不二夫が愛之助において不二子と不貞行為に及んだことにより精神的苦痛を受けたとして愛之助に対し不法行為に基づく損害賠償請求をした事案である。
不二子は専業主婦であったが、音楽関係の社会人サークルに所属し、愛之助も同サークルに所属しており知り合った。H24年9月19日、愛之助は不二夫の代理人の事務所に赴き、H23年9月頃より不二子と不貞行為をしていたこを認め、以降不二子及びその家族とは接触しないこと等が記載された誓約書に署名指印し、不二夫に差し入れた。H26年頃、不二夫の転勤に付き添い不二子はマレーシアに転居したが、同年11月に知人の結婚式の二次会に出席するため一時帰国し、二次会が終了した後、愛之助と落ち合って居酒屋で飲食した後、ホテルの一室でともに過ごした。H28年5月頃、不二夫の転勤に伴って不二子は帰国したが、同年7月愛之助と落ち合ってラブホテルの一室で過ごしたことが認められた。
愛之助は本件訴訟第一回口頭弁論期日において、誓約書作成以降不二子とは一切接触しておらず、メールや電話のやり取りもしていないと虚偽の事実を述べ、本人尋問では、ホテルにおいては楽器を教えてもらったりしただけであると否定したが、いずれも認められなかった。愛之助は不二子と少なくとも5年程度にわたって不貞関係にあったものであり、そのことにより不二夫の家庭が崩壊の危機に陥り、不二夫が被った精神的苦痛は甚大なものであること、愛之助はH24年に不二子との不貞行為を謝罪し、以降不二子と連絡を取らないことを誓約したにもかかわらず、なおも不貞関係を継続していた等の事情から慰謝料200万円が相当とされた。
当事者の情報
不貞期間 | 約4年10ヶ月 |
請求額 | 500万円 |
認容額 | 200万円 |
子供人数 | 2人(12際、9歳) |
婚姻関係破綻の有無 |