更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2025年4月3日 (木)

不倫がバレても慰謝料を払ったら終わり?支払い後も交際継続はあり?

不倫がバレても慰謝料を払ったら終わり?支払い後も交際継続はあり? 不倫がバレても慰謝料を払ったら終わり?支払い後も交際継続はあり?

サマリー

「不倫がバレても慰謝料さえ払ったら終わりになる?」
慰謝料を請求されている人の中には、慰謝料さえ払えば解決できるなら、早く払って終わりにしたいと考えている人もいるでしょう。慰謝料を払って不倫相手との交際を継続したいと考えている人もいるかもしれません。

しかし、慰謝料を払ってもトラブルが収束せず、さらなるトラブルに発展するケースもあります。慰謝料を払った後に何らかのトラブルが生じても、慰謝料を返してもらうのは難しいです。

そのため、慰謝料を払う前に、ぜひ一度この記事に目を通していただければと思います。

不倫がバレても慰謝料を払ったら終わりになる?

基本的に、慰謝料を払えば終わりです。
慰謝料の支払い以外の義務は生じません。
民法上も、不法行為(=不貞行為)をした場合には、【これによって生じた損害を賠償する責任を負う。】とのみ記されており、金銭賠償以外の責任は問われません(民法709条)。

しかし、慰謝料を支払ったのにその後も連絡が続いたり、職場にバラされたりとトラブルが終息しないケースがあるのも事実です。

慰謝料を払っても終息しないおそれがある5ケース

慰謝料を払っても終息しないおそれがあるケースとして、次の5つが挙げられます。

  • 慰謝料を支払った証拠がない
  • 示談書に口外禁止条項を設けなかった
  • 示談書に清算条項を設けなかった
  • 接触禁止条項があるのに連絡した
  • 慰謝料の支払い後も交際を継続した

以下、詳しく見ていきましょう。

慰謝料を支払った証拠がない

慰謝料を支払った証拠がないケースです。

早く終わらせたいために、「相手に言われた額をそのまま振り込めばいいや」と考えている人もいるかもしれません。
書面を取り交わさずに、相手の言い値をそのまま支払った場合には、慰謝料を追加で請求されるリスクがあります。
書面がないと慰謝料を支払った事実が証明できません。さらに、その慰謝料自体が何に対する慰謝料なのか・支払った金額が慰謝料の一部なのか全部なのか等、双方の食い違いが生じる可能性があります。

例えば、あなたからしたら50万円で全て解決したと思っていても、相手から「50万円支払えとは言ったけれど、それで慰謝料全額とは考えていない。」と言われる可能性もあります。慰謝料を一括で支払う決まりはありませんから、50万円は慰謝料の一部だとの主張も可能です。

慰謝料を支払った証拠がない場合には、慰謝料を追加で請求されるリスクがあるでしょう。

示談書に口外禁止条項を設けなかった

示談書に口外禁止条項を設けなかったケースです。
口外禁止条項とは、不倫の内容や解決に至る経緯などを第三者に口外しないことを約束する条項です。

 

(口外禁止条項)
甲及び乙は、本契約書の内容について、第三者に対し一切口外しないことを約束する。

口外禁止条項を設けなかったことで、慰謝料を支払ったにもかかわらず、職場に不倫をバラされたり、SNS上で暴露されたりするリスクがあるでしょう。

示談書に清算条項を設けなかった

示談書に清算条項を設けなかったケースです。
清算条項とは、示談書で定めた条項以外に当事者間に一切の権利義務関係がないことを確認する条項です。

清算条項があることで、基本的には当該不貞に関する事項について全て解決済みとされ、示談成立以降に当該不貞に関する追加の金銭請求やその他の何らかの請求ができなくなります。

 

(清算条項)
甲及び乙は、甲と乙の間には、本示談書に定めるもののほか、何らの債権債務がないことを相互に確認する。

清算条項を設けなかったことで、慰謝料支払い後も連絡が続いたり、さらなる要求をされたりするリスクがあるでしょう。

接触禁止条項があるのに連絡した

接触禁止条項があるのに連絡したケースです。
接触禁止条項とは、不貞をした当事者間の連絡や接触をしないことを約束する条項です。

 

(接触禁止条項)
乙は、丙との交際を解消し、今後いかなる理由があろうと、丙と電話やメール、SNS等の手段を用いて連絡や接触を一切しないことを約束する。

接触禁止条項があるのにもかかわらず、不倫相手に連絡したり、会いに行ったりした場合には、違約金を請求されるリスクがあるでしょう。

慰謝料の支払い後も交際を継続した

慰謝料の支払い後も交際を継続したケースです。

慰謝料を支払ったら交際継続しても問題ないだろうと思っている人もいるでしょう。

示談の対象は示談成立時までです。示談後も交際を継続したり、示談後に交際を再開したりした場合には、示談後の交際を理由に、再度慰謝料請求される可能性があります。

裁判所も、示談後の不貞行為について慰謝料請求を認めています(東京地裁平成26年12月24日判決)。
この事例では、次のとおり計2回の示談があったにもかかわらず、その後さらに不貞関係を持ったことについて、慰謝料50万円の支払いが命じられています。

 

《示談①》
・平成23年12月頃から平成24年10月までの間に不貞関係を持った
・上記不貞行為による慰謝料200万円で示談成立
・接触禁止条項あり
・違約金の定めなし
《示談②》
・示談①以降に再度不貞関係を持った
・接触禁止条項違反による慰謝料200万円で示談成立
・接触禁止条項あり
・違約金の定めなし
《本件訴訟》
示談②以降の平成25年3月29日に再度不貞関係を持った

したがって、示談後の不貞関係を新たな権利侵害として、慰謝料請求されるリスクがあるでしょう。

慰謝料をすぐに払う前に弁護士に相談すべき3つの理由

慰謝料をすぐに払う前に弁護士に相談すべき理由として、次の3つが挙げられます。

  • 支払い義務の有無を確認してもらえる
  • 慰謝料の適正額を判断してもらえる
  • 支払い後のトラブルを未然に防ぐ示談書を作成してもらえる

以下、詳しく見ていきましょう。

支払い義務の有無を確認してもらえる

支払い義務の有無を確認してもらえます。

そもそも、あなたに慰謝料の支払い義務がない可能性もあります。
慰謝料の支払い義務がない主なケースとして、次の5つが挙げられます。

① 肉体関係が全くない
② 肉体関係を強制されていた
③ 不倫相手が既婚者だと知らなかった
 婚姻関係が既に破綻していた
 時効が成立している
 不倫相手が既に十分な慰謝料を払った

これらのケースに当てはまる場合には、慰謝料の支払い義務が生じない可能性が高いでしょう。

ただし、あなた個人の考えで「このケースに当てはまるから拒否すればいいや!」と判断するのはおすすめしません。
例えば、③不倫相手が既婚者だと知らなかったケースでは、あなたが「離婚したと言っていたので既婚者じゃないと思っていた。」と主張しても、それだけでは慰謝料の支払い義務を免れない可能性が高いです。

既婚者だと知らなかったことに過失がない(相手が既婚者であると知り得る状況がなかった、社会一般的に考えても既婚者だと気づくのは難しかった)といえるかが重要です。

支払い義務の有無については、具体的な事情をもとに検討する必要があることから、弁護士に相談し、確認してもらうことをおすすめします。

慰謝料の適正額を判断してもらえる

慰謝料の適正額を判断してもらえます。

請求されている金額が高額な可能性もあります。
請求する金額は請求者が自由に決められますから、それが適正額であるとは限りません。

しかし、たとえ適正額ではなくても、支払いに合意した以上、原則として変更はできず、慰謝料の返還も請求できません。
慰謝料の金額は、交際の態様や夫婦の状況、あなたの状況等あらゆる要素を考慮して決まります。あなたの気づいていない部分で、減額できる要素があるかもしれません。

弁護士に相談して、適正な金額を判断してもらうことをおすすめします。

支払い後のトラブルを未然に防ぐ示談書を作成してもらえる

支払い後のトラブルを未然に防ぐ示談書を作成してもらえます。

2章で解説したとおり、慰謝料を支払っても追加の請求や嫌がらせ等のトラブルが続く可能性があります。
支払い後のトラブルを防ぐためには、慰謝料そのものの話し合いだけではなく、その後の示談書の作成が重要です。
示談書はただ作成すればよいのではなく、今後のトラブルに備えられているか・あなたに不利な条件ばかりになってないかをきちんと確認する必要があります。

不倫をした側は強くいけない立場でもあることから、相手の要望のままにあらゆる条件を飲んでしまいがちです。
弁護士であれば、「この条項を入れるのであれば、慰謝料はこのくらい下げて欲しい。」と細かい条項を詰める際にも、対等に交渉を行います。
弁護士に依頼して、適切な示談書を作成してもらうことをおすすめします。

慰謝料支払い後に再婚を考えるあなたへ|よくある疑問Q&A

慰謝料支払い後に不倫相手との再婚を考えている人もいるでしょう。
慰謝料支払い後の再婚について、皆さんの疑問にお答えします。

慰謝料を払ったら不倫相手と再婚できる?

慰謝料の支払い有無にかかわらず、不倫相手が離婚をすれば再婚はできます。

不倫慰謝料は、不貞による被害者の精神的苦痛を補填するもので、慰謝料の支払いと再婚は別問題です。

不貞を理由に慰謝料を請求された場合には、慰謝料の支払い義務が生じます。
しかし、慰謝料を請求されないケースもあるでしょう。その場合には、慰謝料を支払わなくても再婚が可能です。

ただし、不倫相手が離婚を希望しても、すぐに離婚できるとは限りません。
不倫相手の配偶者が離婚に同意しない場合には、裁判で争うことになります。しかし、裁判では、不貞をした側からの離婚が原則として認められません。
慰謝料を支払えば再婚できる!と考えていても、不倫相手が離婚できない可能性もあるでしょう。

不貞をした側からの離婚が難しい理由について、詳しくは「不貞行為をした側は離婚できない?離婚できる場合や対処法を紹介! 」の記事をご参照ください。

慰謝料が分割払いの場合は払い終わるまで再婚できない?

慰謝料が払い終わる前でも再婚はできます。

先ほどと同様に、慰謝料の支払いと再婚は別問題です。
慰謝料を払ったら再婚できる・慰謝料を払わなかったら再婚できない関係にはありません。

したがって、慰謝料の支払い途中でも再婚は可能です。

不倫相手と再婚したら再び慰謝料を請求される?

不倫相手と再婚したら、再び慰謝料を請求される可能性があります。

再婚をしたことを理由に慰謝料請求されるわけではなく、示談後も不貞関係を持ったことを理由に慰謝料請求される可能性があるでしょう。

ただし、示談後に不貞関係を持った時点で、①相手夫婦が既に離婚していた場合、②婚姻関係が完全に破綻していた場合には、慰謝料の支払い義務は生じないでしょう。

まとめ

慰謝料を払ったにもかかわらず、トラブルが生じるケースは多々あります。
慰謝料を払った後に何らかのトラブルが生じても、慰謝料を返してもらうのは難しいです。

早く終わらせたいからと慰謝料を払ったのに、その後にトラブルが生じるのは避けたいですよね。
慰謝料の請求をされた場合には、一度弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に依頼することで、早期解決が目指せるだけでなく、解決後のトラブルも回避できるでしょう。

ネクスパート法律事務所には、不貞問題に強い弁護士が多数在籍しています。
初回の相談は30分無料ですので、ぜひ一度ご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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