更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2025年5月28日 (水)

不貞慰謝料請求では精神的苦痛の証明が必要?評価方法も解説

不貞慰謝料請求では精神的苦痛の証明が必要?評価方法も解説 不貞慰謝料請求では精神的苦痛の証明が必要?評価方法も解説

サマリー

生涯を共にすると誓い合った配偶者の不貞が発覚したら、不貞相手に相応の責任を取らせたいと考えるのは自然な感情です。

しかし、精神的なダメージは目には見えないため、不貞行為によってどれほどの苦痛を受けたか客観的に証明する方法が分からないと悩む人は少なくないでしょう。

この記事では、不貞慰謝料を請求する際に知りたい、精神的苦痛の評価方法等について詳しく解説します。

「精神的苦痛の証明方法が分からない」「不貞行為で受けた精神的苦痛を慰謝料額に反映させるにはどうすればいい?」等と悩んでいるならぜひご一読ください。

不貞慰謝料請求時には診断書による精神的苦痛の証明が必要?

慰謝料とは、相手の行為によって精神的苦痛を受けた場合に請求できる損害賠償金です。

そのため、「精神的苦痛を受けたことを診断書で証明しなければ、不貞慰謝料は請求できないの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、不貞慰謝料を請求する場面では、診断書の提示・提出は必須ではありません。

精神的な苦痛の感じ方は人それぞれ異なり、傷ついた度合いを客観的に示すことは難しいものです。

そのため、法的な手続きでは、精神的苦痛を与えた行為そのものや、その行為によって生じた結果などを総合的に見て、各ケースに応じた損害の有無や度合いが判断されます。

もっとも、不貞行為によりうつ病などの精神的疾患を患った場合は、その診断書を提出することで慰謝料額に影響を及ぼすことはあります。

不貞行為による精神的苦痛はどのように評価されるの?

不貞行為による精神的苦痛は、客観的な要素を総合的に考慮して評価されます。

財産的な損害であれば、損害額が明確になることが多く、何らかの方法で金銭に換算することも比較的容易です。しかし、精神的苦痛の度合いを客観的に測る明確な基準は存在しません。

そのため、実務では、以下のようなさまざまな事情を考慮し、一般的にみてどの程度の精神的苦痛が生じたかを判断します。

  • 夫婦の婚姻期間・不貞期間の長さ
  • 不貞行為の回数
  • 不貞行為発覚後の別居・離婚の有無
  • 夫婦間の未成熟子の有無
  • 不貞行為による妊娠・出産の有無

こうした判断の積み重ねにより、判例の傾向として一定の慰謝料の相場が形成されています。

夫婦関係に与えた影響が大きければ大きいほど、不貞行為による精神的苦痛も大きいと評価される傾向にあります。

不貞慰謝料請求で精神的苦痛の証明が問題となるケース

不貞慰謝料請求で精神的苦痛の証明が問題となるのは、主に以下の2つのケースです。

  • 不貞相手が婚姻関係の破綻を主張する場合
  • 相場を超える慰謝料を請求する場合

以下で、詳しく解説します。

不貞相手が婚姻関係の破綻を主張する場合

不貞慰謝料を請求すると、不貞相手が「不貞行為時にすでに婚姻関係は破綻していたから、精神的苦痛は生じていないはずだ」と反論することがあります。

不貞行為があった時点で夫婦関係が修復困難なほど壊れていた場合、守るべき婚姻共同生活の平穏が存在しないため、不法行為は成立しない(不貞相手は慰謝料の支払いを免れられる)からです。

婚姻関係が破綻していたことの立証責任は、基本的に主張する側(不貞相手)にあります。
そのため、請求者側が、婚姻関係が破綻していなかったことを立証する責任は通常求められません。

しかし、以下のような証拠があると、婚姻関係が破綻していなかったことを客観的に示しやすくなるでしょう。

  • 同居の継続を示す住民票
  • 夫婦・家族で旅行したことを示す写真・動画
  • 夫婦で子どもの行事に参加していることを示す写真・動画
  • 生活費の負担を示す家計簿

婚姻関係が破綻していなかったことを示す証拠については、「婚姻関係が破綻していない証拠は?別居の場合は慰謝料請求できない?」で詳しく解説しています。

相場を超える慰謝料を請求する場合

相場を超える慰謝料を請求する場合は、特に強い精神的苦痛があったことを示す証拠を提示することもあります。

被害の重大性を主張する際は、以下のようなものが証拠となり得ます。

  • 医師の診断書
  • 辛い心情を綴った日記
  • 不貞行為が原因で精神的に不安定になったことが分かる第三者の証言
  • 不貞相手からの嫌がらせの記録

慰謝料の増額を主張する際には、増額事由を裏付ける客観的な資料が重要となります。

相場を超える慰謝料を請求する場合は、特に強い精神的苦痛があったことを示す証拠を集めましょう。

あなたの受けた精神的苦痛を慰謝料額に適切に反映するために

あなたの受けた精神的苦痛を慰謝料額に反映したいなら、弁護士への相談も検討しましょう。

慰謝料請求を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

証拠の集め方や有効な立証方法についてアドバイスをもらえる

証拠の集め方や有効な立証方法についてアドバイスをもらえます。

あなたが主張したい内容によって、必要となる証拠や立証方法は異なります。

弁護士に依頼すれば、どのような証拠を集めるべきか、どのような方法であれば立証できるかなど、具体的なアドバイスを得られます。

都度、弁護士のサポートを受けながら準備ができるため、慰謝料請求を有利に進めやすくなるでしょう。

相場をふまえた交渉で早期解決と負担の軽減を実現できる

適正額を請求することで無駄な争いを避け、スムーズかつ早期の解決が期待できます。

不貞行為による精神的苦痛の度合いは、さまざまな事情を総合的に考慮して判断されます。辛い思いをした分、高額な慰謝料を求めたくなるのは自然なことですが、相場を大きく超える金額を請求すると、相手が反発して話し合いが難航したり、法的な根拠が乏しいとして支払い自体を拒まれたりするおそれがあります。

裁判にまで発展すると、解決までに時間がかかるだけでなく、精神的・経済的な負担も増えます。

弁護士に依頼すれば、裁判例や実務における相場を踏まえた過不足のない適正な金額で交渉を進めてもらえます。

無用な対立を避けながら、早期解決を図ることができるため、結果としてあなたの精神的・経済的負担を軽減できる可能性が高まります。

相手の反論に備えて主張・立証を組み立てられる

相手の反論に備えて主張・立証を組み立てられます。

弁護士はこれまでに培った経験から、あなたの主張に対して不貞相手がどのような反論をしてくるか、ある程度の予想がつきます。そのため、見通しを立てて証拠を準備したり、立証方法を検討したりできます。

弁護士に依頼すれば、相手の反論に備えて主張・立証を組み立てられるため、交渉をスムーズに進めやすいでしょう。早期解決も期待できます。

まとめ

不貞慰謝料は、診断書によって精神的苦痛を証明しなくても請求できます。

慰謝料請求する際は、提示する慰謝料額に法的根拠があることを的確に示すことで、受け入れられやすくなります。

あなたの負担を最小限に抑えつつ、早期解決を図るためには、弁護士への相談を積極的に検討することをお勧めします。

ネクスパート法律事務所には、不貞問題に関する豊富な経験と解決ノウハウを有する弁護士が多数在籍しています。

初回相談は30分無料です。お問い合わせは、LINE・メールで24時間受け付けております。

一人で抱え込まず、ぜひお気軽にご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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