更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2025年2月21日 (金)

独身と偽って交際した場合の慰謝料はいくら?対処法やNG行動も紹介

独身と偽って交際した場合の慰謝料はいくら?対処法やNG行動も紹介 独身と偽って交際した場合の慰謝料はいくら?対処法やNG行動も紹介

サマリー

独身と偽っていたことが交際相手にバレて「慰謝料を請求する」と言われたあなたは、「高額な慰謝料を請求されるのはないか」との不安で頭がいっぱいになっていませんか?

この記事では、独身と偽って交際した場合の慰謝料額や、慰謝料を請求された時の対処法・NG行動などを紹介します。

「慰謝料を請求する」と言われたら困惑するのも無理もありませんが、まずは落ち着きましょう。焦って対応してしまい、後悔する人は少なくありません。
「対応を間違えた」と後悔することのないよう、この記事をお役立ていただければ幸いです。

独身と偽って交際した場合の慰謝料はいくら?

独身と偽って交際した場合の貞操権侵害に基づく慰謝料の相場は、数十万200万円程度です。相手を騙した態様が悪質である場合は、慰謝料が高額になることもあります。

貞操権侵害に基づく慰謝料の相場は数十万〜200万円程度

貞操権侵害に基づく慰謝料の裁判上の相場は、数十万200万円程度です。
慰謝料は、不法行為によって被った精神的苦痛を補填するものです。それぞれの事情や状況により精神的苦痛の大きさは異なるため、金額に幅があります。

相手を騙した態様が悪質であると慰謝料が高額になることも

相手を騙した態様が悪質であるとして、慰謝料が高額になるケースもみられます。
既婚男性の行為が特に悪質であるとして、高額な慰謝料が認められた事例を紹介します(東京地裁平成19年8月29日判決)。

裁判所は、以下のような事情を考慮し、被告との将来の婚姻を信じて被告との交際を続けた原告に対して、人格権侵害の継続的不法行為を構成するものと言わざるを得ないとして、被告に慰謝料500万円の支払いを命じました。

  • 被告は既婚者であることを隠して、原告である独身女性と将来の結婚を約束して長期間(約12年)交際を継続した
  • 原告は2度の妊娠中絶を経て、3度目に被告の子を出産している
  • 被告は原告から認知請求訴訟を提起されるまで子の認知に応じなかった
  • 原告は、今後働きながら被告の子を養育していかなければならない

なお、本事例では、被告の不法行為と相当因果関係のある損害として、弁護士費用50万円の支払いも命じています。
相手を騙した態様が悪質であればあるほど、その行為によって負う精神的苦痛も大きくなると考えられます。悪質性が高いほど、慰謝料が高額になる傾向にあります。

独身と偽って交際したことで慰謝料を請求された時の対処法

独身と偽って交際したことで慰謝料を請求された時の主な対処法として、以下の4つが挙げられます。

  • 貞操権侵害に該当するか確認する
  • 請求額が妥当かどうか確認し減額交渉を試みる
  • 一括での支払いが困難な場合は分割払いを申し出る
  • 交際相手と合意ができたら示談書を作成する

以下で、詳しく紹介します。

貞操権侵害に該当するか確認する

独身と偽って交際したことで慰謝料を請求されたら、貞操権侵害に該当するか確認しましょう
貞操権とは、誰と肉体関係を持つかを自由に決められる権利のことです。独身と偽って肉体関係を持った場合、交際相手の性的な判断の自由を奪っているおそれがあります。

以下のような事情がある場合、貞操権侵害に該当する可能性があります。

  • 交際相手と肉体関係を持った
  • あなたが独身だと交際相手に信じ込ませていた
  • 結婚をほのめかしていた

プラトニックな交際で肉体関係がなかった場合には、貞操権侵害には該当しません。独身と偽っていたものの、交際相手が既婚者だと見抜ける余地があった場合や、結婚を見据えた真剣な交際でなかった場合も、貞操権侵害には該当しない可能性が高いでしょう。
貞操権侵害に該当するか否かの判断は、簡単ではありません。交際相手と出会ったきっかけや交際相手の年齢・社会経験など、さまざまな事情や状況から総合的に判断されるからです。

ご自身で判断することに不安を覚えたら、弁護士に相談することをお勧めします。

請求額が妥当かどうか確認し減額交渉を試みる

貞操権侵害に該当する場合は、請求額が妥当かどうか確認し、減額交渉を試みることをお勧めします。

慰謝料額は、法律で定められているわけではありません。請求する側が自由に決められるため、あなたの責任を超える高額な慰謝料を請求されている可能性があります。不当に高額な慰謝料を請求されている場合は、適正な金額まで減額するよう交渉しましょう

なお、慰謝料額はさまざまな事情が考慮して決められるため、妥当な慰謝料額の算出は容易ではありません。
請求額が妥当かどうか判断できない場合は、弁護士に相談することをお勧めします。

一括での支払いが困難な場合は分割払いを申し出る

一括での支払いが困難な場合は、分割払いを申し出ることをお勧めします。

慰謝料の支払いは一括払いが原則ですが、借金をして支払うことは賢明ではありません
一括で支払えないからといって焦って借金をしてしまうと、返済に追われて生活が立ち行かなくなり、別のトラブルを抱えることになりかねないためです。

経済的に困窮していることを説明すれば、分割払いに応じてもらえるかもしれません。
一括での支払いが困難な場合は、毎月確実に支払える額での分割払いを申し出てみましょう。

交際相手と合意ができたら示談書を作成する

交際相手と合意ができたら、示談書を作成することをお勧めします。

示談書とは、当事者の合意内容を書面にしたものです。示談書を作成すれば「言った・言わない」などのトラブルや追加請求などを防ぎやすく、紛争の蒸し返しを防止する効果が期待できます。

示談書には、以下のような内容を記載すると良いでしょう。

  • 貞操権侵害の事実
  • 慰謝料の金額・支払い方法
  • 口外禁止条項
  • 清算条項
  • 示談の成立日
  • 当事者の住所・署名・捺印

独身と偽って交際した相手から慰謝料を請求された場合のNG行動

独身と偽って交際した相手から慰謝料を請求された場合のNG行動として、主に以下の3つが挙げられます。

  • 請求を無視する・言い逃れをする
  • 交際相手の要求をすべて受け入れる
  • 交際相手に脅迫まがいな発言をする

以下で、詳しく紹介します。

請求を無視する・言い逃れをする

請求を無視したり、言い逃れをしたりすることはやめましょう

あなたとは交渉できないと判断されて、訴訟を提起されるおそれがあるためです。訴訟を提起されても無視を続けると、交際相手の請求をすべて認める判決がでる可能性が高いです。判決が出ても慰謝料を支払わなければ、最終的に給与や預貯金などの財産を差押えられることになりかねません。

請求に納得がいかないとしても、請求を無視する・言い逃れをするなどの、交際相手の心証を損なうような行為はしないよう心がけましょう

交際相手の要求をすべて受け入れる

交際相手の要求をすべて受け入れることは賢明ではありません

提示されている慰謝料額は、あくまでも交際相手の希望額であるためです。不当に高額な金額を請求されたり、引越しや退職などの不当な要求をされたりするケースは多くみられます。

たとえ貞操権侵害に該当する場合であっても、不当な要求を受け入れる必要はありません。交際相手の要求をそのまま受け入れる前に、何を要求されているのか、適切な要求であるか、冷静に判断しましょう。

交際相手に脅迫まがいな発言をする

交際相手に脅迫まがいな発言をするのはやめましょう

脅迫まがいな発言をすると、脅迫罪に問われるおそれがあるためです。
脅迫罪は刑法第222条に定められている犯罪で、成立すれば、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科されます。

第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

引用:刑法e-Gov法令検索

交際相手に脅迫まがいな発言をしてしまうと、事態をより悪化させることになりかねません。
慰謝料を請求されたら、不安や焦りから感情的に対応してしまいがちですが、冷静な対応を心がけましょう。

交際相手に「周囲にバラす」と脅されている場合は弁護士に相談を

交際相手に「周囲にバラす」と脅されている場合は、弁護士への相談も検討しましょう

不倫をした事実を第三者にバラすと脅す行為は、脅迫罪に該当する可能性があるためです。
「独身と偽って交際したのだから、脅されても仕方がない」と泣き寝入りする必要はありません。
脅されたことが客観的にわかる証拠を確保しておき、弁護士に相談することをお勧めします。

まとめ

独身と偽っていたことが交際相手にバレて慰謝料を請求されたら、冷静な対応を心がけましょう。
貞操権侵害に該当するかどうか判断してもらい、適正な金額への減額交渉を弁護士に依頼したいと考えているなら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。

豊富な経験と解決ノウハウを有する弁護士が、どう対応するべきか法的観点から適切に判断し、アドバイスいたします。
初回相談は30分無料です。お問い合わせは、LINE・メールで24時間受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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