更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2024年11月14日 (木)

鈴木紗理奈さんの文春記事から既婚者と知らなかった・騙され不倫を考察

鈴木紗理奈さんの文春記事から既婚者と知らなかった・騙され不倫を考察 鈴木紗理奈さんの文春記事から既婚者と知らなかった・騙され不倫を考察

サマリー

タレントの鈴木紗理奈さんが、妻子ある男性と交際していたことを、2024年11月14日発売の週刊文春(文芸春秋)が報じました。週刊文春による報道を受け、鈴木紗理奈さんが交際相手の既婚事実を知らずに交際していたと主張している点について注目が集まっています。

不倫関係において、既婚者と知らずに交際していた場合でも法的責任が問われるのか、疑問に思う方も多いでしょう。

そこで、本コラムでは、鈴木紗理奈さんのケースを参考に、既婚者と知らずに交際した場合の法的リスクや責任の範囲を考察します。

騙され不倫!?鈴木紗理奈さんは法的責任を負うのか

鈴木紗理奈さんが不倫慰謝料などの法的責任を負うかどうかは、交際相手が既婚者であることを過失なく知らなかったと認められるかどうかにかかっています。
具体的には、相手が既婚者であると知り得る状況がなかったか他の人が同じ立場に置かれたとしても気づくのは難しかったといえるかが判断のポイントとなるでしょう。

不倫による慰謝料請求が認められるためには、不貞行為(既婚者との肉体関係)について故意または過失があったことが必要です。
つまり、鈴木紗理奈さんが、相手が本当は既婚者であると知って交際を継続していた場合は、故意があったとして法的責任が生じます。既婚者だと知らなかった場合でも、交際相手の言動や周囲の状況から既婚者だと気づける状況にあったのに、疑問を抱くべき時に疑いを抱かなかったり、見逃したりした場合は、過失があったとして責任を負う可能性もあります。

したがって、鈴木紗理奈さんが“騙され不倫”の法的責任を負うかどうかは、鈴木さんは本当に相手が既婚者と知らなかったのか、本当に知らなくてもその認識が社会通念上相当といえるかがネックになるでしょう。

鈴木紗理奈さんのケースからみる過失の有無の判断基準

それでは、鈴木紗理奈さんのケースを通して、交際相手が既婚者であることを過失なく知らなかったといえるには、具体的にどのような点が判断基準になるのかを考えてみましょう。
交際相手が既婚だと知らなかったことに過失があるかどうかは、以下のような要素をもとに総合的に判断されます。

交際開始の経緯

交際を始めたきっかけや状況は、過失の有無を判断する要素の一つとなります。

例えば、独身者限定のマッチングアプリやお見合いパーティーなどで出会い、相手が独身だと偽っていた場合、それを信じたことに落ち度がないと判断される可能性があります。

鈴木紗理奈さんの場合、約1年前に知人を通じて知り合い、共通の趣味であるゴルフを通じて親密になったと報じられています。
この場合、過失の有無を判断する際には、知人は鈴木さんの交際相手が既婚だと知っていたかどうか鈴木さんが知人を通じて交際相手についてどのような情報を得ていたのかなども過失の有無を判断する要素となるでしょう。

交際相手からの説明

交際相手が積極的に独身と偽っていたかどうか等も判断要素の一つとなります。

例えば、鈴木さんが交際相手に事実を確認したのに、相手から繰り返し「独身」と嘘をつかれていた場合には、鈴木さんに過失がないと認定される余地があるでしょう。

相手が既婚の事実を隠したまま交際を継続していたとしても、鈴木さんが既婚者であると薄々気づいていた、あるいは疑いながらも本人への確認を怠った場合には、過失が認められる可能性が高くなります。

なお、鈴木さんは男性から「離婚した。」と説明されており、「不倫はあり得ない。」と涙目で語ったと報じられていいます。この相手の発言を信じるに足る合理的理由偽造した協議離婚合意書や戸籍等を見せられた等)がある場合には、鈴木さんの過失は否定される可能性が高いでしょう。

鈴木さんの「不倫はあり得ない。」とのコメントは、彼女が「不倫は絶対にしたくない。」という意思を有しているようにも解釈できます。仮に鈴木さんが交際相手に対して「不倫は絶対しない。」と明確な意思を示していたにもかかわらず、交際相手が何度も独身だと嘘をついていたのであれば、交際相手の態様が悪質として、鈴木さんの過失を否定する一つの要素になる可能性もあるでしょう。

騙されていた側の年齢・社会経験

独身と騙されていた側の年齢や社会経験も過失の有無の判断に影響します。

例えば、交際相手から「妻と離婚するから、結婚して欲しい。」と言われた場合でも、年齢や社会経験が豊富であれば、それが自分の歓心を惹くための甘言だと見抜けたはずだろうと判断される可能性が高くなります。騙された側が未成年社会経験が乏しい場合などには、独身と信じ込んだことに落ち度がないと判断されやすいです。

鈴木さんは、現在47歳で、結婚・離婚を経験しています。この年齢と社会経験を踏まえると、交際相手の言動に対して慎重に対処できる立場にあると評価される可能性があります。結婚・離婚を経験したことから、パートナーシップに関する一定の理解や感覚を持っており、交際相手の発言や行動に対して疑念を抱ける分別もあると考えられるでしょう。

したがって、鈴木さんが交際相手の「離婚した。」との言葉をどのように受け止め、それが事実であるかを確認するためにどのような行動を取ったかが、過失の有無に影響を与え可能性があるでしょう。

日常的な行動・生活の状況

交際相手との接触頻度や、交際相手の行動パターンに矛盾がなかったかも判断要素の一つとなります。

例えば、交際相手が一緒にいる時間を限定したり、特定の曜日や時間帯にしか会わなかったりする場合は、疑念を持つ余地があったと判断されることもあります。

鈴木さんは、交際相手と都内のタワーマンションで半同棲の状態であったと報道されています。
2人がどれだけの時間を一緒に過ごしていたかはわかりませんが、男性は名古屋に妻子がいると報道されており、同棲中のマンションに居ない間の交際相手の生活拠点や行動に何ら疑念を挟まなかったのか、という点が過失の有無を判断する重要な要素になるかもしれません。

以上のような要素から、相手が既婚者であることを知っていた、あるいは知り得る立場にあったと判断された場合、たとえ交際相手から独身であると聞いていたとしても、法的責任を問われるリスクが生じることもあります。

鈴木紗理奈さんのように、独身と信じて交際していた場合でも、個別具体的な状況によって法的判断が分かれるため、慎重な対応が必要です。
もっとも、鈴木さんの所属事務所が「もう(男性と)連絡も取っていないようだ」と述べていることから、鈴木さんは交際相手が既婚者であることを知った時点で関係を解消した可能性が高いと読み取れます。鈴木さんが、交際相手が既婚者であることを認識した後、すぐに関係を終わらせたのであれば、慰謝料を減額する事情として考慮される可能性はあるでしょう。

文春記事に書かれていない事情次第では法的責任を免れる可能性も

週間文春の記事では、鈴木さんの交際相手に妻子がいることが報じられていますが、男性の夫婦関係について詳細は述べられていません。この隠れた情報が、鈴木さんの法的責任を免れる可能性に影響を与える要素となるかもしれません。

仮に、交際開始時点で相手男性の夫婦関係がすでに破綻していた場合、鈴木さんに不倫慰謝料の義務は発生しません。
不貞行為によって侵害されるのは、平穏な夫婦生活を送る権利や利益であり、夫婦関係が既に破綻している場合、この守られるべき権利や利益は存在しないと考えられるからです。

具体的には、相手夫婦に次のような事情が存在する場合、夫婦関係が破綻していると判断され、不倫慰謝料の請求を退けられる可能性があります。

  • 夫婦双方が離婚に合意して具体的な手続きを進めている
  • 別居期間が相当長期間に及んでいる

相手男性に、これらの事情があれば、鈴木さんが法的責任を免れる可能性が高まります。

もっとも、夫婦関係が破綻しているかどうかは、法律の考え方や裁判例の傾向を理解していないと難しい側面もあるため、鈴木さんのケースと同じように、相手が既婚者と知らずに交際していた場合には、弁護士への相談をおすすめします。

まとめ

交際相手が既婚者であることを知らずに関係を続けていた場合、法的責任が生じるかどうかはケースバイケースです。既婚者と知らなかったことに過失があったかどうかは、交際開始の経緯や交際相手の言動、ご自身の年齢や社会経験など多くの要素を総合的に考慮して判断されます。

交際相手が既婚であることを過失なく知らなかったと評価できる場合には、法的責任を負う可能性は低くなるでしょう。過失が認められる場合でも、既婚者と知った後すぐに関係を解消すれば、慰謝料を減額できる可能性もあります。

したがって、鈴木さんのようなケースでは、個別の事情を踏まえた法的検討が必要です。

既婚者と知らずに交際したことで、相手配偶者から慰謝料を請求され、辛い思いや不安な気持ちを抱えておられる方は、ネクスパート法律事務所にご相談ください。あなたに寄り添い、より良い解決をサポートします。

※本コラムは、鈴木紗理奈さんに対する非難や擁護を目的としたものではなく、不倫における責任の可能性について、一般的な法的観点から検討した内容です。
何卒ご理解のほど賜りますようお願い申し上げます。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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