不貞行為開始時には婚姻関係は破綻しておらず、そのことについて悪意かつ過失があったものとみなされ不法行為が成立 慰謝料180万円を認めた事例

不二夫が愛之助に対し、愛之助は不二子と不貞関係にあるとして、慰謝料の支払等を求める事案である。

愛之助と不二子は、不二子が他の女性と2人で飲食をしていたところ、同店に他の男性と2人で飲食していた愛之助と共に飲食をしながら会話をするようになり、その日、連絡先を交換して別れたが、その4日後、別の飲食店において、飲食を共にし、その後、肉体関係を持った。その際、愛之助は、不二子から、自らは結婚をし、子どもがいること、夫及び子どもと同居していることを聞かされていた。愛之助は、その後約3か月間、不二子と10回程度会い、肉体関係を持った。その間、愛之助らは、第三者に閲覧されないように非公開とする設定をしたインスタグラムをもって相互の連絡手段とし、そのインスタグラムに両者間の肉体関係に関するメッセージを投稿をしていた。

その後、不二夫は、愛之助と交際をしている女性を名乗る者から、facebookのメッセージ機能を通じて連絡を受け、愛之助と不二子が肉体関係を持っていることを知らされ、発覚した。

不二夫と不二子との間で、口論の際に「離婚」という言葉が出ることがあり、また、不二子が、離婚を切り出し、不二夫の姉を交えて話し合いをしたということもあったものの、不二夫ら夫婦は、それまでに実際に離婚の話し合いなどをしたことはなく、現在まで別居をしたこともなく、交流のあった他の家族複数と共にバーベキューをした際にも、一緒にこれに参加したという事実関係からすれば、不二夫らの婚姻関係は、多少調整を要する状況になっていたとみる余地はあるものの、破綻していたと評価し得るものではないとされ、また、愛之助が不二夫らの婚姻関係を積極的に破壊しようという意思があったとまで認めるに足りる的確な証拠はないが、不二子が、不二夫と別居するかもしれず、自らの婚姻関係が破綻している旨を述べていたとしても、依然夫と同居していることを認識していた以上、愛之助が、不二子の言を信じて、不二夫らの婚姻関係が既に破綻していると認識していたものと認めることは困難でありその婚姻関係が既に破綻しているものと認識していたとしても、そのように安易に認識したことに落ち度があったものといわざるを得ず、愛之助には、少なくとも過失が認められるというべきであるとし、不法行為に該当するとされた。不二夫らの婚姻関係の状況、愛之助らの肉体関係に及んだ期間及び頻度、愛之助が不二夫らの婚姻関係を積極的に破壊しようという意思があったとまでは認められないこと、愛之助の不二夫に対するその後の対応等一切の事情を総合考慮し慰謝料180万円、弁護士費用20万円の計200万円が相当とされた。

当事者の情報

不貞期間3ヶ月
請求額330万円
認容額200万円
子供人数2人(8歳、5歳)
婚姻関係破綻の有無破綻していない

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