資格を持つ方が逮捕されるとどうなる?資格制限・欠格期間にご注意を

資格を持つ方が逮捕されたらどうなるのでしょうか?

逮捕されたら資格を失ってしまうのではないかと心配されるかもしれません。

免許を必要とする職業(国家公務員、弁護士、医師など)については、前科の内容によって資格を失うか否かが、その資格を規定する法律で定められています。

今後も仕事を続けるためには前科を付けないこと、あるいは欠格事由に該当しないようになるべく軽い処分を獲得することを目指すべきです。

資格を持つ方が逮捕されたときに弁護士ができるサポートについてご案内します。

寺垣弁護士
寺垣弁護士
一定以上の刑に処されると、免許を取り消されたり、取得できなくなったりする恐れがあります。不起訴を得られれば刑事裁判が開かれないので、有罪判決は下されません。資格の制限を受けずに済みます。逮捕〜起訴までは最大23日間しかありません。一刻も早くご相談ください。
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資格を持つ方特有のリスク

前科がつくことで、資格の停止やはく奪、新たに資格取得ができなくなる恐れがあります。

どのような資格が、どのような刑罰の言い渡しによりどのような資格制限を受けるか、資格制限を受けないために弁護士にできることを解説します。

有罪判決を下されると、資格の制限を受ける恐れがある

免許を必要とする職業に就いている方が罰金以上の刑あるいは禁錮以上の刑に処せられると免許の取り消しや、免許の取得ができなくなります。

欠格事由に関しては、例えば国家公務員法第38条、弁護士法第7条、医師法第4条などにそれぞれ規定されています。

逮捕されただけであれば、欠格事由となることはありませんが、一定の刑罰の言い渡しを受けたことが欠格事由に該当することがあります。

また、前科がついた場合には、資格制限に引っかかる可能性がありますが、前科がついたからといって必ず資格が制限されるわけではありません。

資格の制限を受けている期間は再就職できない

前科が付くことにより一定の期間、資格制限を受けることがあります。

資格の制限がいつまで及ぶかを記載する文言は、以下の通りです。

  • 執行が終わるまで
  • 執行を受けることがなくなるまで
  • 刑の言い渡しの効力が消えるまで

執行が終わるまでとは、刑罰を受け終わった(出所した、罰金を納付したなど)ときです。

執行を受けることがなくなるとは、例えば懲役3年執行猶予5年という判決がくだされた場合、執行猶予期間である5年間、執行猶予が取り消されることなく経過したときです。

執行猶予期間中に何事も無く経過した場合には懲役3年の刑の言い渡しは効力を失い、懲役刑の執行を受けなくなることです。

刑の言い渡しの効力が消える(刑の消滅)のは、以下のようなときです。

  • 執行猶予付き判決の場合、執行猶予が取り消されずに執行猶予期間満了したとき
  • 執行猶予が付かない判決を受け、刑罰を受け終わった(懲役・禁錮刑で出所した日の翌日)ときから、罰金以上の刑が確定することなく10年を経過したとき
  • 罰金刑の言い渡しを受け、刑の執行が終了(罰金納付)したときから、罰金以上の刑が確定することなく5年を経過したとき
  • 刑罰を受けている途中で恩赦を受けたとき など

刑の言い渡しの効力が消えても、前科は消えません。前科とは、過去に有罪の判決を受けた事実を意味します。事実は消せません。

罰金以上の刑で制限を受ける資格

具体的な欠格事由や期間などは保有する資格によって異なります。

欠格事由には、絶対的欠格事由と相対的欠格事由の2つがあります。絶対的欠格事由に該当する場合には資格制限中はその職業に就けませんが、相対的欠格事由に該当する場合には、免許を与えないことがあるとなっているので、必ずしもその職業に就けない訳ではありません。

罰金以上の刑に処せられた者に該当する場合には、多くの場合相対的欠格事由となっています。

以下、どのような資格に制限があるか、いくつか具体例を記載します。

なお、刑罰の種類は重い方から順に、死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料となります。

職業

欠格期間

根拠

備考

国家公務員・地方公務員

禁錮以上 執行が終わるまで

または

執行を受けることがなくなるまで

国家公務員法第38条

地方公務員法第16条

裁判官・

検察官・

弁護士

禁錮以上 刑の言い渡しの効力が消えるまで 裁判所法第46条

検察庁法第20条

弁護士法第7条

司法書士・

行政書士

禁錮以上 執行を終わってから3年経過するまで

または

執行を受けることがなくなってから3年経過するまで

司法書士法第5条

行政書士法第2畳

社会保険労務士 罰金以上 執行を終わってから3年経過するまで

または

執行を受けることがなくなってから3年経過するまで

社会保険労務士法第5条
公認会計士 禁錮以上 執行を終わってから3年経過するまで

または

執行を受けることがなくなってから3年経過するまで

公認会計士法第4条
税理士 禁錮以上 執行を終わってから5年経過するまで

または

執行を受けることがなくなってから5年経過するまで

税理士法第4条
校長・教員

など

禁錮以上 刑の言い渡しの効力が消えるまで 学校教育法第9条
医師・看護師

など

罰金以上 刑の言い渡しの効力が消えるまで 医師法第4条

 

免許を与えないことがある
歯科医師 罰金以上 歯科医師法第4条 免許を与えないことがある
歯科衛生士 罰金以上 歯科衛生士法第4条 免許を与えないことがある
薬剤師 罰金以上 薬剤師法第5条 免許を与えないことがある
保健師・助産師・看護師・准看護師 罰金以上 保健師助産師看護師法第9条 免許を与えないことがある
獣医師 罰金以上 獣医師法第5条 免許を与えないことがある
栄養士・

管理栄養士

罰金以上 栄養士法第3条 免許を与えないことがある
調理師 罰金以上 調理師法第4条の2 免許を与えないことがある
保育士 禁錮以上 執行を終わってから2年経過するまで

または

執行を受けることがなくなってから2年経過するまで

児童福祉法第18条の5
社会福祉士

介護福祉士

禁錮以上 執行を終わってから2年経過するまで

または

執行を受けることがなくなってから2年経過するまで

社会福祉士及び介護福祉士法第3条
宅地建物取引士 罰金以上 執行を終わってから2年経過するまで

または

執行を受けることがなくなってから2年経過するまで

宅地建物取引業法第17条の4

 

建築士 禁錮以上 執行を終わってから5年経過するまで

または

執行を受けることがなくなってから5年経過するまで

建築士法第7条
土地家屋調査士 禁錮以上 執行を終わってから3年経過するまで

または

執行を受けることがなくなってから3年経過するまで

土地家屋調査士法第5条
警備員 禁錮以上 執行を終わってから5年経過するまで

または

執行を受けることがなくなってから5年経過するまで

警備業法第3条
貸金業者 禁錮以上 執行を終わってから5年経過するまで

または

執行を受けることがなくなってから5年経過するまで

貸金業法第6条

資格の制限を避けるための弁護活動とは

資格の制限を避けるために弁護士ができることについて、ご案内します。

不起訴を獲得し、資格制限の回避を目指す

資格の制限がかかるのは、起訴されて有罪となり、罰金刑以上もしくは禁錮刑以上の刑の言い渡しをされたときです。逮捕されても起訴されずに終われば資格制限を回避できます。

起訴されてしまうと日本の裁判では約99.9%が有罪となるので、無罪を勝ち取ることは容易ではありません。そのため不起訴を勝ち取るための弁護活動が重要です。

不起訴になる理由は、以下のようなものです。

  • 被害・罪が大きくない
  • 被害の弁償がされている
  • 被害者の処罰感情が強くない
  • 前科・前歴がない
  • 反省の念が客観的に認められる
  • 再犯のおそれが低い など

不起訴処分を獲得する可能性を高めるためには被害の弁償をし、被害者との間で示談を成立させることがポイントです。

自分で示談交渉することは主に以下の理由からあまりお勧めできません。

  • 被害者の感情を逆なでしてしまうことがある
  • 被害者が加害者と直接連絡を取りたくないことが多い
  • 被害者の連絡先がわからない
  • 適切な示談書を作成しなければならない
  • 適正な示談金の金額がわからない
  • そもそも逮捕・勾留されていると外部と連絡を取れない

弁護士が間に入るメリットは…

  • 加害者と直接連絡を取りたくない被害者と交渉できる可能性がある
  • 捜査機関に被害者の連絡先を教えてもらえる可能性が高い
  • 後々争いの無い示談書を作成できる
  • 不当に高額にならない示談金で示談できる可能性が高い など

弁護士が間に入ることにより示談が成立する可能性が高くなり、示談が成立すると不起訴になる可能性も高くなります。

(起訴後)罪の軽減によって、資格制限の回避を目指す

起訴するかどうかは検察官の判断によるので、示談が成立したとしても、起訴されてしまうことは十分に考えられます。

起訴されてしまった場合には、欠格事由に該当しないように、少しでも軽い刑を言い渡してもらうように弁護活動を行います。

起訴されると99.9%有罪に。起訴前にご対応ください

日本の刑事裁判では、起訴されてしまった場合99.9%が有罪になってしまいます。起訴される前に終われば前科も付きません。

資格を有する方が逮捕された場合、あるいは逮捕されてはいないけれど捜査機関から連絡が来た場合等でも、不起訴で終われば資格を失わずに済みます。

資格を失わないためになるべく早く弁護士に相談することをお勧めします。

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