更新日:2026年7月7日 (火)
公開日:2026年7月7日 (火)
空き家バンクとは?利用するメリットとリスクについて解説
サイト特定: キーワード「空き家バンク」「売買」「賃貸」「固定資産税」「不動産案件」などより「不動産」サイトと判定。(ハイライト:/太字:)
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近年、社会問題となっている空き家問題の解決策として、空き家バンクが注目されています。地方自治体が主体となって運営する空き家バンクは、費用を抑えて空き家を売却・活用したい所有者や都会の喧騒を離れて安価に物件を探したい利用希望者にとって魅力的な選択肢の一つです。
この記事では、空き家バンクの基本的な仕組みとメリットや気を付けるべきリスクについて解説します。
空き家バンクとは?
空き家バンクとは、空き家の売買・賃貸を希望する所有者等と、空き家の利用を希望する人々を繋ぐ情報提供サービスです。主な運営主体は地方自治体で、社会問題化する空き家の増加を抑制し、地域の活性化や生活環境の保全を図るのが目的です。
空き家バンクは営利目的の事業ではなく、あくまで社会課題の解決を目的としている点が、一般的な不動産仲介業者との違いです。
空き家バンクの利用方法は?
空き家バンクの利用方法は、物件の所有者と物件の利用希望者によって異なります。それぞれどのように利用するか、手順を解説します。
空き家の所有者が空き家バンクを利用する手順
空き家の所有者が空き家バンクを利用する手順は、以下のとおりです。
物件の登録申請をする
物件所在地の自治体が運営する空き家バンクのウェブサイトで情報を確認します。
その後、自治体が指定する登録申込書や登録カードなどの必要書類を提出します。この際に運転免許証などの身分証明書の写しや、固定資産税納税証明書の写しなど、所有権を確認できる書類も求められることが多いです。
共有名義の物件の場合、原則として共有者全員の同意が必要です。
なお、自治体によって異なりますが、次のような事情がある場合には、空き家バンクに登録できないことがあります。
- 登録申請をする空き家等について他の媒介契約を締結している
- 登録申請をする空き家等の固定資産税を滞納している
- 登録申請をする空き家等の所有者が暴力団員または暴力団員等である
- 登録申請をする空き家等が未登記である
登録を希望する場合は、事前に要件を満たしているかを確認しましょう。
現地調査と物件情報の公開をする
物件の申請後、自治体の担当者や連携している不動産業者が、物件の状態や安全上の問題がないかを確認する現地調査を行います。調査の結果、問題がなければ物件情報が空き家バンクのウェブサイトに掲載されます。
利用希望者と面談・交渉をする
空き家バンクを通じて利用希望者が見つかると、自治体から所有者に連絡が入り、面談の機会が設けられます。多くは、直接自治体が契約交渉に関与しないため、売却価格や賃料、修繕費用の負担など、重要な取り決めは所有者と利用者が直接交渉します。
契約の締結と引き渡しをする
交渉がまとまれば、所有者と利用希望者の間で契約を締結します。個人間取引が基本なので、契約書の内容を双方で確認しなければいけません。トラブルを避けるために、引き渡し前には建物内の家財道具や荷物の撤去を行います。
空き家の利用希望者が空き家バンクを利用する手順
空き家の利用希望者が空き家バンクを利用する手順は、以下のとおりです。
空き家バンクで物件探しをして利用登録をする
自治体が運営する空き家バンクのウェブサイトで物件を検索します。気になる物件があれば、自治体指定の利用登録申込書を提出します。
内見の申し込みをする
利用希望の意思を自治体に伝え、物件の内見の申し込みをします。物件の所有者と内見の日程調整が行われます。内見時には、物件の状態(劣化や欠陥など)や周辺環境を確認します。
所有者と交渉・契約をする
内見後、購入や賃貸の意思が固まれば、所有者と直接交渉を行います。交渉がまとまると、契約書を交わして契約を締結し引き渡しを行います。
空き家バンクを利用するメリットは?
空き家バンクが提供するのは、所有者と利用希望者のマッチングの機会ですが、ここでは空き家バンクを利用するメリットについて解説します。
費用負担が軽減できる
空き家バンクを利用すれば、費用負担が軽減できます。
物件情報の登録や掲載に際して、原則として費用は発生しません。 自治体によっては、仲介業者を介さずに所有者と利用希望者が直接取引を行えるため、通常発生する仲介手数料を削減できる可能性があります。
ただし、提携する不動産業者が仲介に入る場合は契約締結時に仲介手数料が発生します。
補助金・税制優遇制度が活用できる
空き家バンクに登録すれば、建物のリフォームや解体、家財道具の撤去、移住支援など、さまざまな補助金・税制優遇制度が活用できる可能性があります。
例えば、東京都の奥多摩町では、移住者向けに住宅取得費用として最大200万円を支援しています。
補助金の対象となる費用や条件は自治体によって異なります。中には、親族への物件譲渡には適用されない場合や特定空家等に指定されていることが条件となる場合もあります。受け取った補助金は一時所得として課税対象となる可能性があるため、事前に税務署に確認したほうがよいでしょう。
市場に出回らないユニークな物件を見つけられる
空き家バンクを利用すれば、市場に出回らないユニークな物件を見つけられる可能性があります。古民家や田舎の集落にある物件など、一般の仲介業者では扱いにくい掘り出し物に出会えるかもしれません。
地域の観光資源を活かした古民家宿や、地域住民の交流を目的としたコミュニティスペース、子ども食堂、お化け屋敷のように、収益性だけでなく社会貢献性も高い事業に活用された事例があります。
空き家バンクを利用する際に注意すべき4つのリスクは?
空き家バンクは費用面で魅力的ですが、民間の不動産取引に比べて所有者・利用者が自己責任で対応しなければいけません。ここでは、特に注意すべき4つのリスクについて解説します。
仲介業者不在による直接交渉でトラブル発生のリスク
仲介業者不在による直接交渉でトラブル発生のリスクが高まります。
空き家バンクでは、多くの自治体が契約や交渉に直接関与しません。そのため、物件の引き渡し条件、修繕費用の負担、賃料や売却価格など、重要な取り決めを所有者と利用者が個人間で直接交渉します。
空き家の引き渡し後に発覚する契約不適合責任のリスク
不動産の引き渡し後に発覚する契約不適合責任のリスクが起きる可能性があります。
空き家バンクに登録される物件は築年数が古く、長期にわたって放置されたものが少なくありません。外観からは判断しづらいシロアリ被害や雨漏り、設備の故障、建物の構造的な欠陥などが隠れている場合があります。
隠れた欠陥が引き渡し後に発覚した場合、民法に定められた契約不適合責任に基づき、売主は買主から修繕費用の請求や損害賠償を求められる可能性があります。売買契約の際に契約不適合責任の範囲を定める特約を設けるのが一般的ですが、個人間取引では知識がないがゆえに、そのまま取引を進めてしまいがちです。
契約書に具体的な記載がない場合、欠陥の発見から1年以内であれば買主からの請求等に応じなければいけません。場合によっては契約解除に至る可能性もあります。
空き家の相続・共有名義が絡むリスク
相続によって取得し空き家になったケースでは、相続・共有名義が絡む権利関係のリスクがあります。
空き家バンクへの登録や売却・賃貸には、原則として共有者全員の同意が必要です。共有者の中に行方不明者がいたり、連絡が取れない、あるいは売却に反対する者がいたりする場合、契約締結は困難です。
空き家の登記未了・抵当権設定のリスク
相続登記が完了していない物件や抵当権が設定されたままの物件は、取り扱うにあたってリスクがあります。こうした物件は空き家バンクに登録できる場合もありますが、買主や借主から登記の完了や抵当権の抹消を求められる可能性が高く、成約に至らないケースが多いのが実情です。
空き家バンクを利用する前に弁護士に相談を!
空き家バンクの利用を検討している方は、登録する前に弁護士への相談をおすすめします。特に以下のケースに当てはまる場合は、問題が深刻化する前に弁護士に相談しましょう。
- 相続や共有名義で話し合いがまとまらない場合
- 売買・賃貸契約書の作成・チェックの方法が分からない場合
- 空き家の管理にあたり行政から指導を受けている場合
弁護士は、これらの課題に対して以下のサポートが可能です。
- 代理人として契約交渉・契約書の作成ができる
- 共有名義の物件など複雑な権利関係を法的に整理できる
- トラブルが深刻化した場合の訴訟対応ができる
まとめ
空き家バンクは、思いがけず魅力的な物件に出会える可能性がありますが、リスクもあります。メリットとデメリットを理解して利用するのをおすすめします。
ネクスパート法律事務所には、不動産案件を多数手掛けた実績がある弁護士が在籍しています。空き家問題でお困りの方は、一度ご相談ください。