身柄拘束に不服なら準抗告を!準抗告の意味と重視される事情とは?

裁判官が行なった判断に対しては、不服申し立ての手続きが用意されています。準抗告もそのうちの1つですが、刑事手続上は大きな意味がある手続きです。それでは、準抗告ができるタイミングとポイントを見ていきましょう。
準抗告とは
準抗告とは、初回の裁判期日の前に行われた裁判官の判断に対する不服申立ての手続きです。例えば、勾留決定、勾留延長決定、接見禁止一部解除申立ての却下決定、保釈請求却下決定などに対して行うことが多いです。なお、初回の裁判期日の後であれば抗告、判決に対してであれば控訴という手続きが用意されています。
このうち、勾留決定や勾留延長決定は、検察官からの請求により弁護人の意見を聞くことなくされてしまいます。そのため、これらの判断に対して不服の意見を示せることは、準抗告の目玉と言っても良いかと思います。
とはいえ、準抗告を認めるということは、一度裁判官が行なった判断を裁判所が覆すということであるため、準抗告が認められるためには、高いハードルがあります。
準抗告が認められるために重視される事情
身柄拘束が不要である事情や身柄を解放すべき事情、接見禁止を解除すべき事情が強ければ、裁判官も一度行った判断を覆します。弁護側から出せる事情の中で、準抗告が認められる方向に動く事情としては、以下のようなものがあります。
- 示談が成立したこと
- 被害弁償を行ったこと
- 適切な身元引受人がいること
- その他身柄拘束されている人が深く反省をしていることを示す具体的事情
- 仕事や学業上釈放される必要があること
- 病気により釈放される必要があること
など
特に示談が成立すると、通常は、示談の成立後にわざわざ罪証を隠滅する必要はありませんし、逃亡する必要もないものと考えられます。痴漢事件などでは、被害者がいるため、少しでも被害者の負った精神的な苦痛などを回復する必要がありますし、そのような被害回復を誠実に行えば、裁判官の心象もよくなります。
準抗告は適切なタイミングで!
準抗告の申し立てをするタイミングが遅くなればなるほど、身柄拘束の期間が長くなってしまいます。そのため、できる限り早期に準抗告ができるよう、有利な証拠を収集する必要があります。また、手続きにも様々なルールがありますから、大切な人の身柄をできる限り早く解放したい場合には、是非早期にご相談ください。
