更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2025年1月16日 (木)

慰謝料を請求しない方がいい?慎重に検討すべきケースを紹介

慰謝料を請求しない方がいい?慎重に検討すべきケースを紹介 慰謝料を請求しない方がいい?慎重に検討すべきケースを紹介

サマリー

あなたは今、配偶者の不倫相手に慰謝料を請求しない方がいいのではないか、と悩んでいませんか?

この記事では、慰謝料を請求するかどうか慎重に検討すべきケースや、慰謝料を請求しない場合に起こり得るデメリットなどを紹介します。

慰謝料請求をするべきかどうかの判断は、あなたが置かれている状況により異なります。「不倫相手に慰謝料を請求しない」と決断する前に、ぜひご一読ください。

慰謝料を請求しない方がいい?慎重に検討すべき7つのケース

慰謝料を請求するか慎重に検討すべき主なケースとして、以下の7つが挙げられます。

  • 不倫を証明できる証拠がない
  • 弁護士費用を上回る慰謝料額が期待できない
  • 不倫相手に慰謝料の支払い能力がない
  • 配偶者に非がある
  • 不倫相手も既婚者である
  • 不倫相手に危害を加えられるおそれがある
  • 荒波を立てずに夫婦関係を修復したい

以下で詳述します。

不倫を証明できる証拠がない

不倫を証明できる証拠がない場合は、慰謝料を請求するかどうか慎重に検討しましょう。

交渉段階では、不倫の証拠がなくても慰謝料を請求できます。しかし、証拠がない場合、不倫相手が素直に不倫の事実を認めて慰謝料を支払うとは考えにくいです。交渉がまとまらず、訴訟による解決を図ることになるでしょう。

訴訟による解決を図る場合は、慰謝料を請求する側が不倫の事実を証明する必要があります。あなたが不倫の事実を証明できなければ慰謝料請求は認められない可能性が高いため、裁判にかかった費用や労力、時間が無駄になるケースもあります。

不倫を証明できる証拠がなく、不倫相手が不倫の事実を認めていない場合は、慰謝料を獲得できない可能性が高いことを踏まえた上で、慰謝料を請求するかどうか検討しましょう。

弁護士費用を上回る慰謝料額が期待できない

弁護士費用を上回る慰謝料額が期待できない場合は、慰謝料を請求するかどうか慎重に検討しましょう。

弁護士に依頼する場合、獲得できる慰謝料額が弁護士費用を上回らなければ、かえって損をする可能性があります。

不倫慰謝料の相場は50300万円程度で、不倫の期間や回数、離婚の有無、不倫による妊娠の有無などの要素を考慮して決められます。弁護士費用を上回る慰謝料額が期待できない場合は、慰謝料を請求するかどうか慎重に検討しましょう。

ご自身で対応する場合は、この点を心配する必要はありませんが、手間や労力がかかる反面、弁護士に依頼する場合よりも獲得できる慰謝料額が低くなる可能性があります。不倫慰謝料の相場について、詳しくは「不倫(不貞行為)の慰謝料相場と過去の判例」をご参照ください。

不倫相手に慰謝料の支払い能力がない

不倫相手に慰謝料の支払い能力がない場合は、慰謝料を請求するかどうか慎重に検討しましょう。

不倫相手に慰謝料の支払い能力がなければ、強制執行をしても、慰謝料を回収できない可能性が高いためです。

慰謝料はあなたの精神的苦痛を金銭に換算したものですので、慰謝料額に不倫相手の資力は影響しません。しかし、慰謝料請求が認められても、不倫相手に収入や資産がなければ、現実的に回収するのは難しいでしょう。

不倫相手に慰謝料の支払い能力がないことが判明している場合は、慰謝料を請求しても支払いが見込めないことを踏まえた上で、請求するかどうか検討しましょう。

配偶者に非がある

配偶者に非がある場合は、慰謝料を請求するかどうか慎重に検討しましょう。

配偶者に非がある場合は、慰謝料請求が認められない可能性が高いことに加え、逆にあなたの配偶者が不倫相手から慰謝料を請求される可能性もあるためです。

不倫相手から慰謝料を請求される主なケースとして、以下の3つが挙げられます。

  • 配偶者が独身者だと嘘をついていた
  • 配偶者が不倫相手に対して身体的・精神的暴力をふるっていた
  • 不倫による妊娠が判明した際に、あなたの配偶者が不適切な対応をした

配偶者に非がある場合は、不倫相手に対して慰謝料を支払わなければならない可能性があることを踏まえた上で、慰謝料を請求するかどうか検討しましょう。

不倫相手に対して慰謝料を支払わなければならないケースについて、詳しくは「慰謝料請求したら不倫相手から逆に請求された!請求は認められるの?」をご参照ください。

不倫相手も既婚者である

不倫相手も既婚者である場合は、慰謝料を請求するかどうか慎重に検討しましょう。

不倫相手も既婚者であれば、不倫相手の配偶者も不倫の被害者です。あなたからの慰謝料請求がきっかけで不倫相手の配偶者が不倫の事実を知り、あなたの配偶者に対して慰謝料を請求することも考えられます。

慰謝料額はさまざまな事情を考慮して決められるため、双方の配偶者が互いに不倫相手に対して請求する慰謝料額は、同額であるとは限りません

例えば、あなたが不倫相手に対して100万円を請求して支払いを受けたとしても、不倫相手の配偶者があなたの配偶者に対して離婚を理由に150万円を請求してきた場合、結果的に50万円のマイナスになります。

以下のような事情がある場合は、あなたの配偶者が支払わなければならない慰謝料額が、あなたが受け取る慰謝料額を上回る可能性があります。

  • 不倫相手の夫婦の方が、婚姻期間が長い
  • あなたの配偶者が不倫の主導権を握っていた
  • 不倫による妊娠が判明した際に、あなたの配偶者が不適切な対応をした

不倫相手も既婚者である場合は、配偶者に対する慰謝料請求を誘発し経済的な損失を被るおそれがあることを踏まえた上で、慰謝料を請求するかどうか検討しましょう。

不倫相手に危害を加えられるおそれがある

不倫相手に危害を加えられるおそれがある場合は、慰謝料を請求するか慎重に検討しましょう。

感情的になった不倫相手が、暴力・暴言などの攻撃的な行動やストーカー行為をするおそれがあるためです。

不利な立場に立たされたときに、不安や恐怖から相手を攻撃してしまう人は少なからずいます。不倫相手が攻撃的な人であれば、配偶者だけでなくあなたや子どもも攻撃対象となって、危害を加えてくるかもしれません。

不倫相手に危害を加えられるおそれがある場合は、家族にも影響があるかもしれないことを踏まえた上で、慰謝料を請求するかどうか検討しましょう。

荒波を立てずに夫婦関係を修復したい

荒波を立てずに夫婦関係を修復したい場合は、慰謝料を請求するか慎重に検討しましょう。

慰謝料請求に対する不倫相手の反論の中には、あなたが知りたくなかった事実が含まれることもあります。

例えば、以下のような事実を不倫相手から知らされることが考えられます。

  • 配偶者が不倫相手に伝えていた愛の言葉
  • 配偶者が言ったあなたの悪口
  • 不倫相手との性交渉の詳細

婚姻生活を継続する場合は、傷ついた夫婦関係を修復する必要があるでしょう。配偶者との関係を修復したいと思っていても、不倫相手から知らされた事実が頭から離れず、配偶者に対する嫌悪感を払拭できないこともあります。

荒波を立てずに夫婦関係を修復したい場合は、この点を踏まえて、慰謝料を請求するかどうか検討しましょう。

慰謝料を請求しない場合に起こり得る3つのデメリット

慰謝料を請求しない場合に起こり得る主なデメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 不倫が再発しやすい
  • 心の整理をつけにくい
  • 被害回復の機会が失われる

以下で詳述します。

不倫が再発しやすい

慰謝料を請求しない場合に起こり得るデメリットとして、不倫が再発しやすいことが挙げられます。

不倫の当事者2人に反省を促せず、再び同じことを繰り返す可能性が高いためです。

不倫の責任を追及しない場合、「バレたところで痛くもかゆくもない」と思われても仕方がありません。不倫の当事者2人が事の重大さを認識しにくいため、ほとぼりが冷めたころに復縁したり、ほかの異性と不倫を繰り返したりすることも考えられます。

不倫相手に対して慰謝料を請求することで、さらなる不倫を抑止する効果が期待できます

心の整理をつけにくい

慰謝料を請求しない場合に起こり得るデメリットとして、心の整理をつけにくいことが挙げられます。

不倫をされた悲しみや怒りを発散できず、気持ちに区切りをつけにくいためです。

「不倫相手を懲らしめてやりたい」と思うのは当然の感情といえますが、法的に不倫の責任を取らせる方法は慰謝料請求しかありません。不倫相手の職場や友人に不倫の事実をバラしたり、不倫の事実をSNSで拡散したりすると、あなたが法的責任を問われるおそれがあります。

不倫相手に慰謝料を請求することで、配偶者の不倫にけじめをつけやすくなるでしょう。

被害回復の機会を失う

慰謝料を請求しない場合に起こり得るデメリットとして、被害回復の機会を失うことが挙げられます。

不法行為に基づく損害賠償は、金銭による補償が原則とされています。つまり、配偶者の不倫により被った精神的苦痛を補うための現実的な手段は、金銭的な補償です。慰謝料を請求しないという選択は、この金銭的補償を放棄することを意味します。

「不倫によって受けた苦しみや悲しみはお金をもらっても消えない」と今は思うかもしれません。しかし、以下のいずれか早い時点を経過すると、慰謝料請求権は時効により消滅します。

  • 不倫の事実と不倫相手を知った日から3年
  • 不倫をしたときから20年

時効期間が経過した後に「やっぱり請求したい」と思っても、慰謝料請求権そのものが消滅しているため、不倫相手に対して慰謝料を請求できなくなります。

慰謝料請求権が消滅する前に、請求するかどうか冷静に検討することをお勧めします。不倫慰謝料の消滅時効について、詳しくは「不倫慰謝料の消滅時効とは|民法改正による変更点」をご参照ください。

慰謝料を請求しない場合も講じるべき2つの対策

慰謝料を請求しない場合も講じるべき主な対策として、以下の2つが挙げられます。

  • 誓約書を取り交わす
  • 不倫の証拠を収集・保管しておく

以下で詳述します。

誓約書を取り交わす

慰謝料を請求しない場合も、誓約書を取り交わすことをお勧めします。

不倫相手と配偶者との不倫関係を解消する旨の誓約書を取り交わすことで、不倫の再発防止効果が期待できるためです。

誓約書には、以下のような内容を記載すると良いでしょう。

  • 不倫(不貞行為)の事実
  • 不倫関係を解消することの誓約
  • 今後二度と接触しないことの誓約
  • 不倫の事実を口外しない等の禁止行為
  • 違反した場合のペナルティ

誓約書は、不倫の証拠にもなり得ます。配偶者と離婚することになった場合も、有利な条件で離婚しやすくなるでしょう。

不倫の証拠を収集・保管しておく

慰謝料を請求しない場合も、不倫の証拠を収集・保管しておくことをお勧めします。

今後、「やっぱり慰謝料を請求したい」と思う可能性はゼロではないためです。

不倫の証拠として、以下のようなものを収集・保管しておくと良いでしょう。

  • 性交渉をしたことがわかるLINE・メッセージのやり取り
  • ラブホテルに出入りする写真・動画・ドライブレコーダーの記録
  • 裸や下着姿で2人きりでいることがわかる写真や動画

不倫の証拠があれば、慰謝料請求の交渉を有利に進めやすいです。証拠としては弱いものであっても、複数を組み合わせることで証拠として利用できる場合もあるため、証拠になりそうなものは保管しておきましょう。

不倫の証拠について、詳しくは「浮気・不倫の慰謝料請求で有効な証拠|LINEやメールだけでも請求できる?」をご参照ください。

慰謝料を請求するか悩んだら弁護士への相談をお勧め

慰謝料を請求するか悩んだら、弁護士への相談をお勧めします。

慰謝料請求すべきかどうかは、さまざまな事情を考慮して判断する必要があるためです。

弁護士に相談すれば、獲得し得る慰謝料額や証拠の選定など、あなたの状況に応じた適切なアドバイスをしてもらえるため、納得のいく判断がしやすくなります。

弁護士に慰謝料請求を依頼すれば、不倫相手との交渉や手続き等をすべて任せられます。あなたの時間的・精神的な負担が最小限で済むため、日常生活リズムを崩すことなく不倫問題を解決できるでしょう。

「不倫相手に慰謝料を請求しない方がいいのだろうか」「慰謝料請求しても金銭的に損することになるだろうか」などの悩みを抱えているなら、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

慰謝料請求を弁護士に依頼した場合に費用倒れを抑えるコツ

慰謝料請求を弁護士に依頼した場合に費用倒れを抑えるコツとして、主に以下の3つが挙げられます。

  • 無料法律相談を利用して複数の事務所の費用を比較する
  • なるべく早い段階で弁護士に相談する
  • 弁護士費用を支払っても利益が残る請求額を把握しておく

以下で詳述します。

無料法律相談を利用して複数の事務所の費用を比較する

無料法律相談を利用して複数の事務所の費用を比較することをお勧めします。

法律事務所の中には、WEBサイトに料金表を掲載している事務所も多くあります。しかし、獲得しうる慰謝料額の目安が分からなければ、弁護士費用が総額でいくらかかるのかご自身で判断するのは難しいことが多いでしょう。

弁護士費用の料金体系は、事務所によって大きく異なりますので、無料相談等を利用して、各事務所の対応やサービス内容を比較することが大切です。相談の際に、弁護士費用について説明を受けることも、全体的な費用感を把握する手助けになるでしょう。

着手金が低額でも、高額な報酬金が設定されている事務所もみられるため、なぜ安いのか理由を確認することが大切です。なお、弁護士費用は安ければ良いというものではありません。

なるべく早い段階で弁護士に相談する

なるべく早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。

早い段階で弁護士に相談すれば、余分な費用や時間をかけることなく、スムーズに請求できる可能性が高まるためです。

不倫相手に対する慰謝料請求はご自身でも対応できますが、相場を把握していないと、本来得られるはずの慰謝料よりも低い金額を提示して損をする可能性があります。交渉をスムーズに進められず訴訟に移行すると、経済的・時間的な負担がさらに増えます。

なるべく早い段階で弁護士に相談することで、経済的にも時間的にも最大限の利益を享受しやすくなるでしょう。

弁護士費用を支払っても利益が残る目安を把握しておく

弁護士費用を支払っても利益が残る金額の目安を把握しておくことをお勧めします。

不倫相手から慰謝料を獲得できても、弁護士費用が慰謝料額を上回ると、依頼した意味がなくなります。

ご自身のケースで、いくらぐらいの慰謝料を獲得できる見込みがあるか、その場合に弁護士費用がいくらくらいかかるのかを把握できれば、費用倒れの心配を軽減できるでしょう。

弁護士費用を支払っても利益が残るかどうかを把握できれば、弁護士へ依頼すべきかどうか判断しやすくなります

まとめ

不倫相手に対する慰謝料請求は、あなたが置かれている状況によってはしない方がいい場合もあります。しかし、慰謝料を請求しないデメリットもあるため、慎重な判断が求められます。

慰謝料を請求するかどうか悩んだら、弁護士に相談することをお勧めします。あなたの状況に合わせた、適切なアドバイスをもらえるでしょう。

「不倫相手に慰謝料を請求したいけど、しない方がいい?」との悩みを抱えているなら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。弊所は、不倫問題に関する累計15,000件を超えるお問い合わせをお受けしているため、多くの解決ノウハウを有しています。

経験豊富な弁護士が、あなたの状況に合わせた適切な対応をアドバイスいたします。初回相談は30分無料です。お問い合わせはLINE・メールで24時間受け付けております。ぜひお気軽にご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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