公務員が犯罪を犯してしまった場合の影響は?法律等の定め

公務員が犯罪により検挙されてしまった場合の懲戒処分の内容及び懲戒処分の有無は、一般的な企業に勤めている場合に比べ、画一的かつ厳格な判断がされます。それでは、どのような場合にいかなる処分がされるのでしょうか。
公務員が懲役刑以上に処された場合には免職が確定
国家公務員法及び地方公務員法には、公務員が犯罪を行った場合について以下のような定めがあります。
- 職員が禁固以上の刑に処されるに至ったときは、当然失職する
(国家公務員法第76条及び第38条第2号、地方公務員法第28条第4項及び第16条第2号) - 職員が刑事事件に関し起訴された場合又は人事院規則で定める場合には、その意に反して、これを休職することができる
国家公務員法第79条第2号、地方公務員法第28条第2項第2号) - 職員が全体の奉仕者たるにふさわしくない非違行為を行った場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる
(国家公務員法第82条第1項、地方公務員法第29条第3号)
以上をまとめると、①死刑、懲役刑、又は禁固刑に処された場合には免職確定、②起訴された場合には休職の可能性、③その他非違行為に応じて懲戒処分の可能性ということになります。
公務員の非違行為に応じた懲戒処分を定めた通達がある
以上の法律(上記③)の運用に関してまとめた「懲戒処分の方針について」という通達があります。この通達には、公務員が非違行為をしてしまった場合に、その非違行為の重大さに応じた懲戒処分の内容を定めています。
例えば、殺人や放火などは非常に重い犯罪のため、免職とする旨が記載され、他方、暴行や痴漢などの比較的な軽微な犯罪は、停職又は減給とする旨などが記載されています。
詳細は、平成12年3月31日付け人事院事務総長発通知「懲戒処分の指針について」職職–68の第3をご参照ください。
http://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/12_choukai/1202000_H12shokushoku68.html
公務員が検挙された場合、起訴されないようにすることが重要
起訴され、禁固以上の刑に処せられると、否応なしに免職とされてしまいます。その際の判断に裁量はありません。そのため、公務員の方が犯罪により検挙されてしまった場合には、まず、起訴されないようにすること、仮に起訴されてしまった場合にも、罰金刑がある犯罪では、罰金刑を勝ち取ることが非常に重要になってきます。そのためには、早期から的確な対応をすることが不可欠です。
