不貞関係があったことは認められず、請求が棄却された事例

不二子の母が、不二子の配偶者であった不二夫に対し、不二夫が不二子のマンションからの飛び降りを防止しなかった結果不二子を死亡させ、これにより不二子の母は近親者として固有の精神的苦痛を被ったと主張して、不法行為に基づき、慰謝料の支払を求めるとともに、愛子に対し、不二夫との不貞行為の結果不二子をマンションからの飛び降りにより死亡させ、これにより不二子の母は近親者として固有の精神的苦痛を被ったと主張して、不法行為に基づき、慰謝料の支払を求めた事案である。

愛子は、勤務先に異動してきた不二夫と知り合い交際するようになった。

不二子の母は、不二夫に本件飛び降りの防止義務があった旨主張するところ、かかる義務を認めるためには、本件飛び降りの前の時点において、不二夫に本件飛び降りについての具体的な予見可能性があったことが必要となるが、うつ病や情緒不安定性パーソナリティであると診断されていた不二子は、病院を退院した後は比較的穏やかに生活をすることができており、本件飛び降りの前日にも特に精神状態の悪化は見られなかったことに照らせば、不二夫が不二子の精神状態が全体を通して不安定であったとの認識を有していたからといって、直ちに不二夫に本件飛び降りについての具体的な予見可能性があったということはできず、他に不二夫に予見可能性を基礎付ける事実を認めるに足りる的確な証拠はない。また、不二子の母は、愛子が、遅くとも不二子の死亡の前の不二夫の誕生日の時点では不二夫と不貞行為に及んでいたと主張する。

確かに不二子が亡くなった後の不二夫の誕生日の段階で、愛子が、不二夫と会ってから2度目の不二夫の誕生日であることを祝う旨のカードを作成し、これを不二夫に贈ったことが認められるが、愛子は、不二夫が異動してきて知り合ったものであるところ、上記カードの記載は、単に愛子らが同僚関係として面識を持っていたことを示すものと捉えることも可能であるとし、不貞関係にあったことを認めるに足りる証拠はないとされ、不二子の母のいずれの請求も棄却された。

当事者の情報

不貞期間
請求額愛子に対して100万円
認容額0円
子供人数1人(4歳)
婚姻関係破綻の有無

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