更新日:2024年9月6日 (金)

公開日:2024年9月6日 (金)

特商法上の通信販売における返品制度とクーリング・オフの違い

特商法上の通信販売における返品制度とクーリング・オフの違い 特商法上の通信販売における返品制度とクーリング・オフの違い

サマリー

特商法上の通信販売における返品制度とクーリング・オフの違いをテーマに、制度や用語の違いを解説。広告やサービス設計で違反を避けるための確認ポイントを整理します。

特商法においては、通信販売に関する規制の中に返品制度が定められています。これに対して、特商法上、クーリング・オフという概念があります。では、この2つの制度に違いは何でしょうか?本稿においては、両制度の違いを解説します。

返品することができるといわれると、即ちクーリング・オフが認められている、と思われる方は少なくないと思います。

しかし、特商法は通信販売の規制においてクーリング・オフを定めていません。これは、訪問販売や電話勧誘販売と比べて、通信販売では、消費者が自ら能動的に契約を締結することから、消費者が不意打ち的に契約を締結させられる、という事態が生じにくいためです。

したがって、いわば無条件で契約から解放されるクーリング・オフは、取引形態になじまないと言え、規制が置かれていないという整理になります。

他方、通信販売は、現実に商品を確認することができないことから、商品通信販売で購入した商品が「思っていたものと違う」という事態が生じることも多く生じるといえるでしょう。

そのため、通信販売では、返品制度が導入されています。

この返品制度は、通信販売により購入した商品・特定権利について、消費者が事業者に返還することで、売買契約の申込の撤回または解除を認めるという制度です。

具体的には、消費者が、通信販売で購入した商品の到着後、8日以内であれば、購入者の負担で商品等を返還することで、契約からの解放が認められることになります。

ただし、注意が必要な点としては、通信販売の広告にあらかじめ「返品できない」ことが記載されている場合には、返品制度を利用できません。この点は、クーリング・オフとの大きな違いといえるでしょう。

事業者としては、返品制度を導入したくない場合には、販売サイトにおいて返品できないことを明記しておくと良いでしょう。もっとも、敢えて返品制度を導入し、消費者に満足してもらうということも重要ですので、自社のブランド等をよく検討する必要があります。

なお、事業者の提供した商品等に不具合等があり、債務の本旨にしたがった債務の履行とは言えない場合には、債務不履行責任の追及として契約を解除される可能性があることは言うまでもありません。

返品制度に関するもう一つの注意点として、通信販売の内容がサービスの提供である場合には、返品の概念が観念できないことから、適用されないことになるので注意が必要です。

ネクスパート法律事務所では、特商法に特化したチームが、契約書の作成や、運用面でのアドバイス等の対応をさせていただいております。初回無料で相談をお受けしておりますので、特商法についてお悩みの際は、是非ネクスパート法律事務所までお問い合わせください。

コラム監修者

KOHEI TAKASAWA

KOHEI TAKASAWA

所属:東京オフィス

東京都立大学法科大学院修了後、新司法試験合格。 弁護士登録以前は、上場準備中の企業(現・東証グロース市場上場企業)の管理部門において、IPO準備業務に従事。

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