に落ち度はないと判断しました(東京地判令和2年3月2日)。

Case②100万円の慰謝料を認めた事例|交際期間:約1年9か月
交際するなら結婚を前提にしたい、不倫は受け容れられないと述べていたことを知りながら、既婚者であることを告げず、独身と信じた女性と肉体関係を伴う交際を開始してこれを継続したケースでは100万円の慰謝料が認められました。
この事例では、既婚者であることを説明する機会があったのに、一貫して独身と嘘をついた行為を、不法行為(違法な行為)と認定しています。
男性は、妻との婚姻関係は破綻しており、自身が独身というのは完全に嘘とは言い切れないとか、二人の関係は客とホステスという関係を土台としていたもので、自分も女性の行動により精神的・肉体的・物理的に大きな損害を被ったなどと反論しましたが、裁判所はこれらの主張を排斥しています。
このケースでは、慰謝料とは別途、贈り物である高級腕時計の代金相当額も損害として認められました(東京地判令和2年6月25日)。

Case③ 500万円の慰謝料を認めた事例|交際期間:約12年
交際期間が約12年間に及び、将来結婚することを信じていた女性に対し2度の妊娠中絶に至らせ、子どもの出産及び認知を拒否するなど、騙した側(男性)の悪質性が高いケースでは500万円という高額な慰謝料が認定されました。
この事例では、長期間の交際で消滅時効にかかる時期があることを考慮し、騙した側の一連の行為を、貞操権ではなく人格権を侵害する継続的不法行為と判断しました(東京地判平成19年8月29日)。

慰謝料請求が認められにくい3つのケース

慰謝料請求が認められにくいケースは、次の3つです。

 

  1. 相手が既婚者と知り得る状況だったのに相手の言葉を鵜呑みにして疑わずに交際した
  2. 既婚者と判明した後も交際を続けた
  3. 結婚を見据えた真剣交際ではなかった

 

交際相手が自宅に招待するのを頑なに拒んでいたり、休日や深夜は連絡がつかなかったりするなど、相手が既婚者であることを気づけた可能性があったにもかかわらず確認をしなかった場合は、騙された側にも落ち度があると判断される傾向にあります。

 

騙された側が思慮分別のある年齢である場合は、この判断のハードルが高くなります。

相手と結婚する意思が全くなく、軽い気持ちで肉体関係に及んだ場合も、貞操権の侵害が成立しないため、慰謝料請求は認められない可能性が高いでしょう。

 

既婚者と判明した後も交際を続けると、騙された側にも不倫に対する責任が生まれるため、貞操権侵害による慰謝料請求は認められません。

 

貞操権侵害による慰謝料請求が棄却された裁判例を、3つ紹介します。

 

Case① 既婚者と知りながら交際した|交際期間:約1年7か月
既婚者と知りながら肉体関係を伴う交際を開始した女性が、妻と離婚すると嘘をつき、女性と結婚する気がないのに、結婚できると期待させ続けて肉体関係を伴う交際を継続した男性に対し、400万円の慰謝料を請求した事例です。裁判所は貞操権侵害を認めながらも、男性側の違法性の程度と既婚者と知りながら交際した女性側の違法性の程度を比較して、男性側の違法性が著しく大きいとは言えないとして、慰謝料請求を棄却しました。
このような判断に至った事情としては、女性には、結婚歴・離婚歴があり、社会的経験が豊富で、男性が結婚をほのめかす言動が自身の歓心を惹くための甘言であること、妻と離婚すると言ってもそれが困難であることを承知の上で、交際を継続してきたことなどが考慮されています(東京地判平成25年2月6日)。
Case② 結婚を前提とした交際ではなかった|交際期間:数日間
妻子があるのに婚活アプリに登録して、結婚相手を探していた女性に対し、独身と偽って性交渉に及んだ男性に対する慰謝料請求事案です。男性の行動は社会的に不適切でしたが、女性と男性はわずか数日間に2回会っただけであり、婚姻を前提とした交際関係とは言えず、その期待すら形成される事情もなかったことから、裁判所は男性側に貞操権侵害の不法行為は成立しないとして慰謝料請求を棄却しました(東京地判令和3年11月25日)。
Case③離婚してないことを知った後も交際を継続した|交際期間:約1年
客とホステスとして知り合い、ほどなくして交際し肉体関係に至った後、男性に妻がいると知った女性のケースです。男性が妻と離婚合意に至っていないにもかかわらず、偽造した協議離婚合意書を提示するなどして女性との交際を再開させて繰り返し肉体関係を持ち、ピルの服用をやめさせて女性を妊娠させた挙句、中絶の措置を執らせたとして、貞操権侵害の不法行為に基づき、慰謝料を請求しました。
女性は、男性から中絶を求められた際に不信感を持ち、男性に離婚の事実を確認したところ、男性が協議離婚合意書や電子メールが偽造したものであることを認めました。これに絶望して、男性の希望に従い中絶手術を行いましたが、術後わずか1週間に満たない日に、男性がまだ離婚に至っていないことを承知しながら性交渉ないし性交渉類似の行為に及んでいるほか、引き続き交際関係を継続していました。
このような事実関係を前提とすると、離婚していると誤信させて避妊せずに性交渉に及んで女性を妊娠させ、中絶を受けさせた男性の行為が、社会的相当性を逸脱した行為として不法行為における違法行為に当たるとまでは認め難いことから、裁判所は、男性が女性の貞操権を侵害したとは認めるに足りないという理由で、女性からの慰謝料請求を棄却しました(東京地判令和3年7月20日)。

なお、貞操権は性的自由に関する権利なので、その侵害に基づく慰謝料請求には、肉体関係の存在が必要です。

交際関係にあっても、プラトニックな関係であれば貞操権侵害による慰謝料は請求できません。

 

慰謝料請求のために必要な既婚者と知らなかった証拠

あなたが既婚者に騙されていた事実、およびその結果として精神的苦痛を被ったことを証明するためには、客観的な証拠が不可欠です。

 

したがって、交際相手とのメール・LINEなどは消去せず、保存しましょう。

 

交際相手からの贈り物や手紙、写真についても保管しましょう。

 

これらは、あなたが交際相手に慰謝料を請求する際に重要な役割を果たす証拠となり得るのはもちろんのこと、万が一交際相手の配偶者から慰謝料を請求された場合にも重要な証拠となるでしょう。

 

特に、以下のような交際相手の嘘、肉体関係の存在、結婚を意識した真剣な交際だったことがわかるものは、残しましょう。

 

  • LINEやメール、メッセージで独身だと偽っている文面
  • 相手が婚活アプリやマッチングアプリに独身として登録していたとわかる画像
  • 写真やホテルの領収書・クレジット利用明細など、肉体関係があったとわかる資料
  • 結婚をほのめかしていたことがわかるやり取りや婚前旅行の写真や婚約指輪

 

積極的に嘘をついていなくても、交際相手が独身である前提でのやり取りが含まれているかもしれません。

 

交際相手の過去の言動を振り返り、不自然な点や矛盾がなかったかを確認できるよう、しばらくの間、通信履歴や思い出の品は消去・破棄せずに残しましょう。

 

貞操権侵害を理由とした慰謝料請求は弁護士に相談を

自分が既婚者の浮気相手だったと判明した段階で弁護士に相談することには、次のようなメリットがあります。

 

  • 予想できるリスクへの対策をとれる
  • 交際相手への慰謝料請求の可否を判断してもらえる
  • 交際相手への慰謝料請求に有効な証拠の具体例や集め方を教えてもらえる
  • 周囲に知られずに穏便に解決できる可能性が高まる

 

弁護士への相談の結果、貞操権侵害を理由とした交際相手への慰謝料請求が可能と見込まれる場合、正式に依頼すれば、穏便に解決できる可能性が更に高まります。

 

なぜなら、弁護士に依頼すれば、以下のようなサポートを得られるからです。

 

  • 交際相手との交渉の窓口になってくれる
  • 将来発生しうるトラブルを最小限に抑えた示談書を作成してくれる
  • 相手の配偶者から慰謝料請求を受けた場合も迅速な対応を期待できる

 

真剣な思いをもてあそばれ、自分が浮気相手だったことの辛さから抜け出せない方は、当事務所の無料相談を活用して、お心のうちを弁護士にお聞かせください。

 

自分が浮気相手だと知らなかったのに慰謝料請求されたらどうすべき?

交際相手の配偶者から不倫慰謝料を請求されても、すぐに支払わないでください。

 

既婚者であることを隠されていた場合、その事情によっては、慰謝料の支払いを拒否または減額できるかもしれません。

 

あなたに慰謝料を支払う義務があるか、請求された金額が妥当であるかについて、弁護士にアドバイスを求めましょう。

 

まとめ

自分が既婚者の浮気相手だったと気づいたら、直ちに交際をやめましょう。

 

既婚者であると知ってもなお、肉体関係を伴う交際関係を継続した場合には、相手の配偶者から不倫慰謝料の請求を受けるリスクを背負います。

 

既婚と判明した時点できっぱりと関係を断てば、判明前の交際については、慰謝料の支払義務を免れられる可能性があります。

 

交際相手が既婚者であることを隠して肉体関係に及んだ場合や結婚をほのめかしていた場合には、逆に、貞操権侵害を理由として慰謝料を請求できるかもしれません。

 

ネクスパート法律事務所では、不貞トラブル・貞操権侵害のトラブルに強い弁護士多数在籍しています。

 

初回の相談は30分無料ですので、お気軽にご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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