慰謝料請求されたけどお金がない場合の対処法や無視した場合のリスク

  • 最終更新日: 2024.10.2

「慰謝料請求されている金額が高すぎて支払えない!」
「このまま慰謝料を支払わないとどうなるの?」
不倫相手の配偶者から、突然慰謝料請求され、高すぎて支払えない…と困っている状況ではないでしょうか。

この記事では、主に以下の点を解説しています。

  • 慰謝料請求されたけどお金がない場合の3つの対処法
  • 慰謝料請求を無視した場合の2つのリスク
  • 慰謝料請求されたけどお金がない場合の無料相談窓口

ぜひ参考にしてください。

目次

慰謝料請求されたけどお金がない場合の3つの対処法

不倫をしたことが事実である以上、お金がないからといって支払いを免れることは、原則ありません。

しかし、あなたに慰謝料を支払う資力がない場合には、相手も最低限の慰謝料獲得と早期解決のために、一定程度譲歩してくれることは考えられます。

慰謝料請求されたけどお金がない場合の対処法は、次の3つです。

減額の交渉をする

減額の交渉をしてみましょう

不貞慰謝料の相場は、過去の判例をもとにおおむね決められています。
相手が請求してきている慰謝料額が相場と大きくかけ離れている場合には、減額できる可能性があります。

まずは、相手にきちんと謝罪したうえで、減額の交渉をしてみましょう。
次のような場合には、減額できる可能性が高いでしょう。

  • 不貞行為の回数が少ない・期間が短い
  • 不貞行為により相手夫婦が離婚していない
  • 相手夫婦の婚姻期間が短い
  • 相手夫婦の間に子がいない
  • あなたが既に社会的制裁を受けている
  • 求償権を放棄する

不貞行為の回数が少ない・期間が短い

不貞行為の回数が少ない・期間が短い場合です。

そもそも不貞慰謝料は、被害者の精神的苦痛を理由に請求できるものです。
被害者の精神的苦痛の程度によって慰謝料額が大きく変わります
不貞行為の回数が少ない・期間が短い場合は、被害者の精神的苦痛が比較的少ない悪質性が低いと考えられます。

不貞行為の回数が少ない・期間が短い場合は、慰謝料を減額できる傾向にあります。

不貞行為により相手夫婦が離婚していない

不貞行為により相手夫婦が離婚していない場合です。

不貞慰謝料の支払い義務が生じるのは、平穏な婚姻生活を侵害したことにあります。
相手夫婦が離婚していない場合には、離婚した場合と比較して、その侵害の程度が低いと考えられます。

不貞行為により相手夫婦が離婚していない場合は、慰謝料を減額できる傾向にあります。

相手夫婦の婚姻期間が短い

相手夫婦の婚姻期間が短い場合です。

夫婦の婚姻期間が短いほど、それにより保護される利益は小さいと考えられます。
例えば、離婚後の再スタートや経済的負担も、婚姻期間が長い場合と比較すると、小さい場合が多いでしょう

相手夫婦の婚姻期間が短い場合は、慰謝料を減額できる傾向にあります。

相手夫婦の間に子がいない

相手夫婦の間に子がいない場合です。

相手夫婦に子がいる場合、その子に対する精神的影響は大きいでしょう。両親には、その子の心や生活を保護する義務があります。相手夫婦の間に子がいない場合には、子がいる場合と比較して、その保護する利益が小さいと考えられます。

相手夫婦の間に子がいない場合は、慰謝料を減額できる傾向にあるでしょう。

あなたが既に社会的制裁を受けている

あなたが既に社会的制裁を受けている場合です。

なぜなら、不貞慰謝料は精神的苦痛の補填と考えられますが、社会的制裁の意味も含まれると考えられます。社会的制裁の内容によっては、相手の精神的苦痛が緩和されたとも考えられます。社会的制裁には、例えば、退職せざるを得ない場合が挙げられます。

あなたが既に社会的制裁を受けている場合は、減額できる傾向にあるでしょう。

求償権を放棄する

求償権を放棄する場合です。

そもそも、不貞行為をしたあなたと不倫相手は共同不法行為者に該当します。つまり、共同で不貞慰謝料の支払い義務を負っています

したがって、不倫相手の配偶者は、あなたと配偶者双方に対して、不貞慰謝料を請求できます。この場合、不倫相手の配偶者は、どちらか一方に慰謝料の全額を請求するか、(責任の割合が半々の場合には)双方に半分ずつ請求するか自由に選択できます。

例えば、認められる慰謝料が200万円であった場合、あなたに対して200万円全額を請求してもよいですし、双方に100万円ずつ請求してもよいです。
あなたが200万円全額を支払った場合に、不倫相手には何らの支払い義務が生じないわけではありません

あなたは、不倫相手に対して、責任割合に応じた額、(責任割合が半々の場合は)100万円の支払い請求ができます。この権利を、求償権と言います。

この求償権を事前に放棄することを条件に、慰謝料の減額交渉をすることが多々あります。
相手夫婦が離婚しない場合、配偶者には慰謝料を請求せず、あなたにのみ慰謝料請求するケースが多いです。

求償権の放棄は慰謝料を請求する側にも、次のようなメリットがあります。

  • 今後求償権を行使される不安を除去できる
  • 不倫トラブルを1度に清算できる

したがって、求償権を放棄することを条件に慰謝料の減額に応じてもらえる可能性があるでしょう。

減額要素となる事情や減額交渉の方法について、更に詳しく知りたい方は、「不貞慰謝料は減額してもらえる?9つの減額要素と交渉方法を徹底解説」をご参照ください。

分割払いの交渉をする

分割払いの交渉をしてみましょう

減額の交渉が難しい場合は、分割払いの交渉をするのもひとつの方法です。

慰謝料全額を支払う資金がないことを相手に誠意をもって説明したうえで、分割払いを希望する旨を伝えましょう。
相手が分割払いに合意してくれる場合には、慰謝料の総額と月々の支払い額、支払い時期を話し合います。

慰謝料の分割払いは、一般的に、途中で支払いが止まってしまうリスクが高くなります。そのため、相手は分割払いの合意を避けてくることも考えられます。分割払いの合意を得るためには、必ず支払いをする旨をしっかりと伝えること、できるだけ相手の希望に沿った条件を取り入れることを心がけましょう。

交渉の際には、分割払いに応じる条件として、相手から次のようなことを要求されることがあります。

  • 支払いを怠った場合には、慰謝料元金のほかに遅延損害金の支払いを約束する
  • 支払いを怠った場合には、一括での支払いを約束する
  • 連帯保証人を付ける

これらの条件は、あなたにとっては不利になりますが、分割払いでの支払いを受け入れてもらう以上、多少の譲歩は避けられないでしょう。
あなたが支払いを怠らなければ問題になりませんから、分割払いの合意をした以上は、きちんと支払いをするようにしましょう。

親に立て替えてもらう

親に立て替えてもらうのもひとつの方法でしょう。

他の手段と比較して、あなたの負担が少ない方法でもあります。

親に立て替えてもらえる可能性があるような場合には、立て替えをお願いしてみるのもよいでしょう。

慰謝料請求された場合に確認すべき2つのこと

慰謝料請求された場合に確認すべきことは、次の2つです。

  • 慰謝料の支払い義務があるか
  • 慰謝料の金額は妥当か

以下、詳しく見ていきましょう。

慰謝料の支払い義務があるか

慰謝料の支払い義務があるかを確認しましょう

慰謝料の支払い義務が生じないケースは、次の4つです。

  • 不倫相手との肉体関係が全くない
  • 不倫相手が既婚者であることを知らなかった
  • 不倫相手に肉体関係を強制されていた
  • 時効が成立している

以下、詳しく見ていきましょう。

不倫相手との肉体関係が全くない

不倫相手との肉体関係が全くないケースです。

そもそも不貞行為とは、配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことです。性的関係には、性交渉そのものだけでなく、性交類似行為も含まれます。不倫相手との肉体関係が全くないケースでは、不貞慰謝料の支払い義務が生じません。

ただし、キスや手を繋ぐといった行為は、肉体関係があったとまでは言えませんが、キスや手を繋ぐといった行為の程度によっては、社会的妥当性の範囲を逸脱する行為と判断され、慰謝料の支払い義務が認められる場合もあります。

不倫相手が既婚者であることを知らなかった

不倫相手が既婚者であることを知らなかったケースです。

慰謝料が請求できるのは、不貞行為が民法上の不法行為に該当するからです。

不法行為が成立するためには、加害者の故意または過失が必要です。
不倫相手が既婚者であることを知らなかった場合には、故意がありませんから、下記の過失もなければ不法行為が成立しません。
したがって、不倫相手が既婚者であることを知らなかったケースでは、不貞慰謝料の支払い義務が生じません。

しかし、あなたの不注意で既婚者であることを知らなかった場合、つまり交際中の言動や態度により普通の人なら気付くような場合には、あなたに過失があったとして、不法行為が成立するので注意しましょう。

不倫相手に肉体関係を強制されていた

不倫相手に肉体関係を強制されていたケースです。

不法行為が成立するには、自分の意思で肉体関係を持っていたことが必要です。

ですから、不倫相手からの暴行や脅迫により、強制的に肉体関係を持たざるを得なかった場合には、不貞慰謝料の支払い義務が生じません。

時効が成立している

時効が成立しているケースです。

不貞慰謝料の時効は次のいずれかの期間が経過すると成立します(民法724条)。

  • 不貞行為の事実及び相手を知った時から3年
  • 不貞行為があった時から20年

既に時効が成立している場合には、不貞慰謝料の支払い義務が生じません。

したがって、時効が成立しているか把握しましょう。不貞行為の時効について、詳しくは「不貞行為の慰謝料請求はいつまで?起算点や時効が近い時の対処法 」の記事をご参照ください。

慰謝料の金額は妥当か

慰謝料の金額は妥当かを確認しましょう。

慰謝料の金額は、過去の判例によって相場が決まっています
そのため、相場からかけ離れた慰謝料を請求されている場合には、減額できることが多いでしょう。

以下、3つのケースの相場を紹介しますので、参考にしてください。

  • 相手夫婦が離婚しない場合は50〜100万円程度
  • 不貞行為が原因で相手夫婦が別居した場合は150〜200万円程度
  • 不貞行為が原因で相手夫婦が離婚した場合は200〜300万円程度

お金がないことを理由に慰謝料請求を無視した場合の2つのリスク

お金がないことを理由に慰謝料請求を無視した場合のリスクは、次の2つです。

  • 裁判を起こされる可能性
  • 強制執行される可能性

以下、詳しく見ていきましょう。

裁判を起こされる可能性

裁判を起こされる可能性があります。

話し合いでの解決が難しいと判断された場合には、裁判での解決を目指すことが考えられます。

裁判になった場合には、時間やお金がかかることになります。さらに、あなたが慰謝料請求を無視していたことが、不利に働く可能性もあるでしょう。

強制執行される可能性

強制執行される可能性があります。

既に公正証書で慰謝料の支払いを合意している場合裁判に出席せずに判決が出ている場合には、強制執行される可能性があります。

その場合には、給料や預貯金が差し押さえられる可能性があるでしょう。

慰謝料請求されたけどお金がない場合には無料相談窓口を活用!

慰謝料請求されたけどお金がない場合には、次のような無料相談窓口を活用するのをおすすめします。

  • 弁護士会の法律相談
  • 市区町村の法律相談
  • 法テラス
  • 法律事務所の無料相談

以下、詳しく見ていきましょう。

弁護士会の法律相談

弁護士会の法律相談を活用するのもひとつの方法です。

弁護士会は、全国約300か所で一般向けの法律相談や、弁護士の紹介を行っています。相談内容によっては料金がかかる場合もありますので、事前に利用する地域の弁護士会のホームページで確認しておきましょう。

弁護士会の法律相談について、詳しくは弁護士会ウェブサイトをご参照ください。

参照:日本弁護士連合会

市区町村の法律相談

市区町村の法律相談を活用するのもひとつの方法です。

市区町村と弁護士会が連携して、相談会を実施している地域もあります。特に、一般的な法律相談をしたい方におすすめです。

住んでいる自治体のホームページ等で確認してみましょう。

法テラス

法テラスの法律相談を活用するのもひとつの方法です。

法テラスは、国が設立した総合法律支援のための機関です。
法テラスでは、弁護士との無料法律相談を行っています。経済的に余裕がない場合は、弁護士費用を立て替えてもらうこともできます。

法テラスのご利用には事前の予約が必要になりますので、詳しくは法テラスウェブサイトをご参照ください。

参照:法テラス

法律事務所の無料相談

法律事務所の無料相談を活用するのもひとつの方法です。

法律事務所によっては、初回の相談を無料で行っているところもあります。

弁護士への依頼を見据えて相談したい場合には、法律事務所の無料相談を活用するのをおすすめします。

慰謝料請求されたけどお金がない!よくある質問5選

慰謝料請求されたけどお金がない!よくある質問5選をご紹介します。

無職を理由に慰謝料免除はできない?

無職を理由に慰謝料免除はできません

しかし、現実的に考えて、無職の人から高額な慰謝料を獲得するのは難しいでしょう。

まずは相手にしっかりと謝罪したうえで、無職である旨を伝え、減額交渉をしましょう。

シングルマザー(シングルファーザー)を理由に慰謝料免除はできない?

シングルマザー(シングルファーザー)を理由に慰謝料免除はできません

まずは相手にしっかりと謝罪したうえで、シングルマザー(シングルファーザー)である旨を伝え、減額交渉をしましょう。

シングルマザー(シングルファーザー)であるために慰謝料の支払いが困難な方は、「慰謝料請求された!シングルマザーであるため支払えない場合の対処法」の記事もご参照ください。

親に慰謝料請求されることはある?

親に慰謝料請求されたとしても、原則、親に慰謝料の支払い義務はありません

あなたが慰謝料を支払わないことを理由に、あなたの親に慰謝料請求してくる場合もあるでしょう。しかし、慰謝料の合意の際に、親を連帯保証人にした場合を除いて親に慰謝料を支払う義務はありません。

親に慰謝料請求されたからといって、慌てて支払わずに、まずは金額が妥当であるかをしっかりと確認しましょう。

ただし、親が任意に支払いに応じる場合には、親が慰謝料を代わりに支払っても問題ありません。

慰謝料請求を無視し続けたら会社にバレる?

相手が会社に押しかけてきた場合には、会社にバレる可能性があります
慰謝料請求を無視し続けた結果、相手が会社に押しかけてくる可能性もあるでしょう。

給与の差押えの際に、会社にバレる可能性があります
慰謝料請求を無視し続けた結果、相手が給与の差押えをした場合には、その通知が勤務先に届くことになります。

その場合には、会社にバレる可能性が高いでしょう。

「借金してでも慰謝料を払え」と言われたら従うべき?

借金をするのはおすすめできません

消費者金融の場合には、比較的早くお金を借りられるため、親や周囲の人にバレずに何とかしたいと考え、消費者金融からお金を借りようとする方もいるでしょう。

消費者金融の場合は、高い利子がかかります。今後の生活を圧迫することにもなりかねません。慰謝料の問題が解決しても、借金によって別のトラブルを抱える可能性があります。目先の解決だけでなく、あなたの将来の生活もきちんと考えましょう。

まとめ

慰謝料請求されているけれどお金がなくて困っている場合には、まずは減額の交渉・分割払いの交渉をしてみましょう。
その際、きちんと謝罪したうえで、誠実な姿勢で交渉に臨みましょう。
慰謝料請求を無視したり、消費者金融機関から借金をしたりすると、後に大きなトラブルに発展する可能性もあります。

弁護士費用を負担してでも弁護士に依頼した方が、解決に繋がることもあります。弁護士への相談も視野に入れている場合には、一度弁護士へ相談することをおすすめします。弁護士としてお手伝いできることがあるかもしれません。

ネクスパート法律事務所では、不貞問題に強い弁護士が在籍しています。仕事が忙しくて相談に行けない人や遠方にお住まいの方のためにオンライン法律相談サービスも実施しています。初回の相談は30分無料ですので、ぜひ一度ご相談ください。

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