更新日:2025年7月28日 (月)

公開日:2021年1月28日 (木)

在宅でのオンライン診療を行うために、診療所に医師が不在の時間を作ることの可否について

在宅でのオンライン診療を行うために、診療所に医師が不在の時間を作ることの可否について 在宅でのオンライン診療を行うために、診療所に医師が不在の時間を作ることの可否について

サマリー

院長が在宅でオンライン診療を行うために、診療所に医師が不在の時間を作ることについて、何か問題はありますか。
結論としては、管理者(院長)が診療所の開院時間に一部不在の時間があるとしても、「管理を常にできる状態にあれば」問題ありません。ただし、診療所にほとんど不在の状態の場合、別途、「適切な診療の提供が可能なのか」という問題も生じえます。

解説

管理者(院長)については、当該病院または診療所に「常勤」しなければならないとされています。

しかし、この「常勤」の意味は、往診などもありますし、常に当該病院または診療所にいなければならないわけではありません。

診療所に管理者が所在していない場合に、常勤義務が果たされているかについてどのように判断するかというと、保健所は以下のように判断しているようです。

①病院など、人員要件がある場合

常勤医師の実際の勤務時間の定めが必要となります。

32時間ルールなどがこれにあたります。

もっとも、病床のない診療所(クリニックなど)には人員要件はありません。

②診療所(クリニックなど)人員要件が無い場合

管理者の常勤義務(通達上の義務)の趣旨に鑑みて、管理を常にできる状態にあるか によって判断する。

ここで大事なことは、管理を常にできる状態にあるか、という判断基準ですが、何かあれば、すぐに連絡ができる状態になっているか、対応できる状態になっているか、というように判断されます。

極端な具体例として、医師が院長のみのクリニックで、コロナ渦、常時自宅にてオンライン診療を実施することが可能かどうかも検討しましょう。

この点については、通達などがあるわけではありませんが、常時自宅でのオンライン診療のみで、適切な診療が可能なのか、というところがポイントになります。

もし在宅の時間が多くなるようであれば、セキュリティを加味した上で、在宅でもカルテの管理を行うことができるように、また、クリニックの薬品庫などにはカメラを設置して、常時在庫の確認をしたり、発送に関する管理も行うことができるようなシステムを導入することが好ましいでしょう。社会のニーズに応じて、オンライン診療が適切に運用されていくことを期待したいと思います。

 

コラム監修者

Shunsuke Teragaki

Shunsuke Teragaki

所属:代表(東京オフィス)

広島県広島市出身。修道高校、慶應義塾大学商学部、青山学院大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所の代表弁護士として、依頼者に最適な見通しと戦略的な解決策を示すことを信条とし、丁寧かつ粘り強い対応で信頼を築いている。

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