更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2024年5月23日 (木)

セックスレスが原因で不倫してしまい慰謝料請求された場合の対処法

セックスレスが原因で不倫してしまい慰謝料請求された場合の対処法 セックスレスが原因で不倫してしまい慰謝料請求された場合の対処法

サマリー

セックスレスとは、日本性科学会が定義したところによると、夫婦やカップルにおいて特別な事情がないにもかかわらず、性行為やセクシュアルコンタクトが1か月以上ない状態をいいます。

セックスレスでも夫婦円満であれば問題ありませんが、どちらか一方の性欲が満たされていない場合、性欲を満たすために不倫してしまうケースも少なくありません。
セックスレスが原因だから不倫しても仕方がない、慰謝料を請求されても拒否すればいいなどと考えていませんか?

この記事では、セックスレスが原因で不倫して慰謝料を請求された場合の支払義務の有無や対処法などを解説します。
セックスレスが原因で不倫してご自身の配偶者から慰謝料を請求されたら、ぜひチェックしてみてください。

慰謝料請求された!セックスレスが原因で不倫した場合も支払うべき?

セックスレスが原因で不倫した場合も、ご自身の配偶者から慰謝料を請求されたら、原則として慰謝料を支払う義務を負います。

配偶者に性交渉を拒否されたことを理由に、不倫慰謝料の支払いを拒否することは、原則できません

ただし、不倫をする前からセックスレスが原因で婚姻関係が破綻していた場合は、慰謝料請求を拒否できる可能性があります。

以下で、セックスレスを原因とした不倫でも慰謝料の支払義務が発生する理由を解説します。

セックスレスを原因とした不倫でも慰謝料の支払義務が発生する理由

セックスレスを原因とした不倫であっても、不倫は不法行為に該当するため、慰謝料の支払義務が発生します

夫婦には貞操義務があるため、配偶者以外の異性と肉体関係を持つことは、貞操義務違反となり、他方配偶者に対する不法行為に該当します。民法709条の規定により、不法行為を行えば加害者は被害者に対して損害を賠償する責任が生じます。

セックスレスが原因であったとしても、不倫は不法行為に該当するため、原則として慰謝料を支払う必要があります。

慰謝料請求を拒否しうる2つのケース

セックスレスが原因で不倫していまい、ご自身の配偶者から慰謝料を請求された場合、状況によっては請求を拒否できる可能性があります。慰謝料請求を拒否できる主なケースは、以下の2つです。

  • 不倫前から婚姻関係が破綻していた場合
  • 配偶者に容認されて性風俗店を利用した場合

以下で詳しく解説します。

不倫前から婚姻関係が破綻していた場合

不倫前から婚姻関係が破綻していた場合、原則として慰謝料請求を拒否できます

婚姻関係が破綻していた場合、守るべき婚姻共同生活の平穏が存在しないため、特段の事情がないかぎり慰謝料の請求は認められません。

ただし、不倫前から婚姻関係が破綻していたことが認められるかどうかは、さまざまな事情を総合的に考慮して判断する必要があるため、法的知識が必要になります。

ご自身での判断が難しい場合は、弁護士へ相談することをおすすめします。

配偶者に容認されて性風俗店を利用した場合

配偶者に容認されて性風俗店を利用した場合、慰謝料請求を拒否できる可能性があります

例えば、あなたの妻が「セックスしたくないから、風俗に行って。」と、性風俗店の利用を許可していた場合などです。セックスを拒否した配偶者が、もう一方の配偶者に対し、真に性風俗店の利用を認める言動をしている場合には、慰謝料は発生しないと考えられます。性風俗店の利用回数が1回だけである場合も、慰謝料請求を拒否できる可能性があります。

ただし、実際には、不法行為の成立を否定するほどの容認が本当にあったのか、疑問が残るケースが多いと思われます。そもそも、慰謝料請求をしている時点で、配偶者はその容認を自ら覆しているのですから、通常は「風俗の利用を認めたのは、本心ではなかった」との主張が伴うはずです。

配偶者に性風俗店の利用を容認されたことが証拠上明らかではない場合慰謝料請求を拒否できない可能性があります。

セックスレスで婚姻関係の破綻が認められるかどうか判断された判例

セックスレスで婚姻関係の破綻が認められるかどうか判断された判例を紹介します。

既婚女性である原告が、自身の夫と不倫相手が肉体関係を持ったことで精神的苦痛を被ったとして、不法行為に基づく慰謝料等の支払いを、夫と不倫相手に求めた事例です(東京地方裁判所平成23年2月17日判決)。

原告と夫は約6年2か月以上もの間、性交渉が持たれていませんでした。この点について、裁判所は、通常の夫婦としては極めて不自然であるといわざるを得ないが、原告の誕生日の祝いをしており、性交渉がないことを除き通常と夫婦と異なった面があったとは認めることができないと判断しました。

長期間性交渉がなかったとしても、夫と不倫相手が肉体関係を持った時点で婚姻関係が破綻していたと判断することはできないとし、不法行為による原告の精神的苦痛に対する慰謝料として90万円の支払いを命じました。

セックスレスだったという事情だけでは、婚姻関係の破綻が認められる可能性は低いといえます。

セックスレスを原因とした不倫で高額な慰謝料を請求された場合の対処法

セックスレスを原因とした不倫で高額な慰謝料を請求された場合の主な対処法は、以下の2つです。

  • セックスレスを理由に減額交渉をする
  • 交渉のプロである弁護士に相談する

以下で詳しく解説します。

セックスレスを理由に減額交渉をする

セックスレスが原因で不倫をしてしまった場合、セックスレスを理由に減額交渉ができる可能性があります。

夫婦生活における性交渉は、婚姻の基本となるべき重要事項とした判例があります。

もっとも、性交渉がないからといって、婚姻関係の破綻が認められるわけではありませんが、不倫をされた側が性交渉を拒否し続けていた場合などには、セックスレスは慰謝料の減額要素となり得ます。

不倫慰謝料の相場はそれぞれの状況により異なりますが、50300万円程度です。不倫の期間や回数、不倫相手が妊娠・出産したなどの増額事由がある場合、高額の慰謝料が認められることがあります。

増額事由がないにもかかわらず高額な慰謝料を請求されたら、セックスレスを理由として減額交渉できるかもしれません。

交渉のプロである弁護士に相談する

セックスレスを原因とした不倫で慰謝料を請求されたら、弁護士への相談も検討しましょう

慰謝料請求への対応は、ご自身でもできますが、状況をより悪化させる対応をしてしまうおそれがあります。支払いを拒否できる慰謝料の支払いを認めてしまったり、つい感情的に対応してしまい反省の態度がみられないとして慰謝料を増額されたりする可能性があるためです。

交渉のプロである弁護士に相談することで、スムーズな減額交渉だけでなく、早期解決も期待できます。セックスレスは夫婦のプライベートな問題なので第三者に相談しづらいですが、弁護士には守秘義務があるため、安心して相談できます

まとめ

セックスレスが原因で不倫をしたことで、ご自身の配偶者から慰謝料を請求されたら、状況により慰謝料を拒否できる場合や慰謝料を減額できる場合があります。

冷静な判断法的知識が必要になることもあり、離婚の協議に進むこともあるため、ご自身での対応に不安を感じたら、弁護士に相談することをおすすめします。

ネクスパート法律事務所は、初回相談が30分無料です。お気軽にあなたの悩みをご相談ください。解決に向けて、全力でサポートいたします。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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