更新日:2026年3月5日 (木)
公開日:2022年5月31日 (火)
離婚理由ランキングのトップは?男女で違いはあるのか弁護士が解説
サマリー
配偶者との関係に悩み、離婚を考え始めたものの、「このような理由で離婚を検討してもよいのだろうか」と不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。離婚に至る動機や背景には男女でそれぞれ異なる傾向が見られ、世間の一般的な傾向を知ることは、ご自身の置かれた状況を客観的に見つめ直すきっかけにもなります。この記事では、男女別の離婚理由ランキングの上位項目やその背景、男女間での受け止め方の違いについて分かりやすく解説します。
男女別の離婚理由ランキングトップ5

夫婦関係において離婚を検討する動機や背景には、男女間で共通する部分がある一方で、重視される問題の内容にそれぞれ特徴的な傾向が見られます。
| 順位 | 女性側の主な離婚理由 | 男性側の主な離婚理由 |
|---|---|---|
| 第1位 | 性格が合わない(性格の不一致) | 性格が合わない(性格の不一致) |
| 第2位 | 生活費を渡さない | 精神的に虐待する |
| 第3位 | 精神的に虐待する | 異性関係 |
| 第4位 | 暴力を振るう | 浪費する |
| 第5位 | 異性関係 | 家族親族と折り合いが悪い |
女性側における主な離婚理由と傾向
女性側の離婚理由では、「性格が合わない」に続いて「生活費を渡さない」や「精神的に虐待する」、「暴力を振るう」といった項目が上位に挙がっています。
女性の場合、生活費の不支給や身体的な暴力など、日々の生活基盤や自身の安全に直結する切実な問題が上位を占めている点が大きな特徴です。
配偶者に対する信頼の喪失だけでなく、自身や子どもの生活・身の安全を確保することを重視して離婚を考える傾向が伺えます。
男性側における主な離婚理由と傾向
男性側の離婚理由では、「性格が合わない」のほか、「精神的に虐待する」や「異性関係」、「浪費する」、「家族親族と折り合いが悪い」などが上位に並んでいます。
男性においては、精神的な負担に加えて、配偶者による金銭の浪費や、自身の家族・親族との人間関係に関する軋轢が離婚の動機になりやすい傾向が見られます。
特に「家族親族と折り合いが悪い」という理由は女性の上位にはあまり見られない項目であり、家庭外の人間関係の摩擦を離婚理由として重視する男性が一定数存在することが示されています。
男女ともに1位となった「性格の不一致」の背景

日常的なすれ違いや価値観の相違の長期的な蓄積
男女ともに離婚理由の首位となっている「性格の不一致」は、何か一つの決定的な事件だけが原因ではなく、日々の結婚生活の中で生じる小さな不満やすれ違いが長期的に積み重なった結果であることが少なくありません。
具体的には、金銭感覚のずれや子育てに関する方針の違い、衣食住の嗜好、家事や休日の過ごし方に対する考え方の相違など、生活のさまざまな場面において価値観の違いが表面化します。
初期の段階では些細な違和感であっても、十分な対話や歩み寄りができないまま不満が蓄積していくと、修復が困難な溝となって離婚へとつながる傾向が見られます。
個人の価値観の尊重と情緒的つながりを重視する意識変化
現代社会において性格の不一致が離婚理由の上位を占める背景には、家族観や夫婦関係に対する意識の変化も大きく影響していると考えられます。
かつてに比べて個人の人生観や生活スタイルが尊重されるようになり、夫婦関係においても生活共同体としての役割だけでなく、精神的なつながりや相互理解といった情緒的な充足がより重視されるようになっています。
そのため、パートナーとの間に生じた価値観のミスマッチを我慢し続けるのではなく、互いの尊重や精神的な平穏を求めて婚姻関係を見直す方が増えているといえます。
近年上位に挙がる「精神的虐待(モラハラ)」の認識変化
精神的虐待、いわゆるモラルハラスメント(モラハラ)は、近年における離婚理由のランキングにおいて男女ともに順位を上げています。かつては家庭内の些細な揉め事や個人の受け止め方の問題として片付けられがちだった行為が、正当な離婚原因の一つとして認識されるようになってきたことが背景にあります。
モラルハラスメントの社会的認知と被害の自覚
モラハラという言葉が広く浸透したことにより、配偶者を日常的に無視する、意見を言うと大声で威圧する、不機嫌さを露骨に出して八つ当たりするといった行為が、精神的な暴力に該当するという理解が社会全体で深まりました。
インターネットやSNSを通じて被害の具体的な態様や体験談が共有されるようになったことで、被害者自身が「配偶者から受けている行為は不当な扱いである」と明確に自覚できるようになった点も大きな要因です。
法的手続きにおける位置づけと意識の変化
このような意識の変化に伴い、離婚調停や裁判の申立て理由としても精神的虐待が主張される機会が増加しました。目に見える身体的な暴力だけでなく、言葉や態度による精神的な攻撃も婚姻生活を継続しがたい重大な事由になり得ると捉えられています。
かつての家族観では軽視されがちだった非身体的・非金銭的な平穏や精神的安定が、法的な観点からも社会全体からも重視される時代へとシフトしているといえます。
家庭内における精神的な平穏や尊厳の確保は、現代の夫婦関係において重要な要素として位置づけられています。
経済的問題や異性関係に見られる男女の意識の違い
夫婦関係における経済的なトラブルや異性関係は、男女ともに離婚を決意する大きな動機となりますが、その具体的な受け止め方や順位には明確な相違が見られます。
経済的問題における受け止め方の違い(生活費の不支給と浪費)
女性側の理由として上位に挙がる「生活費を渡さない」という問題は、妻や子どもの日々の暮らしを直接脅かす深刻な事態です。これは単なる金銭的困窮にとどまらず、配偶者としての協力義務の放棄と受け止められ、夫婦間の信頼関係の崩壊に直結しやすい傾向があります。
これに対し、男性側で上位に挙がる「浪費する」という理由は、高額な商品の購入や趣味への過度な支出、借金などに対する不満が中心です。自らが働いて築いた家庭の財産が無計画に消費されることへの反発や、将来設計への不信感が主な動機となっています。
金銭トラブルに関して、女性は生活の維持や生存の危機として捉える傾向が強いのに対し、男性は資産管理や財産保全の観点から問題視する傾向が見られます。
不貞行為(異性関係)に対する捉え方と優先順位の差
配偶者の異性関係(不貞行為)についても、男女でその位置付けに違いが生じています。男性側では第3位に位置しており、配偶者の裏切り行為そのものがプライドや自尊心を深く傷つけ、単独で決定的な離婚原因になりやすいと考えられます。
一方、女性側でも異性関係は第5位に挙がっているものの、生活費の不支給や精神的虐待、暴力といった生活や安全に直結する問題のほうが上位を占めています。女性にとっては、不倫そのものへの嫌悪感に加えて、生活基盤の安定や心身の安全性がより切実な問題として優先される傾向が伺えます。
離婚を検討する際の考え方と弁護士への相談
自身の状況や気持ちを客観的に整理する大切さ
配偶者との関係に悩み、離婚を考え始めた段階では、日々のストレスや感情的な行き違いから、冷静な判断を下すことが難しくなる場合があります。
世間における離婚理由の傾向や背景を知ることは、自身が直面している問題を客観的に捉え直し、現状を整理するための手掛かりとして役立ちます。
配偶者との間で生じている問題が、対話によって修復を目指せるものなのか、あるいは結婚生活を継続することが困難な状況に至っているのかを、落ち着いて見極めることが大切です。
ご自身の置かれた状況や今後の生活に対する希望を客観的に整理することが、納得のいく判断につながります。
法的な手続きや進め方に悩んだ際の弁護士への相談
実際に離婚に向けた話し合いを進める際には、財産分与や慰謝料、子どもの親権や養育費など、整理すべき法的な論点が数多く存在します。
当事者同士の話し合いだけでは感情的な対立が深まり、協議がスムーズに進まない場合や、どのような手続きを選択すべきか迷う場合も少なくありません。
法的な手続きの流れや交渉の進め方に不安がある場合には、法律の専門家である弁護士に相談することも有用な選択肢となります。法的な見通しを把握することで、今後の生活に向けた準備を落ち着いて進めることが可能です。
コラム監修者
Shunsuke Teragaki
所属:代表(東京オフィス)
広島県広島市出身。修道高校、慶應義塾大学商学部、青山学院大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所の代表弁護士として、依頼者に最適な見通しと戦略的な解決策を示すことを信条とし、丁寧かつ粘り強い対応で信頼を築いている。