刑事事件の弁護士費用
弁護士費用には大きく分けて着手金と成功報酬があります。それ以外に実費や日当等もご負担いただくため、刑事事件を弁護士に依頼した場合の費用の相場は、合わせて65万円~です。もっとも、事案の内容や複雑さによっては100万円を超えることもあります。被害者がいる事件では、被害者への示談金も別途準備する必要があります。
この記事では、刑事弁護を依頼する前に知っておきたい弁護士費用の基礎知識を解説します。
【刑事事件】ネクスパート法律事務所の弁護士費用
事件後すぐに弁護士を探される方もいれば、起訴されてから弁護士を探される方もいるため、当事務所では、刑事事件の弁護士費用を捜査段階と公判段階に分けてそれぞれ設定をしています。
刑事手続きのどの段階にあってもご相談・ご依頼可能です。初回のご相談でおおよその費用の見積もりをお伝えしますので、お気兼ねなくご質問ください。
捜査段階
逮捕勾留されていない場合 | 逮捕勾留されている場合 | ||
着手金 | 25万円
(税込27万5千円)から |
35万円
(税込38万5千円)から |
|
成功報酬 | 不起訴の場合 | 25万円
(税込27万5千円)から |
35万円
(税込38万5千円)から |
罰金の場合 | 20万円
(税込22万円)から |
25万円
(税込27万5千円)から |
|
起訴された場合 | 15万円
(税込16万5千円)から |
15万円
(税込16万5千円)から |
|
別途 | 示談成立 | 10万円
(税込11万円)から(1件) |
10万円
(税込11万円)から(1件) |
接見 | ― | 3万円
(税込3万3千円)から |
|
勾留却下・準抗告認容の場合 | ― | 20万円
(税込22万円)から |
裁判段階
弁護士費用 | ||
着手金 | 裁判からのご依頼 | 25万円(税込27万5千円)から |
成功報酬 | 執行猶予の場合 | 25万円(税込27万5千円)から |
求刑から減刑できた場合 | 15万円(税込16万5千円)から | |
別途 | 接見、公判 | 1回あたり3万円
(税込3万3千円)から |
保釈認容 | 10万円(税込11万円)から |
ネクスパート法律事務所が選ばれる3つの理由
ネクスパート法律事務所が選ばれる3つの理由をお伝えします。
ネクスパート法律事務所は、東京・立川・横浜・大宮・西船橋・高崎・仙台・名古屋・福岡・那覇にオフィスを構えています。多数の弁護士が在籍しているため、チームで迅速に対応します。なるべく早く動ける弁護士がご本人様のもとへ接見に行き、事情を伺います。
当事務所は年間1000件を超える刑事事件のご相談を取り扱っています。これまでの経験の中で培ったノウハウも多数あるため、様々な事案に対応可能です。
24時間365日相談を受け付けており、最短で即日対応が可能です。刑事事件では何よりもスピードが重要です。ご相談いただければ迅速にサポートを開始します。
【ネクスパート法律事務所】刑事事件の弁護士費用の具体例
実際にネクスパート法律事務所にご依頼いただいた事件について解決事例を簡単に紹介します。
痴漢事件の弁護士費用の具体例
事件の概要
混んでいる電車内での痴漢事件。駅に到着した時に手をつかまれ現行犯逮捕。
弁護士によるサポート内容
依頼者は当初、電車が揺れて当たったかもしれないと痴漢行為を否認していましたが、弁護士がじっくり話を聞いたところ実際には触ったと認めたため、容疑を認めたうえで、被害者と示談する方針に変更することに承諾いただきました。
検察官が勾留請求をしたため、裁判所に勾留請求却下の意見書を提出しました。これが認められ勾留請求が却下され、被疑者は身柄を解放されました。
並行して被害者と連絡を取り、示談交渉を開始しました。被害者の方は被疑者が近くの駅を利用することや復讐される可能性があることを恐れていましたが、誓約書を作成することをお伝えし、示談の検討を依頼しました。数回のやり取りを経て示談が成立し、示談書等を担当検事に提出しました。
最終的な結果
被害者との間で示談が成立したため、不起訴で終了しました。
合計の弁護士費用
接見費用、示談交渉費用等に加えて、勾留請求に対する異議申し立てをしたことなどにより、弁護士費用は着手金・報酬金合わせて100万円+消費税、別途被害者に対して示談金をお支払いいただきました。
盗撮事件の弁護士費用の具体例
事件の概要
電車から降りる時に女性のお尻を手で撫でまわした事件。すぐ近くに駅員が居て現行犯逮捕された。
弁護士によるサポート内容
ご依頼後すぐに警察署に連絡しました。本人は否認していたとのことです。依頼者に電話し、事実および意向の確認しました。別件で執行猶予中のため、痴漢を認めて被害者と示談し、不起訴にして欲しいとのご意向を伺い、改めて警察署に連絡しました。再度取り調べを受けたら、正直に認めると伝え、被害者の連絡先を教えてもらえるよう依頼しました。被害者の連絡先を入手し示談交渉後、無事に示談が成立しました。
最終的な結果
成立した示談書写しを警察署に提出した結果、送検前に終了しました。
合計の弁護士費用
着手金、成功報酬、日当等の実費合計で約69万円(税別)、別途被害者に示談金をお支払いいただきました。
傷害事件の弁護士費用の具体例
事件の概要
電車内で隣の乗客が寝ていて寄りかかられたことに腹を立て足蹴りしました。電車を降りる際に相手とトラブルになったが、相手の方の耳が聞こえないとのことで名刺を渡してその場を立ち去った事件。相手方が被害届を提出したため、警察に呼び出され弊所に相談。
弁護士によるサポート内容
すぐに被害者の連絡先を聞き取り、謝罪文とともに示談に応じてくれるか等の被害者の気持ちを確認する書類を発送しました。
示談に応じても良いとの回答をいただき示談交渉を開始し、無事に示談が成立しました。
最終的な結果
示談書写しを警察に提出し、検察官送致前に事件が終了しました。
合計の弁護士費用
着手金・成功報酬・実費等合計66万円と、別途被害者に示談金をお支払いいただきました。
刑事事件の弁護士費用の内訳・相場
刑事事件の弁護士費用とは一体どのようなものか、解説します。
法律相談料【無料もしくは30分 5,000円~】
依頼する弁護士を探してあちらこちらに相談されると思います。複数の事務所で相談した結果、迅速に動いてくれる、自分の話をきちんと聞いてくれる、信頼できる等ご納得いただいた事務所にご依頼されることになります。
初回の法律相談料を、30分5,000円~と設定している事務所が多いですが、1か所5,000円でも、数か所回ると相談だけで数万円に達する可能性があります。当事務所では、初回30分のご相談料を無料としています。まずはお気軽にご相談ください。
着手金【30万円~】
ご依頼いただくと、弁護士が仕事に着手するための着手金をまずお支払いいただきます。着手金はご依頼後に銀行振込をしていただくのが一般的です。着手金の振込確認後すぐに弁護士は事件に着手します。着手金の相場は30万円~です。
着手金とは、弁護士が弁護活動をするための資金のようなものです。弁護活動の成果にかかわらず発生する費用です。
着手金が割安な場合は、報酬金を高めに設定している場合があります。着手金と報酬金を足した金額で比較しましょう。
ただ、一般的に着手金は一括で支払わなければならず、報酬金は分割での支払いを認めている事務所もあるため、依頼のしやすさの点から、着手金が割安な事務所を選ぶのも良いかもしれません。
接見費用【1回につき、3万円~】
依頼者が逮捕・勾留されている場合には、できる限り迅速に接見に行きます。身柄拘束されている場所が他県である場合の接見費用を少し高めに設定している事務所もあると思いますが、1回の接見につき3万円~が相場です。
報酬金【30万円~50万円程度】
ご依頼を受けた事件の弁護活動において一定の成果が発生した場合に報酬金が発生します。例えば、身柄の釈放、示談の成立、刑事事件の終結のタイミングがあります。刑事事件の終結とは、不起訴になった、略式起訴された、あるいは通常起訴されたことをいいます。
不起訴になると、身柄が解放されて事件が終了します。略式起訴されると罰金刑を言い渡され、刑事手続きが終了します。起訴されると公判段階に移るため、捜査段階の手続きが終了します。
起訴された場合よりも不起訴で終わった時の方が、依頼者に良い結果で終了したため、報酬金は高くなる傾向にあります。
日当費【1時間2万円~】
主に以下のように被害者宅や裁判所等の事務所外で弁護活動を行う場合には日当費用が発生します。
- 被害者宅での示談交渉
- 直接検察官に意見書を提出する
- 刑事裁判における裁判所への出廷 など
相場は1時間2万円~です。接見に行く場合には接見費用としていただくため、通常日当はかかりませんが、被疑者の収容場所が遠方であるなどの事情がある場合には別途日当がかかる場合もあります。
実費【弁護活動の内容によって発生することも】
主に以下のような事件の解決に向けて実際に支払った費用を実費といいます。
- 接見に行く場合の交通費
- 示談の際に被害者宅を訪れた場合の交通費
- 事件の現場の状況を確認に行く場合の交通費
- 郵送で示談書等のやり取りをした場合の送料
- 警察や検察官に書類を提出する際の送料 など、
刑事事件で弁護士費用以外に発生しうる費用
刑事事件では、弁護士費用以外に発生しうる費用があります。その費用も考慮に入れたうえで、弁護士に依頼する必要があります。考えられる費用をお伝えします。
示談金【10万円~200万円程度(被害者1人につき)】
被害者のいる事件では、弁護士費用以外に被害者に支払う示談金が必要です。示談金には相場はありません。被害者の方が納得できる金額で示談します。相場は無いと言っても相場的な金額はあるので、ご相談の際におおよその示談金の金額を確認しましょう。
保釈金【150万円程度】
起訴されると取り調べが終了したことになり本来ならば身柄が解放されるはずですが、引き続き勾留される場合もあります。起訴後勾留されると保釈の申請ができます。保釈の申請が認められると保釈金を支払って保釈されます。保釈金の金額は裁判所が決めるため、実際にいくらになるか不明ですが、150万円程度はみてください。
保釈金は、基本的には裁判が終了すれば全額返金されます。
刑事事件の弁護士費用が変動する理由
刑事事件の弁護士費用は、各事務所により幅があります。その理由を解説します。
各法律事務所の方針
以前は日本弁護士連合会が定める弁護士報酬基準があり、事件ごとにおおよその金額が決まっており、その基準の範囲内で弁護士費用が決められていました。
2004年4月にこの基準は廃止され、その後は各事務所が報酬額を自由に設定できるようになりました。ただ、基準とされてきたため、同じくらいの金額を定めている事務所が多い印象です。
事件の難易度
対応が難しい事件や、悪質性の高い事件などでは弁護士費用が高くなる可能性があります。弁護士費用に影響を与えるポイントには、次のようなものがあります。
自白事件か否認事件か
罪を認めている場合には、捜査機関の取り調べもそれほど過酷ではなく、取り調べへのアドバイスをするためにそれほど頻繁に接見に行く必要性は高くありません。
罪を認めていない場合には捜査機関の取り調べは過酷なものになります。取り調べへの対処方法をアドバイスするためや、取り調べ状況の確認のため接見回数は増える傾向にあります。緊急に接見に行くこともあります。
やっていないことを証明することは困難なため、弁護士費用が高額になる傾向にあります。
なお、否認事件の場合には被害者と示談をするという選択肢は無いので、示談金は支払わずに済みますが、示談をしないため被害者が被害届を取り下げてくれる可能性はほぼありません。身柄拘束も長く続き、起訴される可能性が高くなります。その場合には、起訴後の弁護士費用等も追加で必要になります。
起訴される見込みがどの程度あるか
不起訴を獲得できそうな事件の場合には、捜査段階の弁護士費用や示談金等だけで足ります。起訴される見込みが高い事件の場合には、起訴後の弁護士費用、保釈金等がかかる可能性が高いです。
刑事事件の弁護士費用が払えない場合はどうする?
刑事事件はスピードが重要です。ご依頼後すぐに着手金を一括で支払い、示談成立後早急な示談金の一括での支払いが最善です。着手金と示談金の合計だけで100万円、あるいはそれ以上を3~5日間くらいで支払うことになります。その後事件が終了した場合には、成功報酬等を支払わなければなりません。
刑事事件の着手金は弁護士の弁護活動の費用に利用するため、着手金の分割払いを認めている事務所はあまりありませんが、ケースによって分割払いも可能とする事務所もあるので、相談時に確認してください。
示談金の分割に応じてくれる被害者は多くないですが、被疑者が定職に就いていて、3~5回の分割で完了するのであれば応じてくれる方もいます。
成功報酬は、依頼者が定職に就いている場合には分割払いに応じてくれる事務所があるので、初回の相談時にご相談ください。
刑事事件の弁護士費用を払うのはいつ?
刑事事件の弁護士費用はいつ支払えばよいのでしょう?以下解説します。
いつまでに用意すればいいのか
被害者がいる刑事事件の場合には、着手金・示談金・成功報酬等の支払いを短期間で立て続けに行います。
着手金はご依頼後すぐに、示談金は示談成立時に支払うことが原則です。そのため、弁護士に相談に行くときには着手金を銀行口座に用意しておいた方が良いです。示談金については、遅くとも示談交渉開始前までに弁護士の預り口に振り込んでおくべきです。
成功報酬や実費等は事件が終了したときに請求いたします。成功報酬は分割払いやクレジットカード払いに応じてくれる事務所もあるので、初回のご相談時に弁護士に直接ご確認ください。
刑事事件の弁護士費用を分割払いする
刑事事件の弁護士費用を分割払いすることに対応している事務所もあれば、対応していない事務所もあります。初回の相談時に支払い方法についても直接弁護士にご相談ください。
当番弁護士を利用する(逮捕時)
被疑者が逮捕されている場合には、逮捕中1回だけ無料で当番弁護士を呼べます。弁護士費用をすぐに用意することが難しい場合には、とりあえず当番弁護士を呼ぶことも一つの手です。
当番弁護士は、逮捕されている48時間のうち、1回だけしか呼べないので、何を聞くか、事前に準備してから呼びましょう。
国選弁護人が選任されるのを待つ
逮捕後検察官に送検され勾留決定されると、国選弁護人を選任できます。弁護士費用の支払いが困難な場合には、勾留後に国選弁護人を選任してもらいましょう。
国選弁護人は、弁護士に依頼するお金が無い人に対して国が弁護士費用を代わりに支払ってつけてくれる弁護人です。国選弁護人が選任されると弁護士費用を支払う必要はありません。
国選弁護人は弁護士会の名簿の中からランダムに選ばれます。そのため、刑事事件を専門としていない弁護人が選任される可能性もあります。また、国が弁護士費用を出すため、弁護人の交代は認められていません。選任された国選弁護人の弁護方針等に納得がいかない場合でも、任せておくしかありません。どうしても納得がいかない場合には私選弁護人を選任できます。
刑事被疑者弁護援助制度を使う
弁護士費用をすぐに準備できない場合には、刑事被疑者弁護援助制度の利用を検討しましょう。
刑事被疑者弁護援助制度とは、日本弁護士連合会が行っている被疑者援助制度の一つです。身柄を拘束された被疑者段階の方のための刑事弁護活動をおこなう弁護士に、依頼者に代わって日弁連が費用を支払う制度です。こちらは、国選弁護人と同様、資力要件があります。
勾留後は国選弁護人が選任されるため、逮捕段階での被害者の弁護士費用の援助として利用されています。身柄を拘束されていることが前提なので、在宅事件には利用できません。
補足①費用を払ってでも私選弁護人に依頼するべき理由
弁護士費用を支払ってでも私選弁護人に依頼すべき理由をお伝えします。
まずは私選弁護人と国選弁護人が刑事事件の段階別に出来る活動の違いを表でご確認ください。
私選弁護人 | 国選弁護人 | |
犯罪行為後 | 相談・依頼できる
選任・解任できる 示談交渉等(※被害者がわかっている場合) |
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事情聴取、任意同行など | 同上
逮捕を防ぐための活動等(示談交渉など) |
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在宅事件 | 同上
不起訴処分を勝ち取るための活動 |
|
逮捕 | 早期釈放のための活動(身柄拘束の必要性が無いことの意見書提出・示談交渉等) | |
検察官送致 | 勾留を防ぐための活動(勾留の必要性が無いことを主張・示談交渉等) | |
勾留質問 | 裁判官からされる勾留質問への回答等のアドバイス | 選任請求
法テラスの名簿に基づき裁判所が選任 |
勾留 | 勾留異議申立
不起訴処分を勝ち取る活動 示談交渉 接見 など |
私選弁護人と同じ活動
※釈放されたら業務終了 |
起訴 | 保釈請求 | 私選弁護人と同じ活動 |
裁判 | 無罪の主張、減刑、あるいは、執行猶予付き判決に向けての主張等 | 同上 |
判決 | ||
判決後 | 依頼者と弁護士間の委任契約終了までは継続
控訴提起 保釈請求等 ※但し、通常は審級ごとに改めて委任契約を結びます |
実務上、上訴期間満了時または上訴申立時までと考えられています |
国選弁護人は勾留されてからでないと選任されない
国選弁護人は、勾留されている被疑者・被告人が利用できる制度です。逮捕後すぐの取り調べ期間や在宅事件、起訴後身柄を釈放された場合には国選弁護人をつけてもらえません。
逮捕直後の、一番重要な取り調べの時には国選弁護人は依頼できません。逮捕後の取り調べでどのような供述をするかで、その後の手続きの流れが変わります。捜査機関は自白を取るために必死になり、場合によっては強圧的な態度で取り調べをしますが、弁護人がいない場合には被疑者はそのような取り調べにひとりで立ち向かわなければなりません。取調官の圧力に負けて、やってもいないことをやったと言わないためにも、逮捕段階から弁護士に依頼すべきです。
在宅事件の場合は国選弁護人がつかない
国選弁護人がつく条件は勾留です。在宅事件になると、警察や検察官からの呼び出しには従わなくてはなりませんが、被疑者は通常通りの生活を送れます。勾留されないことは被疑者にとっては良いことですが、勾留されていないために国選弁護人がつきません。
しかも、在宅事件の場合には勾留されている事件とは違って、起訴・不起訴の判断に期限がありません。勾留されている場合には、検察官は勾留期間満期前に起訴・不起訴の判断をしなければなりませんが、在宅事件の場合にはいつまでにという縛りが無いために、長いと数カ月後にいきり起訴されることもあります。
被疑者・被告人が勾留されている場合には、国選弁護人は私選弁護人同様の弁護活動をします。被害者と示談交渉をすすめ、示談が成立した場合には不起訴意見書等を提出します。その結果、不起訴で事件が終了する可能性があります。
在宅事件の場合には私選弁護人に依頼しないかぎり、被害者と示談交渉はできません。示談未成立の場合には、被害者に被害弁償もされず、被害者の処罰感情もなくなりません。示談が成立した場合に比べて起訴になる可能性が高くなります。
刑事事件の解決実績が豊富な弁護士を選べる
国選弁護人は、被疑者・被告人からの請求があると弁護士会が資力要件を審査し、名簿に記載されている弁護士の中からランダムに選任します。選任された弁護士が刑事事件を得意とする弁護士ではない場合もあります。選任された弁護士との相性が悪い可能性もあります。
国選弁護人は、原則変更できません。国選弁護人の弁護活動に納得できない場合にはご家族等が私選弁護人を探して依頼すると国選弁護人は解任されます。
私選弁護人であれば、刑事事件の経験が豊富な弁護士の中から自分で選べます。
刑事事件被害者の弁護士費用
刑事事件に巻き込まれてしまった被害者の方も弁護士に依頼できます。被害者の方が弁護士に依頼する場合の弁護士費用についてご案内します。
被害者の方が弁護士に依頼できること
刑事事件は加害者側だけが弁護士に依頼するわけではありません。被害者になってしまった場合に何を弁護士に依頼できるかについて、お伝えします。
示談交渉の対応を依頼
犯罪の被害にあわれた方は、辛い思いをされています。心の傷が癒える間もなく、加害者本人から、あるいは加害者の弁護士から示談の連絡がくることがあります。加害者本人からの連絡はもちろん、加害者の弁護士とも話をしたくない方もいらっしゃいます。そのような場合に加害者側との示談交渉を弁護士に依頼できます。
被害届の提出、告訴・告発の同行を依頼
痴漢の被害届を提出しようと警察に行ったら、根掘り葉掘り心無い言葉で聞かれて、セカンドレイプだと思ったというようなニュースが流れることがあります。警察は被害者の味方ではありません。事件を捜査し、加害者が犯罪行為をしたか捜査する機関です。
被害届を提出しに行ったけれど、受け付けてくれなかったという話しもよく聞きます。被害届を受理するかどうかは、その場にいた警察官によって決まります。被害届を受理すると、やらなければならない仕事が増えるため、なるべく受理したくないという警察官も中にはいます。
被害にあったときに、被害届の提出、告訴、告発する場合には弁護士に付き添ってもらいましょう。被害者の方が警察官の言葉で傷つくことを軽減し、被害届を受理してもらえる可能性があります。
被害者の弁護士費用
犯罪の被害にあったときには、各弁護士会の犯罪被害者電話相談に相談してみてください。取りうる手段、対応策、捜査や裁判手続き等についての説明やアドバイスをしてもらえます。
弁護士に依頼する場合には、具体的な支援内容によってそれぞれ弁護士費用がかかるため、弁護士事務所にお問い合わせください。
弁護士費用が支払えない場合には、法テラスの犯罪被害者支援ダイヤルに電話し、どのような支援が受けられるか問い合わせてみましょう。法テラスを利用するためには資力要件がありますが、どのような支援があるか教えてくれます。
※なお、当事務所では法テラスの利用を希望される方からのご相談は現在受け付けておりません。
補足②弁護士を選ぶ際に注意するべきポイント
刑事事件を弁護士に依頼する場合にどの弁護士に依頼するか、悩まれると思います。弁護士を選ぶ際に注意すべきポイントをいくつかご案内します。
料金体系がわかりやすいか
弁護士費用は、安くありません。特に刑事事件は短期間でやらねばならないことが非常に多くあるため、ほとんどの事務所で民事事件よりも費用が高めに設定されています。
刑事事件で弁護士がやることは、接見・示談交渉・捜査機関への対応・書面の作成提出等です。全部をまとめたパック料金になっていると、やっていない弁護士活動があってもパックになっているから支払わなければならない可能性もあります。
最初に相談した時に、弁護士活動に応じて費用が細かく設定されているか確認しましょう。
- 接見1回につきいくらか
- 示談交渉の相手1名につきいくらか
- 不起訴で終了した場合はいくらか
- 起訴された場合はいくらか など
弁護士がどのような弁護活動をし、それに対する費用がいくらか、明らかにされている事務所に依頼することをお勧めします。
依頼前に大まかな費用の見積もりをしてくれるか
初回の相談で、弁護士はどのような弁護活動をすることになるか大まかに伝えてくれます。それに伴い、費用がいくらくらいになるか大まかな見積もりを出してくれる事務所をお勧めします。
刑事事件の解決実績が豊富か
刑事事件は、1件1件内容や弁護士がすべき活動内容が違います。刑事事件の解決実績が豊富な事務所に依頼すべき理由がそこにあります。
フットワークが軽いか
刑事事件はスピードが重要です。弁護士のフットワークが軽くないと期限に間に合わない可能性があります。1人の弁護士だけでは対応できない場合には他の弁護士が対応できる体制になっているかは、重要なポイントです。
弁護士間で協議できる体制か
刑事事件は依頼者のその後の人生を左右します。たった1人の弁護士の考えで対応するよりも、複数の弁護士が協議しながら最善の方法を選んで進めることは依頼者にとって良い結果につながります。
依頼者の話をきちんと聴けるか
依頼者の話をきちんと聴けないと、依頼者が実際にどんなことをしたのか、依頼者がどのような取り調べを受けているか等がわからないまま進んでしまいます。依頼者の話す内容をきちんと聴き取った上で、どのような方向で取り調べに対応するかを決定し、依頼者の方が納得する対応方法になっているか確認しながら進めていくことが重要です。
まとめ
刑事事件の弁護士費用の内訳と相場等についてご説明してきました。法律事務所ごとに自由に費用を設定できるため、適切な金額かどうか判断しにくいかもしれません。依頼後に想定外の出費が発生すると生活にも影響しますので、ご依頼前に必ず弁護士費用について細かく確認し、きちんと説明してくれる事務所に依頼しましょう。