更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2024年6月24日 (月)

キスだけで浮気になる?既婚者とキスだけの関係を続けるリスクを解説

キスだけで浮気になる?既婚者とキスだけの関係を続けるリスクを解説 キスだけで浮気になる?既婚者とキスだけの関係を続けるリスクを解説

サマリー

あなたは今、既婚者とキスしてしまったけど浮気になるのかな、との不安を抱えモヤモヤしていませんか。

浮気には明確な定義があるわけではありません。そのため、どこからが浮気になるかは人によって異なります。2人きりでデートをしたら、手を繋いだら、キスやハグをしたらなど、浮気のボーダーラインには個人差があるため、カップル間で波風が立ちやすい問題といえます。

浮気相手が独身者であれば、本命の彼との関係を修復できない場合もありますが、カップル間の話し合いで解決できる可能性が高いでしょう。
しかし、浮気相手が既婚者だった場合は、相手配偶者に不倫と判断されて、不倫慰謝料を請求されるおそれがあります。

この記事では、キスだけで浮気になるのか、既婚者とキスしたら慰謝料請求の対象になるかなどについて解説します。

既婚者とキスやハグしたら浮気・不倫(不貞行為)になる?

既婚者とキスやハグをしただけでは、法律上の不貞行為には該当しません

不貞行為とは、配偶者以外の人と自由な意思に基づいて性的関係を結ぶことです。性的関係には、セックスのほかオーラルセックスなどの性交類似行為も含まれます。

性行為もしくは性交類似行為があった場合に不貞行為は成立します。そのため、既婚者とキスやハグをしただけでは、原則として不貞行為にはなりません。

不貞行為じゃないなら既婚者とキス・ハグをしても慰謝料は発生しない?

肉体関係がなくても、慰謝料の支払い義務を負うことがあります。

肉体関係がなくてもそれに比肩すべき不信行為があれば、配偶者に対する不法行為となり得ると考えられているからです。

既婚者とキスやハグをした場合に慰謝料が発生するかどうかは、それぞれの事情に異なります
既婚者とキスやハグをした場合に慰謝料が認められる主なケースとして、以下の2つのケースが挙げられます。

  • 不貞行為の存在は否定されてもキスやハグだけで慰謝料が認められることがある
  • キスやハグが不貞行為を推認するとして慰謝料が認められることもある

以下で、既婚者とキスやハグをして慰謝料が認められた判例を交えて詳しく解説します。

不貞行為の存在は否定されてもキスやハグだけで慰謝料が認められることがある

不貞行為の存在は否定されても、キスやハグだけで慰謝料が認められる可能性があります

キスやハグだけで性的関係がない場合、原則として不貞行為には該当しません。ただし、既婚者とキスやハグだけの関係であっても、相手配偶者の平穏な夫婦生活を送る権利や利益を侵害する行為と判断されると、慰謝料を支払わなければならない可能性があります

不貞行為の存在は否定されてもキスやハグだけで慰謝料が認められた、以下の2つの判例を紹介します。

既婚者との交際として社会通念上許容される限度を逸脱していると判断された事例

原告が、被告と原告の夫の不貞行為により婚姻関係が破綻したとして、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案です。

裁判所は、被告と原告の夫に肉体関係が存在していたとまでは認められないものの、抱き合ったり、キスをしたりしていたほか、原告の夫が服の上から被告の体を触った事実は、配偶者のある異性との交際として社会通念上許容される限度を逸脱しているものと判断し、被告に対して、慰謝料50万円の支払いを命じました(東京地裁平成28年9月16日判決)。

婚姻を継続し難い重大な事由の発生に加担したものと判断された事例

原告が、被告と原告の夫の不貞行為により婚姻関係が破綻したとして、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案です。

裁判所は、被告と原告と夫に性的肉体的交渉自体は認められないとしたものの、被告が原告の夫に別居及び離婚を要求し、キスをした事実は、原告夫婦の離婚原因となる婚姻を継続し難い重大な事由の発生に加担したものであると判断し、被告に対して、慰謝料250万円の支払いを命じました(東京地裁平成20年12月5日判決)。

キスやハグが不貞行為を推認するとして慰謝料が認められることもある

キスやハグが不貞行為を推認させるものとして慰謝料が認められる可能性もあります

キスやハグをしただけであれば不貞行為には該当しませんが、その態様や他の状況証拠から性的関係もあっただろうと判断されることがあるためです。性的関係もあっただろうと判断された場合、不倫慰謝料を支払わなければならない可能性があります。

キスやハグが不貞行為を推認するとして慰謝料が認められた、以下の2つの判例を紹介します。

キスをよくするほど親密な2人のホテル宿泊は性行為に至ったと推認するのが相当とした事例

原告が、被告と原告の妻が不貞行為をしたとして、不法行為に基づく損害賠償金を求めた事案です。

裁判所は、被告と原告の妻が体を密着させキスをよくする程度にまで親密度を高めていたと認めた上で、性行為に至ってもおかしくない関係にある二人がホテルで一夜を共にしたのは行為が可能な場を設けたといえるため、性行為に至ったと推認するのが相当であると判断し、被告に対して、慰謝料120万円の支払いを命じました

この事案では、不貞行為によって生ずべき損害として、慰謝料のほかに弁護士費用12万円の支払いも認められています。(東京地方裁判所令和3年7月20日判決)

キスや下着姿で寄り添う行為が性行為を含む親密な男女関係を強く推認させるとした事例

原告が、被告と原告の元夫が不貞関係にあったとして不法行為に基づく慰謝料を求めた事案です。

裁判所は、被告と原告の元夫が多数回の外出や互いの自宅でデートを重ねていたことから相当に親密な関係であったことが推認されるとした上で、元夫の自宅においてキスをし、下着姿で横たわって顔を寄せ合うなどの親密な接触行為等を写真に収める行為は、性行為を含む親密な関係を有する男女でなければ通常行わない行為であるから、被告と原告の元夫が不貞行為にあったことが強く推認されると判断し、被告に対して、慰謝料200万円の支払いを命じました

この事案では、不貞行為によって生ずべき侵害として、慰謝料のほかに弁護士費用20万円の支払いも命じられています(東京地方裁判所令和2年9月24日判決)。

キス・ハグだけの浮気・不倫関係を続ける危険性

キス・ハグだけの浮気・不倫関係を続ける危険性として、主に以下の2つが挙げられます。

  • エスカレートして不貞行為に発展するおそれがある
  • 不貞行為がないことを証明するのは難しい

以下で、詳しく解説します。

エスカレートして不貞行為に発展するおそれがある

キス・ハグだけの浮気・不倫関係を続ける危険性として、エスカレートして不貞行為に発展するおそれがあることが挙げられます。

最初はキス・ハグだけの交際であっても、次第に行為がエスカレートし、いずれ肉体関係を持つ可能性が高いでしょう。不貞行為は、平穏な夫婦生活を送る権利や利益を侵害するため、不法行為に該当します。キスやハグだけの交際からエスカレートして不貞行為に発展した場合、配偶者から不倫慰謝料を請求される可能性は高まります。

不倫関係は、さまざまなリスクを伴う危険な行為です。不倫(不貞行為)による慰謝料を請求され経済的に困窮するだけでなく、これまでに築き上げてきたキャリアや大切な友人をも失ってしまうかもしれません。

不倫(不貞行為)がもたらすリスクについては、「不倫を続けるか悩んだら確認すべき不倫がもたらす5つのリスク」をご参照ください。

不貞行為がないことを証明するのは難しい

キス・ハグだけの浮気・不倫関係を続ける危険性として、不貞行為がないことを証明するのは難しいことが挙げられます。

キスやハグをする関係であれば、肉体関係もあるのではないかと疑われる可能性は高いといえます。もっとも、肉体関係があったことは慰謝料を請求する側が立証責任を負いますが、肉体関係がなかったというあなたの主張を裏付ける根拠がなければ、相手配偶者との交渉が難航したり、裁判官に誤った心証を与えたりするおそれがあります。

浮気相手とはキスやハグだけの関係で、不貞行為がないのに相手配偶者から慰謝料を請求された場合は、早期に弁護士に相談・依頼し、アドバイスをもらうことをおすすめします。

不貞行為がないのに不倫慰謝料を請求された場合に弁護士に相談・依頼する主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 個々の状況に合わせた適切なアドバイスをもらえる
  • 相手配偶者との交渉を一任できる
  • 早期解決が期待できる

肉体関係がないのに慰謝料を請求された場合の対応方法については、「不貞行為なしで慰謝料請求された!あなたの危険度チェックと8つの裁判例」をご参照ください。

まとめ

キスやハグだけの関係で不貞行為がなくても、既婚者と浮気している場合は、不倫慰謝料の支払い義務が発生するおそれがあります。

セックスはしていないから不倫じゃないし大丈夫、と軽い気持ちで既婚者と交際していませんか?キスやハグだけの関係であっても、既婚者との交際は大きなリスクを抱えています。大きなトラブルを招く前に、今すぐ関係を解消することをおすすめします。

既婚者との交際が法的トラブルに発展したら、それぞれの状況に合わせた適切な対応をする必要があります。早期に解決するためにも、早い段階で法的知識が豊富な弁護士に相談することをおすすめします。

ネクスパート法律事務所は、初回相談が30分無料です。あなたの悩みや不安を、不倫問題に精通した弁護士にご相談ください。トラブル解決に向けて、全力でサポートいたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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