示談金の額はどのように決まる?示談で重視すべき事情とは?

示談で検討されるいちばん大きなものは、「示談金の額をいくらにするか?」です。金額を決定する際には、やはり相場が意識されますが、1つとして全く同じ事件は無いので、相場でズバッと解決!というわけにはいきません。それでは、示談の際に考慮される事情にはどのようなものがあるのでしょうか。
示談金の相場の意味
冒頭で相場の話をしましたが、相場にはそれ相応の根拠があります。それは、民事事件として損害賠償請求がされた場合に、裁判所はどれくらいの額を認めるかという点です。
痴漢などの場合、損害賠償のメインは、精神的な被害ですが、これをお金に換算するといくらになるのかは基準が明確でなく、被害者の主張額にもばらつきが出がちです。そのため、裁判所は、客観的に明らかな、行為の悪質さなどをメインに額を決めていきます。
万が一、被害により精神疾患を患うなどして引越しを余儀なくされた場合などには、治療費や引越し費用も損害賠償の額に上乗せされることになります。
被害者が重視する事情
ただ、示談の場合、交渉でまとめざるを得ないため、被害者の納得なくして成立には至りません。そのため、いくら「裁判所はこう判断するだろうから」と力説しても、納得が得られなければ示談は不可能です。
このような被害者との間では、以下のような事情が考慮されることがあります。
- 加害者の収入
- 加害者・被害者の年齢
- 双方の自宅の近さ
- 事件後の加害者の言動等
- 前科前歴の有無及び内容等
などです。
これらの事情は、自分が被害者になった場合に、どういう加害者は許せないか、とかどういう加害者からは高額を取りたいと思うかなどを考えれば見えてくるかと思います。
示談に困ったらご相談を
以上のように、示談の際には様々な事情が考慮されますが、相場に関する議論は専門家が主張しなければ説得力がありません。そのため、ご自身で示談交渉をした場合には、相場を大きく超える額を主張し続けられる危険があります。とはいえ、被害者の感情によっては、その逆のパターンも無いではありません。示談を成立させるためには、様々な事情を総合した、的確な判断が重要です。
