サマリー
ご家族や知人が逮捕・勾留され、勾留満期である20日目を迎えようとしているにもかかわらず、警察から何の連絡もなく不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、勾留20日目になっても警察や検察から家族へ釈放の連絡が入る制度はありません。
そのため、連絡がないからといって「起訴された」「まだ釈放されていない」と直ちに判断することはできません。
実際には、釈放された後に本人から直接連絡が入るケースや、選任されている弁護士から状況説明を受けるケースが一般的です。
一方で、起訴された場合や別の事件で再逮捕された場合には、身柄拘束が継続している可能性もあります。
この記事では、勾留20日目に連絡がない理由をはじめ、釈放された場合に誰から連絡が来るのか、起訴・処分保留・再逮捕など考えられる状況、現在の状況を確認する方法や弁護士へ相談するメリットについて分かりやすく解説します。
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勾留満期となる20日目に警察から家族へ釈放の連絡は原則ない
刑事手続上、逮捕・勾留による身柄拘束が最長20日間の満期を迎えた場合でも、警察や検察などの捜査機関から家族へ釈放の連絡が行われる制度はありません。
また、勾留満期日に釈放される場合であっても、直ちに身柄が解放されるとは限りません。
検察庁や警察署での事務手続きに時間を要することもあり、夕方から夜にかけて(19時〜21時頃)釈放されるケースも見られます。
実務上の傾向としては、身柄が解放された後に本人から直接ご家族へ連絡が入るケースや、選任されている弁護人(弁護士)を通じて現在の状況や釈放手続きの結果が伝えられるケースが一般的です。
そのため、勾留満期日の日中に連絡がないからといって、直ちに起訴されたと判断することはできません。
もっとも、検察官によって起訴(公判請求・略式起訴)された場合や、別罪での再逮捕などにより身柄拘束が継続している可能性も否定できません。
個別事情により結果や対応は大きく異なるため、連絡がない場合には現在の正確な進捗状況を確認し、必要に応じて速やかに弁護士などの専門家へ相談・確認することが推奨されます。
勾留20日目の釈放後には誰から連絡が来る?|2つの主なパターン

勾留満期を迎えて身柄が解放された場合、ご家族への連絡は主に「本人から直接連絡が来るケース」と「弁護士から連絡が来るケース」の2つに分かれます。
警察や検察などの捜査機関には、釈放された事実を家族へ通知する法的義務はありません。
そのため、勾留満期日を迎えても捜査機関から連絡が来るとは限らず、ご家族としては本人または弁護士からの連絡を待つことになります。
また、実務上は釈放手続きに時間を要することも多く、満期日の夜になって初めて連絡が入るケースも少なくありません。
日中に連絡がないからといって、直ちに起訴されたと判断するのは早計です。
パターン①:釈放された本人から直接電話がかかってくる
実務上、多いのは、釈放された本人から家族へ直接電話がかかってくるケースです。
釈放時には、身柄拘束中に領置(保管)されていた携帯電話や財布などの所持品が返還されるため、本人が自身の携帯電話を利用して家族へ連絡することが一般的です。
もっとも、携帯電話の充電切れや故障、交通費がない、帰宅手段の確保を優先しているなどの事情によって、釈放直後に連絡できない場合もあります。
また、釈放手続き自体が夕方以降まで続くことも珍しくなく、実際に警察署の外へ出られるのが19時~21時頃になるケースもあります。
そのため、満期日の夕方まで連絡がなくても過度に心配する必要はありません。
ご家族としては、非通知着信や見慣れない番号からの電話にも対応できるよう準備しておくと安心です。
パターン②:依頼している弁護士から釈放や処分結果の連絡が入る
本人に弁護人が付いている場合には、弁護士からご家族へ連絡が入ることがあります。
弁護士は本人との接見や検察官とのやり取りを通じて事件の進行状況を把握しているため、不起訴処分による釈放が決まった場合や、今後の見通しについて説明を受けられることがあります。
もっとも、国選弁護人の場合は、制度上あくまでも被疑者・被告人本人の弁護活動を行うことが職務であり、ご家族への継続的な報告や連絡まで義務付けられているわけではありません。
そのため、家族側が十分な情報共有を受けられないケースもあります。
一方で、私選弁護人であれば、ご本人の同意を前提として、ご家族との連絡窓口となり、事件の進捗や処分見込みについて丁寧に説明を受けられるケースが多くあります。
特に、勾留満期日が近づいている状況では、「不起訴になるのか」「起訴されたのか」「いつ釈放されるのか」といった不安を抱えるご家族も少なくありません。
そのため、できるだけ早い段階で私選弁護人へ依頼しておくことで、ご家族も含めて適切なサポートを受けやすくなります。
家族としては、本人からの連絡だけでなく、弁護士からの連絡にも注意を払いながら状況を確認することが大切です。
私選弁護人と国選弁護人の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
私選弁護人と国選弁護人の違いを徹底解説
勾留20日を過ぎても釈放連絡がない場合に考えられる3つの理由

逮捕後の勾留期間は、原則10日間であり、さらに裁判官の許可があれば最長10日間延長されるため、被疑者段階での身柄拘束期間は最長20日間となります。
もっとも、勾留満期日を過ぎても本人や弁護士から何の連絡もない場合、必ずしも起訴されたとは限りません。
実務上は、すでに釈放されているケースもあれば、起訴によって身柄拘束が継続しているケース、あるいは別事件で再逮捕されているケースなど、さまざまな可能性が考えられます。
ここでは、勾留20日目を過ぎても連絡がない場合に考えられる主な理由を解説します。
理由①:起訴が決定し「被告人」として勾留が続いている
検察官が勾留期間満了日までに事件を起訴した場合、本人の法的立場は「被疑者」から「被告人」へと変わります。
起訴後も身柄拘束が継続する場合には、「起訴後勾留」に移行し、保釈が認められるまで、あるいは裁判が終了するまで拘置所などで生活することになります。
このような場合、本人がすぐに家族へ連絡できないこともあり、満期日を過ぎても連絡がない状況が生じることがあります。
ただし、起訴されたからといって必ず最後まで身柄拘束が続くわけではありません。
起訴後は弁護士を通じて裁判所へ保釈を請求することができ、保釈が認められれば、裁判が終了する前でも身柄が解放される可能性があります。
理由②:別の容疑で再逮捕され、新たな逮捕・勾留手続が進んでいる
勾留期間が満了するタイミングで別の犯罪事実が発覚した場合には、新たな事件について再び逮捕されることがあります。
これを一般に「再逮捕(余罪による逮捕)」と呼びます。
例えば、窃盗事件で勾留されていた被疑者について、別の窃盗事件や詐欺事件への関与が判明した場合などです。
この場合、新たな事件について改めて逮捕から最長72時間、その後勾留が認められればさらに最長20日間の身柄拘束が可能となります。
そのため、家族から見ると「勾留満期を迎えたはずなのに連絡がない」という状況になることがあります。
理由③:不起訴処分で釈放されたものの、まだ本人から連絡が来ていない
勾留満期日に不起訴処分となり釈放された場合でも、直ちに家族へ連絡が入るとは限りません。
実務上、釈放手続きは夕方から夜にかけて行われることも多く、実際に警察署の外へ出られるのが19時〜21時頃になるケースもあります。
また、釈放後にまず職場や知人へ連絡したり、自宅へ直接帰宅したりするケースもあります。
さらに、携帯電話の充電切れや故障、所持金不足などの事情によって、すぐに連絡できない場合もあります。
そのため、勾留20日目を過ぎても連絡がないからといって、直ちに起訴や再逮捕を疑う必要はありません。
勾留20日目に釈放連絡がないときの確認方法
勾留満期日を過ぎても本人や弁護士から連絡がない場合は、まず現在、私選弁護人または国選弁護人が選任されているかどうかを確認することが重要です。
弁護士が付いている場合には、処分結果や現在の手続状況について説明を受けられる可能性があります。
一方、弁護士が付いていない場合には、ご家族だけで現在の状況を正確に把握することが難しいケースも少なくありません。
そのため、連絡がない状態が続いて不安な場合には、刑事事件に詳しい弁護士へ早めに相談することを検討するとよいでしょう。
ここでは、現在の状況を確認する主な方法について解説します。
① 弁護士に相談して状況を確認してもらう
実務上、確実な方法の一つが、刑事事件に詳しい弁護士へ相談することです。
弁護士は本人との接見を通じて現在の状況を確認できるほか、事件の進行状況や今後の見通しについて法的な観点から説明を受けることができます。
また、起訴後の保釈請求や今後の弁護方針についても相談できるため、ご家族の不安解消につながることがあります。
本人と連絡が取れない状態が続いている場合には、まず弁護士への相談を検討するとよいでしょう。
② 一般面会(ご家族の面会)が可能であれば本人から状況を聞く
裁判所による接見等禁止決定(弁護士以外との面会や手紙のやり取りを制限する決定)が出ていない場合には、ご家族による一般面会が認められることがあります。
面会ができれば、本人から現在の状況や今後の見通しについて直接話を聞ける可能性があります。
もっとも、面会には日時や人数、時間などの制限が設けられている場合があり、事件の内容や手続状況によっては面会できないこともあります。
事前に留置施設へ確認しておくとよいでしょう。
ただし、勾留満期日当日は、本人が検察庁や裁判所での手続きに対応していることが多く、留置施設で面会できない場合があります。
また、釈放や起訴などの最終的な処分が決まるまで状況が流動的であるため、ご家族が当日に面会して結果を確認することは容易ではありません。
そのため、本人や弁護士からの連絡を待つほか、必要に応じて弁護士へ状況確認を依頼することが有効です。
注意点:警察署や留置施設へ問い合わせても詳細は教えてもらえないことが多い
ご家族が警察署や留置施設へ電話で問い合わせたとしても、捜査上の秘密や個人情報保護の観点から、詳細な説明を受けられないことが一般的です。
そのため、
- 現在も勾留されているのか
- 起訴されたのか
- 不起訴で釈放されたのか
といった重要な情報を電話だけで確認できないケースも少なくありません。
そのため、正確な状況を把握したい場合には、弁護士を通じて確認することを検討するとよいでしょう。
釈放されると連絡があった場合に家族が準備しておくべきこと
本人や弁護士から釈放予定の連絡があった場合には、本人を迎え入れるための準備を進めておきましょう。
長期間の身柄拘束によって、本人は精神的・身体的な負担を抱えていることも少なくありません。
釈放後に安心して生活を再開できるよう、事前に必要な準備をしておくことが大切です。
釈放予定の時間や場所を確認する
まずは、釈放される予定の時間や場所を確認しておきましょう。
釈放場所は事件や収容先によって異なりますが、本人が勾留されていた警察署の留置施設や拘置所から釈放されることが一般的です。
また、実際の釈放時刻は事務処理の進行状況によって変動することがあります。
実務上は、勾留満期日に不起訴処分や処分保留による釈放が決まった場合でも、検察庁や警察署での手続きに時間を要するため、実際に施設の外へ出られるのが夕方から夜(19時〜21時頃)になるケースも少なくありません。
そのため、本人や弁護士から伝えられた予定時刻はあくまで目安として考え、連絡が取れる状態にしておくと安心です。
帰宅に必要な準備をしておく
釈放直後は、交通費や生活に必要な現金を十分に所持していない場合があります。
また、長期間同じ衣類で生活していたことから、着替えや日用品が必要になることもあります。
本人が帰宅後に落ち着いて生活を再開できるよう、必要に応じて衣類や交通費、食事などを準備しておくとよいでしょう。
精神的に疲弊しているケースも少なくないため、責めたり事情を問い詰めたりするのではなく、まずは安心して帰宅できる環境を整えることも大切です。
20日の勾留後の釈放連絡に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、勾留満期日の釈放や連絡に関して、多くの方が疑問に思う点について回答します。
釈放される時間は何時ごろになることが多いですか?
釈放される時間に明確な決まりはありません。
実務上は、検察庁や警察署での事務処理が完了する夕方から夜にかけて釈放されるケースが多い傾向があります。
特に勾留満期日の釈放では、実際に施設の外へ出られるのが19時〜21時頃になることも珍しくありません。
もっとも、手続きが早く終われば午後や夕方の早い時間帯に釈放されることもあります。
具体的な時間は当日にならなければ確定しないことがほとんどです。
不起訴で釈放されたら前科はつかないのでしょうか?
はい。不起訴処分で釈放された場合、前科はつきません。
前科とは、刑事裁判で有罪判決が確定した事実を指します。
不起訴処分の場合は裁判自体が開かれないため、有罪判決もなく前科にはなりません。
もっとも、捜査対象となった記録(前歴)は警察や検察の内部資料として残ります。
ただし、前歴は一般の人が閲覧できるものではなく、通常の就職活動や日常生活の中で第三者に知られることはありません。
まとめ
勾留20日目を迎えたからといって、必ずしもその日に釈放されるとは限りません。
起訴によって起訴後勾留へ移行したり、別事件で再逮捕されたりすることで、引き続き身柄拘束が続く場合もあります。
また、不起訴処分や処分保留によって釈放された場合であっても、警察や検察から家族へ釈放の連絡が入る制度はありません。
そのため、本人や弁護士からの連絡を待つことになるのが一般的です。
現在の状況を正確に把握したい場合には、弁護士へ相談し、本人との接見や状況確認を依頼することが有効です。
不確かな情報や推測に振り回されるのではなく、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
ネクスパート法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が多数在籍しています。
初回相談は、30分無料です。
ぜひ一度ご相談ください。
コラム監修者
RUI SATO
所属:代表(東京オフィス)
明治大学付属中野高校卒業、明治大学法学部・法科大学院修了。2012年弁護士登録(東京弁護士会)、2016年ネクスパート法律事務所を創設。一般民事・企業法務に加え、ブロックチェーン分野にも注力し、海外法人設立支援業務などにも取り組む。AIを活用した弁護士業務の改善・事業開発に取り組み、一般社団法人 イノベーション法務支援機構代表理事就任。公正取引委員会・中小企業庁講師、日弁連代議員、東京弁護士会常議員等を歴任。