解決結果のサマリー
※プライバシー保護のため、事例の内容は特定できないよう一部変更し、金額は概数で記載しています。
※解決結果は個別の事案の内容に基づくものであり、同種の結果を保証するものではありません。
事例の概要
ご依頼者のAさんは、40代の男性です。仕事を通じて知り合った既婚女性Bさんと関係を持ち、それがBさんの夫Cさんに知られました。Cさんは慰謝料300万円を求めていましたが、Cさん本人がAさんと直接やり取りするのではなく、Bさんが「対応役」として間に入り、CさんのメッセージをAさんに伝えるという状況でした。Aさんは、示談の内容と金額を書いた書面がほしいと言われ、相手方と直接関わることをできる限り避けたいと考えてご相談に至りました。相手方に弁護士は付いていません。当事務所は受任後、相手方との窓口となって協議し、100万円・一括で合意。合意書は当事務所が起案し、不貞の事実の確認と謝罪、慰謝料の一括払い、相互の接触禁止に加えて、AさんとBさんの間に仕事上の接点が続くことを踏まえて業務上必要な場合を除く接触禁止とし、互いに相手方に関する情報を削除する条項も置いて、相手方本人に署名してもらう形で締結しました。担当は北條さやか弁護士です。
口頭で求められた300万円に対し、合意額は100万円(3分の1)。受任から締結まで数か月で、Aさんが相手方と直接やり取りする場面は、受任後はありませんでした。
ご相談時の課題
表面上の課題
- 相手方から口頭で300万円を求められていた
- 相手方本人ではなく、不倫相手のBさんが間に入ってメッセージを伝える形になっていた
- 示談の内容と金額を書いた書面がほしいと言われていた
- Aさんは、相手方と直接関わることをできる限り避けたかった
本当の課題は3つ
- 交渉の相手を誰にするか——請求者はCさんですが、実際に話をしているのはBさんという状況は、伝言のずれや感情的なもつれを生みます。窓口を代理人に移し、相手方本人との協議に整理し直す必要がありました
- 弁護士のいない相手方との合意書——相手方に代理人がいない場合、合意書は当方で起案し、本人に理解してもらったうえで署名してもらう必要があります。条項の設計と締結の段取りが重要でした
- 仕事上の接点が続く前提の条項——AさんとBさんは、今後も仕事上の接点が続く関係でした。一律の接触禁止は現実に守れないため、業務上の例外を明確にした条項が必要でした
Aさんはご相談時に「示談内容と示談金額が書いてある証書がほしいと伝えられました」「なるべく早く関わりたくないです」と話されていました。
ご依頼中のやりとり——Aさんはどうサービスを使ったか
- 相手方から書面を求められた段階でWebフォームから相談し、依頼
弁護士の対応
(1) 窓口を代理人に移し、相手方本人との協議に整理する
受任後、当事務所は相手方に受任を通知し、以後の連絡は当事務所宛にするよう求めました。不倫相手が間に入って伝言する形は、この時点で終わっています。以後は当事務所と相手方本人との間で協議を進めました。
(2) 金額を協議する
当事務所は相手方と協議を重ね、相手方ご夫婦の状況や関係の経緯を踏まえて、100万円・一括で合意しました。Aさんがご相談時に妥当と考えていた水準の範囲に収まる結果です。
(3) 合意書を当方で起案し、仕事上の接点を踏まえて整える
相手方に代理人がいないため、合意書は当事務所が起案しました。最初の案では慰謝料と相互の接触禁止、清算条項を中心に置き、協議を経て、不貞の事実の確認と謝罪の条項、Bさんに関するメッセージ・写真などの情報をAさんが削除し、相手方もAさんに関する情報を削除する相互の情報削除条項、そしてBさんとの接触禁止に「業務上最低限などの正当な理由のある場合を除き」という例外を加えました。今後も仕事上の接点が続くAさんとBさんの関係で、一律の接触禁止は現実に守れず、かえって違反の争いを生むためです。
(4) 本人に署名してもらい締結
最終案が固まった段階で、相手方本人の振込先を記入した合意書を作成し、相手方本人が署名押印、当方が記名押印して締結しました。Aさんは期限内に一括で振り込み、終結しています。
ご依頼中のやりとり——Aさんはどうサービスを使ったか
- 受任後、相手方・不倫相手からの連絡はすべて事務所へ
- 相手方ご夫婦の状況や関係の経緯を整理して共有し、協議の土台に
- 合意書の案が改訂されるたびに条項(接触禁止の例外・情報削除)の説明を受けて判断
解決結果
ご依頼前、Aさんは相手方から口頭で300万円を求められ、不倫相手が間に入る不安定なやり取りの中で、書面を求められている状態でした。
解決時には、金額は300万円から100万円へ。合意書は当方で起案し、不貞の事実の確認と謝罪、慰謝料100万円の一括払い、相互の接触禁止、Bさんとの接触禁止(業務上必要な場合を除く)、互いに相手方に関する情報を削除する条項、清算条項を置いて、相手方本人が署名して締結しました。Aさんは期限内に相手方の口座へ振り込み、終結しています。受任後、相手方やBさんがAさんに直接連絡する場面はなくなりました。
担当弁護士からのコメント(北條さやか弁護士)
請求者本人ではなく不倫相手が間に入って伝言する、というご相談があります。伝言はずれや感情的なもつれを生みやすく、まず窓口を代理人に移して相手方本人との協議に整理し直すことが出発点です。本件では、相手方に弁護士が付いていなかったため、合意書を当方で起案し、仕事上の接点が続く前提で接触禁止に業務上の例外を置きました。守れない条項を入れれば、後の違反の争いの種になります。現実に守れる条項に整えることが、本当の意味での解決です。
この事例に関するよくある質問
Q1. 不倫相手が間に入って、その夫の要求を伝えてきます。どう対応すればよいですか?
伝言の形はずれや感情的なもつれを生みやすいため、代理人を立てて相手方本人との協議に整理し直すことをお勧めします。本事例でも、受任通知の後は当事務所と相手方本人との間で協議を進め、口頭で求められた300万円が100万円での合意となりました。
Q2. 相手方に弁護士が付いていません。合意書は誰が作りますか?
当事務所が起案し、内容を相手方本人に理解してもらったうえで署名してもらう形で締結します。本事例では、案を改訂しながら条項を整え、相手方本人が署名押印して締結しました。
Q3. 不倫相手と仕事上の接点が続きます。接触禁止条項は守れますか?
一律の接触禁止は現実に守れず、かえって違反の争いを生みます。本事例では、業務上最低限などの正当な理由のある場合を除く形で接触禁止を置きました。守れる条項に整えることが大切です。
Q4. 合意書に「情報を削除する」条項を入れることはできますか?
できます。本事例では、依頼者が不倫相手に関するメッセージや写真などを削除し、相手方も依頼者に関する情報を削除する相互の条項を置きました。互いに相手の情報を持ち続けないことで、今後の紛争を防ぐ趣旨です。