会社員が逮捕された場合の3つのリスク|解雇されないためには
会社員が逮捕された際に心配なのが次の2点です。
- 解雇される
- 周りに知られて働きにくくなる
このページでは、上記2点がどんな場合に起こってしまうのかをご説明します。
会社員特有のリスクが起きないよう、弁護士ができるサポートについてもご案内します。
今の職場で働き続けるためにも、ぜひご参考ください。

刑事事件を起こしてしまった方やそのご家族の方は、一刻も早くご相談ください。
目次
会社員が逮捕された場合3つのリスク
会社員が逮捕されると、懲戒解雇される恐れがあります。
ただし、会社が従業員を解雇する場合、解雇に値する理由がなければ不当解雇となるので、逮捕されたら即解雇とはならないことが多いです。
普通解雇または懲戒解雇される可能性がある
解雇されるかどうかは就業規則の内容次第です。就業規則には解雇事由が規定されています。
就業規則の解雇事由に「従業員が逮捕されたとき」と規定していない限り、逮捕されただけで解雇される可能性はそれほど高くないでしょう。
起訴されなくても最大23日間欠勤することに。対応のしかたを考える必要がある
逮捕後は最大23日間身柄を拘束される可能性があります。
長期間の無断欠勤を理由に、普通解雇されることもあり得ます。

無断欠勤の理由を会社に説明する際に、逮捕されたことを知られる恐れがあります。
弁護活動によって早期釈放を得られれば、無断欠勤をきっかけに解雇されるリスクを減らせます。
逮捕が知られれば職場にいづらくなる。バレるきっかけとは
逮捕が職場に知られるきっかけは以下の通りです。
実名報道された
逮捕された段階では、無実や冤罪の可能性もあります。報道されたとしても、実名で報道されることは多くはありません。
ただし、実名を出すかどうかは報道機関の裁量次第です。明確な基準が定められているわけではないものの、実名報道されやすい事件・されにくい事件があります。
実名報道されやすいのは…
- 上場企業で働いている
- 公的な職業に就いている
- 被害者が多い・被害金額が大きい重大事件 など
上場企業の場合、知名度が高く、企業にはブランドイメージがあります。その企業の社員がブランドイメージを損なうような事件を起こした場合には、例え業務とは無関係であったとしても実名で報道されることがあります。
被害者が多い事件や、被害額が大きい事件のような重大事件の場合にも、実名で報道されてしまう可能性が高いです。
職場が捜査の対象になった
事件の証拠が職場にある可能性が高い場合、捜査機関が職場で捜索差押をする可能性があります。
被疑者が職場で使用しているPCなどを捜索差押するために捜査機関が来た場合には、職場中に知れ渡ることになります。
長期無断欠勤をきっかけに知られた
逮捕・勾留されると外部と連絡が取れないため会社を長期間無断欠勤してしまうことがあります。会社側が欠勤理由確認のために、家族に連絡を取ったり、一人暮らしの場合には社員が自宅を訪問したりします。この時に家族、大家、あるいは近隣住民などから逮捕されたことが発覚することもあります。
行方不明だと思い捜索願を出したら警察に逮捕されていると連絡が来て発覚することもあります。
会社員特有のリスクを回避するための弁護活動とは
長期間欠勤が続くと、解雇されるリスクがあります。
どうすれば解雇を回避し、仕事を失わずに済むのでしょうか?
弁護士ができることを解説します。
会社にバレる前に解決を図る
逮捕がバレる前に事件解決を目指します。
具体的なサポート内容をご紹介します。
示談交渉をして逮捕の回避を目指す
逮捕前であれば、逮捕を回避し、刑事事件化されないことを目指します。
被害者がいる事件の場合には、以下4点を行います。
- 被害者への謝罪
- 被害弁償
- 示談交渉に応じてもらえるよう働きかけ
- 被害届や告訴状を提出しないようにお願い
弁護士が間に入ることで、冷静に話し合いを進めやすくなります。
今後トラブルが起きないよう、適切な内容の示談書を作成します。
自首をして逮捕の回避を目指す
被害者の連絡先が不明の場合には、示談交渉はできません。その場合は自首を検討しましょう。
自首することで、罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれが無いことを捜査機関にアピールできます。捜査機関が逮捕要件を満たさないと判断すると、在宅事件になる可能性があります。
在宅事件とは、身柄を拘束せずに事件を捜査することです。
弁護士が自首に同行することで、逮捕の必要性が無いことを捜査機関に伝えやすくなります。万一逮捕されたとしても、釈放に向けてすぐに必要な活動を行えます。
実名報道の回避
報道されやすいタイミングは、逮捕された時です。実名報道を回避するためには、逮捕前に被害者と示談をし、逮捕を避けましょう。
逮捕後は、弁護士が報道機関や捜査機関に、実名報道しないように意見書を提出することにより、実名報道が回避できる可能性もあります。
早期釈放の獲得
逮捕された場合は、勾留の回避を目指します。検察官に送致され勾留請求が認められてしまうと最大23日間の長期身柄拘束となり、長期欠勤になります。逮捕期間は最大2~3日のため、勾留前に釈放されれば会社に気づかれずに済む可能性があります。
勾留を回避するために弁護士は、以下3つの対応をします。
- 被害者と示談交渉
- 被疑者には取り調べに対するアドバイス
- 捜査機関には勾留の要件が無いことを主張
解雇の回避を目指す
逮捕されたことが会社に知られた場合には、解雇の回避を目指します。就業規則に記載されている解雇事由の確認をします。
解雇事由に、「逮捕された場合」と記載されていたとしても、逮捕されたら必ず即解雇とはなりません。有罪判決が確定した、あるいは、本人が犯罪を認めているなど、懲戒事由に該当する事実が認められるまでは解雇されることはないでしょう。
逮捕されている場合には直接本人から話を聞くことはできないので、弁護士に確認することになります。
解雇事由に、「有罪判決が下された場合」と記載されていることがあります。その場合には、不起訴を獲得することを目指します。
起訴されてしまった場合でも、解雇事由に、「禁錮以上の刑に処せられた場合」と記載されている場合には、なるべく軽い刑事処分を目指します。
会社への対応方法を相談可能
逮捕された場合には、会社に報告しなければならないのでしょうか?
逮捕されると身柄拘束されるため、外部と連絡が取れません。
会社に欠勤理由を伝えることもできません。
基本的に警察から会社に連絡がいくことはありませんし、会社に正直に伝える必要はありません。
ただし、無断欠勤が続くと会社が心配し、ご家族と連絡を取ることが考えられます。理由不明のまま欠勤が長引くと、自己都合退職となることもあります。
欠勤理由をどのように伝えるか、本人と連絡が取れないため悩まれるご家族が多いです。弁護士に依頼し、ご本人の意向を確認した上で、会社に欠勤理由を連絡することが望ましいです。
仕事をクビにならないために、一刻も早い対応を
会社員の方が事件を起こしてしまった場合には、解雇されないために以下5つの段階ごとにできることがあります。
- 逮捕されないようにする
- 逮捕されても報道されないようにする
- 勾留されないようにする
- 不起訴処分を目指す
- 軽い処分を目指す
いずれの場合も、迅速に、的確に対応する必要があります。事件を起こしてしまった場合には、一刻も早く弁護士に相談することをお勧めします。