不貞行為は1度きりだったが、37年に及ぶ婚姻関係に重大な影響を及ぼしたとみなされて慰謝料100万円が認められた事例

不二子が、愛子と不二子との間に不貞行為があり、これにより離婚に至ったとして慰謝料300万円等の支払いを請求した事案である。


不二夫と愛子は上司と部下という関係であった。愛子は、仕事帰りに喫茶店で不二夫と二人きりで会い仕事に関する愚痴や転職の相談などをするようになり、その後、愛子らは休日を含み週2、3回のペースで二人きりで会うようになり、カラオケに行った際は、不二夫が愛之助のお尻に触れたりキスをしたりすることがあった二人は徐々に親密になり、不二夫からの誘いで旅行に行くこととなり、ホテルの隣同士の部屋2室を取り宿泊した。後日、不二子が不二夫の財布からホテルの領収証を発見し、問い詰めたところ不二夫は愛子と一泊で旅行に出かけたことを告白した。その後不二子と不二夫は娘を交えて家族会議を行ったが関係を修復することができず、別居した後離婚に至った。


愛子は、不二夫が既婚者であることを認識しつつ、性的な接触を伴う親密な交際をしたほか、宿泊を伴う不貞行為を1回したと認められ、不二子らの37年余りに及ぶ婚姻関係に重大な影響を及ぼすものであり、これが離婚に至った原因であると認められた。もっとも、不二夫は愛子にとって元上司という関係であり、親子ほどの年齢差があること、宿泊を伴う不貞行為は1度だけであると認められること、不貞行為に至ったきっかけは不二夫からの働きかけが大きいということから慰謝料100万円、弁護士費用10万円の計110万円が相当とされた。

当事者の情報

不貞期間1回
請求額330万円
認容額110万円
子供人数2人(37歳、31歳)
婚姻関係破綻の有無破綻していない

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