更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2024年5月8日 (水)

旦那から慰謝料請求されたら支払う前に確認すべきケース別対処法

旦那から慰謝料請求されたら支払う前に確認すべきケース別対処法 旦那から慰謝料請求されたら支払う前に確認すべきケース別対処法

サマリー

夫から不倫の慰謝料を請求されたあなたは、どう対応すればいいか分からず、焦りや不安を感じておられることと思います。

夫から不倫の慰謝料を請求されたら、冷静に対処することがとても重要です。焦ってすぐに支払ってしまったり、請求を無視したりするのは賢明ではありません。

この記事では、夫から不倫の慰謝料を請求された場合のケース別対処法や、不倫慰謝料の相場をご紹介します。

旦那から不倫の慰謝料を請求されたら支払うべき?

夫から不倫の慰謝料を請求された場合、支払う必要があるかどうかは、それぞれのケースにより異なります。そのため、ご自身の状況に合わせて適切に判断する必要があります

夫から慰謝料を請求されたあなたは、気が動転しているかもしれません。
しかし、早く解決したいがために焦って対応すると、事態をより悪化させるおそれがあります。冷静な対処を心がけましょう。
夫から不倫の慰謝料を請求された場合のケース別対処法を以下で紹介します。

旦那から不倫の慰謝料を請求された場合のケース別対処法

夫から不倫の慰謝料を請求された場合の対処法を、以下の3つのケースに分けて解説します。

  • 離婚を前提に不倫の慰謝料を請求された場合
  • 婚姻関係は継続するが不倫の慰謝料を請求された場合
  • 離婚後に慰謝料を請求された場合

それぞれのケースについて以下で詳述しますので、ご自身の状況に合った対処法をご確認いただければと存じます。

離婚を前提に不倫の慰謝料を請求された場合

離婚を前提に不倫の慰謝料を請求された場合、慰謝料請求の根拠となる不法行為が成立するかどうか確認しましょう。

不倫(不貞行為)は夫婦の貞操義務に違反する行為で、民法第770条第1項に定める法定離婚事由に該当します。不貞行為によって、配偶者が被った精神的損害は、慰謝料請求の対象となります。

離婚を前提に不倫の慰謝料を請求された場合、不倫によって婚姻関係が破綻したことが客観的に証明しやすいため、高額な慰謝料を請求されるケースが少なくありません。

ただし、不倫慰謝料の金額は法律で定められているわけではなく、請求額はあくまで相手の希望額です。

不当に高額な慰謝料を請求された場合は、妥当な金額まで減額するよう交渉しましょう

もっとも、不倫を開始した時点で、既に婚姻関係が破綻していた場合は、慰謝料の支払いを免れる可能性があります。不倫慰謝料の法的な根拠は民法上の不法行為(709条、710条)であり、不倫(不貞行為)が不法行為となるには、守られるべき円満な夫婦関係が存在することが前提となっているからです。

婚姻関係が完全に破綻した後に不貞行為があった場合、不貞行為が直接の離婚原因にあたらないとしても、婚姻関係が実質的に破綻していると判断されれば、夫からの離婚請求が認められる可能性はあります。

婚姻関係が破綻していたかどうかの判断は難しいため、弁護士に相談することをおすすめします。

婚姻関係は継続するが不倫の慰謝料を請求された場合

夫から離婚は求められていないものの、不倫の慰謝料を請求された場合は、謝罪の意を示し、誠実な対応を心がけましょう

あなたへの愛情や子どもの将来のためなど理由はさまざまですが、慰謝料を請求することであなたと不倫相手に反省してもらい、夫婦としてやり直したいと考えているケースも少なくありません。

感情的になって対応したり開き直って不誠実な対応をしたりすると、反省の色が見られないとして、慰謝料を支払った後で離婚を要求されるおそれがあります。

婚姻関係を継続する前提で不倫の慰謝料を請求された場合、自分の過ちに真摯に向き合い、夫婦関係を修復できるよう誠実に対応しましょう

なお、離婚しない場合、夫からの請求に応じて慰謝料を支払っても、夫婦は生計を共にしているため、家計内でお金が動くだけになることもあります。

離婚後に慰謝料を請求された場合

離婚後に慰謝料を請求された場合、そもそも慰謝料の支払義務があるかどうか確認しましょう

下記のいずれかに該当する場合、そもそも慰謝料の支払義務が発生しない可能性があります。

時効が成立している

不倫が原因で離婚した場合の離婚慰謝料請求権の時効は、離婚が成立した日から3年です。

離婚後に不貞行為が発覚した場合の不貞行為による慰謝料請求権は、夫が不貞行為の事実を知った日から3年です。

時効が成立した慰謝料請求に応じる必要はありません

ただし、慰謝料の支払義務があることを認めたり、内容証明郵便による催告があったりした場合、時効が更新されている可能性があります。時効が更新されると、進行していた時効のカウントがリセットされ、また新たに進行を始めます。

時効が成立しているかどうかの判断は、慎重に行う必要があります。

離婚時に取り交わした書面に清算条項の記載がある

不倫が原因で離婚した場合、離婚協議書や公正証書などに清算条項の記載があれば、慰謝料請求に応じる必要はありません

清算条項は、合意した内容以外に債権債務が存在しないこと、すなわち今後何も請求しないことを確認し、トラブルや紛争が蒸し返されることのないように記されます。

そのため、離婚時に取り交わした書面に慰謝料を請求しない、離婚後はいかなる名目でも互いに金銭請求をしない、などの清算条項の記載がある場合、追加の慰謝料請求をすることはできません。

ただし、離婚した後に不倫の事実が発覚した場合は、清算条項があっても慰謝料請求が認められる可能性があります。

離婚した旦那が不貞行為の証拠を持っていない

慰謝料を請求するには、原則として不貞行為があったことを立証する証拠が必要になります。離婚した夫が不貞行為の証拠を持っていない場合、慰謝料請求に応じる必要はありません

ただし、交渉段階では証拠の提示は必須ではないため、あなたが「夫が決定的な証拠を持っているはずはない」と見込んでいても、夫が裁判を見据えて決定的な証拠をあえて提示していない可能性は残ります。

不貞行為の証拠がなくても、頻繁な密会や高額なプレゼントのやり取りがあったなど、交際の態様が夫のある身として度を超えたものであり、それによって配偶者に精神的苦痛を与えた場合には、慰謝料の支払いが必要になる場合もあります。

不倫に基づく慰謝料の相場

不倫に基づく慰謝料の相場は、不倫発覚後の夫婦関係により異なります。

以下の2つのケースに分けて解説します。

  • 婚姻関係を継続する場合
  • 不倫が原因で離婚する場合

婚姻関係を継続する場合

婚姻関係を継続する場合の不倫慰謝料の相場は、個々のケースにより異なりますが、50100万円程度です。

婚姻関係を継続する場合、不倫が原因で離婚した場合に比べて侵害の程度が低いと考えられるため、慰謝料の金額が低額になる傾向にあります。

不倫が原因で離婚する場合

不倫が原因で離婚する場合の不倫慰謝料の相場は、個々のケースにより異なりますが、100300万円程度です。

不倫が原因で離婚する場合、不倫が理由で被った精神的苦痛が大きいと判断されやすいため、慰謝料の金額が高額になる傾向にあります。

旦那から慰謝料請求されて不倫相手が慰謝料を支払っている場合も支払いが必要?

夫から慰謝料請求されて不倫相手が慰謝料を支払っている場合、不倫相手の支払い状況によって支払義務の有無が異なります。

慰謝料の支払義務があるケース、支払義務がないケースに分けて解説します。

慰謝料の支払義務があるケース

不倫相手が慰謝料の全額を支払わず一部だけ支払っている場合、残額部分を支払う必要があります

例えば、慰謝料の総額が200万円で、不倫相手がそのうちの100万円を支払っている場合、あなたは夫の請求に応じて残りの100万円を支払う必要があります。

慰謝料の支払義務がないケース

不倫相手がすでに慰謝料の全額を支払っている場合、支払う必要はありません

例えば、慰謝料の総額が200万円で、不倫相手が200万円全額を支払っている場合は、すでに全額の弁済を受けているため、あなたが夫に対して不倫慰謝料を別途支払う必要はありません。

ただし、不倫相手があなたの夫の請求に応じて慰謝料全額を支払った場合、不倫相手はあなたが負担すべきだった金額について求償権を行使できます。あなたと不倫相手の不倫に対する責任の割合が50:50で、不倫慰謝料の総額が200万円の場合、不倫相手があなたに対して100万円を求償することが考えられます。

旦那から慰謝料請求されて全額支払った場合は不倫相手に求償権を行使できる?

夫から慰謝料請求されて全額支払った場合は、不倫相手に求償権を行使できます

求償権とは、不倫の当事者の一方が自身の責任部分を超えて慰謝料を支払った場合、もう一方に対して責任部分を超えて支払った部分の金銭の支払いを求めることができる権利のことです。

例えば、200万円の慰謝料を請求され全額支払った場合、あなたと不倫相手の過失割合が50:50であれば、不倫相手に対して100万円の支払いを求められます。

ただし、求償権の放棄を約束し、求償権を放棄する旨の条項を含めた和解書公正証書を作成している場合は、求償権を行使できません。

まとめ

夫から不倫の慰謝料を請求された場合、個々の請求内容に合わせて、冷静に判断し対処する必要があります。

どう対応していいか分からない、ご近所やママ友にバレたらどうしよう、など悩みを抱えていませんか?
そのお悩み、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。これまで培った経験をもとに、あなたを全力でサポートいたします。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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