更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2024年8月29日 (木)

慰謝料請求したら不倫相手から逆に請求された!請求は認められるの?

慰謝料請求したら不倫相手から逆に請求された!請求は認められるの? 慰謝料請求したら不倫相手から逆に請求された!請求は認められるの?

サマリー

あなたは今、不倫相手に慰謝料を請求すべくコンタクトをとったら、「独身と騙されていたから、私が慰謝料を支払う必要はない。逆にあなたの夫に対して、慰謝料を請求します。」などと告げられ、戸惑っているのではないでしょうか。

この記事では、不倫相手に対して逆に慰謝料を支払わなければならない可能性があるケースや、請求された場合の3つの心構えなどについて解説します。

信じていた夫が独身だと嘘をついて不倫していたという事実で大きなショックを受け、さらに不倫相手から逆に慰謝料を請求されたとなると、感情が高ぶってしまうのも無理もありません。まずは落ち着いてこの記事を読んでいただき、今後の対応の参考にしていただければ幸いです。

不倫相手から逆に慰謝料請求すると言われた!そんなこと認められるの?

夫の行為が不倫相手の権利を侵害した場合、不倫相手から夫に対する慰謝料請求が認められる可能性があります。

不法行為に基づく損害賠償請求権は、民法第709条で以下のとおり定められています。

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用:民法 | e-Gov法令検索

夫の不法行為によって不倫相手が損害を被った場合、夫は不倫相手に対して損害を賠償する責任を負います。

不倫相手から夫に対する慰謝料請求が認められるには、以下の4つの条件を満たす必要があります。

  • 夫に故意・過失があること
  • 夫の不法行為によって不倫相手が守られるべき権利や利益の侵害を受けたこと
  • 夫の不法行為によって不倫相手に損害が生じていること
  • 加害行為と損害発生の間に因果関係があること

上記の条件を満たしている場合は、不倫相手からの慰謝料請求が認められる可能性があります

不倫相手に対して逆に慰謝料を支払わなければならない可能性がある3つのケース

不倫相手に対して逆に慰謝料を支払わなければならない可能性がある主なケースとして、以下の3つが挙げられます。

  • 夫が独身者だと偽っていた
  • 夫が不倫相手に対して身体的・精神的暴力をふるっていた
  • 夫が不倫相手の妊娠後に連絡を一方的に絶った・中絶を強要した

それぞれのケースについて、以下で詳しく解説します。

夫が独身者だと偽っていた

夫が独身者だと偽っていた場合、不倫相手に対して逆に慰謝料を支払わなければならない可能性があります

貞操権の侵害にあたるおそれがあるためです。
貞操権とは、性的な関係を持つ相手を自分で自由に選ぶ権利や、自分の意思に反して性的な侵害を受けない権利です。貞操権を侵害された場合は、相手に損害賠償を請求できます。

既婚者である夫が独身者だと偽って不倫相手と性的な関係を持った場合は、不倫相手の性的な関係を持つ相手を自由に選ぶ権利を侵害した可能性があります。

そのため、貞操権の侵害を理由に慰謝料を請求されたら、支払い義務が発生するおそれがあります。

夫が不倫相手に対して身体的・精神的暴力をふるっていた

夫が不倫相手に対して身体的・精神的に暴力をふるっていた場合、不倫相手に対して逆に慰謝料を支払わなければならない可能性があります

たとえ不倫関係であっても、暴力は許されるものではありません。

暴力は殴る・蹴る等の身体的なものだけでなく、さまざまな形態があります。夫が不倫相手に対して以下のような行為を行なっていた場合、不法行為に基づく損害賠償を請求される可能性があります。

身体的な暴力

体を殴る・蹴る、髪を引っ張る、腕をつかむ、不機嫌になると物を投げつける、腕や足を縛る等して行動の自由を奪う等、不倫相手の身体に物理的な暴力をふるう行為のことです。

精神的な暴力

大声で怒鳴る、無視する、行動の監視・制限等、言葉や態度で不倫相手の精神にダメージを与える行為のことです。

性的な暴力

性的な関係を強要する、裸や下着姿の画像や動画を撮る・送るよう強要する、避妊しない等、不倫相手に対して性的な暴力をふるう行為のことです。

上記のような力の支配があった場合、不倫相手が自由な意思に基づいて性的な関係を持ったとは言い難いでしょう。

そのため、夫が暴力をふるったことを理由に慰謝料を請求されたら、支払い義務が発生するおそれがあります。

夫が不倫相手の妊娠後に連絡を一方的に絶った・中絶を強要した

夫が不倫相手の妊娠後に連絡を一方的に絶った・中絶を強要した場合、不倫相手に対して逆に慰謝料を支払わなければならない可能性があります

女性の妊娠発覚後の男性の対応が不誠実だったとして、慰謝料の支払いが命じられた裁判例があります。

裁判所は、妊娠した女性が人工妊娠中絶を選択せざるを得ない場合、身体的・精神的苦痛にさらされるとともに経済的負担をせざるを得ないとし、これらの苦痛は男女の共同の性行為に由来するものであるから両者が等しくその不利益を分担すべきとした上で、その不利益を分担しない男性の行為は女性の法律上保護された利益を違法に侵害するとして、慰謝料の支払いを命じました(東京高等裁判所平成21年10月15日判決)。

不倫相手の妊娠発覚後の夫の以下のような行為は、違法行為と判断される可能性があります。

  • 不倫相手から妊娠を告げられた後、夫から一方的に連絡を絶つ
  • 不倫相手に中絶するよう強要する
  • 不倫相手に出産しても責任は取れない等だけ告げ、誠実に話し合おうとしない

不倫相手から妊娠を告げられた後の夫の対応が不誠実だったことを理由に慰謝料を請求されたら、支払い義務が発生するおそれがあります。

不倫相手からの逆・慰謝料請求を拒否できる可能性がある3つのケース

不倫相手からの慰謝料請求を拒否できる可能性がある主なケースとして、以下の3つが挙げられます。

  • 不倫相手に夫が既婚者と知る余地があった
  • 不倫相手も夫に対して暴力を振るっていた
  • 夫が不倫相手の妊娠に対して適切な対応をしていた

それぞれのケースについて、以下で詳しく解説します。

不倫相手に夫が既婚者と知る余地があった

不倫相手に夫が既婚者と知る余地があった場合、不倫相手からの慰謝料請求を拒否できる可能性があります

既婚者である夫が独身者だと偽っていたとしても、不倫相手が注意すれば既婚者と気づけた場合、不倫相手の過失が認められる可能性が高いといえます。

例えば、夫が結婚指輪をしていた、共通の知り合いがいる場合などは、注意すれば既婚者と知る余地があったと認められやすいでしょう。

夫が既婚者と気づいていた場合はもちろんのこと、不倫相手が通常の注意を払えば夫が既婚者だと気づけた場合も、慰謝料請求を拒否できる可能性があります。

不倫相手も夫に対して暴力をふるっていた

不倫相手も夫に対して暴力をふるっていた場合、不倫相手からの慰謝料請求を拒否できる可能性があります

互いに暴力をふるっていた場合、どちらか一方だけが悪いとは限りません。それぞれの事情により異なりますが、双方の行為の態様や損害の程度が同等であれば、有責性を相殺し、慰謝料なしとするケースが多いでしょう。

不倫相手も夫に対して暴力をふるっていた場合は、慰謝料を支払わなくて済むかもしれません。

夫が不倫相手の妊娠に対して適切な対応をしていた

夫が不倫相手の妊娠に対して適切な対応をしていた場合、不倫相手からの慰謝料請求を拒否できる可能性があります

予期せぬ妊娠でたとえ中絶することになったとしても、不倫相手が自らの意思で夫と性交渉に至り、妊娠発覚後の夫の対応に問題がなかったのであれば、違法行為による権利侵害があったとはいえないためです。

ただし、不倫相手が中絶した場合、中絶にかかる費用等の支払いを求められる可能性はあります。

不倫相手から逆に慰謝料請求された場合に必要な3つの心構え

不倫相手に対して慰謝料請求をしたのに、逆に慰謝料請求されるというケースは存在します。

もっとも、被請求者となるのはあなたではなく夫ですが、婚姻関係を維持する場合は、夫婦で協力して対応を取ることになるケースが多いでしょう。

相手の言い分を聞き、状況に応じた適切な対応をとりましょう。今後の対応に迷うことがある場合は、弁護士への依頼も積極的に検討してみましょう。

不倫相手の言い分とその根拠を正確に把握すること

不倫をした夫が不倫相手から逆に慰謝料を請求されたら、まずは不倫相手の言い分とその根拠を正確に把握しましょう。

慰謝料を請求されたら、トラブルを拡大させないためにも、慎重かつ適切な対応が求められます。支払う必要がある慰謝料かどうか見極めるため、不倫相手が何を請求・要求してきているのかに加え、請求の根拠もしっかり確認することが重要です。

請求の根拠となる事実が存在しない場合は、慰謝料を支払わずに済むかもしれません。

不倫相手から逆に慰謝料請求されたら、まずは落ち着いて請求内容とその根拠を正確に把握しましょう。

夫と協力して解決を目指すこと

夫が不倫相手から逆に慰謝料請求されたら、あなたも協力して解決を目指すよう心がけましょう。

請求の根拠が事実かどうか判断するには、不倫の当事者である夫に話を聞く必要があります。裏切った夫が許せないから話したくない、不倫の経過や内容なんて知りたくない、と思ってしまうのも無理もありません。しかし、これまでの不倫の状況について正しく知ることで、夫婦として適切な対応をとりやすくなります

不倫相手から逆に慰謝料請求されたら、不倫の当事者である夫と協力して、スムーズな解決を目指しましょう。

弁護士に相談して法的アドバイスを受けること

不倫相手から逆に慰謝料請求されたら、弁護士に相談して法的アドバイスを受けることをお勧めします。

弁護士であれば、法的観点から不倫相手から夫への慰謝料請求が認められるかどうか判断できます。不倫相手から夫への慰謝料請求が認められないのであれば、あなたから不倫相手に対する慰謝料請求についても手続きを依頼できます。

慰謝料請求の対応には、法的知識が必要となるケースが多いです。法律の専門家である弁護士に相談・依頼することで適切な対処方法や解決策を提示してもらえるため、早期解決も期待できるでしょう。

慰謝料請求の対応について弁護士に相談することで、請求が認められるかどうか判断し、今後の対応について適切なアドバイスがもらえます。どう対応すればいいか分からなくてお困りなら、なるべく早期に弁護士に相談し法的アドバイスを受けることをお勧めします。

まとめ

信じていた夫に裏切られたことに加え不倫相手から逆に慰謝料を請求されたら、どうすればいいか分からず戸惑ってしまうのも無理もありません。

慰謝料を請求された場合、冷静な対処が求められます。まずは落ち着いて、不倫相手が何を請求してきているのか、請求の根拠があるのか確認しましょう。

不倫相手から逆に高額な慰謝料を請求されたから今後の対応を弁護士に依頼したい、不倫相手からの請求が認められないならこちらから慰謝料を請求したい、とお考えなら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。

豊富な知識と経験を併せ持つ弁護士があなたに親身に寄り添い、解決へ向けてサポートいたします。初回相談は30分無料ですので、お気軽にご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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