更新日:2023年9月8日 (金)

公開日:2023年9月8日 (金)

交通事故の加害者は弁護士に相談すべき?その理由について解説

交通事故の加害者は弁護士に相談すべき?その理由について解説 交通事故の加害者は弁護士に相談すべき?その理由について解説

サマリー

交通事故の加害者になったら、被害者への対応などやるべきことがたくさんあります。

今回は、交通事故の加害者側になったとき、弁護士に相談すべき理由について解説します。

弁護士が教える交通事故の加害者の義務                               

ここでは、交通事故の加害者の義務について解説します。
交通事故を起こしたとき、事故現場で必ずやらなければならないことは下記のとおりです。

被害者など、負傷した人の救護

人身事故を起こして被害者が負傷したら、救護を最優先で行いましょう。安全な場所に移動し、応急手当をして救急車を呼びます。

道路交通法では、車両等の運転者に対し、負傷者を救護することを義務づけています。これに違反して被害者を放置すると5年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます(道路交通法117条1項)。加害者の運転が原因で被害者が死傷した場合は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます(同2項)。

警察への連絡

事故を起こしたら、警察へ連絡をしましょう。事故を警察に届けることは運転者の義務で、届け出を怠ると報告義務違反となり3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処されます(道路交通法119条1項17号)。

また、警察への連絡を怠ると、交通事故証明書が発行されず、警察官による実行見分調書も作成されません。その場合、事故当時の状況を客観的に証明できず、後の損害賠償請求において適切な過失割合の判断ができないため、不利益を被るおそれがあります。

大きな事故ではない、被害者が怪我をしていない場合でも警察へ必ず報告しましょう。

車両を安全な場所に移動するなど、二次災害などの危険防止措置

一つの交通事故が原因で別の事故を引き起こす二次災害を防ぐことも重要です。車を危険な場所に停車させていないか確認をし、交通に危険を及ぼしている場合は速やかに車を安全な場所に移動しましょう。

加害者がとるべき措置の詳細については、下記関連記事をご参照ください。

弁護士が教える交通事故の加害者がとるべき事故後の対応

ここでは、交通事故の加害者がとるべき事故後の対応について解説します。

保険会社へ連絡をする

事故を起こした直後にすべきことが完了したら、加入している保険会社へ連絡をしましょう。下記に挙げた事項などを保険会社へ報告します。

  • 事故が発生した日時と場所
  • 契約者・被保険者の氏名、住所、連絡先
  • 事故が発生した原因
  • 警察への連絡の有無
  • 被害者、加害者の車両の損傷と怪我の状態
  • 病院名

任意保険に加入しているなら、任意保険会社が規約に基づいて補償をし、被害者との示談交渉を行います。

加入している保険が自賠責保険のみの場合は、賠償できる範囲が小さくなります。被害者の損害賠償額が自賠責保険の限度額を超えた場合は、その超えた分を、加害者自身が負担しなければならない可能性が極めて高いです。

被害者にお見舞いをする

被害者との示談交渉は、保険会社に任せることがほとんどです。だからといってすべてを保険会社に任せて何もしないのはよくありません。

事故から数日たったら被害者にお見舞いをして誠実な態度で謝罪をしましょう。きちんと謝罪をしなければ被害者の心証が悪くなり、その後の示談交渉がうまくいかなくなる可能性があります。

ただし、被害者が会いたくないと言っているのに無理に会おうとするのは逆効果です。被害者の意向を優先した行動をとりましょう。

なお、加害者が被害者と直接接触することでトラブルが発生するリスクを避けるために、保険会社から被害者に対する直接の連絡や謝罪を控えるよう指導されることがあります。このような場合、保険会社の担当者に同行してもらい、謝罪やお見舞いを行う方法も検討しましょう。

被害者と示談交渉をする

示談とは、民事上の紛争を裁判外で当事者同士が話し合い、双方合意のもと解決する方法です。通常は加害者側が加入している任意保険会社が交渉の窓口となります。

示談交渉のスタートは、死亡事故、人身事故、物損事故でタイミングが違います。

死亡事故

事故発生時に損害が確定しているので、損害額の算定が済めばいつでも示談交渉がスタートできます。ただし、被害者側は相続人が損害賠償の主体となるので、相続人が確定してから交渉します。

人身事故

人身事故の場合は、被害者の怪我が治癒または病状固定後に示談交渉をスタートします。

物損事故

損害額が確定すれば、示談交渉がスタートできます。

交通事故の加害者が弁護士に相談すべき理由|加害者が問われうる責任

ここでは、交通事故の加害者が問われる責任について解説します。

交通事故の加害者は、刑事上、民事上、行政法上の責任を負います。これらは別々に責任を問われます。

交通事故の加害者が負う刑事上の責任

刑事上の責任とは、国が事故の加害者に対して捜査をして刑罰を科し、それを加害者が受けることです。

例えば、車の運転中に注意を怠り、人を死傷させると過失運転致死傷罪に問われる可能性があります。飲酒運転など悪質性が高い場合は、さらに重い刑の危険運転致死傷罪に問われることがあります。

交通事故の加害者が負う民事上の責任

民事上の責任とは、事故の被害者に与えた損害に対して負う賠償責任です。

加害者が任意保険に加入している場合は、任意保険会社が被害者と示談交渉をして、慰謝料や治療費などの損害賠償金を支払います。

交通事故の加害者が負う行政上の責任

行政上の責任とは、事故を起こした人が公安委員会より減点や運転免許の取り消しや免許の停止などの処分を受けることです。日本では、交通ルールに違反したり人身事故を起こしたりすると、一定の点数が加算される点数制度が採用されています。

過去3年間で累積点数が一定を越えると、一定期間の免許停止や免許取り消し処分になります。点数は、交通違反の種類によって付けられる基礎点数と、人を死傷させたり建造物を壊したりした場合につく付加点数があります。

交通事故の加害者が弁護士に相談するメリットとは?

ここでは、交通事故の加害者が弁護士に相談するメリットについて解説します。

交通事故の加害者として逮捕されたら、弁護士のみが面会可能

交通事故の加害者となり警察に逮捕されたら、当初面会ができるのは弁護士のみです。家族でさえも面会は認められない期間があるので、逮捕された人へ伝えたいことがある場合は弁護士を通じてしなければいけません。

弁護士がいなければ外部の誰とも連絡がとれないため不安は増すばかりです。弁護士を通して家族と言葉のやり取りができるのは、精神的に大きな支えになるはずです

取り調べを受けるときの対応方法のアドバイスが得られる

交通事故の加害者として刑事上の責任を問われたら、警察や検察の取り調べを避けられません。警察の取り調べに慣れている人はほとんどいないでしょう。

取り調べをもとに作成される供述調書は、サインをするとあとから覆せません。事実と異なる内容の供述調書を作成されないためにも弁護士から取り調べに関するアドバイスを事前に受けて、慎重に臨みましょう

被害者への対応など、適切なアドバイスが得られる

加害者が任意保険に加入している場合、被害者との示談交渉は、通常、保険会社が代行します。

加害者が任意保険に加入していなければ、加害者本人が被害者と直接交渉しなければなりません。このような場合も、弁護士に相談すれば、被害者への対応方法や示談交渉の進め方について適切なアドバイスが得られるでしょう。

弁護士に依頼すれば、被害者との示談交渉も任せられます。被害者は、事故に遭った衝撃や怒りの気持ちでいっぱいです。そうした状態だと相場よりもかなり高い金額で損害賠償金を請求する可能性があります。

弁護士であれば、被害者が提示してきた金額が適正かどうか判断をして、被害者感情に配慮した適切な示談交渉ができます

まとめ

交通事故の加害者になった場合、任意保険に加入していれば、通常は、任意保険会社が被害者との示談交渉を代行します。

任意保険に加入していなければ、加害者本人が交渉の主体となります。被害者とのやり取りに不安がある場合は、迷わずに弁護士に相談・依頼しましょう。

弁護士費用が気になって弁護士に相談することをためらう人もいるかもしれませんが、被害者側とスムーズに示談交渉を進める上で、弁護士の力を借りることは有益です。

コラム監修者

JUNICHI TASHIRO

JUNICHI TASHIRO

所属:福岡オフィス 支店長

福岡県北九州市出身。小倉高校、岡山大学法学部、神戸大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所福岡オフィス所長として、依頼者にとって何が大事かを第一に考え、スピード感をもって解決することを信条とし、どこの事務所よりもネクスパート法律事務所に依頼したいと思ってもらえるよう日夜奮闘中。

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