更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2025年3月3日 (月)

不倫慰謝料の分割払いに利息の付与は必須?知っておくべき知識と交渉術

不倫慰謝料の分割払いに利息の付与は必須?知っておくべき知識と交渉術 不倫慰謝料の分割払いに利息の付与は必須?知っておくべき知識と交渉術

サマリー

請求された不倫慰謝料を一括で払えない場合、分割払いにできないか交渉することもあるでしょう。
不倫慰謝料の分割払いを申し入れた場合、相手から利息の支払いも要求されるケースもあるようです。

不倫慰謝料を分割払いにしたら、利息も支払わなければならないのでしょうか?

この記事では、不倫慰謝料の分割払いを申し入れる場合に知っておくべき以下の事項について、詳しく解説します。

・不倫慰謝料の分割払いでは必ず利息を付けなければいけないのか
・不倫慰謝料の分割払いにおける遅延損害金の利率
・不倫慰謝料の分割払いが遅れたときの遅延損害金の計算方法
分割払いに応じる条件として利息等の支払いを求められた時の交渉術や、分割払いの交渉をする前に確認すべき事項も紹介します。相手の要求を呑む前に、ぜひご一読ください。

不倫慰謝料の分割払いでは必ず利息を付けなければいけない?

不倫慰謝料の分割払いでは、利息を付ける必要はありません

利息とは、お金を借りたことに対する対価として発生する金銭です。不倫慰謝料は借金ではないため、利息は発生しません。

ただし、支払いが遅れた場合は、遅延損害金が発生します。
遅延損害金とは、金銭債務の支払いが滞った場合に債権者に生じた損害を賠償する金銭で、その請求権は民法第419条に明記されています。遅延損害金の利率については、次章で詳しく解説します。

不倫慰謝料の分割払いにおける遅延損害金の利率

不倫慰謝料の分割払いにおける遅延損害金の利率は、当事者で自由に決められます。当事者間の取り決めがなければ年3%です。

当事者間の取り決めがなければ年3%

当事者間の取り決めがなければ年3%です。

なお、法定利率は、現在年3%とされていますが(民法第404条)、民法の改正に伴い、今後3年ごとに市中金利に合わせて見直されます。

当事者間で遅延損害金の取り決めがない場合は、法定利率の年3%が適用されます。

当事者で取り決める場合は合意した利率

当事者で取り決める場合は合意した利率を設定できます。

遅延損害金の利率は、当事者で自由に決められます。

ただし、あまりに高い利率を定めると公序良俗違反により無効となる可能性があります。
具体的に何%であれば公序良俗違反で無効とされるかは、一律に決まっていません。

合意できる上限は、契約の種類や状況により異なりますが、一般的には法定利率や利息制限法、消費者契約法の規定に従う必要があります。なお、公序良俗違反により無効とされた場合は、法定利率の年3%が適用されます。

遅延損害金の利率は当事者で自由に決められますが、あまりに高い利率を定めると公序良俗違反により無効となる可能性があります。

不倫慰謝料の分割払いが遅れたときの遅延損害金の計算方法

不倫慰謝料の分割払いが遅れたときの遅延損害金は、以下の計算式で求めます。

遅延損害金=未払いの慰謝料×遅延損害金率÷365×延滞日数

例えば、以下の条件で分割払いの合意が成立したとします。

【Case①】
・慰謝料総額:100万円
・支払方法:毎月末日限り10万円ずつ、全10回(2024年11月~2025年8月)
・遅延損害金率:年3%

このケースで、2025年1月分の支払いが50日遅れている場合の遅延損害金は、以下のように計算します。

10万円(未払いの慰謝料)×3%(遅延損害金率)÷365×50(延滞日数)=410円

分割払いの合意時には、支払いを怠ると期限の利益(決められた期日が来るまで支払いをしなくてもよい利益)を喪失し、未払いの慰謝料全額を一括払いとするという条項を記載することが一般的です。

例えば、以下の条件で分割払いの合意が成立したとします。

【Case②】
・慰謝料総額:100万円
・支払い方法:毎月末日限り10万円ずつ、全10回(2025年11月~2025年8月)
・期限の利益喪失の要件:分割金の支払いを連続して2回以上怠ったとき
・遅延損害金率:年3%

このケースにおいて、例えば2025年1月分と同年2月分の支払いが全くできなかった場合には、期限の利益を失い、既払金を差し引いた慰謝料の残額80万円を一括で支払う義務が生じます。
この場合、期限の利益喪失の翌日(2025年3月1日)から支払い完了日まで、残額80万円に対して遅延損害金が発生します。

仮に、残金80万円を2025年5月31日に支払うとすると(遅延日数:92日)、遅延損害金の額は、以下のとおりとなります。

80万円(未払いの慰謝料)×3%(遅延損害金率)÷365×92=6,049円(小数点以下切り捨て)

つまり、2025年5月31日に残額80万円を支払う場合、遅延損害金6,049円を加えて支払う必要があります。

分割に応じる条件として利息や高い遅延損害金を求められた時の交渉術

相手が、利息の上乗せや高い遅延損害金の設定を求める背景には、以下のような理由があると考えられます。

  • 支払いが滞ることを心配している
  • 分割払いに応じる代わりに、あなたにも一定の負担を負わせたいと考えている

そのため、このような相手の心情に配慮して、交渉を進めることが大切です。

分割払いを確実に継続できる根拠を示す

分割払いを確実に継続できる根拠を示しましょう

具体的な根拠を示すことで、相手を説得できる可能性が高まります。

分割払いを申し入れた側が、「利息を付ける必要がない」「遅延損害金を定めなくても支払いが遅れたら法定利率による遅延損害金が発生する」等と述べても、相手は納得しないでしょう。

あなたの収入が安定していることや、どのような生活設計をしているかを具体的に説明することで、相手に安心感を与えられるかもしれません。

自身の収入の範囲では提示した分割方法で支払うのが精いっぱいであることや、実現できない条件で合意するとかえって迷惑をかけることを丁寧に説明することで、相手の理解を得られる可能性もあるでしょう。

頭金として一定額を支払うことを提案する

頭金として一定額を支払うことを提案するのも良いでしょう。

あなたの誠意が伝わりやすく、分割に応じてもらえる可能性があります。

少額だが貯金がある、経済的に余力がある場合は、頭金として数十万円を支払い、残りを分割して月〇〇円を支払う等の提案をすることも検討しましょう。

その分割払い本当に大丈夫?後悔しないための3つの確認事項

分割払いの交渉をする前に、以下の3つの事項を確認してみてください。

その慰謝料は本当に適正額ですか?

請求されている慰謝料は本当に適正額か、今一度確認しましょう。

慰謝料の金額は法律で定められているわけではなく、精神的苦痛を被った相手が自由に決められます。そのため、自分では妥当な金額だと思っていても、そうでないケースも少なくありません。

不倫慰謝料には過去の判例に基づく相場があります。相場を超える慰謝料を請求されている場合、減額を交渉できる可能性があります。

不倫慰謝料の相場はそれぞれの事情により異なるため、適正な慰謝料額を算出するのは簡単ではありません。高額な慰謝料を請求されている場合は、分割払いの合意をする前に、弁護士へ相談することも検討しましょう。

不倫慰謝料の相場については、「不倫(不貞行為)の慰謝料相場と過去の判例」をご参照ください。

援助を得られる親族等はいませんか?

援助を得られる親族等がいないか確認しましょう。

分割払いをすると、都度連絡等をとらないとしても、支払いを完了するまで相手との関与を断ち切れません。

相手との関係が長続きすることにストレスを感じるなら、親族等にお金を借りて一括で支払うことを検討してもいいかもしれません。

ご自身での交渉に心理的負担を感じていませんか?

ご自身での交渉に心理的負担を感じていないか、問いかけてみてください。

不倫をした側が分割払いを申し入れる場合、相手と同じテーブルについて対等に交渉することは、現実的に難しい側面があります。

弁護士に依頼すれば、請求額が妥当かどうか判断し、減額や分割払いを主張する法的根拠を適切に示して交渉を進めてもらえるため、相手の納得を得られる可能性が高まります。相手とのやり取りをすべて弁護士に一任できるため、あなたの心理的負担も最小限に抑えられるでしょう。

ご自身での交渉に心理的負担を感じているなら、弁護士への依頼も積極的に検討してみてください。
弁護士に相談するメリットは、「不倫した側が弁護士に相談した方がよい6つのケースと5つのメリット」で詳しく紹介していますので、ぜひご参照ください。

まとめ

不倫慰謝料の分割払いでは、利息を付ける必要はありません。ただし、支払いが遅れた場合は、遅延損害金が発生します。

分割に応じる条件として利息の上乗せや高い遅延損害金の設定を求められたら、分割払いを確実に継続できる根拠を示す、頭金の支払いを提案するなどして、粘り強く交渉しましょう。

ご自身での対応に不安があるなら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。
ネクスパート法律事務所は、不倫をした側・された側のどちらの立場からのご相談も多数お受けしているため、相手の請求に対してどのように対処すべきか熟知しています。

分割払いの交渉だけでなく、不倫の経過や状況から減額事由がないか検討する等、あなたの負担が少しでも軽くなるよう全力でサポートいたします。初回相談は30分無料です。お問い合わせはLINE・メールで24時間受け付けております。一人で悩まず、ぜひお気軽にご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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