特別な理由はないけれど、これ以上配偶者と一緒に生きていきたくないと離婚を考える方は少なくありません。

この記事では、相手に非がなくても離婚ができるかどうか、その際に離婚を進めていくポイントについて解説します。

相手に非がなくても離婚はできるか?

相手に非がなかったり、不貞行為やDVなどの特別な理由がなかったりしても、夫婦双方が合意すれば離婚はできます

ただし、·裁判で離婚を認めてもらうには、法定離婚事由が必要です。

協議や調停で合意に至れば離婚できる

夫婦間の協議や調停で離婚に合意できれば、相手に非がなくても離婚できます。

配偶者に対して離婚を切り出し、話し合いで離婚をするかどうか、どのような条件で離婚をするかなどを決めます。これを協議離婚といいます。

話し合いで決着がつかず、家庭裁判所に離婚調停を申立てた場合、調停委員を介して話し合いが進みます。
調停でも、基本的に話し合いで合意を目指します。双方が合意できれば離婚は成立します(調停離婚)。

裁判では原則として法定離婚事由がなければ離婚できない

離婚裁判になった場合は、法定離婚事由に当てはまらなければ、離婚が認められる可能性が低くなります。

「特に理由はないけれど離婚したい…。」と考えるなら、本当に離婚を考えた具体的なきっかけや理由はないか、もう一度考えてみましょう。

民法で定められている法定離婚事由は、以下のとおりです。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 回復の見込みのない強度の精神病
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由

相手に非がない場合に離婚を進める4つのポイントとは?

相手に非がない場合に、離婚を進める4つのポイントは、以下のとおりです。

なぜ離婚をしたいか明確な理由をまとめておく

なぜ離婚をしたいか、明確な理由をまとめましょう。

相手も唐突に離婚を切り出されると戸惑う可能性が高いです。

簡単に離婚に合意してくれるとはかぎりません。離婚したい理由を具体的に挙げれば、相手を納得させられるかもしれません

例えば結婚生活を送る中、以下のような出来事がありませんでしたか?

  • ずいぶん前のことだが配偶者の不貞行為があった。本人も反省して二度としないと言っていたし、当時は子どものためを思って許したが、心のどこかでモヤモヤしていた。
  • 夫婦共働きなのに、圧倒的に家事・育児の負担割合が相手よりも多い。でも決して非協力的ではないので、文句をいうレベルではない。家事や育児を手伝った時に「やっておいたから」とアピールするのにずっとイライラしてきた。
  • 配偶者の実家が近いため、いつも実家に入り浸っている。たまに帰る分には許せるが、結婚したのだから実家の親に頼るのはほどほどにしてほしい。
  • 配偶者の両親と折り合いが悪い。頻繁に連絡してくる上に生活に口を出してくるので、気が重い。それを黙って受け入れている配偶者も理解できない
  • 配偶者が子育てや家庭内のことに無関心すぎる。話を聞いてもらえないだけでなく価値観も合わない。コミュニケーションがうまくとれないので、なんのために結婚したのかわからない。
  • そもそも結婚前からそんなに好きではなかった。年々、その気持ちが大きくなり一緒に生活するのが苦痛になった。

理由が明確になったら、感情的にならず、冷静に離婚の意思を伝えましょう。

相手の人格や結婚生活そのものを否定するような言葉は避け、自分の気持ちや希望を率直に伝えることが大切です。

財産分与等譲歩できる点を考える

どれだけ考えても相手に非がないと思われる場合には、財産分与等で、ある程度譲歩できないか考えましょう

財産分与は、基本的に婚姻期間中に築いた夫婦共有の財産を2分の1ずつ分け合います。

相手が離婚になかなか合意してくれないなら、財産分与を2分の1ずつではなく相手に多く渡すなど、譲歩できる点はないか考えてみましょう。

別居の準備をする

一定期間別居をすれば、夫婦関係が破綻していると認められるケースがありますので、別居の準備をしましょう。

ただし、配偶者に黙って家を出てはいけません
夫婦には同居義務がありますので、一方的な別居は悪意の遺棄にあたると主張され、離婚交渉が不利になるおそれがあります。

配偶者に対して、「少し距離を置いて一人で考えたい。」など、別居したい理由を述べて、別居の準備を進めましょう。

別居先が実家であれば問題ありませんが、部屋を借りる場合は、敷金・礼金、引っ越し代金などある程度まとまったお金が必要になります。

離婚をするか迷っているものの、いったん一人になって冷冷静に考える時間が欲しい場合は、あらかじめ別居期間を決め、自宅に戻る可能性を考慮すると良いでしょう。そのような場合、家電や家具が備わっているウイークリーマンションを利用するといいかもしれません。

離婚を前提に別居し、自宅に戻らない覚悟があるなら、敷金・礼金、引っ越し代金などまとまったお金を用意しておきましょう。

解決金を用意する

相手に非がなく離婚をする場合、解決金を支払って納得してもらうケースがあります。

現金が手もとにない場合は、財産分与をする時点で折り合いをつける方法もあります。

相手が離婚に合意しない場合は弁護士に相談を

相手が離婚に合意してくれない、相手にどうやって切り出せばいいのかわからない場合は、弁護士に相談をしましょう。

相手に非がないのに離婚話を切り出すのは、タイミングが難しいです。離婚話を切り出したとしても相手が動揺して、話し合いにならない可能性があります。

これまで不満に思っていたことを感情に任せて相手にぶつけるのはよくありません。「最初から好きではなかった…。」など、相手や結婚生活全体を否定するような言葉をストレートにぶつけると、話がよけいにこじれる可能性があります。

そうしたことを避けるために、弁護士を代理人にして離婚交渉をしたほうがよいケースがあります。

まとめ

相手に非がないけれど離婚したいと考える人は、本当に離婚したいと考えるきっかけがなかったかどうかもう一度よく考えてみましょう。

子どものことを考えたり、経済的なことを考えたり、親を心配させたくないと考えたりして、配偶者に対して抱いた違和感を心の奥底に押し殺していないでしょうか?

離婚を考える背景には、何か大きなきっかけが隠れていることが多いので、相手に離婚を切り出す前に自分の心の中を整理してみましょう。

離婚したい考えが頭から離れないのであれば、早めに弁護士に相談をしましょう。
相手に非がない場合は、話し合いが難航するおそれがありますし、言わなくていい言葉を感情にまかせて言ってしまうかもしれません。そういうことを避けるためにも、弁護士に代理人になってもらうのがよいです。

ネクスパート法律事務所には、離婚全般に強い弁護士が在籍しています。初回相談は30分無料となりますので、お気軽にお問い合わせください。