妻が非協力的だったり、非常識な言動を繰り返したりすると、うんざりします。
注意や話し合いで改善されればいいものの、そうでなければ離婚を考えることもあるでしょう。
とはいえ、「どうすれば離婚できるのか?」「本当に離婚して後悔しないのか?」など、気になることも多いはずです。
ここでは、うんざりする妻の行動や対処法、離婚できるかどうかについて解説します。
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目次
離婚したくなる妻のうんざりする行動は?
妻の言動や行動にストレスを感じることが多くなると、夫はうんざりします。程度によっては離婚を考えることもあるでしょう。
ここでは夫がうんざりする妻の行動の中で、代表的なものを紹介します。
すぐに感情的になる・大きな声を出す
妻が些細なことで怒ったり、ヒステリックに叫んだりすると、夫は精神的な負担を感じます。
冷静に話し合おうとしても、感情的に反論されたり、話し合いにならなかったりする状況が続くと、夫婦関係はどんどん悪化します。
次第に夫はうんざりして「妻なんていない方がいい」と考えるようになります。
束縛が激しくて気が休まらない
夫の行動を細かく管理したり、頻繁に連絡を強要したりするのも、夫にとって大きなストレスです。
仕事中に頻繁に電話がかかってきたり、仕事の帰りが遅いだけで疑われたり、休日の予定を勝手に決められたりすると、夫はうんざりします。
過度な束縛を受けたときに「もう一人になりたい」と考えるのは自然なことです。
金遣いが荒い・自分の小遣いが少ない
自分(夫)が働いて稼いだお金を妻が浪費すると、夫はうんざりします。
真面目に働いて家計を支えているのに、その支出が妻のブランド品や友人との食事、趣味などであると、夫は「真面目に働いても意味がない」と感じるでしょう。
さらに、妻が家計を管理している場合、夫の小遣いを極端に制限するケースもあります。
自分は自由にお金を使うのに、夫には一切余裕を与えないという状況が続けば、不満が募るのは当然です。
家事や育児をちゃんとしない
結婚生活では、夫婦が協力して家事や育児を分担することが大切です。
しかし、専業主婦が家事育児を怠ったり、共働きなのに夫にばかり負担がかかったりする状況が続くと、夫はうんざりします。
たとえば、仕事で疲れて帰宅したときに家が散らかっていたり、妻がスマホばかり見て家事をしていなかったりすると、夫は「この結婚に意味があるのか?」と考えるようになるでしょう。
セックスレスや浮気で家庭を顧みない
夫婦間のスキンシップは、関係を維持するために重要な要素です。
しかし、妻がセックスを拒否し続けたり、夫婦としての関係を軽視したりすると、夫は寂しさを感じるようになります。
その状況で、妻が浮気をしている場合、夫にとっては大きな裏切り行為となります。
一度失われた信頼を取り戻すのは難しく、結果として離婚を決意するケースも少なくありません。
妻にうんざりしたときの対処法
妻にうんざりしたとしても、すぐに離婚を決意する人は少ないでしょう。夫婦関係を改善するためにやるべきことを紹介します。
冷静に話し合う
最も重要なのは、冷静に妻と話し合うことです。
感情的になると、話し合いの内容が正しく伝わらなかったり、逆に相手を傷つけてしまったりすることがあります。
したがって、冷静に自分の気持ちを整理し、妻に不満を伝えることが大切です。
自分の不満を伝えるだけでなく、妻の考えや不満をうまく聞き出すことも意識してください。
自分では気づけていないものの、妻の側も、夫に対してうんざりしている可能性があるからです。
妻に期待しないようにする
妻に自分と同じような努力や家庭への貢献を期待しないことも大切です。
「妻はこうあるべき」「こうしてくれるはずだ」などの思い込みがあると、それが守られなかったときにストレスを感じます。
妻からしても、夫から期待をされているのはストレスかもしれません。
無理をする必要はありませんが、自分が我慢できることはしたり、妻に対してある程度妥協したりすることで、夫婦仲が改善されていくこともあります。
夫婦のルールを決める
夫婦だからといって、お互いの価値観や生活習慣が一致しているわけではありません。夫婦のルールを決めることでストレスを減らし、健全な夫婦生活が送りやすくなります。
具体的には、家事の分担、子育ての方針、金銭管理など、日常生活でのルールを二人で話し合い、納得できる形で決めるとよいでしょう。
今まで夫婦間の役割が曖昧になっていた場合には有効な手段です。
夫婦カウンセリングを受ける
夫婦間の問題を話し合いで解決できない場合は、専門家への相談を検討しましょう。
夫婦カウンセリングは、夫婦にある問題を客観的に見てもらい、解決策を導き出す有効な手段です。
カウンセリングを受けることで、問題が解決に向かうだけでなく、夫婦としての信頼関係を再構築するきっかけにもなります。
別居などで距離を置く
一時的に別居をすることで、冷静に夫婦関係を見つめなおすことができます。長時間一緒にいると、些細なことでもイライラしがちです。
別居によって、夫側は頭を冷やすことができますし、妻側は夫がいることの大切さを再確認できるかもしれません。
「このままだと暴力を振るってしまうかもしれない」など、強いストレスを感じている人も、別居を検討してください。
注意点は、離婚が数年など長期間に渡ると、夫婦関係が破綻したとみなされ、法的にも離婚が認められる可能性があることです。
妻にうんざりしたときに離婚はできる?
妻の行動にうんざりし、離婚したくなった人のために「本当に離婚できるのか」について解説します。
夫婦の合意があれば離婚可能
夫婦で離婚について同意があれば、どんな理由でも離婚可能です。夫婦で書いた離婚届を市役所に提出すれば離婚が成立します。
離婚前に財産分与や養育費、慰謝料など、離婚条件について合意する必要がありますが、合意できれば、離婚手続きは比較的簡単に進みます。
協議離婚については「協議離婚とは|協議離婚の進め方や流れ・決めること」も参考にしてください。
裁判での離婚は認められにくい
夫は離婚したいが妻は離婚したくない場合、最終的には、夫側が離婚を求める裁判を起こすことになります。
その際、性格が合わないから、一緒にいるとストレスだから、などの理由では、裁判所は離婚を認めません。
裁判所に離婚を認めてもらうには、妻が法定離婚事由に該当することを、証拠を出して証明しなければなりません。
法定離婚事由については、次の見出しで解説します。
裁判については「離婚裁判で負ける理由と離婚できる確率|負けた場合離婚できない?」も参考にしてください。
法的に離婚が認められる妻のうんざりする行動
次に、裁判で離婚が認められる可能性が高い法定離婚事由の代表的なものを紹介します。
以下の行為があったことを証明できれば、裁判で離婚が認められる可能性が高くなります。
他の男性と肉体関係を持つ
妻が他の男性と肉体関係を持った場合、それは不貞行為に該当します。不貞行為は法定離婚事由の中でも特に離婚が認められやすいです。
不貞行為とは、単なる浮気や親密なやり取りではなく、配偶者以外と肉体関係を持つことが法律上の要件となります。
不貞行為を証明するには証拠が重要です。以下のような証拠があれば、不貞行為を立証しやすくなります。
- ラブホテルや相手の自宅に出入りしている写真や動画
- 不貞を認めるLINEやメールのやり取り
- 探偵の調査報告書
- 妻や相手の男性が不貞を認めた証言や書面
自分で浮気の証拠を取得するのが難しいと感じた場合には、探偵に依頼をしましょう。探偵は、裁判でも使える不貞行為の証拠を取得してくれます。
不貞行為については「不貞行為に基づく離婚慰謝料の相場の金額はどれぐらい?」も参考にしてください。
勝手に家を出て戻らない
妻が正当な理由なく家を出て、長期間にわたって戻らない場合、これも法定離婚事由に該当します。
これを悪意の遺棄といい、夫婦の義務を果たしていないと判断される可能性があります。
例えば、以下のようなケースが該当します。
- 突然家を出て、理由も告げずに行方不明になる
- 夫の扶養義務を無視し、一方的に別居を続ける
- 子どもを置いて家を出て、育児を放棄する
ただし、妻がDVやモラハラから逃れるために家を出た場合は、正当な理由とみなされることが多く、離婚事由にはなりにくい点に注意が必要です。
DVやモラハラ
妻からの直接的、または精神的な暴力は、法定離婚事由の婚姻関係を継続しがたい重大な事由に該当し、裁判での離婚が認められる可能性があります。
【DV(家庭内暴力)】
妻からの暴力には以下のようなものがあります。
- 殴る、蹴る、物を投げつける
- 熱湯をかける、包丁を振り回すなどの危険行為
- わざと食事を与えない、締め出す
DVの証拠としては、診断書、ケガの写真、110番通報の記録などが有効です。
【モラハラ(精神的虐待)】
モラハラとは、直接的な暴力ではなく、言葉や態度で精神的に相手を追い詰める行為を指します。
- 毎日暴言を吐く(「お前なんて価値がない」「誰もお前を愛さない」など)
- 外出を禁止する、スマホを取り上げるなどの行動監視
- 無視を続ける、会話を拒否する
モラハラの証拠としては、録音データやLINEのスクリーンショットが有効です。
裁判で使える証拠の取得の仕方については弁護士に相談するのがおすすめです。
モラハラについては「モラハラで離婚する場合の慰謝料相場と該当する行為」の記事も参考にしてください。
極端な浪費癖
妻が極端な浪費癖を持っている場合、婚姻関係の継続が難しくなるため、離婚が認められる可能性があります。例えば、以下のようなケースが該当します。
- 収入に見合わない高額な買い物を繰り返す
- ギャンブルやホストクラブに大金を使う
- 借金を繰り返し、家庭の経済を破綻させる
ただし、単に買い物が好き、趣味にお金を使うといったレベルでは、離婚事由として認められにくいです。生活に支障をきたすほどの浪費であることを証明する必要があります。
長期間のセックスレス
長期間のセックスレスは、婚姻関係が破綻していると判断され、裁判で離婚が認められることがあります。
特に、夫婦ともに健康でセックスが可能な状態にもかかわらず、一方が一方的に拒否し続けている場合は、法定離婚事由に該当する可能性が高まります。
一般的に、1~3年ほどセックスレスが続くと、離婚が認められやすくなるとされています。
宗教や思想の強要
宗教や特定の思想を一方的に押し付ける行為も、夫婦関係の破綻につながる理由として認められることがあります。
- 強制的に宗教の儀式に参加させる
- 信仰を持たないことを理由に人格を否定する
- 多額の寄付を要求し、家計を圧迫する
こうした行為が日常的に行われ、夫の生活に大きな支障をきたしている場合、裁判で離婚が認められる可能性があります。
妻にうんざりしたときに離婚を有利に進める方法
妻の言動に耐えられず離婚を決意した場合、感情的に行動するのではなく、冷静に準備を進めることが大切です。
ここでは、離婚を決意したあとに、なるべくスムーズに、かついい条件で離婚するための方法を紹介します。
法定離婚事由の証拠を集める
まずは、法定離婚事由に該当することを証明する証拠を集めます。協議離婚で合意に至るならまだしも、裁判では証拠がなければ離婚は認められません。
不貞行為であればラブホテルの出入り写真、DVやモラハラなら病院での診断書や録音データなど必要に応じた証拠を集めましょう。
どんな証拠が必要なのかや、証拠の取得の仕方について知りたい場合は、弁護士や探偵などの専門家に相談してください。
妻名義の財産を把握する
離婚時の財産分与では、夫婦の共有財産を公平に分けることになります。
そのため、妻の収入や預貯金、へそくりなどの財産状況を把握しておくことが重要です。
特に、妻が資産を隠そうとするケースもあるため、事前に通帳のコピーや給与明細、妻名義のローンや保険の情報を確認しておくと安心です。
離婚条件について検討する
離婚を決意したら、「離婚するかどうか」だけでなく、離婚条件もしっかり考えることが重要です。
スムーズに離婚を進めるために、事前に決めておくべき代表的な項目を紹介します。
- 慰謝料:離婚に至った原因(浮気やDVなど)による精神的苦痛への償い
- 財産分与:夫婦の共有財産を公平に分ける手続き
- 親権:離婚後、どちらが子どもを引き取るかを決める
- 養育費:子どもを引き取らなかった側が支払う生活費
事前に自分の希望や優先順位を整理し、どの条件を重視するかを考えておきましょう。
離婚交渉では、譲れないポイントはしっかり主張し、優先度の低い部分は譲歩することで、話し合いがスムーズに進みやすくなります。
弁護士に相談する
離婚を有利に進めるには、弁護士のサポートを受けるのが最も効果的です。
特に、裁判離婚を考えている場合や、妻との交渉が難しい場合は、早めに弁護士に相談することで、適切なアドバイスを受けられます。
弁護士は、証拠の集め方、財産分与の交渉、調停や裁判の手続きなどをサポートしてくれるため、離婚の成功率が高まります。
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まとめ
妻にうんざりして離婚を考えた場合、冷静に状況を整理し、適切な準備を進めることが大切です。
話し合いや夫婦カウンセリングで関係を改善できる可能性もありますが、どうしても解決できない場合は、法的な手続きを視野に入れましょう。
離婚を有利に進めるには、法定離婚事由の証拠を集める、財産状況を把握する、離婚条件を整理するなどの準備が不可欠です。
有利な条件でスムーズに離婚したいなら、早めに弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。