サマリー
「裸で抱き合っている写真を証拠として掴まれた!」
不倫相手との間に性交渉が全くない場合でも、性的類似行為を理由に不貞慰謝料を請求されるケースは珍しくありません。
この記事では、性的類似行為の慰謝料相場や減額のための具体的な戦略を解説します。
ぜひ参考にしてください。
性的類似行為だけでも不貞慰謝料の支払い義務が生じるのか?
性的類似行為だけでも不貞慰謝料の支払い義務が生じる可能性があります。
不貞行為とは、配偶者のある者が、配偶者以外の者と自由な意思に基づいて肉体関係を持つことです。
肉体関係は、単なる性交渉に限定されず、性交に準ずる行為(性的類似行為)も含むと考えられます。
性交渉がなくても、配偶者以外の者と肉体的に密着する行為は、夫婦の信頼関係を著しく裏切り、被害者に多大な精神的苦痛を与えます。
性的類似行為も、夫婦の平穏な共同生活を侵害する不法行為に該当することから、慰謝料の支払い義務が生じる可能性が高いです。
例えば、過去の裁判例では、性交渉の有無が明らかでなくても、ホテルに宿泊して裸で抱き合う行為や、キス、愛撫などが長時間にわたり行われたケースで、夫婦としての共同生活の維持が困難になるほどの行為と認定され、慰謝料の支払いが命じられています。
「性交渉はないから大丈夫だろう。」と安易に考えるのはおすすめしません。
性的類似行為と判断されるのはどのような行為か?
性的類似行為と判断される行為には、次のようなものが挙げられます。
- 裸で抱き合う行為
- 性的なマッサージ
- お互いの身体を舐め合う行為(口淫など)
- 性的な部位に触れ合う行為(手淫など)
これらの行為は、性交渉がなくとも夫婦間の信頼関係を著しく裏切るものであり、性交渉と同視し得る行為です。
不貞慰謝料を請求する側がこれらに該当する行為の証拠を持っている場合には、慰謝料請求される可能性が高いでしょう。
性的類似行為の不貞慰謝料相場はどの程度か?

性的類似行為のみの場合、性交渉があったケースに比べると慰謝料は低くなる傾向にあります。
しかし、これはあくまで目安であり、個別の状況によって変動します。
慰謝料額を左右する主な要素は下表のとおりです。

増額要素に当てはまる項目が多い場合には、相場よりも高い慰謝料を支払わなければならない可能性もあるでしょう。
性的類似行為で不貞慰謝料が認められた裁判例
原告が、被告に対し、性交渉を伴わない不貞行為を行ったとして、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案です(東京地裁平成25年5月14日判決)。
裁判では、原告の夫Aは、糖尿病のため性的不能であり、Aと被告との間に性交はありませんでしたが、下着姿で抱き合い身体を触ったり、愛撫したりするなどの行為があったことが認められています。
裁判所は、これらの行為について、原告の婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害するものとして、不法行為を構成するというべきと示しました。
性的類似行為の不貞慰謝料請求は弁護士に依頼し減額交渉すべき
性交渉がない場合でも、性的類似行為によって不貞慰謝料を請求されるリスクはあります。
慰謝料を請求された場合には、弁護士に依頼し、減額を目指すことがおすすめです。
以下、弁護士に依頼すべき具体的な理由を解説します。
適正な慰謝料額を見極められるから
適正な慰謝料額を見極められるからです。
相手方から提示された慰謝料額が、法的に妥当な金額であるとは限りません。
特に、性交渉がない性的類似行為の場合、性交渉がある場合よりも慰謝料が低くなる可能性があります。
しかし、相手方は感情的になり、相場を大きく上回る慰謝料を請求してくるケースも少なくありません。
弁護士は、過去の判例やあなたのケースの具体的な状況(婚姻期間、行為の態様、夫婦関係の状況など)を踏まえ、適正な慰謝料額を算定し、法外な請求に対して冷静に反論できます。
減額できる可能性のある要素を最大限に活用できるから
減額できる可能性のある要素を最大限に活用できるからです。
慰謝料を減額できる可能性のある要素は多岐にわたります。
性交渉がないことはもちろん、以下のような要素も重要な交渉材料となります。
- 交際以前から夫婦関係が冷え切っていたこと
- 交際期間が短く、性的類似行為の回数も少なかったこと など
これらの減額要素は、ご自身で交渉しても相手方が耳を傾けてくれないことがほとんどです。
弁護士は、これらの要素を法的な根拠に基づいた説得力のある形で整理し、相手方に提示することで、減額交渉を有利に進めます。
感情的な対立を避け冷静に交渉を進められるから
感情的な対立を避け冷静に交渉を進められるからです。
当事者間での直接交渉は、感情的対立が激しくなる傾向にあり、示談交渉自体が難航しやすいです。
特に、裸で抱き合っている写真があるケースなど、性的類似行為を示す決定的な証拠がある場合、相手方は感情的になり、あなたの主張に耳を傾けてくれない可能性が高いでしょう。
弁護士は、あなたの代理人として相手方との交渉窓口となり、冷静かつ論理的な交渉を行います。
感情的な対立を避け、法的な議論に焦点を当てることで、円滑な解決を目指すことができます。
これにより、精神的な負担からも解放されます。
まとめ
性交渉がなくても、性的類似行為がある場合には、慰謝料の支払い義務が生じる可能性が高いです。
「性交渉がないから大丈夫。」と安易に考えていると、高額な慰謝料を請求されるリスクがあるでしょう。
性的類似行為を理由に慰謝料請求された方は、一度弁護士にご相談ください。
慰謝料の減額交渉は、法的な知識と専門的な交渉力必要不可欠です。
弁護士に依頼することで、適正な慰謝料額を算定し、減額できる可能性のある要素を最大限に活用し、慰謝料の減額を目指せます。
ネクスパート法律事務所では、不貞問題に強い弁護士が多数在籍しています。
初回の相談は30分無料ですので、お気軽にご相談ください。
コラム監修者
SHIZU ISHIDA
所属:東京オフィス
広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。