交通事故でリハビリ通院したら請求できる?賠償金と注意点を解説

交通事故のリハビリ通院 賠償額と注意点

交通事故後のリハビリ通院は、怪我の回復を促し後遺症を軽減するための大切なプロセスです。しかし、「リハビリ通院にかかった費用や慰謝料は請求できるのだろうか」と疑問に感じる方は多いでしょう。
リハビリは身体機能を回復させるための正当な治療行為ですから、治療費や慰謝料、休業損害などの損害賠償金の請求対象です。
しかし、通院の仕方や保険会社への対応を誤ると、本来もらえるはずの損害賠償金が減額されたり、治療費を早期に打ち切られたりするおそれがあります。「整骨院に毎日通ったのに慰謝料が認められなかった」「知識がなかったために自費負担になった」などのケースは少なくないため、正しい情報を押さえることが重要です。
この記事では、リハビリ通院で請求できる賠償金の内訳や計算方法、治療費打ち切りの打診を受けた場合の対処法などをわかりやすく解説します。
損をしないための通院ルールや損害賠償金の増額のポイントなどもお伝えしますので、ぜひご一読ください。

目次

交通事故におけるリハビリと賠償金の基本

この章では、交通事故におけるリハビリと損害賠償金の基本を解説します。
リハビリ通院が法的にどのように扱われ、どのようなお金を請求できるのか、基本を押さえましょう。

リハビリ通院は入通院慰謝料の支払い対象

リハビリ通院は入通院慰謝料の支払い対象です。
交通事故のリハビリ期間は、入通院慰謝料算定の基礎となる入通院期間に含まれるためです。
入通院慰謝料とは、交通事故による怪我の治療のために入院や通院を強いられた精神的苦痛に対して支払われる金銭です。
リハビリ(物理療法や運動療法など)は、事故による機能障害を改善するための医学的な治療行為とみなされます。そのため、診察だけでなくリハビリのために通院した日数も慰謝料計算に反映されます。
リハビリは後遺症を防ぐための大切なプロセスです。医師の指示によりリハビリ通院した場合はその日数も入通院日数として扱われるため、慰謝料の請求対象です。
リハビリ通院の日数を積み上げることで、より多くの慰謝料を受け取れる可能性があります。通院記録の管理や診療明細の保管をきちんと行いましょう。
入通院慰謝料の計算方法については、以下関連記事で詳しく解説しています。

交通事故慰謝料の計算方法を詳しく解説【入通院・障害・死亡別】

慰謝料だけじゃない!リハビリ通院で請求できる5つの賠償金

リハビリ通院で請求できる損害賠償金は、慰謝料だけではありません。
リハビリ通院をした場合に請求できる費目は、以下の5つです。

費目内容備考
治療費診察料、リハビリ料、投薬料など治療のためにかかった実費のうち必要性かつ相当性があるもの。
通院交通費通院のためにかかった交通費電車、バスなどの公共交通機関の利用料金を基準に算出するのが原則。
入通院慰謝料通院を強いられた精神的苦痛への賠償通院期間と日数で算定するのが原則。
休業損害通院のための休業や不十分な就労による減収分現実に得られなかった収入が補償される。家事従事者も請求可能。
装具・器具費コルセットや松葉杖などの購入費医師が必要と認めた場合に限る。

これらの項目を見落とすと、本来受け取れるはずの損害賠償金を受け取れなくなるおそれがあります。
特に、通院交通費は、電車やバスなどの公共交通機関の利用料金を基準に算出するのが原則ですが、医師の指示がある場合や公共交通機関の利用が困難な場合はタクシー料金が認められることもあります。
リハビリ通院をするために自費負担が発生する際は、その都度メモし、明細や領収書などの資料を保管しておくとよいでしょう。

注意|症状固定後は原則として賠償金の支払い対象外

症状固定後は原則として賠償金の支払い対象外です。
症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めない状態のことです。
症状固定後は、原則として治療費や入通院慰謝料の請求は認められません。
もっとも、後遺障害が残った場合は後遺障害等級が認定される可能性があり、その場合は別途後遺障害慰謝料逸失利益を請求できます。
タイミングを誤って早期に症状固定を受け入れると、充分な補償が受けられないおそれがあります。保険会社から早期に症状固定を促されることもありますが、治療効果の有無を医師と話し合い、本当に症状固定と認められる状態かどうかを見極めることが大切です。

リハビリ通院に関する賠償金の計算方法と注意点

交通事故の損害賠償金は、どの算定基準を用いて算出するかによって金額に差が生じます。
この章では、以下の3つの項目に分けて、損害賠償金の計算について詳しく解説します。

  • 賠償金の3つの算定基準
  • 自賠責基準の計算式の落とし穴
  • リハビリ通院した場合の賠償金額シミュレーション
  • リハビリ通院が漫然治療とみなされないための通院頻度の目安

算定基準の違いを理解して交渉に臨むかどうかで、最終的に受け取れる金額に差が生じることもあります。特に、リハビリ通院期間が長期にわたる場合は差が出やすいため、正しく理解して適切な補償を受けましょう。

賠償金の3つの算定基準

交通事故の損害賠償金の計算に用いる算定基準には、以下の3つが存在します。

  • 自賠責基準:自動車損害賠償保障法に基づく最低限の補償を目的とした基準
  • 任意保険基準:保険会社が独自に設ける基準(非公開)
  • 弁護士基準(裁判基準):過去の裁判例に基づき定められた基準

どの基準を用いるかによって算定結果に差が生じますが、ほとんどのケースで以下のようになります。

自賠責基準≦任意保険基準<弁護士基準

相手方保険会社は支払い金額を最小限に抑えるために、自賠責基準や任意保険基準を用いて算出した金額を提示することがほとんどです。弁護士基準は裁判例に基づいているためあなたが被った損害が適正に反映されやすいものの、最も高額となることが多いため、保険会社が自ら提示することはないでしょう。
どの基準を用いるかは話し合いで決定されることが多いですが、弁護士に依頼して初めて弁護士基準での交渉が可能になることが多いです。
弁護士に依頼することで、受け取る損害賠償金が最大となる可能性が高まるでしょう。

自賠責基準の慰謝料の計算式の落とし穴

自賠責基準の入通院慰謝料は、認定日数1日につき4,300円(2020年3月31日以前に発生した事故は4,200円)ですが、単に通院日数分もらえるわけではありません。
認定日数は、以下のいずれか少ない方が採用されるためです。

  • 実通院日数の2倍
  • 総治療期間

治療期間や実通院日数が少ないと、慰謝料の額にどう影響するのか下表で確認してみましょう。なお、1か月は30日として計算します。

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例えば、総治療期間が1か月(30日)でも診察やリハビリに10日しか通っていなければ、実通院日数の2倍が認定日数となり、8万6,000円しか支払われません。
逆に、診察やリハビリに25日通っても総治療期間が1か月しかなければ、総治療期間が認定日数となります。
自賠責基準では120万円の総支払限度額も設けられているため、治療が長引いたり損害が大きくなったりした場合、限度額を超えた分は補償されないことも心に留めておきましょう。

リハビリ通院した場合の賠償金額シミュレーション

実際にどれくらいの差が出るのか、自賠責基準と弁護士基準を比較してみましょう。
弁護士基準の入通院慰謝料は、赤い本と呼ばれる民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(日弁連交通事故センター東京支部編)に掲載の2種類の慰謝料算定表を用いて算定します。
別表Ⅰは通常使用する表、別表Ⅱはむちうちや軽い打撲・軽い挫創などの他に他覚初見がない場合に使用する表です。
なお、実通院日数は1か月につき10日と仮定して計算しています。

通院期間自賠責基準弁護士基準 (別表Ⅰ)弁護士基準 (別表Ⅱ)増額幅
3か月25万8,000万円53万円73万円約2~2.8倍
6か月51万6,000円89万円116万円約1.7~2.3倍

弁護士基準で算定すれば、自賠責基準の2倍以上の金額を受け取れることもあります。
保険会社から損害賠償額が提示された場合は、安易に示談に応じず、弁護士へ相談することをおすすめします。

リハビリ通院が漫然治療とみなされないための通院頻度の目安

明確な治療目的や医師の指示がないままリハビリ通院をすると、保険会社に漫然治療と判断され、治療費の打ち切りを打診されることがあります。
これを避けるためには、医師の診察を定期的に受けてリハビリの必要性を医学的に証明することが大切です。
通院の頻度は症状や治療計画によって異なりますが、医師の指示に従い、一定の頻度で通院を継続することが不可欠です。医師に具体的な指示を仰ぎ、それを遵守していれば漫然治療とみなされにくくなります。

リハビリ通院で陥りやすい落とし穴と回避策

リハビリ通院には、知っておかないと損をする落とし穴があります。
この章では、陥りやすい落とし穴とその回避策として、以下の5つの項目について詳しく解説します。

  • 整骨院・接骨院でのリハビリ通院は全額自己負担・慰謝料ゼロのリスクがある
  • 整骨院・接骨院でリハビリするなら医師’の診察が必須
  • 健康保険でのリハビリには期限がある
  • リハビリが有効な治療とみなされるためのポイント
  • 転院する際は相手保険会社へ連絡を

整骨院・接骨院でのリハビリ通院は全額自己負担・慰謝料ゼロのリスクがある

整骨院・接骨院でのリハビリ通院は全額自己負担・慰謝料ゼロのリスクがあります
整骨院(接骨院)での施術は医師による治療ではなく、施術とみなされます。そのため、医師の指示なく自己判断で整骨院に通った場合、以下のリスクが発生する可能性があることを心得ておきましょう。

  • 保険会社から医学的必要性がないと判断されて治療費支払いを拒否される。
  • 整骨院・接骨院に通った日数が慰謝料算定の対象日数として認められない。
  • 医師による経過観察が行われていない場合は後遺障害診断書を作成してもらえないため、後遺障害等級の認定申請ができない。

医師が必要と認めた場合でなければ、整骨院・接骨院でのリハビリ通院は正当な治療とはみなされにくいです。そのため、医師の診察や指示を受けずに整骨院・接骨院に通った場合、通院費用が自己負担となったり、入通院慰謝料が削減されたりするおそれがあります。
整骨院・接骨院での施術を希望する場合は、医師に相談して指示を受けることが大切です。

整骨院・接骨院でリハビリするなら医師の診察が必須

整骨院・接骨院でリハビリするなら医師の診察が必須です。
整骨院・接骨院でのリハビリ通院を保険会社に認めてもらうには、整形外科などの医療機関で定期的に医師の診察を受けることが欠かせません。医師がリハビリの必要性を診断書に明記することで、交通事故の治療として適切な範囲であることが証明されます。
整骨院・接骨院を利用したい場合は、以下の流れで進めるとよいでしょう。

  1. 医師に相談し整骨院への通院許可を得る
  2. 保険会社に医師の許可を得て整骨院・接骨院に通院する旨を連絡する
  3. 整骨院・接骨院に通いつつ最低でも月1回は医師の診察を受ける

医療機関の定期通院が途切れると、医学的な治療経過の証明ができなくなるため、その時点で治癒したとみなされるおそれがあります。
医師と連携してリハビリ計画を立てることで、治療効果がより正確に把握できますし、漫然治療とみなされるリスクも低減できます。
保険会社とのトラブルを回避するためにも、定期的に医師の経過観察を受けましょう

健康保険でのリハビリには期限がある

健康保険でのリハビリには期限があります
健康保険の診療報酬ルールにおいて、運動器リハビリテーションは治療開始日から150日が算定日数の上限とされています。そのため、150日を超えると、原則としてリハビリの回数や内容が制限されたり、健康保険適用外となったりする可能性があります。
150日を超えると、保険会社から漫然治療とみなされる可能性も高まる傾向にあります。医師とリハビリの進捗を都度確認し、計画的に進めることが大切です。
もっとも、治療継続により状態改善が期待できると医師が判断した場合は、例外的にリハビリの継続が認められることもあります。リハビリ通院が長期化しそうな場合は、早めに医師に相談し、150日を超えた後の方針を確認しておくとトラブルを防ぎやすくなるでしょう。

リハビリが有効な治療とみなされるためのポイント

リハビリが有効な治療とみなされるためには、以下のポイントを押さえることが大切です。

  • 医師の指示に基づくこと 漫然と受けるのではなく、医師の指示書やカルテに基づいてリハビリを受けましょう。
  • 改善効果があること 症状が緩和したり、可動域が広がったりするなどのリハビリ効果を記録しましょう。
  • 内容が妥当であること リハビリ内容が電気治療やマッサージでも、医師が必要と認めたものであれば有効な治療として認められる傾向にあります。

医師の診断や診療方針に従ったリハビリであることを証明するためにも、医師が作成する診断書の内容が重要な鍵を握ります。
痛みの度合いや可動域の改善などを医師と共有し、必要に応じて治療計画を見直すことで、効果があがりやすくなるだけでなく、漫然治療の指摘を避けられるでしょう。
治療経過を示す客観的資料が増えるほど示談交渉でも有利になりやすいため、主治医との連携を密に保つことが重要です。

転院する際は相手保険会社へ連絡を

転院する際は相手保険会社へ連絡しましょう
引っ越しやリハビリ施設がないなどの理由で転院を希望する場合は、必ず事前に相手方の保険会社へ連絡して承諾を得ることが大切です。無断で転院すると、保険会社による治療費の直接支払い(一括対応)の手続きが間に合わず、一時的に窓口で全額自己負担を求められるなどのトラブルが発生するおそれがあります。
転院前の医師に紹介状を書いてもらうことで、治療の連続性も証明しやすくなります。

保険会社から治療費打ち切りと言われた時の対処法

通院開始から3~6か月ほど経ったタイミングで、保険会社から「そろそろ治療費を打ち切ります」との連絡が入ることがあります。
治療費の打ち切りとは、相手方の保険会社が被害者の通院する医療機関への治療費の直接支払いをやめることです。
治療打ち切り後もリハビリ通院が必要な場合は治療費の支払いが必要となるため、健康保険への切り替えや被害者請求制度の活用などを視野に入れる必要があります。
この章では、保険会社から治療費打ち切りと言われた時の対処法を詳しく紹介しますので、今後の対応の参考にしてください。

なぜ打ち切られる?DMKルールの背景

治療費打ち切りの背景には、DMKルールの存在が関係しています。
DMKルールとは保険会社が独自に定める治療費打ち切りの目安で、以下の期間で定められていることが多いです。

  • D(打撲): 1か月
  • M(むちうち): 3か月
  • K(骨折): 6か月

特に、むちうちは3か月を一つの区切りとして、機械的に打ち切りを打診されるケースが多いです。しかし、これはあくまで保険会社の目安であり、医学的な治癒とは無関係です。
医師の診断書や治療の必要性を示す客観的な証拠があれば、DMKルールの期間を経過しても、治療の継続を認めてもらえることもあります。

打ち切りを阻止するために主治医に書いてもらうべき意見書

治療を終了させるかどうかを決める権限は、保険会社ではなく医師にあります。打ち切りを打診されたら医師に相談し、以下の対応を取ることをおすすめします。

治療継続の必要性を確認する

リハビリを継続することで症状改善の見込みがあるか、医師に確認しましょう。

意見書の作成を依頼する

医師に「治療継続が必要である」「あと〇か月のリハビリが必要」という旨を記載した意見書や診断書を作成してもらい、相手方の保険会社に提出しましょう。
医学的根拠があれば、保険会社も一方的な打ち切りはできないでしょうから、期間延長に応じてもらえるかもしれません。
もっとも、意見書を提出しても保険会社の判断が変わらないこともあります。その場合は弁護士への相談や被害者請求の手続きを含め、次のステップに進むことを検討しましょう。

打ち切り後の健康保険への切り替え手順と被害者請求の流れ

交渉したものの治療費を打ち切られた場合は、健康保険への切り替えや被害者請求制度の活用などを視野に入れる必要があります。
健康保険へ切り替えれば、窓口負担が3割になるため、経済的負担を抑えて通院を継続できます。
被害者請求制度とは、交通事故の被害者が、加害者が加入する自賠責保険会社に対して、治療費や慰謝料などの損害賠償金を直接請求できる制度のことです。
この制度を活用すれば、支払いを打ち切られた後も傷害部分について120万円を限度に相手方の自賠責保険会社から補償を受けられる可能性があります。
健康保険への切り替え手順と被害者請求の流れを紹介します。

健康保険への切り替え

  1. 第三者行為による傷病届を作成する
  2. 加入している健康保険組合に提出する

なお、第三者行為による傷病届には、以下のような情報を記載する必要があります。

  • 加害者の氏名・性別・年齢・住所・電話番号
  • 事故発生状況
  • 加害者の自賠責保険・任意保険
  • 被害者加入の任意保険
  • 治療状況

被害者請求の流れ

  1. 加害者が加入する自賠責保険会社に必要書類を送付する
  2. 自賠責保険会社から審査機関に書類を送付し、審査機関が審査する
  3. 審査が完了したら審査期間から自賠責保険会社に審査結果が報告される
  4. 自賠責保険会社から被害者に対して結果が通知される
  5. 自賠責保険会社から保険金が支払われる

被害者請求には、以下のような書類が必要です。

  • 自動車損害賠償責任保険 保険金支払請求書兼支払指図書
  • 診断書または死亡検案書(死亡診断書)
  • 戸籍謄本(死亡の場合)
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 診療報酬明細書
  • 通院交通費明細書
  • 付添看護自認書または看護料領収書
  • 自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書
  • 休業損害証明書または確定申告書(控)等
  • 請求者の印鑑証明書
  • 委任状および委任者の印鑑証明書(第三者に委任する場合)

請求先である加害者側の自賠責保険会社に連絡すれば、書類一式を送付してもらえます。

リハビリを続けても症状が残ったら後遺障害等級認定の申請を

リハビリを続けても症状が残った場合は、後遺障害等級認定の申請をしましょう
後遺障害等級の認定を受けることで、後遺障害慰謝料逸失利益を請求できる可能性があります。
この章では、以下の4つの観点から、後遺障害等級について詳しく解説します。

  • 後遺障害認定等級とは
  • MRI画像や神経学的検査結果の重要性
  • 後遺障害慰謝料・逸失利益の計算ポイント
  • リハビリの空白期間を作ってはいけない理由

後遺障害等級とは

後遺障害等級とは、交通事故による後遺症をその種類と症状の程度に応じて1〜14の等級に分類したものです。
数字が小さくなるほど症状が重くなり、後遺障害の内容や症状が残った部位によってさらに号で細かく分類されます。
例えば、むちうちなどの神経症状では、以下の等級が認定される可能性があります。

  • 12級13号:頑固な神経症状(MRI等の画像で異常が明確に証明できる場合)
  • 14級9号:神経症状を残すもの(画像所見は乏しいが、治療経過等から症状の存在が医学的に説明できる場合)

参考:後遺障害等級表|国土交通省

MRI画像や神経学的検査結果の重要性

後遺障害認定で特に重視されるのは、MRI画像神経学的検査結果です。
MRI画像とは、強力な磁場と電波を使って体内の断層画像を撮影したもので、神経圧迫などの他覚的所見を画像で可視化できます。
神経学的検査とは、脳、脊髄、神経の機能を調べるために行われる一連の質問と検査のことで、ジャクソンテストやスパーリングテストなどがあります。
意識状態、運動機能、感覚機能、反射などを評価することで、神経系のどこに異常があるかを特定できることがあります。
痛みやしびれは主観的な訴えになりやすいため、画像や検査結果で客観的に後遺障害が残っていることを確認できれば、適切な後遺障害等級に認定されやすくなります
定期的に同じ検査を受けて経過を比べることで、症状固定後の改善状況や後遺症の程度を具体的に示せるため、リハビリの成果を評価するうえでも重要な資料となるでしょう。

後遺障害慰謝料・逸失利益の計算ポイント

後遺障害等級に認定されると、以下の損害賠償金も請求できます。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故により後遺障害が残った精神的苦痛に対して支払われる金銭のことです。
後遺障害等級が重いほど慰謝料額も高額になります。

  1. 例えば、14級に認定された場合は弁護士基準で110万円、自賠責基準で32万円ですが、12級に認定された場合は弁護士基準で290万円、自賠責は94万円となります。

自賠責基準・弁護士基準の後遺障害慰謝料の額は、以下関連記事で紹介しています。

後遺症の等級と慰謝料の比較

逸失利益

逸失利益とは、交通事故に遭わなければ得られたはずの将来の利益のことです。
事故により負った後遺障害の程度により、これまでの労働ができなくなった度合いに応じて、将来得られるはずだった収入金額が逸失利益として認められます。
逸失利益は、以下の計算式を用いて算出します。

基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

逸失利益の計算方法や請求時のポイントについては、以下関連記事で詳しく解説しています。

逸失利益とは?計算方法・後遺障害等級・保険会社が否定するケース

どの等級に認定されるかによって、受け取れる損害賠償金額が変動します。適切な後遺障害等級に認定されることが大切です。

リハビリの空白期間を作ってはいけない理由

後遺障害等級認定においては、治療の継続性・一貫性が非常に重要とされています。
通院の空白期間が1か月以上生じると、「その時点で怪我は治った」「その後の通院は事故とは関係しない」などと判断され、後遺障害等級が非該当となるおそれがあります。
医師が症状固定と判断するまでは空白期間を作らずに通院し続けることが、将来の補償を守ることにつながります。

交通事故の被害に遭ったら弁護士に依頼して適正な賠償金の獲得を

交通事故の被害に遭った場合は、弁護士に対応を依頼することをおすすめします。
適正な損害賠償金を獲得するためには、弁護士基準での交渉が鍵となるためです。
この章では、以下の3つの観点から、弁護士への依頼を進める理由を紹介します。

  • 弁護士介入による増額メカニズム
  • 保険会社の対応を任せることで得られるメリット
  • 弁護士費用特約の活用で費用負担ゼロに

ぜひご一読いただき、今後の対応を検討してみてください。

弁護士介入による増額メカニズム

弁護士に依頼する最大のメリットは、損害賠償金を弁護士基準(裁判所基準)で算定・請求できることです。
被害者本人が交渉しても、保険会社は任意保険基準以上の額を提示することはまずありません。しかし、弁護士が介入すれば裁判も視野に入るため、交渉段階で増額に応じる可能性があります。
弁護士は医学的資料や事故状況の分析を行い、法的根拠に基づいて保険会社に補償の必要性を主張します。そのため、適正な損害賠償金を獲得できる可能性が高まります。
交通事故案件に精通した弁護士であれば、リハビリ通院や後遺障害等級認定に関する専門知識も豊富でしょうから、安心して任せられます。

保険会社の対応を任せることで得られるメリット

保険会社とのやりとりには専門用語が飛び交うため、知識のない方にはかなりハードルが高いです。
弁護士に依頼すれば、保険会社の対応を一任できます
保険会社から電話がくることもなくなりますし、打ち切りの打診に怯えることもなくなります。疑問や不安を抱えた際もすぐに相談できるため、時間的な負担だけでなく、精神的な負担も最小限に抑えて解決を図れるでしょう。
治療と仕事に専念できる環境も整えやすくなります。

弁護士費用特約の活用で費用負担ゼロに

弁護士費用特約付きの自動車保険に加入していれば、弁護士費用(原則として相談料10万円、弁護士費用300万円まで)を保険会社が負担してくれます。
弁護士費用特約を活用すれば自己負担ゼロで弁護士に依頼できる可能性があるため、迷わず相談しましょう。
弁護士費用特約については、以下関連記事で詳しく解説しています。

交通事故における弁護士費用特約について詳しく解説

交通事故のリハビリ通院でよくある質問(Q&A)

交通事故のリハビリ通院に関するよくある疑問について、Q&A形式で解説します。
ぜひ参考にしてください。

リハビリ通院回数が少ないと賠償金は減る?

通院回数が少ない場合、慰謝料が減額されるリスクがあります。
入通院慰謝料や後遺障害の認定において、通院実績は重要な要素です。通院回数が少なすぎると、痛みや症状がさほど重くないと判断され、慰謝料が低く算定される可能性があります。
もっとも、無理に通院日数を増やせばよいのではありません。過度な通院は保険会社から漫然治療とみなされるおそれがあるため、医師の指示どおりに通院することが大切です。

症状固定後に自費でリハビリを続けたら後で請求できる?

原則として請求できません
症状固定は治療終了を意味するため、それ以降の費用は自己負担となります。
リハビリをしないと著しく状態が悪化する場合などに例外的に請求が認められることもありますが、非常に例外的な取り扱いです。

弁護士費用特約がない場合も弁護士に相談するメリットはある?

弁護士費用特約がない場合でも、損害賠償金の増額分が弁護士費用を上回る結果になるケースは多々あります。
特に、後遺障害が残る可能性が医師により指摘されている場合は、弁護士を通じて交渉することで適正な補償を受けられる可能性が高まります。
着手金無料や完全成功報酬制を採用している法律事務所もあります。無料相談を利用すれば費用を気にせず相談できますので、弁護士のサポートを受けることを積極的に検討してみてください

まとめ

リハビリ通院に関わる損害賠償金や注意点を理解し、適切な対応を取ることで、よりよい条件で示談できる可能性が高まります。
保険会社の提示額を鵜呑みにせず、正しい知識を持って行動することで、あなたの権利を守りましょう。少しでも不安がある場合は、なるべく早期に弁護士へ相談することをおすすめします。
交通事故対応を弁護士に依頼したいとお考えなら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。
ネクスパート法律事務所には、交通事故問題に精通した弁護士が数多く在籍しています。
あなたが適正な損害賠償金を受け取れるよう、全力でサポートいたします。
初回相談は30分無料です。リモートでのご相談にも対応していますので、事務所に足を運ぶのが難しい方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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