フランチャイズ契約は、加盟店にとって生活や事業の基盤そのものと言えます。契約期間は通常数年単位で設定されており、その更新可否は経営に直結します。
ところが、本部から突然「契約を更新しない」と告げられるケースがあり、これがいわゆる「更新拒絶」です。
更新拒絶は加盟店に深刻な影響を及ぼすため、適切な理解と対応が不可欠です。

更新拒絶とは
更新拒絶とは、契約期間満了後に本部が契約の更新を認めないことをいいます。多くのフランチャイズ契約では「自動更新条項」または「合意更新条項」が設けられています。
特に合意更新方式では、本部が正当な理由なく更新を拒むと、加盟店の経営権を不当に奪う結果となり、法的に争う余地が生じます。
更新拒絶の典型理由
本部が示す更新拒絶の理由としては、ロイヤリティ滞納、著しい業績不振、ブランド基準違反、度重なるマニュアル違反などが代表例です。しかし、中には「直営店へ転換したい」「他の候補地にブランドを展開したい」といった、本部側の経営上の都合が背景となっていることもあります。
このような場合、加盟店としては不当な更新拒絶として争うことができます。
加盟店がとるべき対応
更新拒絶を受けた場合、まず契約書の更新条項を確認し、自らに違反があるかどうかを整理することが第一歩です。次に、本部の主張する理由が合理的かどうかを検討する必要があります。もし根拠が薄い場合には、弁護士を通じて交渉を行い、場合によっては仮処分を申し立てて営業継続を求めることも可能です。
また、損害賠償請求に発展するケースもあるため、やり取りや売上記録を証拠として保全しておくことが重要です。
弁護士に相談するメリット
フランチャイズ契約は複雑な条項を含み、専門的な知識がなければ不利な立場に追い込まれかねません。
弁護士に相談することで、更新拒絶の適法性を精査し、本部との交渉力を高めることができます。
また、過去の裁判例を踏まえた戦略を取ることができる点も大きな利点です。
まとめ
更新拒絶は加盟店にとって経営の存続を左右する重大な問題です。
しかし、必ずしも本部の主張に従わなければならないわけではなく、法的に争う余地がある場合も少なくありません。
早期に専門家へ相談することで、最適な対応策を講じることが可能です。