家族が逮捕されたらどうなる?今後の流れ・弁護士に相談するべき理由を解説

ご家族や友人が逮捕されたら「今後どうなるのか?」「自分に何かできないか?」と、戸惑ってしまう方が多いと思います。しかし、どうしていいか分からず悩んでいる間にも、あなたの大切な人は身体を拘束され、刑事手続は進んでしまいます。
逮捕されたからと言って、必ず犯罪者となるわけではありません。まずは落ち着くことが重要です。
逮捕されてしまったご家族のために、今何をするべきなのでしょうか。
この記事では、主に以下の点をお伝えします。
- 家族が逮捕されたら起こりうるデメリット
- 家族が逮捕されたらやるべきこと
- 弁護士に相談するべき理由
目次
家族が逮捕されたら起こりうるデメリット
今後予想される逮捕された場合のリスクは主に以下3点です。
- 最大で23日間身柄を拘束されてしまう
- 有罪判決が下されれば前科がついてしまう
- 職場や学校など、周囲に知られる恐れがある
最大で23日間身柄を拘束されてしまう
ご家族が逮捕された場合、身柄拘束の期間を長引かせないことが重要です。
逮捕後、最大で23日間ご家族の方の身柄が拘束されてしまいます。身柄拘束をする目的は、捜査の期間中に逃亡や証拠隠滅のリスクを防ぐためです。
この場合、弁護士は検察官や裁判官に身柄拘束の必要性がないことを主張したり、被害者との示談交渉を成立させたりすることで、ご家族の早期釈放を目指します。
有罪判決が下されれば前科がついてしまう
冒頭でお伝えしたように、逮捕されたらただちに犯罪者になるわけではありません。
無罪推定の原則により、捜査の対象になっている人(被疑者)や刑事裁判を受ける人(被告人)は、刑事裁判で有罪判決を下されるまでは、無罪(罪を犯していない)と判断されます。
前科がつくのは、刑事裁判で有罪判決が下されたときです。
ただし日本では、起訴されると99.9%有罪になると言われています。前科がつくのを防ぐためには、不起訴を得ることが重要です。
前科がつくデメリットにつきましては、関連記事で詳しく解説しています。
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職場や学校など、周囲に知られる恐れがある
家族を逮捕した旨を、警察が会社や職場に伝えることはありません。
逮捕されたことが周囲の方に知られてしまうきっかけには、次のようなものがあります。
- 実名報道されてしまった
- 職場や学校が捜査の対象になった
- 長期間無断欠勤の理由を説明する際に知られてしまった
実名報道されてしまった
逮捕されれば必ず実名報道されるわけではありません。
逮捕された方の社会的地位が高い場合、重大な犯罪(殺人、放火、特殊詐欺)である場合等社会的関心が大きな事件の場合は実名報道される傾向があります。
職場や学校が捜査の対象になった
事件が職場や学校で起きた場合は、職場や学校が捜査の対象になります。これをきっかけに、事件があったことや逮捕されたことが周囲の方に知られてしまうことがあります。
長期間無断欠勤の理由を説明する際に知られてしまった
長期間の無断欠勤が続くと、職場から電話かがかかってくることがあります。欠勤の理由を説明する際に、逮捕されたことがバレてしまうパターンです。
本当のことを言わずに別の理由を伝えることもできるかもしれませんが、長期間嘘をつき続けるのは精神的に苦痛なものです。
逮捕された家族はどうなる?逮捕後の流れについて
逮捕後は、以下のような流れで事件が進んでいきます。詳しく確認していきましょう。
- 警察による取り調べ|48時間以内
- 検察官へ送致・勾留請求|24時間以内
- 勾留|原則10日間、最大20日間
- 起訴・不起訴の判断
- 起訴後勾留|約2カ月
- 刑事裁判
警察による取り調べ|48時間以内
警察による取り調べが行われます。
取り調べでの供述内容は供述調書に録取され、被疑者が署名・押印をした供述調書は刑事裁判で証拠として使用されます。
そのため、嘘の自白や実際よりも重い犯罪をしたかのような供述は避けるべきです。事実と異なるような供述調書が作成されたら、署名・押印を拒否するべきです。
逮捕から勾留決定が出るまでの間、弁護士以外の方は面会できません。実際以上に不利な供述をしないように、弁護士に接見の依頼をしましょう。
検察官へ送致・勾留請求|24時間以内
事件の送致を受けた検察官は、釈放するか、勾留請求をするか、送致から24時間以内に判断します。
検察官から勾留請求を受けた場合、裁判所は、勾留の理由や必要性があるかどうかを検討し、勾留の可否を決定します。
勾留|原則10日間、最大20日間
勾留決定がなされた場合、勾留請求があった日から原則10日間、身体を拘束されます。さらに捜査が必要であると判断された場合に、検察官から勾留期間の延長請求がなされます。勾留延長の決定がでた場合、最大で10日間勾留が延長されます。合計で最大20日間勾留されます。
起訴・不起訴の判断
捜査の結果、検察官は被疑者を起訴するかどうか判断します。性犯罪の場合は、被害者の被害感情が重視されます。
被害者との示談が成立し、被害者の宥恕を得る、または被害届を取り下げてもらえた場合は、不起訴処分になることが多いです。
日本では起訴後の有罪率が99.9%と言われています。前科を避けるためには、被害者と示談交渉をして、不起訴を目指すことが重要です。
不起訴を得られれば被疑者の身柄が解放されます。前科もつきません。
起訴後勾留|2カ月
起訴された場合、被疑者という立場から被告人という立場に変わります。
起訴された後も、手続をすることなく勾留が継続します。起訴後勾留における身柄拘束の期間は原則として2ヶ月と長期です。さらに、その後1か月ごとに更新されます。
拘束期間が非常に長期ですので、保釈請求をして身柄解放を目指すことが重要です。
刑事裁判
冤罪の場合は無罪を、犯罪を行ったことが事実である場合は執行猶予や罰金刑を目指すことになります。
懲役刑の実刑判決が下された場合は、刑務所に収監されます。
ご家族が逮捕されたら弁護士に相談するべき理由
逮捕されたご家族の釈放や前科回避などを目指すには、弁護士に刑事弁護の依頼をする必要があります。
ここでは、ご家族が逮捕された場合に弁護士に依頼するべき理由をお伝えします。
- 取り調べへの受け答え方法を助言してもらえる
- 早期釈放や前科回避を目指せる
- 被害者と示談交渉ができる
取り調べへの受け答え方法を助言してもらえる
取り調べでの供述を元に作成される供述調書は裁判で証拠として使用されるとお伝えしました。弁護士は接見をする際に、被疑者に対して取り調べへの対応方法を助言します。
さらに、逮捕された方の言い分を確認したり、どんな様子でいるか伺ったりすることも可能です。ご家族の方に伝えたいことや差し入れがある場合は、面談時にお伝えください。
早期釈放や前科回避を目指せる
弁護士は、検察官や裁判官に、身柄拘束の必要性がないことを主張したり、被害者と示談交渉をしたりします。
検察官による勾留請求や、裁判官の勾留決定を阻止できれば、在宅事件(身柄拘束を伴わない捜査のこと)扱いになり釈放を得られることがあります。
上でお伝えしたように、起訴されると99%以上は有罪判決になります。弁護士は起訴されるまでの間に被害者と示談交渉をします。痴漢や盗撮のような性犯罪では被害者感情が重視されます。被害届の取り下げや被害者の許しを得られれば、ご家族にとって有利な情状になります。
被害者と示談交渉ができる
基本的に、加害者側の方が直接被害者と示談交渉をするのは現実的ではありません。
そもそも警察は加害者側の方に連絡先を教えてくれませんし、被害者の気持ちに配慮しながら話し合いを進めるのは簡単ではありません。
刑事事件で被害者との示談交渉をする際は、客観的な第三者として弁護士に交渉の依頼をするのが一般的です。
刑事事件の解決実績がある弁護士であれば、被害者感情に配慮しながら、ゆるしを得られるような交渉ができます。
まとめ
この記事では、家族が逮捕された場合に起こりうるデメリットや逮捕後の流れをお伝えした上で、弁護士に相談するべき理由をご説明してきました。
不起訴処分であれば前科は付きませんし、多くの場合、職場復帰も可能です。学校を辞める必要もありません。
不起訴処分を獲得するには、早急な行動が重要です。どのタイミングでも構いません。手遅れになる前にまずは弁護士にご相談ください。
刑事事件はスピードが最も重要です。
まずはご相談ください。あなたの人生を守るために、最大限の力を尽くします。
