更新日:2024年4月24日 (水)

公開日:2024年4月24日 (水)

遺言書に納得できない!3つの対処法について解説

遺言書に納得できない!3つの対処法について解説 遺言書に納得できない!3つの対処法について解説

サマリー

ご家族が残された遺言書の内容を読み、不公平さや不当な扱いを受けていると感じ、不満や怒りを覚えている方は少なくありません。故人の意思を尊重したい一方で、どうしても遺言書に納得できない状況に直面した場合、どんな方法があるでしょうか?
本記事では、遺言書の内容に納得できない相続人ができる対処法について解説します。

遺言書に納得できない場合の3つの対処法は?

遺言書の内容に納得できない相続人ができる対処法は、主に以下の3パターンに分けられます。

遺産分割協議をする

穏便かつ迅速な解決策が、遺産分割協議を行う方法です。遺言書があっても、その内容どおりに相続手続きを進める必要はありません。相続人全員が合意すれば、遺産分割協議を行って財産を分けることが法的に認められています

ただし、遺言書の中で遺言執行者が指定されていた場合には、遺言執行者の関与を前提として手続きを進める必要があります。相続人全員が遺言と異なる分割方法に合意したとしても、実務上は遺言執行者とも十分に協議しながら進めるのが望ましいでしょう

遺言書の無効を主張する

遺言書の効力そのものを否定したい場合、遺言の無効を主張する方法があります。裁判所によって遺言が無効と判断されれば、その遺言書は最初から存在しなかったものとして扱われます。その場合、その遺言書は最初から存在しなかったものとして扱われ、遺産は法定相続人全員の共有財産とみなされます。そのうえで、改めて遺産分割協議(または調停・審判)を経て分割されます。

遺言の無効を主張する場合、主に以下3つの観点から効力を争います。

遺言書の方式不備

遺言書の方式不備による無効主張です。遺言書にはいくつかの種類がありますが、自筆証書遺言は、法律で定められた要件を満たしていないと無効になりやすい性質があります。形式的な不備を見つけたら、遺言の効力を否定する根拠となります。

  • 自筆で書かれていない|パソコンで作成したり他人に代筆させたりした場合は無効
  • 日付がない・日付が不明|具体的な年月日の記載がない・日付が特定できない場合
  • 署名・押印がない|遺言者本人の署名や押印がない場合
  • 2人以上で遺言書を作成している| 2人以上で遺言書の作成(共同遺言)は禁止

遺言書の訂正・加筆の方式違反

遺言書作成後に内容を訂正したり加筆したりする場合、法律で定められた方式に従わなければ訂正部分が無効となるケースがあります。修正液や修正テープを使う・修正箇所を黒く塗りつぶすといった方法は無効となり、以下の方法で加筆・修正しなければいけません。

  • 訂正箇所に二重取り消し線を引き元の文字が見えるようにする
  • 変更した旨を余白に付記し、削除・加筆した文字数を記載する
  • 遺言者が署名する
  • 訂正箇所に遺言書に使用した印鑑で押印する

定められた方式に則っていない訂正は、その訂正のみが無効となるだけでなく、場合によっては遺言書全体が無効と判断される可能性もあります。

遺言者に遺言能力がなかった

遺言書作成時、遺言者に遺言能力(遺言の内容やその法的効果を正しく理解し判断できる能力)がなかったと証明できれば、遺言は無効になる可能性があります。
遺言能力の欠如を争う事例として多いのが、認知症や重い精神疾患を患っていたケースです。ただし、認知症の診断を受けていたとしても、直ちに遺言能力が否定されるわけではありません。裁判所は、遺言の内容の複雑さ、遺言書作成に至る経緯や動機、遺言者の年齢や病状、作成前後の言動などを総合的に判断します。
遺言能力の欠如を主張する際には、客観的な証拠の収集が重要です。具体的には、遺言作成当時の病院のカルテ、医師の診断書、診療報酬明細書(レセプト)、介護記録などが必要です。これらの証拠は、遺言者が法的行為を行う能力を失っていたことを立証するカギとなります。

遺留分侵害額請求をする

遺留分侵害額請求は、法定相続人に保障されている最低限の遺産の取り分(遺留分)を侵害された場合、侵害された金額を金銭で受贈者や受遺者(財産を受け取った人)に請求する権利です。遺言書の方式に不備がなく遺言能力の欠如も証明が難しい場合、遺留分侵害額請求を行うことが現実的な方法です。
遺留分権利者となるのは、被相続人の配偶者、子(直系卑属)、および直系尊属(父母など)です。兄弟姉妹が相続人となる場合、遺留分は認められていません。
直系尊属のみが相続人である場合相続財産の3分の1、それ以外の場合(配偶者や子が相続人の場合)は相続財産の2分の1が遺留分となります。
遺留分侵害額請求権には時効が設けられています。原則として、遺留分権利者が相続の開始および遺留分が侵害されている事実の両方を知った時から1年で時効により消滅します。
遺留分侵害の事実を知らないまま相続開始から10年が経過した場合も、権利は消滅します。

遺言書の内容に納得できない場合は弁護士に相談を!

遺言書の内容に納得できないという状況は、家族間の対立や複雑な感情が絡み合い、当事者にとって精神的負担となります。弁護士に依頼することで、これらの負担を軽減しあなたの権利の適切な回復・実現を図ることができます。

遺言の有効性の適切な判断ができる

弁護士であれば、遺言の有効性の適切な判断ができます。遺言書の形式要件の充足や遺言能力の有無など、一般の方には判断が難しい法的論点について、専門的な見地から適切な判断を下し、最適な方法を導き出せます。

冷静な話し合いができる

弁護士であれば、代理人として相手方と交渉して相続人同士の感情的な対立を避け、冷静な解決が目指せます。相手方が法的に根拠のない無理な主張をしている場合、それを的確に排除できます。

手続きを任せられる

弁護士に依頼すれば、遺産分割協議のサポートや相手方との交渉、調停・訴訟対応など、相続手続きの多くを任せられます。相続がトラブル化し遺産分割が長引くと、相続税の申告期限(相続開始から10か月以内)までに手続きが完了せず、配偶者控除や小規模宅地の特例といった税制上の優遇措置を十分に活用できなくなるおそれがあります。弁護士に依頼すればスムーズに手続きが進められます。

精神的負担が軽減される

弁護士に依頼すれば、相手方とのやり取りを任せられ精神的負担が軽減されます。

まとめ

遺言書の内容に納得できないと感じたなら、泣き寝入りするのはよくありません。あなたが抱いている不満は、正当な権利に基づいている可能性があるからです。
あなたの権利を守るためにも、早い段階で弁護士に相談して適切なアドバイスを求めてください。適切な対応を取りながら解決へと近づけることができます。

ネクスパート法律事務所には、相続全般に実績のある弁護士が在籍しています。初回相談は30分無料ですので、遺言書の内容に納得できずお悩みの方は、一度ご相談ください。

コラム監修者

Shunsuke Teragaki

Shunsuke Teragaki

所属:代表(東京オフィス)

広島県広島市出身。修道高校、慶應義塾大学商学部、青山学院大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所の代表弁護士として、依頼者に最適な見通しと戦略的な解決策を示すことを信条とし、丁寧かつ粘り強い対応で信頼を築いている。

弁護士詳細を見る

関連記事を見る

空き家買取とは?仲介との違いや相場・売却の流れを解説

2026.09.08

NEW

不動産相続

遺産相続・生前対策

空き家買取とは?仲介との違いや相場・売却の流れを解説

空き家の固定資産税はいくら?6倍になる条件と対策を解説

2026.09.08

NEW

不動産相続

遺産相続・生前対策

空き家の固定資産税はいくら?6倍になる条件と対策を解説

特別代理人とは?必要なケースや選任手続きの流れを解説

2026.09.08

NEW

遺産相続・生前対策

特別代理人とは?必要なケースや選任手続きの流れを解説

相続税の無申告加算税とは?税率やペナルティ・対処法を解説

2026.09.08

NEW

遺産相続・生前対策

相続税の無申告加算税とは?税率やペナルティ・対処法を解説

代償分割とは?メリットや代償金の決め方・相続税の注意点を解説

2026.09.08

NEW

遺産相続・生前対策

代償分割とは?メリットや代償金の決め方・相続税の注意点を解説

PREV
NEXT