不貞行為は5年と長期間で態様も悪質であったが、不貞関係や妊娠の中絶を余儀なくされたことを考慮して慰謝料200万円を認めた事例

愛子が、不二夫と性的関係を持ったほか、不二子に対し人格を攻撃する内容のメールを送信するなどしたため、精神的苦痛を蒙ったとして、不二子が、愛子に対し、慰謝料等の支払いを求めた事案である。

愛子が派遣社員として勤務していたところ不二夫が愛子の勤務先の別部署に出向し、連絡することがありで知り合い、その後交際に発展した。

愛子は、不二夫に配偶者がいると知りつつも5年以上の長期間にわたって不貞関係を持っており、不二子に対しても、不二夫との離婚を求めたり、不二夫との性交渉を誇示したり、不二子を侮蔑する内容のメールを送信するなどしており、不貞事案の中でも非常に態様が悪質な部類に入ると言わざるを得ず、不二子が蒙った精神的苦痛は、相当に大きいものであったと容易に窺えるが、他方で、不二夫は愛子より10際程度年長であり、職位も高く、不貞関係においても主導的であったといえる。

さらに愛子が不二子や不二夫に宛てたメールや文書からは愛子が相当精神的に不安定な状況にあったことが看取でき、20代という貴重な時期を不二夫との交際で徒に過ごし、剰え複数回にわたり妊娠中絶まで余儀なくされたことを考えれば、それも無理からぬ面があるといえ、慰謝料額を算定する上で一定程度考慮せざるを得ないとし、慰謝料200万円、弁護士費用20万円の計220万円が相当とした。

当事者の情報

不貞期間約6年半
請求額550万円
認容額220万円
子供人数2人
婚姻関係破綻の有無

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