解決結果のサマリー
※プライバシー保護のため、事例の内容は特定できないよう一部変更し、金額は概数で記載しています。
※解決結果は個別の事案の内容に基づくものであり、同種の結果を保証するものではありません。
事例の概要
ご依頼者のAさんは、女性です。2年ほど前に既婚男性Bさんと数か月の関係があり、その後は連絡も途絶えていました。ところが、Bさんの妻Cさん本人から、慰謝料200万円を求める内容証明が届きました。通知には、期限内に支払わなければ訴訟を提起し、増額や弁護士費用も請求するとの記載がありました。相手方に弁護士は付いていません。当事務所は受任後、相手方本人に受任を通知して以後の連絡を当事務所宛に一本化し、ご夫婦の状況を照会したうえで協議。一括での支払いが難しいAさんの事情を踏まえ、100万円・月々の分割で合意しました。相手方に代理人がいないため、合意書は当事務所が起案し、公正証書は作らずに、期限の利益喪失・住所変更の通知・違約金の条項で履行を担保する形に整え、相手方本人に署名・返送してもらって締結しています。担当は北條さやか弁護士です。
請求200万円に対し、合意額は100万円(半額)。支払いは初回に少額を置き、以後は月々一定額の分割で1年ほど。受任から締結まで数か月。Aさんが相手方本人と直接やり取りする場面は、受任後はありませんでした。
ご相談時の課題
表面上の課題
- 相手方本人の名前で、200万円の内容証明が届いた
- 関係は2年ほど前に数か月で終わっており、その後の連絡もなかった
- 一括では支払えず、分割と減額を希望していた
- 相手方に弁護士が付いておらず、本人と直接向き合わなければならない状態だった
本当の課題は3つ
- 時間が経った請求の位置づけ——関係が終わってから2年ほど経過した後の請求でも、不法行為に基づく慰謝料の請求は、法律上の期間内であれば可能です。時間の経過そのものを盾にはできない一方、関係の期間や回数、その後の状況を踏まえた水準の整理が必要でした
- 弁護士のいない相手方との合意書——相手方に代理人がいない場合、合意書は当方で起案し、本人に理解してもらったうえで署名してもらう必要があります。分割払いであればなおさら、履行を担保する条項の設計が重要になります
- 公正証書を作るかどうか——分割払いの合意では、相手方から公正証書の作成を求められることがあります。公正証書は費用と手間がかかる一方、作らない場合には、合意書の条項で履行の担保を代替する設計が必要です
Aさんはご相談時に「一括で払えないので分割希望と減額を希望しています」と話されていました。
ご依頼中のやりとり——Aさんはどうサービスを使ったか
- 内容証明が届いた後、Webフォームから相談し、依頼
弁護士の対応
(1) 相手方本人との窓口になり、ご夫婦の状況を照会する
受任後、当事務所は相手方本人に受任を通知し、以後の連絡は当事務所宛にするよう求めるとともに、ご夫婦の状況を教えてほしいと照会しました。相手方に代理人がいない場合でも、慰謝料の水準を左右する事実の確認から始める手順は変わりません。
(2) 分割を前提に、金額を協議する
当事務所は相手方本人と協議を重ね、関係の期間や回数、その後の状況を踏まえて、100万円・分割で合意しました。Aさんが月々確実に払える額を確認したうえで、初回に少額を置き、以後は月々一定額とする分割の形を当方から示しています。
(3) 公正証書を作らず、条項で履行を担保する
相手方に代理人がいないため、合意書は当事務所が起案しました。分割払いの合意では、相手方から公正証書の作成を求められることがありますが、本件では公正証書を作らず、代わりに、支払いを1回でも怠った場合に残額を一括で支払う期限の利益喪失条項と遅延損害金、支払い完了までの住所変更の通知義務、接触禁止に違反した場合の違約金を置くことで、相手方が履行の担保として受け入れられる設計にしました。Bさんとの接触禁止はAさんの片務、相互の接触禁止は双方の義務として整理しています。
(4) 本人に署名・返送してもらい締結
最終案が固まった段階で、当事務所は合意書2通と返信用の封筒を相手方本人に送り、必要事項を記入・押印して返送してもらう形で締結しました。送付から返送まで数日で完了し、Aさんは合意した月々の分割を履行しています。
ご依頼中のやりとり——Aさんはどうサービスを使ったか
- 受任後、相手方からの連絡はすべて事務所へ
- 月々払える額を率直に共有し、分割条件の土台に
- 合意書の条項(期限の利益喪失・住所変更の通知・違約金)の意味について説明を受けて判断
解決結果
ご依頼前、Aさんは2年前の関係についての200万円の内容証明を前に、一括では払えない状況で、相手方本人と直接向き合うことに不安を抱えていました。
解決時には、金額は200万円から100万円へ。支払いは初回に少額を置き、以後は月々一定額の分割で1年ほどとし、無理のない範囲で履行できる形にまとまりました。合意書には、慰謝料の分割払い、支払いが滞った場合に残額を一括で支払う期限の利益喪失条項と遅延損害金、支払い完了までの住所変更の通知、Bさんとの接触禁止と相互の接触禁止、違約金、清算条項が置かれ、公正証書は作成していません。受任後、相手方本人がAさんに直接連絡する場面はなくなりました。
- 締結後は月々の分割を継続し、完了後に清算条項で終結
担当弁護士からのコメント(北條さやか弁護士)
相手方に弁護士が付いていない場合、合意書は当方で起案し、本人に理解してもらったうえで署名してもらう必要があります。分割払いであれば、相手方は履行の担保を求めるのが通常で、公正証書の作成を求められることもあります。本件では公正証書を作らず、期限の利益喪失や住所変更の通知、違約金の条項で担保する形に整え、本人に署名・返送してもらいました。時間が経った請求でも、法律上の期間内であれば請求は可能です。まずは、水準の整理と支払い方法の設計からご相談ください。
この事例に関するよくある質問
Q1. 2年前に終わった関係について、今になって慰謝料を請求されました。払う必要がありますか?
不法行為に基づく慰謝料の請求は、法律上の期間内であれば可能で、時間の経過そのものを理由に拒むことは原則としてできません。ただし、金額は関係の期間や回数、その後の状況を踏まえて整理できます。本事例では、200万円の請求が100万円・分割での合意となりました。
Q2. 相手方本人から内容証明が届きました。弁護士が付いていない相手とはどう進めますか?
当事務所が相手方本人との窓口になり、書面や連絡で協議を進めます。合意書も当方で起案し、本人に理解してもらったうえで署名・返送してもらう形で締結します。本事例では、合意書2通と返信用の封筒を送り、数日で返送がありました。
Q3. 分割払いにすると、公正証書を作らなければなりませんか?
必ずではありません。相手方が履行の担保を求める場合、公正証書の代わりに、期限の利益喪失条項や住所変更の通知義務、違約金などを合意書に置くことで対応できることがあります。本事例では公正証書を作らず、これらの条項で整えました。
Q4. 相手に弁護士が付いていない方が、有利ですか?
一概には言えません。本人相手の交渉は感情的になりやすく、合意書の内容や締結の段取りを当方で丁寧に行う必要があります。本事例でも、条項の設計と締結の段取りに重点を置いて進めました。