私文書偽造罪とは?電子契約・PDFの改ざんは犯罪?成立要件と罰則
「契約書を代筆した場合は犯罪になるのか」「借用書の金額を書き換えると私文書偽造罪にあたるのか」といった行為は、私文書偽造罪をはじめとする刑法上の犯罪に該当する可能性があります(なお、行為内容に応じて偽造・変造などに区分されます)。
私文書偽造罪は、契約書・借用書・履歴書・電子契約書・PDFデータなど、日常的に扱う多くの書類で成立し得る刑事犯罪です。
軽い気持ちで行った行為でも、捜査の対象となり、実刑や執行猶予付き判決が下される可能性がある重大な刑事犯罪です。
この記事では、刑事事件を扱う法律事務所が、私文書偽造罪に関する以下の疑問にわかりやすく回答します。
- 私文書偽造罪の定義と成立要件(どこから犯罪となるのか)
- 電子契約書やPDFデータの改ざんは私文書偽造罪に当たるのか
- 私文書偽造罪で実刑となる可能性
- 私文書偽造の疑いをかけられた場合の対処法
| 【この記事の結論|私文書偽造罪とは何かが30秒で分かる要点】 私文書偽造罪とは、行使する目的で他人の名義を無断で使用し、契約書や借用書などの私文書を作成する行為を処罰する犯罪です。 署名やハンコ(印章)がある有印私文書の場合は罰金刑がなく、起訴されれば拘禁刑または執行猶予となる重い罪に当たります。 偽造した文書を実際に使用していなくても、使用する目的があれば作成時点で罪が成立します。 電子契約書やPDFなどの電子データも処罰対象となり得ます。 |
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不安がある方は、手遅れになる前に、この記事で正しい知識を確認してください。
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目次
私文書偽造罪とは何か【定義・条文】
私文書偽造罪は、社会生活の基盤となる文書に対する信用を守るために定められた犯罪です。
ここでは、どのような行為が処罰の対象となるのか、法律上の定義から解説します。
私文書偽造罪の定義
私文書偽造罪とは、行使(提出・提示)する目的で、他人の名義を無断で使用し、権利・義務や事実証明に関する文書を偽造する行為を処罰する犯罪です(刑法159条)。
わかりやすく言えば、権限のない者が他人名義で重要な文書を作成する行為を指します。
私文書とは
私文書とは、公務員や公証人といった公的立場の者ではなく、一般の私人や法人が作成する文書を指します。
具体例としては次のようなものがあります。
- 借用書、契約書
- 履歴書、入学試験の答案用紙
- 請求書、領収書
- 委任状 など
なお、公文書を偽造した場合には、公文書偽造罪(刑法155条)が適用され、私文書より重い処罰が科されます。
偽造とは
偽造とは、文書の名義人と実際の作成者の人格の同一性を偽り、あたかも同一人物が作成したかのように装って文書を作成する行為を指します。
代筆は私文書偽造罪になる?
正式な委任(代理権)を受けて代筆した場合は、原則として私文書偽造罪にはなりません。
しかし、明確な承諾や委任がないまま署名・押印をした場合は、たとえ家族であっても私文書偽造罪が成立する可能性があります。
有印・無印の区別と法定刑の差
私文書偽造罪は、その文書に署名やハンコ(印章)があるかどうかで、罪の重さが変わります。
| 種類 | 内容 | 罪名 | 刑罰 |
|---|---|---|---|
| 有印私文書偽造 | 他人の署名やハンコ(印章)を使って偽造した場合 | 刑法159条1項 | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
| 無印私文書偽造 | 署名やハンコ(印章)がない文書を偽造した場合 | 刑法159条3項 | 1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金 |
【ここがポイント!】
実務上問題になるケースの多くが、署名や押印を伴う有印私文書偽造罪です。
有印私文書偽造罪には罰金刑が存在せず、有罪になった場合は、拘禁刑が言い渡され、実刑または執行猶予付き判決となる可能性がある重い罪です。
私文書偽造罪と私文書変造罪の違い
私文書偽造罪と私文書変造罪の違いは、基本的には、「名義人を偽って新しい文書を作る(偽造)」か、「正しい文書の中身を勝手に書き換える(変造)」かの違いです。
どちらも刑罰は同じです。
| 項目 | 私文書偽造 | 私文書変造 |
|---|---|---|
| 行為の内容 | 名義人を偽って文書を作成する行為 | 真正な文書の中身(金額や条件など)を権限なく書き換える行為 |
| 具体例 | ・白紙に他人の名前で契約書を作る ・契約書の名義人を勝手に書き換える |
・有効期間「1年」を「3年」にする ・借用書の金額「1万円」を「10万円」にする |
【ワンポイント補足】
法律上は、既存の文書の書き換えであっても、本質的な部分(名義人や日付など文書の同一性に関わる部分)を変更した場合は、変造ではなく偽造として扱われることがあります。
ただし、一般的に、金額や期間の数字を勝手に変える行為は、変造に分類されることが多いです。
私文書偽造罪が成立する要件【成立要件4つを解説】
私文書偽造罪は、次の4つの要件がすべて揃ったときに成立します。
- 他人名義であること
- 文書の偽造・変造があること
- 行使の目的があること
- 権利・義務・事実証明に関する私文書に該当すること
①他人名義であること
私文書偽造罪が成立するには、文書が「他人名義」で作成されている必要があります。
- 実在する他人
友人、家族、取引先など - 架空の人物
社会通念上、実在する人物が作成したと誤信されるおそれがある場合は他人名義と扱われます。 - 法人名義
会社の代表印などを無断で使用した場合も、法人という他人名義に該当します。
②文書の偽造があること
文書の名義人と実際の作成者の人格の同一性を偽る行為が必要です。具体的には次のようなケースが該当します。
- 無断署名:本人の承諾なく勝手に署名する。
- 無断押印:預かっていたハンコ(印章)を勝手に捺す。
③行使の目的があること
行使の目的とは、偽造した文書を真正な文書(本物の文書)のように人に見せたり、提出したりする目的のことです。
- 実際に使っていなくても成立
実際に使っていなくても、「これから使うつもり」で作った段階で、私文書偽造罪は成立します。 - 相手の認識の有無
文書の内容が実際には認識されなくても、認識可能な状態であれば該当します。
④権利・義務・事実証明に関する私文書に該当すること
私文書偽造罪が成立するのは、対象となる文書が権利・義務の発生や事実の証明に関わる場合です。単なる手紙や挨拶状などは含まれません。
- 権利・義務に関する文書:借用書、契約書、示談書など
- 事実証明に関する文書:履歴書、入学試験の答案書など
電子契約書やPDFの改ざんは私文書偽造罪になる?
私文書偽造罪は、紙の書類だけでなく、電子データで作成される文書についても成立する場合があります。
行為の内容によって、以下のいずれかの犯罪が問題となり得ます。
他人になりすまして電子契約書などを作成した場合
他人のIDやパスワード、電子証明書などを無断で使用し、本人になりすまして電子契約書や同意書などを作成した場合は、私文書偽造罪(電磁的記録文書偽造)が成立する可能性があります(刑法159条)。
これは、紙の契約書で他人の署名やハンコ(印章)を勝手に使う行為と法律上同様に評価されます。
データそのものを改ざんした場合
電子署名のないPDFの金額や日付をパソコン用の編集ソフトで書き換えたり、業務用データベースの記録を不正に操作したりするなどして、人の事務処理を誤らせる目的がある場合には、電磁的記録不正作出罪が成立する可能性があります(刑法161条の2)。
具体的にどんな行為が私文書偽造罪になるのか
冒頭で触れた「契約書の代筆」や「借用書の金額変更」といった行為が、なぜ私文書偽造罪に当たるのかを法律的に解説します。
あわせて、場合により適用される私文書変造罪との違いも説明します。
①契約書の勝手な作成(代筆)
【行為例】
親の承諾を得ずに、親を連帯保証人とする契約書を作成し、親の実印を勝手に押した。
【解説】
- 他人の名義(親)を無断で使用しているため、他人名義の文書にあたります。
- 名義人(親)と作成者(自分)を偽っているので、偽造にあたります。
- 銀行や不動産会社に提出するつもりがあれば、作成した時点で行使の目的を満たします。
- 連帯保証人の契約書は権利・義務に関する私文書にあたります。
したがって、有印私文書偽造罪が成立する可能性があります。
②借用書の金額の書き換え
【行為例】
既存の借用書の金額を「1万円」から「10万円」に書き換えた。
【解説】
すでに存在する真正な文書(既存の借用書)を、権限なく改ざんしていることから、私文書変造罪が成立する可能性があります。
③離婚届の無断提出
【行為例】
配偶者の同意なしに、離婚届に勝手に署名・押印をして役所に提出した。
【解説】
- 他人の名義(配偶者)を無断で使用しているため、他人名義の文書にあたります。
- 名義人(配偶者)と作成者(自分)を偽っているので、偽造にあたります。
- 役所に提出するつもりがあれば、作成した時点で行使の目的を満たします。
- 離婚届は事実証明に関する私文書にあたります。
したがって、有印私文書偽造罪が成立する可能性があります。
さらに、それを役所に提出して戸籍に嘘の記録をさせる行為は、偽造有印私文書行使罪(刑法161条第1項)や公正証書原本不実記録罪(刑法157条第1項)という別の犯罪も成立する可能性があります。
④履歴書の偽称
【行為例】
他人(同姓同名の場合も含む)になりすまし、その名義で履歴書を作成した。
【解説】
- 名義人と作成者を偽っているため、他人名義の文書にあたります。
- 名義人(他人)と作成者(自分)を偽っているので、偽造にあたります。
- 職場などに提出する意図があれば、作成時点で行使の目的を満たします。
- 履歴書は事実証明に関する私文書にあたります。
したがって、私文書偽造罪が成立する可能性があります。
私文書偽造罪の罰則と公訴時効
有印私文書偽造の法定刑は最大5年の拘禁刑で、公訴時効も5年と定められています。
有印・無印の刑罰の違い
署名やハンコ(印章)の有無で、刑罰に差が生じます。
| 種類 | 刑罰(法定刑) | 備考・リスク |
|---|---|---|
| 有印私文書偽造(変造) | 3月以上5年以下の拘禁刑 | 罰金刑なし ※起訴されれば実刑か執行猶予のみとなります。 |
| 無印私文書偽造(変造) | 1年以下の拘禁刑または 10万円以下の罰金 | ― |
公訴時効
犯罪が終わった時から以下の期間が過ぎると、検察官は起訴できなくなります。
- 有印私文書偽造(変造):5年
- 無印私文書偽造(変造):3年
犯罪が終わった時とは、原則として文書の作成時点です。
ただし、その文書を誰かに見せたり、提出したりした場合は、その時点から別途、偽造私文書行使罪の時効(5年)がスタートします。
「5年前に作った書類だから時効だ」と自己判断することにはリスクがあります。
私文書偽造は詐欺罪とセットになることも多い
私文書偽造罪単独で捜査されることもありますが、実務上よくあるのが、詐欺罪の手段として偽造が行われるケースです。
私文書偽造罪と詐欺罪は手段と目的の関係|牽連犯とは
私文書偽造罪と詐欺罪のような関係を、法律用語で牽連犯(けんれんはん)と呼びます。
例えば、銀行からお金を騙し取る目的で契約書を偽造した場合には、以下のようになります。
- 手段:契約書を偽造する(私文書偽造罪:3月以上5年以下の拘禁刑)
- 目的:銀行からお金を騙し取る(詐欺罪:10年以下の拘禁刑)
この場合、刑法54条第1項後段により重い方の刑罰が適用されます。
つまり、文書偽造罪の上限(5年)ではなく、詐欺罪の上限である10年の範囲内で処罰されることになります。
よくある私文書偽造+詐欺のパターン
- 住宅ローン詐欺:源泉徴収票を偽造して年収を高く見せ、銀行から住宅ローンを騙し取る。
- 経費の不正受給:領収書の日付や金額を変造し、会社から経費として現金を不正に受け取る。
- 保険金詐欺:休業損害証明書を偽造し、保険会社から保険金を騙し取る。
「書類を一枚書き換えただけ」という認識であっても、結果として金銭を得ていれば、それは詐欺事件として警察に被害届が出され、逮捕される可能性が高い重大事案です。
私文書偽造罪の未遂・共犯・教唆はどうなる?
偽造私文書行使罪については、法律上、未遂も処罰の対象とされています。
私文書偽造を頼んだ人(依頼者)も実行者と同じ罪に問われる可能性があります。
私文書偽造は未遂でも処罰されるか
私文書偽造罪には未遂罪の規定はありません。
ただし、偽造文書を提出・使用しようとした場合には、偽造私文書行使罪の未遂(刑法161条第2項)が成立する可能性があります。
私文書偽造を依頼した側・頼まれた側|教唆・共犯
- 実行犯(頼まれた人): 実際に手を動かして偽造した人は当然処罰されます。
- 教唆犯・共同正犯(依頼した人):「お前、名前書いておいてよ」と指示した人も、実行した人と同等の刑罰を受ける可能性があります。「自分は書いていない」という言い訳は通用しません。
会社内での責任の所在
会社内で上司の指示により部下が偽造行為を行った場合、部下も違法な指示に従ったとして処罰される可能性があります。
ただし、一般的には指示した上司の方が主犯として、より重い責任を問われる傾向があります。
私文書偽造罪に関する裁判例
ここでは、私文書偽造罪がどのように判断されてきたか、代表的な裁判例をご紹介します。
替え玉受験|最高裁平成6年11月29日決定
【事案】 入学試験において、替え玉受験生が志願者本人の氏名を答案用紙に記入して提出した事案。
【判断】 裁判所は、入試の答案用紙について次のように示しました。
入学選抜試験の答案は、試験問題に対し、志願者が正解と判断した内容を所定の用紙の解答欄に記載する文書であり、それ自体で志願者の学力が明らかになるものではないが、それが採点されて、その結果が志願者学力を示す資料となり、これを基に合否の判定が行われ、合格の判定を受けた志願者が入学を許可されるのであるから、志願者の学力の証明に関するものであって、「社会生活に交渉を有する事項」を証明する文書に当たると解するのが相当である。
入試の答案用紙は事実証明に関する文書に該当するとして、替え玉受験について、私文書偽造罪の成立を認めました。
履歴書偽名|最高裁平成11年12月20日決定
【事案】 被告人が、就職するために偽名を使い、虚偽の氏名・生年月日・住所・経歴などを記載し、自分の写真を貼った履歴書および雇用契約書などを作成して会社に提出した事案。
【判断】 裁判所は、次のように示しました。
これらの文書の性質、機能等に照らすと、たとえ被告人の顔写真がはり付けられ、あるいは被告人が各文書から生ずる責任を免れようとする意思を有していなかったとしても、これらの文書に表示された名義人は、被告人とは別人格の者であることが明らかであるから、名義人と作成者との人格の同一性にそごを生じさせたものというべきである。
履歴書偽名について、有印私文書偽造・同行使罪の成立を認めました。
私文書偽造罪で逮捕される可能性
私文書偽造罪は、証拠隠滅のおそれがある場合や、被害額・被害状況が大きい場合には、逮捕されるリスクが特に高まります。
逮捕されやすいケース
- 組織的犯行:詐欺グループの一員として文書偽造を行っていた場合
- 被害が大きい:偽造文書を使って多額の金を騙し取っている場合
- 否認している:「やっていない」などと嘘をつくと、証拠隠滅のおそれありと判断され逮捕されやすくなります。
不起訴になりやすい要素
- 初犯であること
- 被害者と示談が成立していること
- 文書を行使(使用)する前に発覚し、実害が出ていないこと
私文書偽造罪に関する不安・行動についてよくある質問
私文書偽造罪に関する不安・行動についてよくある質問をまとめました。
私文書偽造罪はどんなきっかけでバレる?
私文書偽造罪は、本人の告発だけでなく、会社内のチェックや取引先・金融機関からの照会などをきっかけに発覚する可能性のある犯罪です。
具体的には、次のようなケースがあります。
- 名義を使われた本人が書類の存在に気づき、警察に相談する
- 会社の内部監査や経理チェックで改ざんが見つかる
- 銀行・保険会社が書類の不自然さに気づき、調査や通報を行う
「相手が気づかなければ大丈夫」と考えていても、第三者の確認過程で発覚することは珍しくありません。
会社内の書類でも私文書偽造罪になりますか?
会社内で使用する書類であっても、私文書偽造罪が成立する可能性はあります。
私文書偽造罪は、「社外に出るかどうか」ではなく、他人名義の文書を無断で作成・改ざんしたかで判断されます。
例えば、
- 上司や同僚の名義で契約書や申請書を作成した
- 領収書や経費精算書の金額・日付を書き換えた
といった行為は、社内書類であっても犯罪に該当する可能性があります。
さらに、刑事責任とは別に、懲戒処分や解雇などのリスクも生じます。
警察から連絡が来たらすぐ弁護士に相談すべき?
私文書偽造罪について警察から連絡が来た場合は、できるだけ早く弁護士に相談することが望ましいです。
初動対応を誤ると、不利な供述をするなど、逮捕や起訴のリスクが高まることがあります。
特に、
- 任意の事情聴取を求められている
- 偽造書類をすでに提出・使用している
といった場合は、取調べ前に弁護士の助言を受けることが重要です。
弁護士が介入することで、在宅捜査や不起訴を目指した対応が可能になることもあります。
私文書偽造罪で弁護士に相談すべき理由
有印私文書偽造罪には罰金刑がないため、起訴=法廷に立つことになります。
早期の弁護士介入が前科回避の鍵です。
早期の警察への働きかけで逮捕回避を目指す
弁護士は、警察に対して逃亡のおそれがないことを主張し、在宅捜査を働きかけます。
早期の示談成立で不起訴の獲得を目指す
被害者がいる場合(勝手に名前を使われた人や、偽造文書を出された会社)、弁護士が早期に謝罪と賠償を行い、示談を成立させることで不起訴処分を目指します。
私文書偽造罪の示談金額は事案によって異なりますが、被害の程度や文書の使用有無などを踏まえて決まります。
不起訴処分を獲得できれば、前科はつきません。
| 【謝罪と宥恕(ゆうじょ付き示談の違い】 法律上の効果がある示談とは、単に謝って許してもらうことではありません。 刑事事件における示談で特に重要なのが以下の3点です。 ・①清算条項(民事上の解決) 解決金を支払うことで、民事上の損害賠償請求権を放棄してもらう条項です。 これにより、後日になって高額な請求を追加で受けるリスクを排除します。 ・②被害届・告訴の取下げ 警察に提出された被害届や告訴状を取り下げてもらう約束を取り付けます。 捜査の早期終了に向けた重要な要素です。 ・③宥恕(ゆうじょ)条項の獲得 最も重要なのが、「加害者の行為を許し、処罰を求めない」という被害者の意思表示(宥恕)を文書化することです。 検察官が起訴か不起訴を決める際、被害者の処罰感情は重要な判断材料の一つとなります。宥恕条項付きの示談が成立していれば、当事者間で解決済みとみなされ、不起訴処分となる可能性が高まります。 ただし、被害者は加害者に対して強い怒りを感じていることが多く、当事者同士での交渉は困難です。 弁護士が間に入ることで、冷静な話し合いがしやすくなります。 |
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【会社員の方へ】刑事罰だけでなく懲戒解雇のリスクも
会社内で私文書偽造(領収書の改ざんや契約書の偽造など)が発覚した場合、たとえ警察沙汰にならなくても、社内の就業規則に基づき懲戒解雇という重い処分を受ける可能性があります。
- 退職金が不支給になる可能性
勤務先の就業規則において、懲戒解雇の場合は退職金の全部または一部を支給しないと規定されている場合で、かつ著しい背信行為があった場合には、退職金が不支給になる可能性があります。 - 実名報道される可能性
被害の大きさや企業のコンプライアンス基準などによっては、実名報道される可能性があります。
実名がインターネット上に残ると、将来にわたって影響が及ぶことは避けられません。 - 弁護士介入による交渉
会社側が警察へ被害届を出す前であれば、弁護士を通じて被害弁済を行い、穏便に解決できるよう交渉する余地があります。
社会的信用とキャリアを守るためには、会社への対応を弁護士に任せるのも選択肢の一つと考えられます。
私文書偽造罪に関するよくある質問(FAQ)【代筆・家族・示談】
私文書偽造罪に関するよくある質問についてお答えします。
本人の承諾を後から得ました。先に署名したら私文書偽造罪になる?
作成時点で明確な承諾があれば偽造にはなりませんが、「後で承諾してくれるだろう」という推測での作成は私文書偽造罪が成立する可能性があります。
必ず事前に許可を得て、できれば委任状など証拠を残すことが望ましいです。
家族(親や夫)の署名でも私文書偽造罪になる?
私文書偽造罪が成立する可能性があります。
家族であっても無断で署名すれば私文書偽造罪が成立する可能性があります。
偽造した書類を実際には使いませんでした。私文書偽造罪になる?
私文書偽造罪が成立する可能性があります。
行使の目的を持って作成した時点で犯罪は成立します。
使わなかった事実は、量刑(処罰の重さ)で考慮される事情に過ぎません。
示談すれば不起訴処分(前科なし)になる?
示談したからといって、必ず無罪になるわけではありません。
ただし、示談が成立した事実は、検察官が起訴・不起訴の判断をする際の重要な考慮要素です。
したがって、示談したことで不起訴処分獲得の可能性は高まります。
まとめ
私文書偽造罪は、契約書の代筆や領収書の書き換えなど、日常の事務処理の延長で成立してしまう可能性のある犯罪です。
しかし、有印であれば、罰金刑がなく、実刑または執行猶予という重いペナルティが待っています。
もし、「これって偽造になる?」「会社にバレてしまった」などの不安がある場合は、一人で抱え込まず、一度弁護士に相談することをおすすめします。
早期の対応が、あなたとあなたの家族の生活を守る重要な手段となる場合があります。
ネクスパート法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が多数在籍しています。
特に、被害者との示談においては、経験豊富な弁護士が迅速丁寧に示談成立を目指します。
初回相談は、30分無料です。
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