更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2024年5月1日 (水)

不貞行為の慰謝料500万円は減額できる可能性が!【判例も紹介】

不貞行為の慰謝料500万円は減額できる可能性が!【判例も紹介】 不貞行為の慰謝料500万円は減額できる可能性が!【判例も紹介】

サマリー

不貞行為の慰謝料として500万円以上を請求され、途方に暮れている方もいるかもしれません。
しかし、不貞行為の慰謝料500万円が認められるケースは少なく、一般的な基準から見ても、その金額は相場を上回っている可能性が高いです。
このような状況では、請求額が妥当かどうかを確認し、冷静に対応することが求められます。不貞行為の慰謝料500万円以上を請求されている場合は、提示された金額をそのまま受け入れる必要はなく、減額交渉の余地が十分にあると言えます。

不貞行為の慰謝料500万円が認められるケースは少ない

不貞行為の慰謝料500万円が認められるケースは少ないです。


弁護士中里和伸・同野口英一郎著『判例による不貞慰謝料請求の実務 主張・立証編』(弁護士会館ブックセンター出版部LABO発行)の巻末に掲載されている、平成26年~平成28年の判例109件中500万円以上の慰謝料が認められたのは2件だけです。
300万円以上の慰謝料が認められたのも、上記2件を含め、計11件です。
不貞行為の慰謝料として500万円以上が認められるのは少ないことがわかります。
慰謝料500万円以上の請求がされても、慌てる必要はありません。
弁護士に相談し、減額を目指しましょう。

不貞行為の慰謝料500万円が認められた裁判例

不貞行為の慰謝料500万円が認められた裁判例を2つご紹介します。

慰謝料500万円が認められた事例|東京地裁平成27年3月24日判決

被告Y(不倫相手)に対して、慰謝料500万円が認められた事例です。


慰謝料500万円と、相場より高い金額が認められたポイントについて解説します。

  • ポイント①|長期間にわたる不貞関係
    不貞関係が約15年以上と、長期間にわたって継続していました。
    不貞期間が長ければ長いほど、被害者の精神的苦痛は大きいと判断され、慰謝料増額傾向にあります。
  • ポイント②|YはAとの子を6人も出産
    AとYとの間に、6人もの子どもが誕生していました。
    さらに、第6子は、Xに交際が発覚した後も不貞関係を継続した後、誕生しています。
    不倫相手の妊娠・出産は、被害者の精神的苦痛が大きいと判断され、慰謝料増額傾向にあります。
    交際発覚後の関係継続は、悪質な行為として、慰謝料増額傾向にあります。
  • ポイント③|無断で離婚届を提出するなどのAの行為に一定程度関与
    Aは、Xに無断で離婚届を提出するなどし、Yも一連の手続に一定の関与をしたことを否定するのは困難としました。

これらの事情から、裁判所は相場より高額な慰謝料500万円の支払いを命じています。

慰謝料500万円が認められた事例|東京地裁平成27年7月23日判決

被告Y1(不貞配偶者)と被告Y2(不倫相手)に対して、連帯して、慰謝料500万円が認められた事例です。


慰謝料500万円と、相場より高い金額が認められたポイントについて解説します。

  • ポイント①|不貞期間は約3年にわたり不貞が原因で離婚
    不貞期間は約3年にもわたり、不貞が原因で夫婦は離婚に至りました。
    不貞期間約3年は、単なる一時的な関係ではなく、かつ夫婦が離婚に至ったことは、夫婦に与えた影響が大きいと評価され、慰謝料増額傾向にあります。
  • ポイント②|不貞関係を隠蔽しようと虚偽の証言
    被告らは、裁判で不貞関係を隠すために、抱擁している姿の写真について「友人宅でのパーティーでの悪ふざけ。」と、旅行については「友人と一緒に行った。」などと、客観的な証拠に反する虚偽の証言をしていました。
    裁判所は、このような被告らの態度について、不貞関係を隠匿するため、虚偽の事実を供述しているとし、慰謝料の増額要因としました。

これらの事情から、裁判所は相場より高額な慰謝料500万円の支払いを命じています。

不貞行為の慰謝料500万円請求されて減額できた裁判例

不貞行為の慰謝料500万円請求されて減額できた裁判例を3つご紹介します。

請求額500万円→裁判所の認容額100万円に減額できた事例


被告(不倫相手)に、慰謝料500万円の支払いを求めた事案です(東京地裁令和6年2月8日判決)。

【事案の概要】

  • 原告(夫)と A(妻)の婚姻期間は約12年、4人の子あり
  • 不貞行為は1度のみ
  • 不貞行為発覚後、夫婦は短期間で離婚

裁判所は、不貞行為が原因で離婚に至ったことを認めたものの、不貞行為が1回にとどまったこと、夫婦関係が円満ではなくなりつつあった状況などを考慮し、慰謝料額を100万円と判断しました。

請求額500万円→裁判所の認容額0円に減額できた事例


被告(不倫相手)に、慰謝料500万円の支払いを求めた事案です(東京地裁令和5年11月28日判決)。

【事案の概要】

  • 原告(夫)とA(妻)の婚姻期間は約11年、2人の子あり
  • 夫婦関係の悪化により、警察沙汰になるトラブル後、原告が別居を開始
  • 別居期間は約6か月
  • 不貞行為が行われた時点で、原告は、不貞行為の証拠を得るため探偵業者に依頼したり、離婚調停を申し立てたりした
  • 別居後、子と一定の面会交流をしているが、再び同居するに至っていない

裁判所は、次の事情を考慮し、遅くとも不貞行為時点において、原告とBの婚姻関係は既に破綻していたと認めるのが相当であるとして、慰謝料請求を認めませんでした。

  • 原告は婚姻関係を継続する意思を確定的に喪失していた
  • 原告とBは夫婦としての共同生活の実体を欠き、その回復の見込みがない状態に至っていた

 

請求額500万円→裁判所の認容額180万円円に減額できた事例


被告(不倫相手)に、慰謝料500万円の支払いを求めた事案です(東京地裁令和5年8月7日判決)。

【事案の概要】

  • 原告(夫)とA(妻)の婚姻期間は約13年、2人の子あり
  • 不貞期間は約2か月、不貞回数は4回
  • Aは、子どもたちが通う学習塾の塾長である被告と不貞行為に及ぶ
  • 最終的に原告がAだけでなく子どもたちとも別居に至った

裁判所は、被告は、子どもたちの教育を任せる信頼関係にあったにもかかわらず、その母親と不貞関係を持ったことや被告が不貞行為を当初否認したこと、その他上記事案の概要の事情などから、慰謝料額を180万円と判断しました。

不貞行為の慰謝料500万円請求されたら弁護士に依頼すべき理由

不貞行為の慰謝料500万円請求されたら、積極的に弁護士に依頼し、減額を目指しましょう。

請求金額の妥当性を判断できる

弁護士は、請求金額の妥当性を判断できます。
慰謝料には明確な基準がなく、事案の個別事情によっても金額が左右します。
500万円もの請求は、相場を超えた金額であり、単に相手が感情的になっているだけの可能性も考えられますが、何か特別な事情がある可能性もあります。
弁護士に相談せず、相場を知らないまま交渉に臨むと、必要以上に高額な慰謝料を支払うリスクがあります。
逆に、相場を超えているからと、安易に支払いを拒否すると、裁判に発展し、さらなる費用と時間が必要になることもあります。
弁護士は、過去の裁判例や類似事案の相場を踏まえ、あなたのケースがどの程度の慰謝料が妥当かを客観的に判断してくれます。
これにより、不当に高額な請求をされた場合でも、冷静かつ論理的に対応できます。

感情的な相手とも冷静に交渉できる

弁護士は、感情的な相手とも冷静に交渉できます。
500万もの請求は、不貞行為の慰謝料相場(数十万〜300万円)を超えています
それにも関わらず、高額な慰謝料を請求してくる場合、相手は、法的な根拠よりも、自身が受けた精神的苦痛の大きさをわからせようと感情的になっている可能性が考えられます。
感情的になっている相手と直接交渉しても、話は平行線をたどり、解決が遠のきます。
弁護士はあなたの代理人として、感情的な要素を排除し、法的な根拠に基づいた冷静な交渉を行います。
これにより、相手も現実的な金額での和解を検討せざるを得なくなります。

減額交渉を有利に進められる

弁護士は、減額交渉を有利に進められます。
弁護士は、不貞行為の期間や回数、婚姻関係の破綻度合い、被害者の受けた精神的苦痛の程度など、慰謝料額を左右する要素を正確に分析し、減額につながるポイントを見つけ出してくれます。
法的な根拠に基づいた主張を展開することで、減額を成功させる可能性が高まります。

まとめ

不貞行為の慰謝料500万円を請求された場合は、弁護士に依頼し、減額を目指しましょう。
データからも分かるように、慰謝料500万円が認められるケースは少なく、減額できる可能性が高いです。
ですが、当事者間の直接の交渉だと、感情的な対立から、減額できす、裁判にもつれ込む可能性も否定できません。
早めの段階で弁護士に相談し、慰謝料の減額&早期解決を目指しましょう。
ネクスパート法律事務所では、不貞問題に強い弁護士多数在籍しています。
初回の相談は30分無料ですので、お気軽にご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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